法学部
法学部各類

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第1類~3類までまとめて説明

目次

    基本情報

    人数

    第1類150名、第2類100名、第3類30名

    ジェンダーバランス

    女性はおよそ2割程度(第2類がやや女子率が高い)

    要求/要望科目

    無いが、2Sセメスターから法学部専門科目(ほぼ必修)が開講されるので注意

    就活or院進

    就職:院進:勉強 = 6:3:1
    (参考)2019年進路状況調査-法学部

    公式サイト

    公式サイトはこちら

    学科概要

    ■どんな学部?

    法学部は、第1類(法学総合コース)、第2類(法律プロフェッション・コース)、第3類(政治コース)の3つの類が置かれており、学生はその希望に応じて、いずれかの類に所属することになる。(さらに、転類届により転類も容易。各類の説明は本項末尾に記載。)

    授業内容は基礎法学、実定法、政治学、経済学などに4分され、類ごとに必修や選択必修は異なる。しかし、履修の仕方によって、どの類にいても内容上かなり似た学習が可能となる。必修の差異はあるとはいえ、「類」はあくまで履修のモデルを示すにとどまる。
    法学部では、条文の解釈や実務上の問題、学説の対立、判例研究等を行い、法学の基本的なものの見方、考え方を身に着ける。

     

    ■法学部の諸制度

    卒業までに必要な単位は80単位。そのうち10単位までは、他学科の授業を含めることができる。卒論はないが、場合により論文を書く機会もある。各セメスターごとに履修上限(キャップ制)が設けられている。具体的には、2年次の駒場で開講される法学部専門科目については、その全体について34単位を超えて履修の届出はできない。また、3年次以降については各セメスターにつき 24 単位となる。

    早期卒業(3年生の終わりで卒業)を予定する場合は、早期卒業予定者の申請・届出を行い、早期卒業予定者の認定を受けることで、このキャップが緩和され、3 年次以降の各セメスターにつき 24 単位という上限が 30 単位まで認められる。

     

    ■内実は?

    資格向けの勉強と、試験向けの勉強に精を出す学生が多い。前者は、予備試験&司法試験や国家一種(公務員試験)に向けたものとなる。特に予備試験&司法試験を考えている学生は1,2年生より勉強に励み、一方で国家一種も教養区分(3年秋)に向けて3年夏前から勉強を始める学生が多い。試験についても、シケプリが数百枚に及び、授業にキャッチアップするだけで苦労するのが一般的。シケタイ制度も充実しており、大教室の授業では担当者が置かれるのが原則。
    学部内にも優秀な学生は多いが、そもそも優秀層は「脱法」(文一から法学部以外に進学すること)していることも多い。また、底点も低いので、一定数、勉強で苦労している人もいる。

     

    法学部のシケタイ

     法学部のシケプリは、教員の発言の書き起こしである。分量が多い場合は、1回の授業当たり20ページ、3万字を超えることも多々。授業は全部で26回あるから…(涙目)
     1授業につき、書き起こし担当と校閲担当がつくので、1科目につき多くて13×2×2=52名のシケタイが割り振られる。割り振りや進捗管理は、シケ長やシケ長が任命した科目責任者によって行われる。
     

    類の概要

     <第1類(法学総合コース)>
    特定の進路に重点を置かず、広く法学を学びたい人向けのコース。卒業生の進路は官僚から民間、研究職まで多様となる。旧公法コース(2類)の流れをくむ。外国語科目※4単位の履修が必須。
    ※何らかの形で外国語を用いた授業であり、語学の授業では無い。対象科目は都度、学部が指定する。


     <第2類(法律プロフェッション・コース)>
    法曹(弁護士・検察官・裁判官など)や法律専門職(民間企業の法務など)を目指すコース。法科大学院(ロースクール)に進む学生も多い。旧私法コース(1類)の流れをくむ。


     <第3類(政治コース)>
    他の類に比べて人数が少なく、30名程度。政治学を中心に学ぶ。指導教官のもとで論文を書くリサーチペイパーが必修となっている。


    卒業までの流れ

    2年生Aセメスター


     ■法学部は2Sセメスターから

    2Sセメスターの法学部専門科目

    科目 コマ数 開講期間
    憲法 1コマ 通年
    民法第一部 1コマ 通年
    刑法第一部 1コマ 通年
    法社会学 2コマ Sセメ

     
    ・憲民刑は必修(第3類のみ憲民)。「法社会学」(4単位)は任意。
    ・以上、合わせて計4科目、5コマ/週を履修する学生が大半。「法社会学」の履修は任意だが、他に取りやすい科目がないので履修することが推奨される。
    ・これらの科目の成績が出るのは2Aなので、進振りには一切関係しない。
    ・推薦生は早期履修として1年生に履修することも。
    ・講義教室は駒場900番教室。

    ・2S中に授業が終わる「法社会学」も含め、試験はすべて2月に一括して行われるので注意。(2019年度は2/3~2/6の4日間。)

     

    他科類からの進学・「脱法」を考えている方へ

    これらの科目を2Sから履修登録しておくべきか、という問題があるが、それについては一定の解決がなされている。すなわち、必修科目についてはAセメで追加登録できるし、最終的に法学部に進まない場合には、一定の条件のもと削除が認められる場合もある。
    詳しくは、Sセメスターから開講する法学部2年次専門科目の取扱いについてをご覧ください。

     


     ■2Sの延長線の2Aセメスター

    科目 コマ数 開講期間
    憲法 2コマ 通年
    民法第一部 1コマ 通年
    刑法第一部 1コマ 通年
    政治学 2コマ Aセメ

     
    ・必修は2Sから続く「憲法」(6単位)、「民法第一部」と「刑法第一部」(各4単位)に追加で「政治学」(4単位)の4科目。 (「刑法第一部」は、第3類では必修ではない。)
    ・選択必修または選択科目として、「日本近代法史」(2単位)、「国際法第一部」「国際政治」「ヨーロッパ政治史」「経済学基礎」「統計学Ⅰ・Ⅱ」(経済学部と合同)(各4単位)が開講される。
    ・必修+「経済学基礎」+1科目の組み合わせで履修することが多い。そうすると週10コマ程度になる。
    ・「経済学基礎」は選択必修(経済)を埋めることができる。(「統計学Ⅰ・Ⅱ」でも埋めることは可能。)(「法社会学」同様、本郷開講の科目だとこれらのカテゴリーで取りやすそうなのが少ない。)
    ・講義教室は駒場900番教室。「統計学Ⅰ・Ⅱ」は経済学部に合わせて駒場13号館。

    ・類(コース)分けが行われる。
    ・顔写真とともに志望する類を記載した専用の紙を駒場の教務課に提出して完了。

    約20~30単位分の試験が2月初週にまとめてやってくる。うち6単位を占める憲法は、法学部生が苦労する科目。12月くらいから試験勉強に取り組み始めるとよい。年が変わったら本格的に試験勉強開始だ。



    3年生Sセメスター


     ■本郷生活とゼミがスタート

    ・1セメスター分はゼミ(「演習」(1コマ2単位))に入る必要があり、3S~4Aで4度のチャンスがある。ゼミ試は志望理由書&該当する科目の成績で選考が行われる。底割れのゼミもあり、人気なゼミは倍率3倍ほどか。
    ・ゼミ以外の必修科目については、以下のようになっている。いずれもSセメの間のみでの開講。

    第1類
    民法第2部(2コマ4単位)
    第2類
    民法第2部・行政法第1部・商法第1部(各2コマ4単位)
    民法基礎演習(1コマ2単位)
    第3類
    (リサーチペイパー(論文を書く授業)と演習のみ )
     


     ■進路ごとに異なる生活

    この時期にある予備試験は、その準備を1,2年生から始めていないと、合格は厳しい。
    ・ロースクール(法科大学院)進学時は高いGPA※が必要なので、遅くとも3年次が始まる頃には進学を意識しておくのが望ましい。

     

    ※法学部の成績評価
    評語 点数 GPA
    優上 90-100 4.3
    80-89 4.0
    70-79 3.0
    60-69 2.0
    不可 0-59 0

    ※このGPAは学部内で使用される参考値である。細かいGPA数値の計算は、各ロースクールが設定する要件に従うこと。


    ・「欠席」(撤退)はできなくなり、一律「不可」になった。…GPAへの影響が考えられる。

    ・官僚志望だと、この時期から勉強を始める学生が多い。3Aには国家の教養区分の試験がある。
    ・民間志望だとインターン選考や自己分析に勤しむ。



    3年生Aセメスター


     ■自由度の高い3A

    ・1セメスター分はゼミにいる必要があり、3S~4Aで4度のチャンスがある。ゼミ試は志望理由書&該当する科目の成績で選考が行われる。
    ・ゼミ・リサーチペイパー以外の必修科目については、以下のようになっている。

    第1・3類
    演習・リサーチペイパー以外は無し
    第2類
    民法第3部・民事訴訟法第1部・刑事訴訟法(計3科目6コマ12単位)

    ・卒業単位のうち68単位分を取りきることを目標にする学生が多い。(12単位は4年生で必ず履修する必要がある。)

    ・司法試験組は司法試験や院試に向けて勉学に励む。

    国家一種の教養区分の試験が10月に行われる。

     
     


     ■12単位取るだけの4年生



    4年生Sセメスター

    ・1セメスター分はゼミにいる必要があり、3S~4Aで4度のチャンスがある。ゼミ試は志望理由書&該当する科目の成績で選考が行われる。
    ・4年での必修は、取り残しが無ければなし。ただし、4年のSAセメスター合計で12単位取得しなければ卒業できない決まりがある。

    ・民間就職する学生は、6月入る頃には内定を得ていることが多い。
    ・官僚志望だと、6月以降官庁訪問が始まる。



    4年生Aセメスター

    ・1セメスター分はゼミにいる必要があり、3S~4Aで4度のチャンスがある。ゼミ試は志望理由書&該当する科目の成績で選考が行われる。

    ・卒業チャレンジに勤しむ学生も多い。必修は追試が存在する。

    入る前の想像と実際

    ・思った通りきつい。法律の勉強は量・質の両面で負担が重たい。授業をきちんと聞いていないと、法学部ではやっていけない。
    ・砂漠(=コミュニティができづらい)と言われているが、学部内でゼミや勉強会も自発的に行われるので、努力次第で知り合い・コミュニティは広がる。でも砂漠は砂漠。本当に砂漠。
    ・就活との両立は大変で、専念したいなら他の学部学科に行くべき。授業で地頭を鍛える訓練にはなるかも(笑)。
    ・六法を暗記して条文を呪文のように唱えることをイメージしているなら、そのイメージはちょっと捨てた方がいいかも。”覚えてしまう”条文はあるが、基本的にはその条文の仕組みであったり、背景や解釈を論理的に考察する。

    選んだ理由/迷った学科

    弁護士になろうと思っていたうえ、それ以外の選択肢に切り替えるのも容易だと思ったから。法曹・官僚・民間と様々な進路を取る学生もいるので。文一だから、殆ど迷わなかった。(文一⇒法)

    コミュニティとしての機能

    ・学部Slackは無い。学部LINEはある。本質情報を積極的に流してくれる方が数人いる。ここ数年、変な情報を流すと退会させられる風潮もある。
    ・ゼミで合宿やレジャーに行くところもあり、ゼミでも上下コンや同期コンはあるが、多少仲良くなった程度というところもあり、ゼミごとの温度差は大きい。

    授業スタイル

    ■授業風景

    ・民法基礎演習(第2類は必修)とゼミ(演習)は少人数制。これらは受講態度(意欲態度)が成績にかかわる。
    ・少人数授業は出席も加味されるが、それ以外、ほとんどの授業では出席なんて取らない。(というか取れない)
    ・大人数(100名以上の規模)の授業は、基本的に一方向的。

     

    ■成績評価

    ・講義は基本試験一発勝負
    ・試験はボールペン又は万年筆。(下書き用に鉛筆類、消しゴムの持込可)修正液使用不可。記入を間違えた場合は二重線を引く。
    ・なお勘違いされやすいが、条文自体を暗記する必要はなく、ポケット六法の持ち込みは許可されている。書き込んでの持ち込みは不可、少しでも書き込みがあると不正行為になるので注意すること。

    研究室・資料

    特別な制度・その他

    ・早期卒業:大学に3年以上在学したものが、卒業要件として当該大学の定める単位を優秀な成績で修得したと認める場合に、その卒業を認めることができる制度。法科大学院や法学政治学研究科総合法政専攻や公共政策大学院、あるいは海外院など「高等教育機関」に進みそこで学修を続けようとする人が、1年間ないし半年間、学部在籍期間を短縮するための制度。一定の成績と申請が必要だが、その詳細はこちらを参照されたい。


    ・法曹コース:2019年以降の入学者を対象に大学法学部に設置される特別コース。
    自大学または他大学の法科大学院と連携して、「大学法学部3年間(早期卒業)」と「法科大学院既修者コース2年間」の計5年間の一貫的な教育課程により、法曹になるまでの時間的・経済的負担が軽減される。その詳細はこちらを参照されたい。


    ・成績優秀者表彰制度がある。実定法系科目あるいは政治系科目で一定条件を満たすと、その学問領域が「主領域」と認定され、主領域でさらに成績の条件を満たすと、「主領域最優秀」「主領域優秀」と認められる。主領域以外(副領域)で一定の成績条件を満たすと「副領域最優秀」「副領域優秀」が認定される。主領域でも副領域でも最優秀と認定されると「卓越」と認定され、表彰される。ロースクールに進学する際など、アピールポイントになる。

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