【科類紹介】科類・進学選択の基礎知識

「東大って進振りでどの学部でも好きなところにいけるんでしょ?」
「なんとなく、特にやりたいことも決まってないから文三がいいかな」
「合格最低点が一番低いから理二にしよう」

このようなことを思っている方は、実は結構多いのではないでしょうか? しかし、「学部は入学後に進振りで選べるし、科類は合格最低点で決めよう」という考えでは、思わぬ落とし穴にはまる可能性があるのです…
この記事では、進振りの実情や各科類の知られざる内情をお伝えします。皆さんもこの記事を読んで「後悔のない科類選択」を行いましょう!

各科類の概要

以下が、各科類の大まかな説明です。既に知っているよ!という方は読み飛ばしていただいてもかまいません。

文科一類 「法と政治を中心にして社会科学全般の基礎を学び、関連する人文科学と自然科学の諸分野に渡って理解を深め、人間と社会について広い見識を養う」 →法・政治に重点を置いてカリキュラムを組む。法学部に進学する学生が多い。

文科二類「経済を中心にして社会科学全般の基礎を学び、関連する人文科学と自然科学の諸分野に渡って理解を深め、人間と組織について広い見識を養う」 →経済に重点を置いてカリキュラムを組む。経済学部に進学する学生が多い。

文科三類 「言語、思想、歴史を中心にして人文科学全般の基礎を学び、関連する社会科学と自然科学の諸分野に渡って理解を深め、人間と文化的・社会的営為について広い見識を養う」 →語学・哲学・歴史などに重点を置いてカリキュラムを組む。文学部・教育学部に進学する学生が多い。

理科一類 「数学・物理学・化学を中心にして数理科学・物質科学・生命科学の基礎を学び、自然法則に関する探究心を養い、科学や技術と社会の関わりについても理解を深める」 →数学・物理学に重点を置いてカリキュラムを組む。工学部・理学部に進学する学生が多い。

理科二類「生物学・化学・物理学を中心にして生命科学・物質科学・数理科学の基礎を学び、自然法則に関する探究心を養い、化学や技術と社会の関わりについても理解を深める」 →生物学・物理学に重点を置いてカリキュラムを組む。農学部・薬学部・工学部に進学する学生が多い。

理科三類「生物学・化学・物理学を中心にして生命科学・物質科学・数理科学の基礎を学び、自然法則に関する探究心を養い、化学や技術と社会の関わりについても理解を深める」 →生物学・物理学に重点を置いてカリキュラムを組む。医学部医学科に進学する学生がほとんど。
 

※なお、どこの科類にも記載していない教養学部には、全学部から進学する学生がいます(割合としては文三が多めです)!

「進振り」の基礎知識

「東大は進振りがあるから、入学後に好きな学部に進学できる」 これは半分正解で半分間違いです。その理由を説明するために、まずは「進振り」がどのようなシステムなのかを簡単に説明します。

「進振り」(=進学選択)の概要
「進振り」とは、一言で言えば「一定以上の成績があれば志望した学部に進学できる制度」です。
  進振りでは、学部()ごとに定員が存在します。志望者数が定員オーバーなら、成績の良さで進振りの合否が決まります。このときの、合格者最低点のことを「底点」(ていてん・そこてん)と呼んでいます。例えば、定員200名の法学部に300人の学生が志望した場合、成績が200位の学生までが法学部に内定します。この200位の学生の成績(点数)が75点なら、底点は75点です。
人気の学部は底点がかなり高いので、「行きたい学部に進学できなかった...」ということも往々にしてあるのです。だから東大生は、例年の底点と今の自分の成績を比較して、その学部に行けるかどうかを判断しています。
(*)正確には「学部」ではなく「進学単位」です。進振りでは多くの場合、学部よりも細かい「学科」等の単位で進学先を選択します。例えば、工学部の中でも計数工学科を指定して志望することが出来ます。

では、この「成績」はどのように決まるのでしょうか? 進振りに使われる成績は、1Sセメスターから2Sセメスターで履修した科目の成績で決まります。履修した科目の成績から「基本平均点」や「指定平均点」を算出し、これが進振りの際に参照されます。(「基本平均点」「指定平均点」の計算方法は少し複雑なので、この記事では省略します。もし知りたい方は、東大生向けの記事クイズ★進振りケース CASE04 基本平均点の基礎 https://note.com/ut_base/n/n5e3fc7443fb4 をご覧ください。) つまり、希望する学部に進学するためには、入学後もそれなりに勉強する必要があるということです。「大学では遊ぼうと思っていたのに、思ったよりも勉強が大変だった...」という声をよく耳にします。。。

「進振り」が行われる時期
「進振り」が行われる、つまり進学する学部が決まるのは2年生の夏休みです。そして、2Aセメスター(2年後期)からは進学先の学部での専門科目の授業が始まります。
「東大は3年次から学部に進学し専門的な事項を学ぶ」と一般的に言われますが、実質的には2年生の後半から学部の内容に入っていくのです。(法学部・文学部・教育学部は2Sセメスターから授業が始まります。)

以上で「科類」と「進振り」についての基本説明は終わりです! 次の記事では「文科一類〜三類」と「理科一類〜三類」にわけて、それぞれの科類の特徴を解説していきます。科類をまだ迷っている人も、もう科類を決めている人も、読んでみると意外な発見があるかも...?

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