初めに、進振りとは「一定以上の成績があれば希望する学部に進学できる制度」だとご説明しました。進振りにおいては、その学部・学科の志望者のうち、成績が良い人から先にその学部・学科への内定が決まります。そのため、学部・学科の中には、競争が激しく進学に高得点が必要な学科がいくつか存在します。また、各学部・学科への進学のしやすさは、科類によって異なります。ここでは、各学部の概要と、その学部への進学のしやすさについて概説します。
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《凡例》
学部名
その学部に属する学科
解説
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法学部
第1類(法学政治学全般)・第2類(法学メイン)・第3類(政治学メイン)
文科一類であれば、基本的に単位を揃えれば進学可能です。それ以外の科類からは、75~80点程度の成績が必要です。
経済学部
経済学科、経営学科、金融学科
文科二類であれば、70〜75点程度で進学可能です。理系から進学してくる人も一定程度います。 また、経済学部には、文科三類からの進学者数を制限する「文三規制」と呼ばれる仕組み(トラップ)があります。端的に説明すると、文科三類から経済学部に進学できる学生に上限が設けられているということです。(※詳しい内容はクイズ★進振りケースCASE27 https://note.com/ut_base/n/n3407745756fd をご覧ください)
文学部
哲学、中国思想文化学、インド哲学仏教学、倫理学、宗教学宗教史学、美術芸術学、イスラム学、日本史学、東洋史学、西洋史学、考古学、美術史学、言語学、日本文学、中国文学、インド文学、英米文学、ドイツ文学、フランス文学、スラヴ文学、南欧文学、現代文芸論、西洋古典学、心理学、社会心理学、社会学
文科三類から進学する人が多いです。社会心理学、社会学は人気が高くなっています。それ以外の学科は定員割れを起こしているところもあります。
教育学部
基礎教育(教育哲学)比較教育社会学、教育実践・政策学、身体教育学、教育心理学
文科三類から進学する人が多いです。特別に進学が難しい学科はありません。比較教育社会学コースの人気が年々上がっています。理科二類から教育心理学に進学する学生も一定数います。
後期教養学部
文理両方から学生が集まります。 総合社会科学分科は、文系学部の中では最難関とも言われています。どの科類から進学するにも80点以上の点数が必須であり、特に文科三類からの進学が難しいです。また、理科類の枠はすごく少なくなっているため、総合社会科学分科への文転を考えている人は要注意です。 また、統合自然科学科の認知行動科学コースも進学に80点以上が必要になります。
工学部
システム創成A(環境・エネルギー)、システム創成B(システムデザイン・マネジメント)、システム創成C(知能社会システム)、化学システム工学、化学生命工学、建築、機械工学A,B、物理工学、社会基盤A,B,C、航空宇宙工学、計数工学、都市工学、電子情報工学・電気電子工学、マテリアル工学、応用化学、精密工学
理科一類からは比較的進学しやすいですが、理科二類から進学するには理科一類よりもかなり高い点数が必要であることが多いです。 システム創成C・航空宇宙工学科・計数工学科・機械工学科・社会基盤学科・電子情報工学科・電気電子工学科は人気が高く、進学に必要な点数も高くなっています。
また、航空宇宙工学科・応用化学科・化学生命工学科には、文科生は進学することができません。一方、建築学科や都市工学科などに理転する文科生もちらほらいます。
理学部
天文学、情報科学、物理学、生物学、生物情報科学、化学、地球惑星物理、地球惑星環境学、数学、生物化学
近年急激に高まっているIT分野への期待を受け、情報科学に関する学科(情報科学・生物情報科学)は底点が上昇する傾向にあります。
薬学部
薬学、薬科学
→理科二類から進学する学生が多いです。底点は概ね80点前後と高めですが、理科一類からの底点が3~4点ほど低いです。
農学部
理科二類から進学する学生が多いです。また、他の学部に比べて相対的に進学がしやすい学部です。文科二類から農業資源経済学に進学する学生も一定数います。 また、生物素材化学科には文科生は進学できません。
医学部
医学、健康総合科学
医学科に理科三類以外の学生が進学するのは至難の業です。90点以上の点数が必要になります。(「理三以外から医学部に進学するよりも、理三に入り直す方が容易」とまで言われます)強いて言えば、理科一類よりも理科二類の方が医学科には進学しやすいです。
一方、健康総合科学科はどの科類からも進学しやすく、文科生が進学することもあります。
以上で、学部別の進学選択解説は終わりです!そして、世界一詳しい(?)科類紹介もこれで終了です!
みなさんが後悔のない科類選択ができることを祈っています。