この記事は、2021年3月23日開催、「合格者に聞く!東大生×国家総合職のリアル」のイベントレポートです。国家総合職試験の勉強法や区分の選び方など、東大生の疑問に合格者が丁寧にお答えします!
登壇者(学年は2021年3月時点)
T.D さん
法学部第一類4年 法律区分→財務省
M.M さん
法学部第一類4年 政治国際区分→外務省
I.R さん
経済学部経営学科4年 教養区分→国交省内定、のち民間就職
Y.E さん
大学院農学生命科学研究科1年 化学・生物・薬学区分, 特許・農水・文科志望
S.K (司会)
教養学部総合社会科学分科相関社会学コース3年 教養区分, 厚労省志望
国家総合職の制度概要
他の国家公務員との違い
国家公務員は「総合職」と「一般職」の大きく2つの種類に分けられます。
総合職は、中央官庁の幹部候補として政策の企画立案に携わります。中長期的な視野に立ち、企画を考えることが中心的な業務になります。
一方一般職は、中央省庁で総合職とともに法令業務を行なったり、出先期間で施策を実行したりします。企画を実行することが中心的な業務になります。
具体的な職務内容
国家総合職の職務内容は「政策の企画立案等の高度の知識、技術または経験等を必要とする業務に従事する」ことだとと定義されています。これだけ聞いても「???」と感じてしまうかもしれません。
よりわかりやすく言うと、「10年後、100年後の日本の姿を考える」「将来を見据え、全体を視野に入れた施策を考える」のが国家総合職の役目です。与えられたことをこなすのではなく、中長期的なビジョンを持って、将来的な理想の日本の姿を描きます。そして、現実とのギャップを分析し、その差を埋めるような具体的な政策を考えます。
給与・待遇・昇進
《給与について》
地方公務員や一般国家公務員と比べると高いです。
厳格な俸給制を持ち、年次や役職によって給与が決まります。
《昇進について》
総合職の昇進は、一般職と比べると段違いに早いです。
入省3-5年で係長となり、部下を持つことになります。入省10年程度で、課長補佐として企画立案の中核を担うことになり、40代で課長級になり、管理職になります。
また、2年に1度のペースで部署の移動があり、さまざまな部署で経験を積むことができるのが特徴です。
国家総合職に就くまでの流れ
大まかな流れは「国家総合職の試験に合格→官庁訪問→各府省で採用」です。
4~6月に春試験→6~7月に官庁訪問→内定、というプロセスを経るのが一般的です。
《試験について》
試験には大卒試験と院卒試験の2種類があります。それぞれで「法律区分」「教養区分」などの区分があるので、自分が最も得意とする区分の試験を受けます。4~6月に実施される「春試験」と9~11月に実施される「秋試験」がありますが、受験できる時期は区分によって異なります。
《区分一覧》
大卒程度試験
(春試験)政治・国際 法律 経済 人間科学 工学 数理科学・物理・地球科学 化学・生物・薬学 農業科学・水産 農業農村工学 森林・自然環境
(秋試験)教養
院卒者試験
(春試験)行政 人間科学 工学 数理科学・物理・地球科学 化学・生物・薬学 農業科学・水産 農業農村工学 森林・自然環境
(秋試験)法務
《試験の詳細》
・春試験
官庁訪問直前の4~6月に実施。専門区分と呼ばれ、各分野の専門知識が必要になる試験です。
試験は一次試験と二次試験の2段階選抜になっています。
一次試験では、国語・算数などの基礎能力を問う問題や、自らの区分の専門知識についての選択問題が出題されます。二次試験では、専門に関する論述や政策についての論述問題が出題されます。また、その論述についての面接も課されます。
・秋試験
前年度の9~11月に実施。専門知識が不要な、プレゼン及び議論の力を問われる試験です。
秋試験も2段階選抜になっています。一次試験では国語や算数に関する基礎能力を問う問題と、専門知識なしでもかける論述問題が出題されます。二次試験では、企画提案のプレゼン、政策課題についてのグループディスカッション、面接を行います。
春試験と秋試験は併用可能です。前年度の秋試験で合格すれば春試験を受ける必要はありません。また、秋試験を受けなかったり、秋試験で不合格になったりしても、春試験で合格すれば官庁訪問に進むことができます。
内定者によるパネルディスカッション
国家総合職を目指し始めた理由は?
T:理由は大きく3つあります。1つ目は、社会保障に関心があったことです。家族が入院したり、祖父が認知症になったりした経験があったからです。2つ目は、社会のために働くところに魅力を感じたことです。3つ目は、社会問題を他人任せにしたくなかったことです。現在、メディアでは日本社会の問題点について取り沙汰されています。しかし、自分は批判する側ではなく、批判されたとしてもそれに実際に取り組んでいきたいと思っています。
M:私は外交政策に携わりたいという思いがありました。国と国との関係に自分が主体的に関わろうと思うと、民間企業では代替できないと思います。「この地域で関わりたい!」という強いこだわりがあったわけではなく、外交の中で具体的にどの分野に携わるかはまだ決まっていないので、専門職ではなく、さまざまな分野を経験できる総合職を志望しました。
(※外務省には「総合職」の他に「専門職」がある、専門職は、入省後1つの地域または分野に特化して業務を行う。一方、総合職はさまざまな地域・分野にまたがって仕事を行う。)
I:自分は高3の時に『官僚たちの夏』という本を読んだのがきっかけでした。頑張っても報われない人が意外と世の中に多いなと思っていて、その人たちが報われる世の中を作る仕事がしたいと思い、官僚を志望していました。
Y:きっかけは親が国家公務員になってほしいと言ったことや、姉が国家総合職の試験を受けていたことです。学部3年生の時に就活をしていたのですが、その時から意識し始めました。国家公務員の仕事は、国民みんなに関わる問題に取り組むことだと思っています。今の社会に不満があるなら、自分で取り組みたい、自分で変えたいと思って国家公務員を志望しました。民間企業もたくさん見たのですが、民間企業は競争が激しいイメージがあって。私は競争が好きではなく、どちらかをいうとみんなを生かしたいと考えているので、国家公務員は自分の性に合っていると思います。
志望官庁の決め方
T(財務省):元々は、社会保障に関心があったので厚生労働省を志望していました。しかし、自分は社会保障に取り組むにあたり、自分の視野が狭いのではないかと思い始めました。財務省では、業務の中でさまざまな分野に関わることができるので、そこで見識を深めたいと思い、財務省に決めました。
M(外務省):ずっと外交に携わりたいと思っていたので、外務省志望は早くから決めていました。外務省の他には防衛省も考えていました。防衛省は安全保障や貿易など、外務省とにた業務も行っているからです。でも、私の中では外務省に行きたいという思いが強くあったので、あまり他の省庁とは迷いませんでした。
I(民間):経産省・財務省・国交省を考えていました。『官僚たちの夏』に書いてあったのは通産省のことだったので、ほぼ経産省しか考えていなかったです。経産省に決めた理由は、先ほども少しお話ししましたが、個人や地域などさまざまなレイヤーで頑張っている人たちが正当に報われる世の中を作りたいと思ったからです。財務省はあまりやりたいことを考えていなくて、とりあえず官庁訪問で行ってみた、という感じです。国交省については、コロナ禍になって移動の重要性を実感し、移動の価値観が変わってくると思いました。そこに携わることができたら面白いかな、と感じて志望し始めた、という感じです。
その一方で、私は最終的に民間を選択しました。官庁訪問をへて、その3つの省庁から内定をいただいたのですが、そこで初めて「本当に経産省でいいのかな?」という思いが芽生え始めました。「日本の産業の問題点は何か」「日本の通商政策をどうするか」など、主語が大きい事柄は自分には合わないなと感じたからです。自分が何をやっているのかよくわからなくなったり、自分の仕事が誰にリーチしているのかわからなかったりして。私の場合はもっと主語が小さい事柄の方が達成感ややりがいを感じられる性格なので、散々悩んだ挙句経産省ではなく国交省を選択しました。しかし、これから数十年間日本の国交に携わることをイメージした時に、それは自分がワクワクする仕事ではないなと感じました。せっかく生まれてきたからには、世界で勝負したいと思っていましたし、ビジネスの世界で自分が出した結果を具体的な数値で追ってみたいと思ったので、結局総合商社に就職することを決めました。
試験対策の流れは?
《春試験の場合》
M:試験勉強を行なっていたのは5ヶ月間です。(※2020年度は新型コロナウイルスの影響で、春試験が7月に延期された。)私は法学部だったのですが、法学部の試験はかなり気合を入れて勉強しないと単位を取ることができません。そのため、年末や年明けくらいは大学の試験対策に時間をとられてしまいます。
私は教養区分の試験に落ちて、政治国際区分を受験しました。一方、Aセメスターの学部の試験勉強ではほとんど法律について問われるので、年末〜試験終了までは全く国家総合職の試験対策ができないという状況でした。本格的に試験勉強を開始できたのは2月です。政治国際区分は、法学・政治学を学んだ学生が受ける春試験の区分の中では、法律区分などに比べると負担が少ないと言われています。私は複数の先輩から、政治国際区分の二次試験の対策は、一次試験が終わった後でも間に合うと聞いていました。5ヶ月あれば、部活が忙しい人でもなんとかなるのではないかと思います。また、政治国際区分を受ける友達数人と記述試験の対策を行っていました。
あくまでも、2月に試験勉強を開始して間に合ったのは、試験が7月に行われた2020年に固有な事例です。例年はもっと前に試験対策を開始しておくべきだと思います。
T:僕は試験の前年度の8月に法律区分の試験対策を行っていました。年末から2月初旬まで法学部の試験対策を行わなければいけないことや、2月以降は部活の春大会のシーズンであまり勉強の時間を取れないと思っていたためです。
8月から年内は専門知識の選択問題の対策をしていて、2月からは論述をやっていました。4月からは専門知識の選択問題の対策に注力しました。
Y:実は私も、学部時代は教養区分の試験を受けていました。教養区分の対策は7月くらいから始めました。7月〜9月でTOEICの対策と国家公務員試験対策、民間就活を並行してやっていました。
教養区分は第二段階で落とされてしまったので、次の年の春に行われる化学・生物・薬学区分を受験することを決めました。私の学科は試験が多かったので、1月末までは試験に専念しました。そのあとは国家公務員試験の対策と民間就活を並行し、4月からは国家公務員試験一本に絞りました。のべ3ヶ月間程度の勉強時間だったと思います。5月半ばに第一段階の合否が出たので、その後に第二段階の対策を行いました。第二段階の勉強時間は1ヶ月程度でしたが、学部時代の専修の試験内容が国家公務員試験の内容と重複していたので、なんとか合格することはできました。
《秋試験の場合》
I:僕は7月の頭に試験対策を開始しました。サークルの部長をやっていたのと、民間企業の就活をやっていてあまりまとまった時間は取れなかったので、隙間時間を見つけて勉強していました。試験で出題されるパズルのような問題を1日5問、英語と国語の長文問題を少しずつこなしていきました。そして、まとまった勉強時間が取れる時に理科社会分野の選択問題をやっていました。
S:教養区分の一次試験は9月に行われるので、7月頭から始めるとかなりフルコミットで勉強を行わないといけなくなります。板倉さんはかなり要領よく勉強をこなされていたのだと思います。5月〜6月から少しずつ始めるのがおすすめです。
内定者懇親会
Basic
公務員に求められるスキルや資質はありますか?
M:公務員は研修がしっかりしているので、入省時点で必要なスキルは特にないと思います。入省後どれだけ勉強するかが鍵になってくると思います。資質については、小さな組織のために働くというよりは、国民や国のために働くというマインドセットを持つ人が向いているかなと思います。
I:民間と公務、どちらに進むのが正解、とは言えないと思います。その取った選択肢を正解にできればどこでもやっていけると思います。漠然とした言い方になりますが、公務員という選択を自分にとっての正解にできる人が向いているのではないかと思います。
公務員=給料が低い・激務と言われがちですが、どう感じていますか?
M:生やさしい職業ではないのは確かです。ある程度覚悟を持った上で選ぶ職場のなのかなと思います。厚労省についてよく聞くと思うのですが、厚労省だけではなく他の省庁でも労働環境は同じなのかなと思います。私は外務省にインターンに行ったのですが、その際に職員の方が「厚労省は働き方改革って言っているけど、ウチも厚労省と似たような環境なんだよね。」とおっしゃっていました。しかし、働き方は部署と分野によるそうなので、一概には言えないと思います。
民間企業と比較した際の、公務員のメリット・デメリットを教えてください。
I:あくまで僕の性格から見たときのメリット・デメリットをお話しします。国家公務員の仕事は、電車のレールを引くことだと思っています。具体的に言うと、どう言ったところに着手しなければいけないのか、どういうふうに民間企業に働きかけていけばいいか、どうしたら国民の暮らしがより良い方向に進むのかを考えるということです。そして、その引かれたレールの上をいかに速く・効率よく走るかを考えるのが民間企業の仕事だと思います。レールを敷きたいと思っている人にとっては国家公務員の仕事は魅力的だと思いますが、そのレールの上をいかにパワフルに走るかを考えたい人にとっては、逆にそれはデメリットになります。自分の性格と照らし合わせて何がメリット・デメリットになるかを考えると良いと思います。
なぜその試験区分を選択したのですか?
M(政治・国際区分):自分が興味を持って勉強できそうだと思ったからです。また、他の活動との兼ね合いも考えて選びました。私の場合だと、法学部の試験や部活が忙しかったので、かなり限られた時間で対策を行わなければなりませんでした。そこで、法律区分よりも政治・国際区分は勉強の負担が軽いと言われていたことや、法律の勉強に苦手意識を持っていたことを考慮してこの区分を受験することを決めました。
I(教養区分):早めに合格してしまったほうが気が楽だからです。僕は民間企業も真剣に就職先として考えていたので、3月からエントリーシートを出したり、OB訪問にたくさん行ったりしないといけないと思っていました。その時期がものすごく忙しくなることを考えると、早めに合格しておくのに越したことはないなと思いました。
入省して何を成し遂げたいですか?
M:私は日本人でよかった、日本に住んでよかったと思える社会を実現したいと思っています。国際社会で日本は恥ずかしい思いをしないような政策を行いたいと思います。たとえば第二次世界大戦が終わって数十年経っていますが、いまだにそれに関する問題は未解決のまま終わっています。国の政策は後々の社会に大きな影響を与えていくので、そこで恥じない歴史を刻んでいきたいと思います。
I:僕は民間企業を選びましたが、いまだに官僚は魅力的な仕事だと思っています。ただ、キャリアを選ぶ際には色々な観点を考慮しなければなりません。自分のやりたいことだけではなく、自分が外せない条件や将来どんな社会を作っていかなければいけないのかなども考慮して決めるべきです。それを考えた結果、官僚が本当に自分に合っているのかということについて、官僚以外の選択肢も見てから真剣に考えていただきたいです。
予備校は使いましたか?
I:僕は予備校に行かず、独学で勉強しました。予備校は基本的に日中あると思うのですが、日中はサークルや民間の就活で時間が取れませんでした。そのため、朝早くや深夜に自分で国家公務員試験の勉強を行っていました。
S:今年からはオンライン化が進んで、授業のオンデマンド配信も行われています。そのため、時間帯の問題は今は解消されているかもしれないですね。
M:私は予備校を使っていました。私の場合、教養区分・法律区分の併願コースの授業を申し込んだのですが、その後に政治・国際区分の受験を決めたという経緯があります。この場合、コースの授業をうまく活用できずお金がもったいないので、予備校に申し込む際には、受験区分を熟慮しておくべきだと思います。
Advanced
試験区分選択の理由
↑Basicと同じQ. 同じ回答者のため省略
各区分で良かったこと、悪かったこと
M(政治国際区分):
良かったことは、他の区分と比べて国際関係と政治学という限られた分野に集中しているので勉強しやすく、自分が興味があって選択した分野なので、勉強していて楽しかったです。終わった後に政治学と国際関係を一通り体系的に学べた点も良かった点です。
I(教養区分):
良かったことは、時期が早いことが圧倒的に良かったです。他の春区分の試験では、例年は官庁訪問の直前まで訪問の資格があるのかないのか分からない状態となり、それは結構精神的に負担だと思います。また、春の時期にかけての民間就活も行いやすいです。事前に試験の合格を持っているという精神的余裕と、民間就活のしやすさが良さです。
悪かったことは強いて言えば、春試験の核区分とは違って、勉強した結果として何か特定の学問分野の知識が得られる訳ではないということが挙げられます。
### 法学部以外はどの区分を選べば良いでしょうか。法律?教養?
I(経済学部→教養区分): 教養区分が多いと思います。あまり法学部以外から法律区分で合格したという話は聞きません。
M (法学部→政治国際): 私は法学部ですが、法律科目が肌に合わなかったため政治国際で受験しました。
S(教養学部→教養区分):教養学部の人は教養区分か政治国際の2択といった印象があります。
Y(農学部→化生薬): 私は学部の勉強内容と試験区分の内容が結構かぶっていたので、この区分に決めました。理系の過去問は市販されていないので、人事院に対して過去問の情報公開請求をする必要があります。私は情報公開請求で過去問を入手し、自分の学部の勉強内容と近いことを確認してこの区分に決めました。
民間企業との併願はしましたか?なぜ?スケジュール感は?
I: しました。国家公務員こそ、民間の企業を見る必要があると思ったためです。民間企業がどのようなものか分からずに政策を作るというのは恐ろしい話ですよね。また、人は他の選択肢があって初めて、本当に吟味した末の選択ができると思います。民間の内定を持っていたことで、初めて国家公務員で本当にいいのか?と自分の選択を相対化して捉えることができたと思います。
スケジュール感としては、秋に教養区分に合格していたので、春にかけては民間就活をがっつり行いました。
M:しました。内定がゼロの状態で官庁訪問に突っ込むことは恐ろしいプレッシャーになります。私の場合は春試験があったので、コスパがよく内定を取れる業界に絞って就活を行いました。
予備校は必要でしょうか?行くならどこが良いですか?(区分ごと)
Y: 予備校のコースが存在しないため、独学で行っていました。過去問を解いて、その箇所の答えを自分で調べてという感じですね。答えが提供されていない分、手探りで行なっていた印象です。
T: Z会の論述の添削講座を活用しました。メジャーなところだと伊藤塾やTACがありますが、そこで専門区分を受けようとすると50万円程度かかってしまいます。そのため私はインプットは市販の教材を使い自分でできる箇所は独学しました。その一方で論文はやはり人の目を通す必要があると考えたため、論文添削だけが提供されている講座を利用しました。周りでは結構予備校に通っている人も多かった印象です。
院進と迷っています。同期の内定者で院行った人はどれくらいいますか?
T: 財務省では例年では2-3人程度ですね。ただ今年は0人でした。
Y: 理系では結構多い印象です。
教養区分での採用が増えていますが、法律の知識は必要ないのですか?
S: 職員の方の話の受け売りですが、法学部やロースクールに行くと、法体系や法的な思考の仕方が学べるというメリットがあります。一方で、職場で実際に法令事務官が扱うのはその末端の具体的な法律であることが多いです。そのため、法律を学問として学んでいる時には全く登場しない法律を扱いその場で学んでいくため、法律区分以外でも心配は要りません。ただ、法律を学部や試験で勉強していると、一国全体の法体系はどうなっていて、自分が扱っている法はどこに位置付けれるのか、そのためその法律のどこをいじるとどうなるのかの大まかなイメージがつきやすくなります。
以上で「合格者に聞く!東大生×国家総合職のリアル」イベントレポートは終了です。今後も司法試験バージョンなど、さまざまな資格試験についてご紹介していきます。お楽しみに?