【TLP紹介】フランス語(文系)

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東大前期課程で開講されているTLP(トライリンガル・プログラム)、「ちょっと興味あるけど、TLPの情報が全くなくて決めかねている...」「TLPって具体的に何をするんだろう?」と思っている人は多いのではないでしょうか?
そこで、UT-BASEは知られざるTLPの全貌をまとめた記事を作成しました!記事に掲載されている情報は全てTLP履修生または修了生の経験談に基づいています。ぜひ、皆さんの後悔のない選択にお役立てください!
 
この記事は2021・2022年度の情報に基づいて作成しています。年度によって制度が一部変更される可能性がありますのでご注意ください。

目次

    履修までの流れ(2022年度の場合)

    3月第2週ごろ 合格手続き:TLP履修申請
    3月第3週ごろ TLP履修許可通知:インターネット上でUTokyo Accountが公開され、それと同時にTLP履修の可否が通知される。
    4月第1週ごろ TLP担当教員から履修すべき科目などについてメールで通知が来る
    4月第2週ごろ TLP科目開講
    4月第4週ごろ 履修登録(TLP科目でも履修登録が必要)

    クラスについて

    フランス語TLP(文系)の受講生は全部で20人程度存在する。フランス語では「TLPクラス」というものは存在しない。フランス語TLP生は、TLP生と非TLP生が混在する自分のクラスに所属しつつ、TLP生向けに開講されている授業のみTLP生と受けることになる。授業の受け方は、具体的には以下のようになっている。
    フランス語一列・二列【1S:週2コマ, 1A:週1コマ】…自分のクラスで受講
    フランス語初級/中級(演習)【週1コマ】…TLP生と受講
    フランス語初級/中級(インテンシブ)【週2コマ】…TLP生と受講

    TLP生の雰囲気

    週に3コマの授業をTLP生とともに受けることになるので、TLP生の間の仲は深まりやすく、クラスとはまた違ったコミュニティを持つことができる。授業外でも、週1回昼休みに学生同士あるいは教員とフランス語での交流を楽しむ「しゃべランチ」などを活用して積極的にフランス語での交流を行ったり語学試験を受けたりする学生も多い。学術系サークルやゼミに所属している学生も一定数おり、良い刺激を受けることができる。
    帰国子女や海外在住経験のある学生のほか、日常的に英語を使用するサークルなどで活動している学生もいる。

    授業・履修について

    履修するコマ・時間割

    TLP生が受講するフランス語の授業は以下の3種類存在する。
    ①(基礎科目・必修)フランス語一列・二列【1S:週2コマ,1A:週1コマ,2S:なし】…自分のクラスで受講
    ②(総合科目L系列・必修)フランス語初級(演習)/フランス語中級(演習)【週1コマ】…TLP生と受講
    ③(総合科目L系列)フランス語初級(インテンシブ)/フランス語中級(インテンシブ)【週2コマ】…TLP生と受講
    そのため、1年生のSセメスターは週5コマ、Aセメスターは週4コマ、2年生のSセメスターは週3コマフランス語の授業を受けることになる。
     
    フランス語初級及び中級に関しては、1年生=初級、2年生=中級を受講するように定められている。いわゆる「TLP科目」と呼ばれる②③の授業に関しては、文系用と理系用のコマが別々に開講されており、1SではTLPの担当教員からメールで履修するコマを指定された。②③の科目については自分で履修登録を行う必要がある。他の科目との兼ね合いから、文系が理系用のコマを履修したり、理系が文系用のコマを履修することも可能(別途教員に相談する必要あり)。
     

    TLP科目の内容・難易度

    上記③の科目については、フランス語ネイティブの教員が担当する。また②については、1年生のときは日本人教員、2年生のときはフランス語ネイティブ教員が担当する。このように、授業は日本語+フランス語、もしくは全てフランス語で行われる。クラスにもよるが、2年次は基本的に全てフランス語で実施する。
     
    授業は会話表現や日常生活で使用する単語の習得に重点を置いた内容。受講生同士がフランス語でペアワークないしグループワークを行い、その内容をクラス全体の前で発表するといった授業形態であることが多い。基本的には教科書のテキストや文法問題は予習を前提として進めている。また、宿題としては教科書の中の課題文に基づく練習問題や100字前後の作文があり、全体として読み書きと聞き取り、スピーキング能力をバランスよく高められる。
     

    成績・試験について

    TLP科目は優3割規定が適用されない(と言われている)ので、しっかり勉強すれば基本的に優・優上をとることができる。成績は出席+普段の宿題、小テストの成績+期末試験の成績で決定される。
     
    2022年度Aセメスターの場合、②フランス語初級(演習)では90-105分間での筆記試験を実施。内容は授業内で扱ったテーマについての文章作成問題だった。また、フランス語初級(インテンシブ)では学生同士がランダムにペアを組み、与えられたテーマに沿って教員の前で10分程度会話を行なう形の期末試験だった。
     

    勉強面の負担について

    授業内容がフランス語一列・二列の予習ないし復習としてリンクするので、文法面に関してはさほど負担にはならない。ただTLP教科書のテキストやリスニング問題は予習なしについていくことは少し困難であるため、最低でも週1-2時間程度の学習時間は必要。また、毎回の授業で必ず課題が出るため、それもコンスタントにこなしていく必要がある。それに加え、時々作文等の追加課題が出されることもある。とはいえTLP生のほとんどは課外活動にも積極的に参加しており、それに加えアルバイトもこなしている学生が多い。いずれにせよ、しっかり予習・復習すれば授業に追いつかないことはないと思われる。

    継続及び編入・修了について

    継続条件

    フランス語TLPでは、セメスターごとにTLPを継続できるか否かTLPフランス語運営チームに判断される。公式には、以下の要件を満たすことができなければ、TLPの継続履修は認められないとされている。また、受講登録の際にTLP科目を登録しないと、自動的にTLPの対象からは外されることになる。(※ただし、英語一列の成績がG1を満たしていなくても継続が認められたケースも複数存在し、継続要件がどのように機能しているのかはTLP生にもわかっていないのが現状である。)
     
    ・英語一列の成績が全履修者の上位10%以内(G1)、もしくはTOEFL iBT100以上・IELTS7.0以上
    ・フランス語の成績(必修科目+TLP科目)が全て優もしくは優上
     

    編入条件

    以下の2つの条件を満たすこと:
    1)前セメスターのフランス語一列・二列の成績がともに「優」以上であること。文科生はフランス語初級(演習)においても「優」以上であること
    2)前セメスターの英語一列1でG1の成績を収めていること、ないし IELTS で7.0 以上もしくはTOEFL iBTで100点以上のスコアを収めていること。
    このうえで、編入試験が行われ、合格すればTLPへの編入が認められる。編入試験の内容は2022年度の場合、ネイティブの教員との一対一の会話試験であり、1Aセメスターはオンラインで行われ、2Sセメスターは対面で行われた。
     

    継続する人・編入する人の割合

    2022年度では、1Sセメスター→1Aセメスターでは全体の1/4程度、1Aセメスター→2Sセメスターでは1/6程度の学生が入れ替わった。継続要件を満たすことができない人も一定数存在するが、TLP科目でL系列の単位を取り切ってしまい、TLP科目と同じ曜限に開講される科目で他にとりたいものがあるためTLP受講を辞める学生もいる。
     

    修了要件

    TLPフランス語の修了は2023年度から、
    ①2SセメスターのTLP科目の成績
    ②TOEFLやIELTSなどの英語外部試験の成績(上記の編入・継続要件を参照)
    ③準2級以上の仏検もしくはA2以上のDELF/DALFの受験(合否は不問、受験料補助あり)
    によって判定されることとなる。そのうち、②と③の外部試験の成績は遅くとも2Aセメスター中に提出を求められる。 
     

    メリット・デメリット

    メリット

    ・TLP生のコミュニティ・人間関係
    海外経験が豊富な人や学術系サークル及びゼミに所属している人が多いので、優秀な友人から刺激を受けることができる。基本的にメンバーは外向的なので、ペアワークも円滑に進められる。また、週に3回同じ授業を受けるため、TLP生同士の仲も良い。また、ネイティブの教員のオフィスに行ってカードゲームをしたり、ご飯を食べたりする機会もたまにあり、教員ともある程度仲良くなれる。
     
    ・フランス語の習得
    週に最大5コマかつ授業の大半がフランス語で行われることから、授業内容をこなしていればフランス語の文法や表現はかなり身につきやすくなる。また、基礎科目の復習をTLP科目で行うため、効率的に復習を行うことができる。
     
    ・成績面のアドバンテージ
    TLP科目ではキャップ制が適用されず、優3割規定も適用されない(と言われている)ので、きちんと勉強して試験に挑めばかなり点数を稼ぐことができる。特に、文Ⅲの学生は、L系列の科目の得点が進振りに大きく影響するので、進振りにも有利になる。
     

    デメリット

    ・高得点は狙いづらい
    もともと語学に堪能であるメンバーも多く全体としてもモチベーションが高いため、優以上の成績は取れても圧倒的な差をつけることは至難の業である。
     
    ・履修できる総合科目に制限がかかる
    TLP科目は水曜5限や金曜2限など、他の総合科目が多く開講される曜限に開講されるので、履修できる総合科目が制限される。例えば、2022年度の場合、火曜2限のTLP科目は多くの総合科目と開講曜限が重なってしまい履修することができなかった。どうしても履修したい総合科目がある場合は、TLP科目を文系であれば全て理系用のコマ、理系であれば全て文系用のコマに変更するなどの措置をとる必要がある。特に、2Sセメスターで開講される法学部の持ち出し授業はTLP科目とは開講曜限が重複する可能性が高いため、その際に理系TLPのクラスの授業を受講する文系TLPの学生もいる(別途教員に相談する必要あり)。

    海外研修・その他

    海外研修

    春と夏に毎年国際研修が実施される。TLP内部での選抜試験を受け、許可された学生は、1年の春休みと2年の夏休み中にフランスでの国際研修に参加する機会が合計2回ある。なお、実際に参加できる学生は毎回13人前後である。
     
    春季研修は観光や交流に重きを置いたプログラムとなっており、夏季研修は語学学校でのサマースクールに加えてホームステイが組み込まれていたりと実践力養成を意図した内容となっている。過去の行き先は以下の通り。
    2019年夏季研修 アンジェ
    2020年春季研修 パリ・ブリュッセル
    2022年春季研修 リヨン・パリ 
    2022夏季研修 アンジェ
    2022年度TLPフランス語春季研修(リヨン・パリ)報告(上)
    2022年度TLPフランス語春季研修(リヨン・パリ)報告(下)
     

    その他

    TLP生はフランス語能力試験「DELF・DALF」もしくは仏検の受験料の全額補助を、年度内1回に限り受けることができる。

    内部の本音

    しっかりと予習・復習をしていれば授業にはついていけるが、実際にフランス人と話せるようになるかはまた別問題。そもそもフランス語母語話者はかなり早口なので、はじめのうちは聞き取るだけで精一杯であることもしばしば。
     
    授業中は一定の緊張感があるが、学生も教員も気さくで話しやすい人が多い。将来的に外交官や国際機関の職員として勤務することを視野に入れている学生、フランス文学に造詣が深い学生など個性豊かなメンバーがいるため、良い刺激を受けることができる。

    最後まで記事を読んでくださりありがとうございました!
    最後に1点、この記事を作成したUT-BASEからお伝えしたいことがあります。

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