履修の入り口 第3章 〜授業の探し方〜

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第3章では、実際に履修を組む前の最後の準備として、授業の効率的な探し方について解説します。
紙で配布された時間割表(※)、電子ブックのシラバス、UTASシラバス...
授業を調べる媒体は様々存在し、その情報量に圧倒されてしまうでしょう。実際、ほとんどの方がこれらを使いこなせないまま前期課程を終えています。
しかし、それぞれの特質に合った使い方をすることで効率よく授業を調べることができます。
今回は、興味に合った授業と最短距離で出会う術を学んでいきましょう!

※2022年度の紙版時間割表の配布開始日は3月28日です。

目次

    第1節 授業情報を得られる場所

    (1)シラバスとは

    「シラバス」という単語に初めて触れる方もいらっしゃるかもしれませんので、ここで説明しておきます。
    シラバスとは、各授業についての様々な情報が記載されたもののことです。
    具体的には、「科目名」「題目」「教員」「開講学期」「曜限」「単位数」「授業の目標」「授業の計画」「成績評価方法」「教科書・参考書」などが盛り込まれています。
    授業を効果的に受けるため、履修する科目は全て、シラバスを熟読してから受講することが望ましいです。

    (2)授業を調べられる3つの場所

    授業情報は、以下の3箇所で見ることができます。
    前期教養教務課サイト
    <アクセス方法>
    在学生の方→前期課程(1・2年生)→シラバス2023年度

    ここでは、
    ・授業紹介(PDF版、電子ブック版)
    ・時間割表
    が閲覧できます。ログインは不要で、誰でも見ることができます。また、時間割表は紙媒体でも配布されます。

    UTAS
    各科目のシラバスの詳細を検索・閲覧することができます。UTokyo Accountによるログインが必要です。

    東京大学授業カタログ
    前期課程から後期課程、大学院まで、東大全体で行なわれている授業を簡単に検索することができます。ログインは不要です。

    第2節 各媒体の特質と使い方

    (1)時間割表、(2)授業紹介、(3)UTASのシラバス、(4)授業カタログの順に、使い方を見ていきましょう。

    (1)時間割表

    1Sセメスターのものは諸手続きで全員受け取れるものの、活用できている人は少ないように思われます。
    しかし、非常に便利なツールなので、この機会に使えるようになっておきましょう!
    (1A以降は、個人に直接配布されることはありません。紙媒体はアドミニストレーション棟に山積みされるため、各自で取りにいくことになります。)

    ①この冊子に掲載されている情報
    ・授業日程、事務手続き日程
    表紙裏と裏表紙裏に記載されています。
    何月何日に何曜日の授業が実施されるか(例えば月曜日に水曜授業を行なうこともあります)、試験期間はいつか、履修登録などの手続きはいつ行なわなければならないのかなど、日程に関する情報が詰まっています。
    なお、同様の情報は前期教養教務課のサイトでも確認できます。

    ・UTASなどの使い方
    UTASシラバスの閲覧方法、履修登録の方法、掲示の確認方法など、教務の面で最低限知っておくべき情報がまとめて掲載されています。

    ・キャンパスマップ、教室配置図
    「教室配置図」とは各建物の構内図のことです。建物内で迷子になりやすい人は活用しましょう。

    以上のように、時間割表を名乗っていながら、その他にも重要な説明が網羅されています。読み飛ばしがちですが、この冊子に掲載されているのは本当に最低限必要な情報のみですから、熟読しておくことをおすすめします。
    もちろん、冊子のタイトル通り、時間割表も載っています。といっても皆さんがイメージするものとは異なるかもしれません。詳しく見ていきましょう。

    ・科類別時間割表
    前期課程の授業の中には、受講できる対象者(科類・クラスなど)を指定しているものがあります。この「科類別時間割表」では、ある科類・クラスを対象とする授業が、何曜日の何限に実施されるかが一覧で掲載されています。
    ここに載っている科目はほとんどが必修科目なので、どのコマにどの授業が入るのか、上から読んでいくだけで把握できます。必修科目のコマを確認するのに便利です。

    実物を見てみましょう。
    以下の画像は、2022年度Sセメスター時間割表21ページからの抜粋です。

    月曜2限の欄を見てください。
    以下に拡大した画像を示します。

    枠内の一番上の行から、対象クラス「4, 23」の「身体運動・健康科学実習Ⅰ」が開講されることが分かります。
    この「身体運動・健康科学実習Ⅰ」は必修科目です。(詳細は第4章で説明します)
    よって、該当する文一二4組、23組の皆さんは、月曜2限(月2)に必ず「身体運動・健康科学実習Ⅰ」の授業が入ることが分かります。
    また、同じ枠内に、対象クラス「1-3, 20」の「英語中級」の授業が入っていることも見てみましょう。
    これは、月曜2限に、文一二1,2,3,20組の方が対象となる(=文一二の他クラスの方は履修できない)英語中級の授業が開講されていることを示します。
    文一二1,2,3,20組の多くの人は、この月2にクラス指定の英語中級を履修しますが、実は、ここでは履修しないという選択肢も存在します。これは次回詳しく説明します。
    同様に、自分のクラスが対象となっている授業がないか、それは必修科目か、選択必修科目か、単にクラスが指定されているだけで履修する必要はない科目なのかを、各コマごとに確認していきましょう。

    ・総合科目等時間割
    この時間割表では、総合科目・主題科目・展開科目授業が曜限の順に並んでいます。
    ここに掲載されている科目は、履修者のクラス・科類が限定されないことがほとんどです。(例外あり。TLP科目、クラス指定がある総合科目も掲載されており、これらは対象者になっていないと履修できません。)
    よって、必修系のコマを一通り埋め終わった後、空いているコマにどのような授業を入れるか検索するのにとても便利です。

    こちらも実物を見てみましょう。

    これは、2022年度Sセメ時間割より、木曜1限に掲載されているものの一覧です。

    例えば、木曜日1限が空きコマで、ここで総合科目C系列の科目を履修したい学生は、この時間割表の「木1」の部分を見て、どのような科目が開講されているかを調べることで、選択肢を「法と社会」と「現代教育論」に絞ることができるのです。

    【まとめ】時間割表の特質と使い方
    授業が全てコマ順に並んでいる
    →・自分のクラスが対象となっている科目がどのコマに入るのか
    →・特定の空きコマに履修できる科目はないか
    を調べるのに便利!

    (2)冊子版授業紹介

    授業紹介は、シラバスのうち、科目名・曜限・教員・教室・授業の概要など、一部の基本的な事項を、科目区分の順序に沿ってまとめた冊子です。
    最低限の内容しか記載されていないため、各科目の情報量が少なくなるという問題点があります。これを補うには、別途UTASでシラバスを閲覧する必要があります。
    他方で全体の情報量が少ないからこそ、どのような授業が存在するのか、科目区分ごとに大まかに把握することが容易で、見落としが起こりにくくなります。
    つまり、この冊子は、コマごとではなく、科目区分ごとに授業を調べていくのに適しています。

    では、具体例を見ていきましょう。

    (i) 必修科目、またはそれに類する科目

    第二外国語(二外)がロシア語選択で理科一類5組に所属するRさんが、ロシア語の授業の曜限を調べたいとします。すると、まずは以下のページを探すことになります。

    1年生のSセメスターに履修する、ロシア語の基礎科目の授業は「ロシア語一列①」と「ロシア語二列」の2つです。したがって、対象クラスで「理一(5)」となっているものを、一列①、二列でそれぞれ探します。すると、一列①は月3、二列は木2に実施されることがわかりました。よって、5日×5コマからなる時間割のうち、この2コマには基礎科目ロシア語の授業が入ることになります。

    1限
    2限 露語二列
    3限 露語一列①
    4限
    5限

    二外以外の必修科目についてもこのように、自分のクラスを発見し、時間割表の当該コマにその授業を入れる、という作業を繰り返すことになります。

    (ii) 総合科目など、選択の自由度が高い科目

    文科二類のEさんが、総合科目A系列にどのような授業があるのか調べようとしています。
    すると、科目紹介冊子の中で、以下のようなページを発見しました。

    まずは、説明の前に、実際の使い方のプロセスを追ってみましょう。Eさんはこれを見て、火曜2限の「映画論」と金曜2限の「記号論理学Ⅰ(文科生)」に興味を持ちました。
    しかし、火曜2限には必修の授業が入ってしまっています。金曜2限は何の授業も入っていません。
    そこで、Eさんは映画論の履修を諦め、記号論理学Ⅰ(文科生)を履修することにしました。

    思い出しましょう。先程紹介した「時間割表」では、科目は曜限ごとに並んでおり、「木曜日の1限に開講されている授業は何かな?」というように調べるものでした。
    他方、この「授業紹介」の冊子では、科目は前回の記事で紹介した科目区分ごとに並んでいて、開講曜限はバラバラです。そこで上の例では、文科二類のEさんは曜限を後回しに、まずは授業内容を見ることになったのですね。

    つまり、この冊子を見れば、特定の科目分類、例えば「総合科目A系列」という枠組みでどのような授業が開講されているか、科目名だけでなく実際の授業の中身も含めて知ることができます。

    様々な授業を見ながら想像を膨らませる作業は楽しいものです。この授業紹介冊子は、多くの授業の内容を簡単に知ることができるためなのか、この冊子は履修計画の作成において最もよく使われているように思います。

    なお、便宜上、この項の説明では「冊子」という言葉を多用してきましたが、この授業紹介の紙媒体での配布はありません。あくまでPDF、電子ブックの形で存在する冊子であることに注意してください。

    【まとめ】冊子版授業紹介の特質と使い方
    ・科目区分に従って、全授業が簡単に紹介されている
    →「ある曜限にどのような授業が開講されているのか」ではなく、科目順に履修を組み立ててコマを埋めたり、まずは内容から履修したい授業を絞るのに便利!

    (3)UTAS内のシラバス

    UTAS内「シラバス」タブの使い方は、別記事で解説していますので、ここでは触れません。簡単に特徴だけ説明しておきます。

    最大の特徴は、何といっても「情報量が多い」ことです。
    シラバスの全情報が掲載されているのは、このUTASのシラバスだけです。
    よって、時間割表や科目紹介を見て履修しようと考えた授業も、後で「自分には合わなかった」と後悔しないためには履修の最終決定の前に必ずUTASのシラバスを読む必要があります。
    また、いくつかの必修科目は自動的に履修登録されますが、そのような科目であっても、十分に学習効果を得るためにはUTASのシラバスに目を通しておきましょう。

    そのほか、検索機能がついていることも魅力です。
    キーワード検索により、科目区分の枠組みを超えて特定テーマの授業を調べることができます。興味に合った授業を発見するために、うまく活用してください!

    【まとめ】UTASの特質と使い方
    ・データベース化されている
    →検索が可能、情報が豊富で、(1)(2)両方の媒体の機能を代替できる!

    (4)授業カタログ

    上記(1)~(3)が使いこなせれば、前期課程の履修を組むうえで授業カタログの出番は滅多にありません。よって、ここでは説明を省略します。

    —------------
    授業探しは、理屈を教わるより、自分で実際にやってみるうちに慣れるという側面が強い行為です。
    したがって、この説明を読んだだけで理解できる必要はありません。今度は実際にシラバスなどを開きつつ、この記事を読み返しながら授業を探してみてくださいね!

    ようやく実際に履修を組む段階まで到達しました。
    次回は、実際に履修を組む作業について、科類別に記事を分けて解説してみようと思います。ご自身の科類に対応したものをお読みください。

    今回はここまでです。お疲れさまでした!

    最後まで記事を読んでくださりありがとうございました!
    最後に1点、この記事を作成したUT-BASEからお伝えしたいことがあります。

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