履修の入り口 第4章-1 ~文科一類の履修~

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目次

    たいへんお待たせしました。ついに、履修を組める時がやってきてしまいました。
    今回は、
    ①いつまでにどのくらいの授業を取り切れば良いのか
    ②これを踏まえて、実際に1Sではどのように履修を組むのか
    を考えていきましょう!

    ※この記事は、【文科一類】の学生の皆さんを対象にしたものです。
    その他の科類の皆さんは、該当の記事をお読みください。
    文科二類 文科三類 理科一類 理科二類・理科三類

    第1節 いつまでに、どれだけ単位を取るべきか

    (1)前期課程修了要件とは

    前期課程は、1S~2Aの4セメスターを指し、2A終了後に後期課程に進学することは、既に説明しました。
    しかし、後期課程に進むには、「2A末時点において、各科類で指定された単位を取り切っていなければならない」という条件があります。
    後期課程に進むための条件を、「前期課程修了要件」(『履修の手引き』9ページ)と呼びます。

    それでは、2A末時点で前期課程修了要件を満たせば良いのかというと、必ずしもそうとは言い切れません。
    様々な事情により、この前期課程修了要件は2Sの終わりまで=進振りまでに満たしておくのが望ましいのです。さもないと、進学選択(進振り)の結果が悲惨になります。

    進振りについての詳しい説明や2Aの過ごし方は、次回説明します。
    今は、「2S末時点で前期課程修了要件を満たしておくべき」であることだけ、頭に入れておきましょう!

    (2)見通しを立てよう

    2S末までに前期課程修了要件を満たすにはどうすればよいのでしょうか?大まかに、いつ・どんな科目を履修するのが一般的なのか、頭に入れておくと履修が組みやすくなります。
    下の画像でざっくり履修の見通しを立てましょう!

    (3)本章の構成

    今見た(2)では、時期別に履修すべき科目を見ました。続く第2節では、文一の皆さんが2Sまでに前期課程修了要件を満たせることを前提に、どの科目をいつ履修するのか、具体的に紹介していきます。第3節ではこれを踏まえて、実際に1Sの履修を考えてみましょう。

    第2節 前期課程修了要件~文一生の場合~

    第2章で説明した科目区分に従って、どのような授業を取らなければならないのか見ていきます。なお、外国語の科目は「既修外国語(英語)+初修外国語の組み合わせで説明しています。これ以外の組み合わせでは履修する科目が変わるので、『履修の手引き』14ページをご覧下さい。

    (1)基礎科目

    <必修科目の履修>

    ・既修外国語(英語)

    科目名 履修する学期
    1S 1A 2S
    英語一列①
    英語一列②
    英語二列S
    (FLOW)
    英語二列W
    (ALESA)

    ※英語一列①・②はそれぞれターム制の科目です。前後どちらのタームに配置されるかは、所属クラスによって決められています。
    ※英語二列S・Wについて、△の履修パターンになるか▲のパターンになるかは所属クラスによって決められています。なお、英語二列Sはターム制の科目です。

    これらの科目の履修パターンは、総合科目L系列の「英語中級・上級」と組になっています。「英語中級・上級」については、のちほど説明します。

    ・初修外国語(第二外国語)

    科目名 履修する学期
    1S 1A 2S
    〇〇語一列①
    〇〇語一列②
    〇〇語二列

     
    ・情報、初ゼミ、スポ身

    科目名 履修する学期
    1S 1A 2S
    情報
    初年次ゼミナール文科
    身体運動・健康科学実習Ⅰ
    身体運動・健康科学実習Ⅱ

    ※身体運動・健康科学実習(スポ身)の●は、どちらか一方を選んで履修できます。ただし、よほどの事情がない限り、1Aに履修するのが原則です。

    <選択必修の履修>
    ・社会科学

    科目名 履修する学期
    1S 1A 2S
    法Ⅰ・Ⅱ Ⅰのみ Ⅱのみ Ⅰのみ
    政治Ⅰ・Ⅱ Ⅰのみ Ⅱのみ Ⅰのみ
    社会Ⅰ・Ⅱ Ⅰのみ Ⅱのみ Ⅰのみ
    経済Ⅰ・Ⅱ Ⅰのみ Ⅱのみ Ⅰのみ
    数学Ⅰ・Ⅱ Ⅰ・Ⅱ Ⅰ・Ⅱ Ⅰ・Ⅱ

    社会科学は「法」「政治」「社会」「経済」「数学」の5分野で開講され、それぞれ「Ⅰ」と「Ⅱ」の2種類があります。「数学」を除き、「Ⅰ」はSセメスターのみ、「Ⅱ」はAセメスターのみに開講されます。「数学Ⅰ」・「数学Ⅱ」はSセメスター・Aセメスターの両方で開講されます。

    ※「数学Ⅰ」と「数学Ⅱ」を、同じセメスターで同時に履修することは出来ません。

    【履修上の注意】
    次の条件を満たす必要があります:

    前期課程修了要件:「法Ⅰ+法Ⅱ」または「政治Ⅰ+政治Ⅱ」を含み8単位以上

    「法Ⅰ+法Ⅱ」または「政治Ⅰ+政治Ⅱ」を含み8単位以上とは、どういうことでしょうか。
    まず、社会科学の全ての授業は2単位なので、「8単位以上」というのは「4授業以上」と考えることができます。
    その中で、必ず以下の①②のどちらかの条件を満たしていなくてはなりません。
    ①4授業のうち、2授業は「法Ⅰ」「法Ⅱ」であること。残りの2授業は自由。
    ②4授業のうち、2授業は「政治Ⅰ」「政治Ⅱ」であること。残りの2授業は自由。

    8単位(4授業)の組み合わせとしては、例えば、以下のようなものが考えられます。
    OK) 「法Ⅰ」「法Ⅱ」 「政治Ⅰ」「政治Ⅱ」
    OK) 「法Ⅰ」「法Ⅱ」「政治Ⅰ」「経済Ⅰ」
    OK) 「政治Ⅰ」「政治Ⅱ」「社会Ⅰ」「数学Ⅱ」
    NG) 「法Ⅰ」「政治Ⅰ」「経済Ⅱ」「数学Ⅱ」
    NG) 「法Ⅱ」「政治Ⅱ」「経済Ⅰ」「社会Ⅰ」
    NG) 「法Ⅰ」「政治Ⅱ」「数学Ⅰ」「社会Ⅱ」
    下線部でセットを満たしていること、NGの例ではこのセットが組めないこと、に注意してください。

    ・人文科学

    科目名 履修する学期
    1S 1A 2S
    哲学Ⅰ・Ⅱ Ⅰのみ Ⅱのみ Ⅰのみ
    倫理Ⅰ・Ⅱ Ⅰのみ Ⅱのみ Ⅰのみ
    歴史Ⅰ・Ⅱ Ⅰのみ Ⅱのみ Ⅰのみ
    心理Ⅰ・Ⅱ Ⅰのみ Ⅱのみ Ⅰのみ
    ことばと文学Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ ランダム ランダム ランダム

    人文科学は「哲学」「倫理」「歴史」「心理」「ことばと文学」(通称「こと文」)の5分野で開講されています。科目名は、「哲学Ⅰ」のように、分野の後にローマ数字が付されています。

    【履修上の注意】
    次の条件を満たす必要があります:

    前期課程修了要件:2分野以上にわたり、4単位以上

    4単位以上なので、2つ以上の単位を取ればOKです。
    ただし、同じ分野2つではNGなので、注意してください。

    OK) 「歴史Ⅰ」「哲学Ⅱ」
    NG) 「心理Ⅰ」「心理Ⅱ」
    ※「〇〇Ⅱ」で学ぶ内容は「〇〇Ⅰ」の続きではありません。別の範囲を学習するので、例えば「哲学Ⅰ」を履修せずともいきなり「哲学Ⅱ」を履修することは可能です。

    (2)総合科目

    文科一類の総合科目は、L系列・A~C系列・D~F系列に分かれているので、この順番に紹介します。

    ・L系列
    2Sまでに次の条件を満たす必要があります:

    前期課程修了要件:4+3+2=9単位以上の修得
    【9単位の内訳】
    4単位[必修]:初修外国語(第二外国語)の「〇〇語初級(演習)①」・「〇〇語初級(演習)②」
    3単位[必修]:既修外国語(英語)の「英語中級」・「英語上級」計3単位分
    2単位[選択必修]:任意のL系列の科目2単位分

    以下、それぞれ詳しく説明します。

    <必修科目の履修>
    二外の初級演習:4単位

    科目名 履修する学期
    1S 1A 2S
    〇〇語初級(演習)①
    〇〇語初級(演習)②

    英語中級:3単位
    3単位以上必ず取る必要があります。多くの人は1Sと1Aで合わせて3単位を取得します。
    これを簡単に満たせるよう、「クラス指定」の授業が設定されています。
    指定に従って取っていけば、「必修」と同様に考えることができます。
    もちろん、自分で選択する余地もあります。後ほど解説します。

    <選択必修の履修>
    任意の科目 : 2単位
    自分で自由に選択可能です。2年生のSセメスター末までに2単位獲得しておきましょう。

    ・A〜C系列

    前期課程修了要件:2系列以上にわたり6単位以上

    1S~2Aの間で自由に選択可能です。
    ただし、「2系列以上」という指定があるため、「6単位全てA系列の科目」などは許されないので、ご注意ください。「A系列5単位+C系列1単位」のような組み合わせはOKです。

    ・D〜F系列

    前期課程修了要件:2系列以上にわたり6単位以上**

    1S~2Aの間で自由に選択可能です。
    ただしA~C系列と同様に「2系列以上」という指定があるため、「6単位全てD系列の科目」などは許されないので、ご注意ください。

    (3)主題科目

    前期課程修了要件:2単位以上

    1S~2Aの間で自由に選択可能です。
    主題科目に関しては、必ずしも2Sまでに履修する必要はありません。

    (4)展開科目

    前期課程修了要件:設定なし

    履修してもしなくても構いません。
    また、1Sには履修できません。

    (5)総単位数

    前期課程修了要件として、さらに「56単位以上の取得」というものがあります。

    しかし、以上の必修・選択必修の単位数を全て足しても、52単位にしかなりません。
    そこで、残りの4単位は、自分で自由に選択した科目で埋めることになります。

    第3節 1Sの履修を組もう

    履修を組む際には普通、必修→選択必修→それ以外の順番に時間割を埋めていきます。今回も、この順番で履修を組んでいきましょう。
    手元にペンと5×5のマスを書いた紙をご準備ください。
    時間割アプリでも大丈夫です!

    (1)必修

    第3章で解説した時間割の見方に従い、クラス指定に従うべき必修科目が自分のクラスではどの曜限に割り振られているのか、確認していきましょう。
    ここでは、文一二28組を例に取ります。

    まずは、シラバスで以下の授業を探してください。
    ・〇〇語一列①(〇〇には自分の第二外国語が入ります。)
    ・〇〇語二列
    ・情報
    ・身体運動・健康科学実習Ⅰ

    見つけたら、以下のように時間割表を埋めていきましょう。

    時限
    1限
    2限
    3限 情報 仏語
    二列
    スポ身Ⅰ
    4限 仏語
    一列
    5限

    続いて、「初年次ゼミナール(文科)」を探してください。
    科目紹介34頁に、クラスごとのグループ表記があります。

    まずは、自分のクラスのグループを確認してください。
    各グループには、2つの曜限が設定されていますが、履修するのは【どちらか一方】になります。
    自分が受けたい授業がどちらの曜限に含まれるのか、ご確認ください。
    初年次ゼミナールは抽選により履修クラスを決定するため、必ずしも希望通りにはならない可能性もあります。(必修なので、「全落ち」はありません。必ずどれか一つ当選します)
    念のため、コマ被りがないよう、他の科目はどちらのコマにも入れないようにしましょう。

    時限
    1限
    2限
    3限 情報 仏語
    二列
    スポ身Ⅰ
    4限 初ゼミ 仏語
    一列
    初ゼミ
    5限

    続いて、総合科目の必修部分の授業を埋めていきます。履修を組むのは「英語中級」と「フランス語初級(演習)①」です。
    先に「英語中級」の履修を組みます。まず、以下の表から、自分のクラスを探してください。

    文一二28組は、上から3番目のグループにあてはまります。
    このクラスは、S1タームに英語二列S、S2タームに英語一列①を履修します。
    これは、同じ曜限に開講されるので、確保するコマはひとつで構いません。
    ※その他のグループでも、ターム制の2つの科目は同じ曜限に開講されます。

    文一二28組では、これは水3に開講されます。

    時限
    1限
    2限
    3限 情報 S1
    FLOW/S2英語一列①
    仏語
    二列
    スポ身Ⅰ
    4限 (初ゼミ) 仏語
    一列
    (初ゼミ)
    5限

    「クラス指定総合科目L」は、先ほど説明した「英語中級・上級」を指します。
    英語中級は3単位が必須とされています。どのクラスも、クラス指定のものがSセメとAセメ合わせて3単位設定されていますので、この「クラス指定」に従って取っていけば、Aセメまでで必ず3単位取得することができます。

    次に「フランス語初級(演習)①」です。これも「英語中級」同様、クラスが指定された総合科目です。これは必修なので、指定されたコマで全員が履修しなければなりません。

    クラス指定の「英語中級」と「フランス語初級(演習)①」を、先程までと同様の手順で時間割に記入しましょう。

    時限
    1限
    2限 仏語初演①
    3限 情報 S1
    FLOW/S2英語一列①
    仏語
    二列
    スポ身Ⅰ
    4限 (初ゼミ) 仏語
    一列
    (初ゼミ) 英語中級(クラス指定)
    5限

    (2)選択必修

    次に、選択必修である「社会科学」「人文科学」を埋めていきましょう。
    「社会科学」「人文科学」は、「月3」「火5」「水1」の3コマにしか開講されません。

    文一が履修できる「法Ⅰ」「政治Ⅰ」の授業は指定されています。よほどのこだわりがなければ、この両者を履修しておくのが無難でしょう。
    ただし、2Sで取ることも可能なので、別の社会科学・人文科学の授業でどうしても取りたい授業がある場合は、そちらを選択しても構いません。

    ここでは、最もスタンダードな法Ⅰ・政治Ⅰを取るパターンを解説します。
    文一生向けの法Ⅰは水1、政治Ⅰは月3に開講されています。
    残り1コマは自由に選択できます。人文科学を取ってこちらの必須コマ数を埋めておく方が多いように思いますが、社会科学を取ることも可能です。もちろん、何も取らなくても構いません。

    時限
    1限 法Ⅰ
    2限 仏語初演①
    3限 政治Ⅰ 情報 S1
    FLOW/S2英語一列①
    仏語
    二列
    スポ身Ⅰ
    4限 (初ゼミ) 仏語
    一列
    (初ゼミ) 英語中級(クラス指定)
    5限 歴史Ⅰ

    (3)その他

    ここまでで、最大19単位分が埋まりました。
    残りは、まだ何も入っていないコマに、合計30単位(キャップ制)に達するまで、自由に授業を入れることができます。総合科目や主題科目で面白そうなものがないか、探してみてください!

    (補足)英語中級の全クラス型について

    「クラス指定型」の英語中級に対して、「全クラス型」の英語中級もあります。
    これは、ここまで履修を組んで、
    ・空きコマとなっているコマに、クラス指定型の授業より面白そうな英語中級があった場合
    ・クラス指定型のものに加え、さらに英語中級を取りたい場合
    に履修を検討すべきものです。

    以下の点に注意してください。
    ・英語中級は、1セメスターの間に、全クラス型のもの、クラス指定型のものでそれぞれ1授業ずつまで履修可能です。
    ・両方とも抽選登録し、両方とも当選した場合、全クラス型のものは削除できません!!(クラス指定型のものは削除できます)。よって、全クラス型のものは、不用意に抽選登録しないでください。
    ・片方のみしか当選しなかった場合は、削除できません。

    英語中級の履修登録は、かなり複雑なので、文字だけの説明では分かりにくかったかもしれません。こちらの動画も、合わせてご覧ください!

    最後まで記事を読んでくださりありがとうございました!
    最後に1点、この記事を作成したUT-BASEからお伝えしたいことがあります。

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