履修の入り口 第4章-5 ~理科二・三類の履修~

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目次

    たいへんお待たせしました。ついに、履修を組める時がやってきてしまいました。
    今回は、
    ①いつまでにどのくらいの授業を取り切れば良いのか
    ②これを踏まえて、実際に1Sではどのように履修を組むのか
    を考えていきましょう!

    ※この記事は、【理科二・三類】の学生の皆さんを対象にしたものです。
    両科類は履修に関して一切の差異がないため、まとめて解説します。
    その他の科類の皆さんは、該当の記事をお読みください。
    文科一類 文科二類  文科三類 理科一類

    第1節 いつまでに、どれだけ単位を取るべきか

    (1)前期課程修了要件とは

    前期課程は、1S~2Aの4セメスターを指し、2A終了後に後期課程に進学することは、既に説明しました。
    しかし、後期課程に進むには、「2A末時点において、各科類で指定された単位を取り切っていなければならない」という条件があります。
    後期課程に進むための条件を、「前期課程修了要件」(『履修の手引き』9ページ)と呼びます。

    それでは、2A末時点で前期課程修了要件を満たせば良いのかというと、必ずしもそうとは言い切れません。
    様々な事情により、この前期課程修了要件は2Sの終わりまで=進振りまでに満たしておくのが望ましいのです。さもないと、進学選択(進振り)の結果が悲惨になります。

    進振りについての詳しい説明や2Aの過ごし方は、次回説明します。
    今は、「2S末時点で前期課程修了要件を満たしておくべき」であることだけ、頭に入れておきましょう!

    (2)見通しを立てよう

    2S末までに前期課程修了要件を満たすにはどうすればよいのでしょうか?大まかに、いつ・どんな科目を履修するのが一般的なのか、頭に入れておくと履修が組みやすくなります。
    下の画像でざっくり履修の見通しを立てましょう!

    (3)本章の構成

    今見た(2)では、時期別に履修すべき科目を見ました。続く第2節では、理二・三の皆さんが2Sまでに前期課程修了要件を満たせることを前提に、どの科目をいつ履修するのか、具体的に紹介していきます。第3節ではこれを踏まえて、実際に1Sの履修を考えてみましょう。

    第2節 前期課程修了要件~理二・三生の場合~

    第2章で説明した科目区分に従って、どのような授業を取らなければならないのか見ていきます。なお、外国語の科目は「既修外国語(英語)+初修外国語の組み合わせで説明しています。これ以外の組み合わせでは履修する科目が変わるので、『履修の手引き』14ページをご覧下さい。

    (1)基礎科目

    <必修科目の履修>

    ・既修外国語(英語)

    科目名 履修する学期
    1S 1A 2S
    英語一列①
    英語一列②
    英語二列S
    (FLOW)
    英語二列W
    (ALESE)

    ※英語一列①・②はそれぞれターム制の科目です。前後どちらのタームに配置されるかは、所属クラスによって決められています。
    ※英語二列S・Wについて、△の履修パターンになるか▲のパターンになるかは所属クラスによって決められています。なお、英語二列Sはターム制の科目です。

    これらの科目の履修パターンは、総合科目L系列の「英語中級・上級」と組になっています。「英語中級・上級」については、のちほど説明します。

    ・初修外国語(第二外国語)

    科目名 履修する学期
    1S 1A 2S
    〇〇語一列①
    〇〇語一列②
    〇〇語二列

    ・情報、初ゼミ、スポ身

    科目名 履修する学期
    1S 1A 2S
    情報
    初年次ゼミナール文科
    身体運動・健康科学実習Ⅰ
    身体運動・健康科学実習Ⅱ

    ※身体運動・健康科学実習(スポ身)の●は、どちらか一方を選んで履修できます。ただし、よほどの事情がない限り、1Aに履修しましょう。

    ・基礎実験

    基礎実験は、「基礎物理学実験」「基礎化学実験」「基礎生命科学実験」の3科目・計3単位が必修です。

    各授業は週2コマのターム制で、すべて1単位です。
    「基礎物理学実験」「基礎化学実験」「基礎生命科学実験」は必ず履修しなくてはなりませんが、任意選択の科目として「生命科学実験」も開講されています。

    どの順序で各実験を履修するかは、学生証番号によって割り振られます。変更の余地はありません。
    全ての学生はグループAかBに割り振られ、下表の順序で実験を履修することになります。

    1A1 1A2 2S1 2S2
    グループA 基礎物理学実験 基礎化学実験 基礎生命科学実験 生命科学実験 ※任意
    グループB 基礎化学実験 基礎物理学実験

    ・数理科学

    以下に掲げる7科目・合計10単位が必修です。

    科目名 単位数 コマ数 履修する学期
    1S1 1S2 1A
    数理科学基礎 2 2
    微分積分学① 1 1
    線型代数学① 1 1
    微分積分学② 2 1
    線型代数学② 2 1
    微分積分学演習 1 隔週・
    交互に授業
    線型代数学演習 1
    数理科学基礎演習 1 1
    数学基礎理論演習 1 1

    1Sに履修する科目について、簡単にみておきましょう。
    1S1では、「数理科学基礎」という講義が週2コマ行なわれます。
    1S2に進むと、「数理科学基礎」の授業はなくなります。代わりに、「数理科学基礎」が行なわれていた2コマを、「微分積分学①」「線形代数学①」が1コマずつ受け継ぎます。

    必修のものは以上ですが、「数理科学基礎演習」「数学基礎理論演習」(表中※)を任意で受講することができます。「数理科学基礎演習」はS1に授業が行なわれ、S2では同じコマで「数学基礎理論演習」が開講されます。
    これらの科目は必修・選択必修には算入できませんが、前期課程を終えるための総単位数には含めることができます。

    以上まとめると、1Sの間は最低限常に週に2コマ講義の数学の授業をうけることになります。ただし、演習の授業を取れば数学は週に3コマになります。

    ・物質科学

    こちらも、以下の表に掲げる5つの授業・計10単位が全て必修です。

    科目名 単位数 コマ数 履修する学期
    1S 1A 2S1
    力学 2 1
    電磁気学 2 1
    化学熱力学 2 1
    構造化学 2 1
    物性化学 2 2

    原則としてセメスターを通じて週1コマの授業ですが、「物性化学」のみ2S1タームに週2コマで行なわれます。

    以下の科目には、特別な措置が設けられています。

    ・力学、電磁気学のコース選択
    「力学」「電磁気学」の授業は、Aコース・Bコースの2種類が用意されています。
    対象者は以下の通りです。
    Aコース:入試で「物理」を選択した方
    Bコース:入試で「物理」を選択しなかった方
    ※ただし、Bコースに参加する場合は簡単な手続きを自ら行う必要があります。

    このように、物理の未修者に対してはサポートがあるので、安心して履修してください。

    ・生命科学

    こちらも、以下の2授業・計4単位が必修です。

    科目名 単位数 コマ数 履修する学期
    1S 1A 2S1
    生命科学Ⅰ 2 1
    生命科学Ⅱ 2 1

    一年を通じて、週に1コマの授業を受けることになります。

    (2)総合科目

    理科二・三類の総合科目は、L系列、A~D系列・E~F系列の3つに分かれているので、この順番に紹介します。

    ・L系列
    2Sまでに次の条件を満たす必要があります:

    前期課程修了要件:3単位以上の修得
    【3単位の内訳】
    3単位[必修]:既修外国語(英語)の「英語中級」・「英語上級」計3単位分

    英語中級:3単位
    3単位以上必ず取る必要があります。多くの人は1Sと1Aで合わせて3単位を取得します。
    これを簡単に満たせるよう、「クラス指定」の授業が設定されています。
    指定に従って取っていけば、「必修」と同様に考えることができます。
    もちろん、自分で選択する余地もあります。後ほど解説します。
    L系列から必要な3単位は全て英語で埋まるので、理科二三類の皆さんは、L系列で英語以外の言語を履修する必要はありません。

    ・A〜D系列

    前期課程修了要件:2系列以上にわたり6単位以上

    1S~2Aの間で自由に選択可能です。

    ただし、「2系列以上」という指定があるため、「6単位全てA系列の科目」などは許されないので、ご注意ください。「A系列5単位+C系列1単位」のような組み合わせはOKです。

    ・E〜F系列

    前期課程修了要件:2系列にわたり6単位以上**

    1S~2Aの間で自由に選択可能です。
    ただし「2系列以上」という指定があるため、「6単位全てE系列の科目」などは許されないので、ご注意ください。E系列、F系列ともに単位を取得する必要があります。

    (3)主題科目

    前期課程修了要件:2単位以上

    1S~2Aの間で自由に選択可能です。
    主題科目に関しては、必ずしも2Sまでに履修する必要はありません。

    (4)展開科目

    前期課程修了要件:設定なし

    履修してもしなくても構いません。
    また、1Sには履修できません。

    (5)総単位数

    前期課程修了要件として、さらに「63単位以上の取得」というものがあります。

    しかし、以上の必修・選択必修の単位数を全て足しても、61単位にしかなりません。
    そこで、残りの2単位は、自分で自由に選択した科目で埋めることになります。

    ―――
    ここまで読んだみなさんは、『履修の手引き』9頁を開いてみてください。
    前期課程修了要件を満たすためにどれほどの単位を取得すべきか、この表が最も簡潔に示していることが分かるでしょう。
    さらに、63, 64頁を開いてください。
    9頁で示された条件を満たすために、1S~2Sにわたってどのように履修していくかの流れが、すっと頭に入って来るはずです。
    この表が理解できたなら、履修の手引きは半分理解したも同然です。

    第3節 1Sの履修を組もう

    履修を組む際には普通、必修→選択必修→それ以外の順番に時間割を埋めていきます。今回も、この順番で履修を組んでいきましょう。
    手元にペンと5×5のマスを書いた紙をご準備ください。
    時間割アプリでも大丈夫です!

    (1)必修

    第3章で解説した時間割の見方に従い、クラス指定に従うべき必修科目が自分のクラスではどの曜限に割り振られているのか、確認していきましょう。
    ここでは、理二三21組を例に取ります。

    まずは、シラバスで以下の授業を探してください。
    ・〇〇語一列①(〇〇には自分の第二外国語が入ります。)
    ・〇〇語二列
    ・情報
    ・身体運動・健康科学実習Ⅰ

    見つけたら、以下のように時間割表を埋めていきましょう。

    時限
    1限 仏語二列
    2限
    3限 仏語
    一列
    情報
    4限 スポ身①
    5限

    続いて、「初年次ゼミナール(理科)」を探してください。
    科目紹介59頁に、クラスごとのグループ表記があります。

    まずは、自分のクラスのグループを確認してください。
    各グループには、2つの曜限が設定されていますが、履修するのは【どちらか一方】になります。
    自分が受けたい授業がどちらの曜限に含まれるのか、ご確認ください。
    初年次ゼミナールは抽選により履修クラスを決定するため、必ずしも希望通りにはならない可能性もあります。(必修なので、「全落ち」はありません。必ずどれか一つ当選します)
    念のため、コマ被りがないよう、他の科目はどちらのコマにも入れないようにしましょう。
    理二三21組はグループ5に入るので、水2または金3に授業が入ります。

    時限
    1限 仏語二列
    2限 (初ゼミ理科)
    3限 仏語
    一列①
    情報 (初ゼミ理科)
    4限 スポ身Ⅰ
    5限

    続いて、英語の授業を埋めていきます。
    まず、以下の表から、自分のクラスを探してください。

    理二三21組は、上から3番目のグループにあてはまります。
    このクラスは、S1タームに英語二列S、S2タームに英語一列①を履修します。
    これは、同じ曜限に開講されるので、確保するコマはひとつで構いません。
    ※その他のグループでも、ターム制の2つの科目は同じ曜限に開講されます。

    理二三21組では、これは水3に開講されます。

    時限
    1限 仏語二列
    2限 (初ゼミ理科)
    3限 仏語
    一列①
    S1
    FLOW/S2 英語一列①
    情報 (初ゼミ理科)
    4限 スポ身Ⅰ
    5限

    「クラス指定総合科目L」は、先ほど説明した「英語中級・上級」を指します。
    英語中級は3単位が必須とされています。どのクラスも、クラス指定のものがSセメとAセメ合わせて3単位設定されていますので、この「クラス指定」に従って取っていけば、Aセメまでで必ず3単位取得することができます。

    時限
    1限 仏語二列
    2限 (初ゼミ理科)
    3限 仏語
    一列①
    S1
    FLOW/S2 英語一列①
    情報 (初ゼミ理科)
    4限 スポ身Ⅰ 英語中級(クラス指定)
    5限

    さらにここから、自然科学の必修科目を入れていきましょう。
    1Sの必修科目は、以下に挙げるものでした。
    ・数理科学
    S1「数理科学基礎」(「数理科学基礎演習」)
    S2「微分積分学①」「線型代数学①」(「数学基礎理論演習」)
    ・物質科学
    S「力学」「化学熱力学」
    ・生命科学
    S「生命科学Ⅰ」

    数理科学の演習を履修する方も、ここで入れてしまいましょう。
    これらの科目も、ただ時間割表やシラバスから探して埋めれば大丈夫です。

    時限
    1限 S1 数理科学基礎
    S2 線形代数学①
    仏語二列
    2限 S1 数理科学基礎
    S2 微分積分学①
    (初ゼミ理科) 化学熱力学
    3限 (S1 数理科学基礎演習
    S2 数学基礎理論演習)
    仏語
    一列①
    S1
    FLOW/S2 英語一列①
    情報 (初ゼミ理科)
    4限 生命科学Ⅰ スポ身Ⅰ 力学 英語中級(クラス指定)
    5限

    (2)その他

    ここまでで、最大25単位分が埋まりました。
    残りは、まだ何も入っていないコマに、合計30単位(キャップ制)に達するまで、自由に授業を入れることができます。総合科目や主題科目で面白そうなものがないか、探してみてください!

    ひとつだけ注意点があります。
    総合科目E系列「基礎化学」、F系列「基礎統計」を探してみてください。
    同一名称で多数の授業が開講されていますが、理系の皆さんが履修できる授業は所属クラスによって1つに限定されています。
    この「クラスによって授業が指定されている」という側面から、これらの科目は「準必修」と俗称されることもあります。

    「準必修」という言葉は誤解しか生まないので、良い子の皆さんは「クラス指定がある総合科目」と呼んでください。

    クラス指定がある総合科目は、クラスごとに受けられる授業が指定されていることを除けば、普通の総合科目と同じです。必修ではありません
    クラスが指定されているのは、例年その科目を受講する人が多く、受講したい人が、他の必修の授業と被らずにちゃんと受講できるようにするためです。
    もちろん、これらの授業を受講するか否かは、全てあなたに任されています。他の総合科目に優先して履修する必要性も全くありません。その授業が行なわれる曜限が空いていて、かつ内容に興味が持てれば履修すれば良いというだけです。

    しかも、文系の人も「準必修」という言葉を使いますが、これは基礎科目の選択科目のことを指します。
    「準必修」は、文理で指す対象も違うし、理系に至っては全くの必修ではない、という非常にミスリーディングな言葉です。

    そんな紛らわしい言葉は使わない方が良いでしょう。

    (補足)英語中級の全クラス型について

    「クラス指定型」の英語中級に対して、「全クラス型」の英語中級もあります。
    これは、ここまで履修を組んで、
    ・空きコマとなっているコマに、クラス指定型の授業より面白そうな英語中級があった場合
    ・クラス指定型のものに加え、さらに英語中級を取りたい場合
    に履修を検討すべきものです。

    以下の点に注意してください。
    ・英語中級は、1セメスターの間に、全クラス型のもの、クラス指定型のものでそれぞれ1授業ずつまで履修可能です。
    ・両方とも抽選登録し、両方とも当選した場合、全クラス型のものは削除できません!!(クラス指定型のものは削除できます)。よって、全クラス型のものは、不用意に抽選登録しないでください。
    ・片方のみしか当選しなかった場合は、削除できません。

    英語中級の履修登録は、かなり複雑なので、文字だけの説明では分かりにくかったかもしれません。こちらの動画も、合わせてご覧ください!

    最後まで記事を読んでくださりありがとうございました!
    最後に1点、この記事を作成したUT-BASEからお伝えしたいことがあります。

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