【分野別 学部学科紹介】~哲学~

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はじめに

多くの東大生が頭を悩ませる意思決定である「進学選択」。
「〇〇に興味はあるけど、どの学科で学べるのかわからない」なんて思ったことはありませんか?
この記事では、そんな皆さんのお悩みに応えるべく、哲学分野について学ぶことができる学科を「横断的に」比較紹介しました。
皆さんの選択を少しでも支えることができれば幸いです。
※本記事の内容は2022年度以前の情報に基づいています。現在記事を更新中ですのでしばらくお待ちください。

目次

    文学部:思想文化コース 哲学専修

    教授3名・准教授1名・助教1名に加え毎年2~3名の非常勤講師を迎え、一方では長い歴史をもつ西洋哲学史の全体にわたり、また他方では哲学の諸分野にほぼ均等な比重をもたせた形で、授業を行っている。また、外国人研究者がしばしば訪れて、海外の研究にじかに触れる機会も豊富に持つことができる。

    基本情報


    • 定員 
      • 文学部A群、思想文化コース(「哲学専修」「中国思想文化学専修」「インド哲学仏教学専修」「宗教史宗教史学専修」「美学芸術学専修」「イスラム学専修」を含む)全体で70名
    • 要求/要望科目


    カリキュラム紹介


    哲学専修のカリキュラムから特に哲学分野と考えられる講義やプロジェクトを抜粋して紹介する。

    • 哲学概論
      • 哲学的思考とその独自の方法を身につけることを目標とし、哲学の基本概念を扱う。
    • 西洋哲学史概説
      • ギリシア哲学史や、英語圏の哲学史を扱う。
    • 哲学特殊講義
      • 教員が自分の専門分野について比較的立ち入った講義をする。内容は担当教員により幅がある。具体的なテーマ例は以下。
        • 「死生をめぐる諸問題についての偶然と確率の視点からの考察」
        • 「自己の現象学」
    • 哲学演習
      • 教員が自分の専門分野について比較的立ち入った演習を行う。内容は担当教員により幅がある。具体的なテーマ例は以下。
        • 「スピノザ エチカ」
        • 「プラトン『ポリテイア』講読」


    教員紹介


    哲学専修には、3名の教授に加え、准教授と助教が1名ずつ在籍している。その専門分野は以下の通り。

    • 鈴木 泉 教授:専門は、西洋形而上学の形成史、近世大陸系哲学(デカルト・スピノザ・マルブランシュ・ライプニッツ)、現代フランスにおける差異哲学(ドゥルーズ)。
    • 納富 信留 教授:専門はプラトンをはじめとする古代ギリシアの哲学。『ソフィストとは誰か?』で2007年サントリー学芸賞受賞。『ギリシア哲学史』で2021年和辻哲郎賞受賞。国際プラトン学会の会長を務めたこともある。
    • 古荘 真敬 教授:ハイデガーを中心に、19世紀半ばから20世紀にかけての生の哲学、実存哲学、現象学、解釈学などを研究。関心領域は、感情と理解、言語、行為、時間意識、共同存在、芸術、宗教など多岐にわたる。
    • 乘立 雄輝 准教授:専門は英語圏の哲学、特に19世紀後半から20世紀前半にかけてアメリカ合衆国で展開されたプラグマティズムと記号論、形而上学を中心とする思潮。主にパース、ジェイムズ、ホワイトヘッドなどを研究している。
    • 相松 慎也 助教:専門は18世紀スコットランドの哲学者デイヴィッド・ヒューム、とりわけその道徳哲学。現代英米系のメタ倫理学、とくに道徳的錯誤論についても研究している。


    学科インタビュー


    Coming Soon

    学生の声


    思想文化コース全体に対して行ったアンケート結果です。

    • 漠然と「哲学」をやりたいから思想文化コースを志望するという学生はおそらくほとんどいない(一個下の区分である専修課程で選択するケースがほとんどで、進振りで悩むなら後期教養の類似した学科と悩む)が、何らかの古典的なテクストを読む演習と、分野の基礎的な概論・特殊講義は、十分提供されている。基本的に、特定のテーマ(例えば「自由について」等)よりは、特定の思想家(例えば「カントについて」等)を扱うことが多い。
    • 哲学だけでなく、隣接する学問領域(例えば宗教学など)についても深く学べる。入門的な内容から専門的な文献購読まで、授業の幅は広い。

    文学部:思想文化コース 倫理学専修

    文学部人文学科思想文化コース倫理学専修では、古典的テクストの読解と思想史研究を踏まえ、倫理学の課題にアプローチしていく。戦後、研究室主任を務めた和辻哲郎が築き上げた「多様な学問領野に開かれているという性格」は、本研究室出身の研究者に脈々と引き継がれている。西洋・日本の倫理思想について学び、時には両者を対話させていくのが、当専修の一特徴だと言える。

    基本情報


    • 定員 
      • 文学部A群、思想文化コース(「哲学専修」「中国思想文化学専修」「インド哲学仏教学専修」「宗教史宗教史学専修」「美学芸術学専修」「イスラム学専修」を含む)全体で70名
    • 要求/要望科目


    カリキュラム紹介


    倫理学専修のカリキュラムから哲学分野と考えられる講義やプロジェクトを抜粋して紹介する。

    • 倫理学概論
      • 日本や西洋の倫理学・思想の基礎を学ぶ。
    • 倫理学特殊講義
      • 教員が自分の専門分野について比較的立ち入った講義をする。内容は担当教員により幅がある。具体的なテーマ例は以下。
        • 和辻哲郎を入り口とする「倫理学入門」
        • 「日本の禅思想とその展開」
    • 東洋倫理思想史概説
      • 主に日本の倫理思想史を扱う。
    • 西洋倫理思想史概説
      • 「運」や「懐疑論」などのキーワードを元に、西洋の倫理思想史を扱う。
    • 倫理学演習
      • 教員が自分の専門分野について比較的立ち入った演習を行う。授業参加が求められ、テキスト読解能力を鍛えられる。具体的なテーマ例は以下。
        • 「ベルクソンを読む」
        • 「ウィトゲンシュタイン『哲学探究』を読む」


    教員紹介


    倫理学専修には3名の教員が所属しており、その専門分野は以下の通り。

    • 熊野 純彦 教授:レヴィナス、カント、ヘーゲル、マルクス、本居宣長、和辻哲郎などを研究し、「他者とはなにか」という倫理学の根本問題を探究している。東京大学副学長・附属図書館長も務める。
    • 頼住 光子 教授:道元を始めとする日本仏教思想を中心に日本思想を研究している。いわゆる宗門とは異なった切り口で、和辻哲郎によって切り拓かれた倫理学・日本倫理思想史の方法に基づいて、テクストを厳密に読み解き、その思想的/現代的な意義を提示している。
    • 古田 徹也 教授:ウィトゲンシュタインの哲学を土台にしながら、言語・行為・心・運などのテーマを広い視点で考察を重ねている。『言葉の魂の哲学』で2019年サントリー学芸賞受賞。


    学科インタビュー


    Coming Soon


    学生の声


    思想文化コース全体に対して行ったアンケート結果です。

    • 漠然と「哲学」をやりたいから思想文化コースを志望するという学生はおそらくほとんどいない(一個下の区分である専修課程で選択するケースがほとんどで、進振りで悩むなら後期教養の類似した学科と悩む)が、何らかの古典的なテクストを読む演習と、分野の基礎的な概論・特殊講義は、十分提供されている。基本的に、特定のテーマ(例えば「自由について」等)よりは、特定の思想家(例えば「カントについて」等)を扱うことが多い。
    • 哲学だけでなく、隣接する学問領域(例えば宗教学など)についても深く学べる。入門的な内容から専門的な文献購読まで、授業の幅は広い。

    文学部:思想文化コース 美学芸術学専修

    美学は「美についての哲学」であり、古典を厳密に読解しつつ「美とは何か」「芸術はどうあるべきなのか」といった問いと向き合う。一方で芸術学はより個別研究に近く、絵画、音楽、漫画、漫才などハイカルチャーからポップカルチャーまで幅広く扱う。学科ではこの二つを併せて学ぶため、ただ単に個別的な芸術作品の歴史や内容について知ることに留まらず、美や芸術の本質や根底にある構造への探究心が求められる。

    基本情報


    • 定員
      • 文学部A群、思想文化コース(「哲学専修」「中国思想文化学専修」「インド哲学仏教学専修」「宗教史宗教史学専修」「美学芸術学専修」「イスラム学専修」を含む)全体で70名
    • 要求科目
      • なし
    • 要望科目
      • 人文科学ゼミナール
    • 公式サイト


    カリキュラム紹介


    美学芸術学専修のカリキュラムから哲学分野と考えられる講義やプロジェクトを抜粋して紹介する。

    • 美学概論
      • 100人前後の大講義。美学の基礎的な概念、考え方を学ぶ。
    • 美学芸術学演習・特殊講義
      • 20~30人の中規模の講義。芸術学の領域に入る内容が多い。西洋建築や茶の湯の話もあれば、ファミコンとマリオからデジタルゲームの感性学を論じたり、「涼宮ハルヒとバートランドラッセルとウィトゲンシュタインは対応している」と話す先生がいたりと、かなり内容は自由。テーマの具体例は以下。
        • 聴覚メディア史における空間表現
        • アニメとその周辺領域における声の意義と変遷
        • 分析美学の代表的文献であるリチャード・ウォルハイムの主著『芸術とその対象』の読解


    教員紹介


    • 小田部 胤久 教授:美学の基礎概念
    • 三浦 俊彦 教授:芸術の存在論
    • 吉田 寛 准教授:美学。想像力と自由の関係が関心の中心にあり、現在はデジタルゲームなどに関する研究も行っている。


    学科インタビュー


    Coming Soon


    学生の声


    思想文化コース全体に対して行ったアンケート結果です。

    • 漠然と「哲学」をやりたいから思想文化コースを志望するという学生はおそらくほとんどいない(一個下の区分である専修課程で選択するケースがほとんどで、進振りで悩むなら後期教養の類似した学科と悩む)が、何らかの古典的なテクストを読む演習と、分野の基礎的な概論・特殊講義は、十分提供されている。基本的に、特定のテーマ(例えば「自由について」等)よりは、特定の思想家(例えば「カントについて」等)を扱うことが多い。
    • 哲学だけでなく、隣接する学問領域(例えば宗教学など)についても深く学べる。入門的な内容から専門的な文献購読まで、授業の幅は広い。

    文学部:思想文化コース 宗教学宗教史学専修

    文学部宗教学宗教史学専修では、「宗教とは何か」という問いを根底に、あらゆる宗教現象を研究する「宗教学」を学ぶ。古い経典の精密な読解から現代社会の宗教状況調査まで研究方法も多様である。対象を理論化する視点も、哲学、思想史、社会学、心理学など様々。従って他学科の講義にも積極的に出席することが奨励される。卒論では東京ディズニーランド、神道漫画などキャッチーなテーマを選ぶことも可能。しかし、公式サイトに「古代メソポタミアの楔形文字資料から当時の宗教事情を読み解こうとしている大学院生が、現代世界のインターネット空間に出現している新世代の宗教性を取り出そうとする学生の研究発表を、真剣な興味をもって受け止め、適切に応答する」とあるように、個人主義的風潮はあまりない。

    基本情報


    • 定員
      • 文学部A群、思想文化コース(「哲学専修」「中国思想文化学専修」「インド哲学仏教学専修」「宗教史宗教史学専修」「美学芸術学専修」「イスラム学専修」を含む)全体で70名
    • 要求科目
      • なし
    • 要望科目
      • 人文科学ゼミナール
    • 公式サイト


    カリキュラム紹介


    宗教史学専修のカリキュラムから哲学分野と考えられる講義やプロジェクトを抜粋して紹介する。

    • 宗教学概論
      • 宗教学の基礎理論や基本的なトピックを扱う。
    • 宗教史概説
      • 古代中国、キリスト教、イスラム、戦後日本などをテーマに宗教史を学ぶ。
    • 宗教学宗教史学特殊講義
      • 教員が自分の専門分野について比較的立ち入った講義をする。内容は担当教員により幅がある。具体的なテーマ例は以下。
        • 「西洋神秘主義思想史」
        • 「アブラハム宗教のなかのユダヤ教」
    • 宗教学演習
      • 教員が自分の専門分野について比較的立ち入った演習を行う。内容は担当教員により幅がある。具体的なテーマ例は以下。
        • 「宗教・道徳的観念の再検討―社会心理学との対話」
        • 「宗教学的地域調査研究」
    • 宗教史学演習
      • 教員が自分の専門分野について比較的立ち入った演習を行う。内容は担当教員により幅がある。具体的なテーマ例は以下。
        • 「環境倫理文献購読」
        • 「迷信論と俗信論」


    教員紹介


    宗教史学専修には、2名の教授、2名の准教授に加え、講師と助教が1名ずつ在籍している。

    • 池澤 優 教授:研究テーマは中国古代宗教、祖先崇拝、死生観。中国古代を中心に、死者儀礼・祖先崇拝といわれる宗教現象を比較文化的視点から考察する。
    • 藤原 聖子 教授:研究テーマは宗教学理論、比較宗教、宗教と教育。「マクロな比較宗教学の再構築」という課題に、理論と実践の両面から取り組んでいる。
    • 西村 明 准教授:人間社会における他者との暴力的関係性について研究している。
    • 渡辺 優 准教授:17世紀フランスを中心に、近世西欧カトリック圏に興隆した「神秘主義(la mystique)」と呼ばれる思想潮流を研究している。
    • 志田 雅宏 講師:ユダヤ学を中心に、宗教間の関係を研究している。
    • 佐藤 清子 助教:アメリカ合衆国の宗教史を中心に研究している。


    学科インタビュー


    Coming Soon


    学生の声


    思想文化コース全体に対して行ったアンケート結果です。

    • 漠然と「哲学」をやりたいから思想文化コースを志望するという学生はおそらくほとんどいない(一個下の区分である専修課程で選択するケースがほとんどで、進振りで悩むなら後期教養の類似した学科と悩む)が、何らかの古典的なテクストを読む演習と、分野の基礎的な概論・特殊講義は、十分提供されている。基本的に、特定のテーマ(例えば「自由について」等)よりは、特定の思想家(例えば「カントについて」等)を扱うことが多い。
    • 哲学だけでなく、隣接する学問領域(例えば宗教学など)についても深く学べる。入門的な内容から専門的な文献購読まで、授業の幅は広い。

    文学部:思想文化コース 中国思想文化学専修

    中国の学術・思想を体系的・歴史的に整理して理解しようとすることが特徴。諸子百家の思潮と朱子学・陽明学に加え、他の時代や思想も対象とする。狭義の哲学的営為のみにとどまらず、宗教・科学・政治思想・教育思想など幅広い分野にわたって研究・教育を行う。また、中国と関連する範囲で日本・韓国の思想も扱う。

    基本情報



    カリキュラム紹介


    中国思想文化学専修のカリキュラムから哲学分野と考えられる講義やプロジェクトを抜粋して紹介する。

    • 中国思想文化学概論
      • 中国思想を学ぶ上で基礎になる事項についての見取り図を提供するもの。経学と科学について開講している。
    • 中国思想文化史概説
      • 古代・中世・近世・近現代という時代別に構成された中国思想文化の歴史で、2年間の在籍期間中に全ての時代についての講義を履修できるように制度設計してある。
    • 中国思想文化学特殊講義
      • 教員が自分の専門分野について比較的立ち入った講義をする。内容は担当教員により幅がある。具体的なテーマ例は以下。
        • 「『論語』を読む」
        • 「清代文献学研究」
    • 中国思想文化学演習
      • 教員が自分の専門分野について比較的立ち入った演習を行う。授業参加が求められ、テキスト読解能力を鍛えられる。具体的なテーマ例は以下。
        • 「老子研究」
        • 「東アジア古典籍研究文献講読」


    教員紹介


     中島隆博教授は、中国哲学・日本哲学・フランス哲学・比較哲学を専門とする、このコースの名物教授。「世界哲学」をはじめとするさまざまな新しい哲学の試みを行なっており、東京大学東アジア藝文書院(EAA)の院長も務めている。『共生のプラクシス』『悪の哲学』『思想としての言語』など著書多数。

     他にも7名の教員が在籍しており、その専門分野は以下の通り。

    • 横手 裕 教授:道教史・中国三教交渉史
    • 小島 毅 教授:儒教史・東アジア王権論
    • 陳 捷 教授:書誌・文献学
    • 石井 剛 教授:近代中国の思想と哲学
    • 高山 大毅 准教授:日本思想史
    • 田中 有紀 准教授:中国の科学と音楽の思想
    • 平澤 歩 助教:五行思想史


    学科インタビュー


    Coming Soon

    学生の声


    思想文化コース全体に対して行ったアンケート結果です。

    • 漠然と「哲学」をやりたいから思想文化コースを志望するという学生はおそらくほとんどいない(一個下の区分である専修課程で選択するケースがほとんどで、進振りで悩むなら後期教養の類似した学科と悩む)が、何らかの古典的なテクストを読む演習と、分野の基礎的な概論・特殊講義は、十分提供されている。基本的に、特定のテーマ(例えば「自由について」等)よりは、特定の思想家(例えば「カントについて」等)を扱うことが多い。
    • 哲学だけでなく、隣接する学問領域(例えば宗教学など)についても深く学べる。入門的な内容から専門的な文献購読まで、授業の幅は広い。

    文学部:思想文化コース インド哲学仏教学専修

    インドの哲学・宗教思想とともに、インドにおいて発生・展開した仏教と、仏教の哲学・宗教思想を主たる対象として、個別研究・比較研究・総合的研究が行われている。教授と准教授4名のうち3名が仏教学、1名がインド哲学を専門とする。学部レベルでは研究において必要な言語である漢文、チベット語、サンスクリット語、パーリ語の初級レベルを履修する。そこから更に自分の専門となる言語を二つ程度選び上級を学ぶ。卒論を書いてもいいが、多くの人が特別演習を選ぶ。卒論は、言語が難しく、加えて知識全般がまだ足りないがゆえに、実践的に文献研究するのが現実的でないためである。

    基本情報


    • 定員
      • 文学部A群、思想文化コース(「哲学専修」「中国思想文化学専修」「インド哲学仏教学専修」「宗教史宗教史学専修」「美学芸術学専修」「イスラム学専修」を含む)全体で70名
    • 要求科目
      • なし
    • 要望科目
      • 人文科学ゼミナール
    • 公式サイト


    カリキュラム紹介


    インド哲学仏教学専修のカリキュラムから哲学分野と考えられる講義やプロジェクトを抜粋して紹介する。

    • インド哲学概論
      • インド哲学の初学者を対象に、ヴェーダに始まり、ウパニシャッドの哲学が成立し、東アジア世界に大きな影響を与えた仏教が誕生するという流れを概観することを通し、インド哲学と仏教学の特徴について概説する。2Aセメスターに履修する人が多い。
    • インド哲学史概説
      • インド哲学史の概観するとともに、古代インド固有の哲学的議論が現代人の私たちにとってどのような意味があるのか模索する。2Aセメスターに履修する人が多い。
    • インド哲学仏教学演習・特殊講義
      • 教員が自分の専門分野について比較的立ち入った講義をする。内容は担当教員により幅がある。具体的なテーマ例は以下。
        • 上座部仏教文献講読を通し、かつて自明だと思われていた「原始仏教⇒部派仏教⇒大乗仏教」というインド仏教史観を刷新する。
        • 中国仏教史の古典的名著である湯用彤『漢魏両晋南北朝仏教史』の禅に関する部分を会読し、中国禅宗に至るまでの流れの理解と共に仏教漢文を読み解く力を養う。
        • 仏教教理に対するリテラシーを高めるとともに、インド部派仏教の背景にある宗教的世界観を考察する。
        • 凝然撰『華厳法界義鏡』の読解を通し、当時の学僧の関心と同時に仏教独自の漢文の読解が可能になる。


    教員紹介


    インド哲学仏教学専修には、4名の教員が在籍している。それぞれの専門分野は以下の通りである。

    • 下田 正弘 教授:仏教聖典形成史研究。
    • 蓑輪 顕量 教授:日本仏教、特に南都における戒律思想史。最近は瞑想の視点を含めた、日本仏教における思想と実践の研究。
    • 加藤 隆宏 准教授:インド哲学(ダルシャナ)、特にヴェーダーンタ学派。
    • 高橋 晃一 准教授:インド仏教哲学研究、特に唯識思想(あらゆる存在はただ「識」すなわち心の働きで表された、仮の存在にすぎないとみる唯心論)。


    学科インタビュー


    Coming Soon

    学生の声


    思想文化コース全体に対して行ったアンケート結果です。

    • 漠然と「哲学」をやりたいから思想文化コースを志望するという学生はおそらくほとんどいない(一個下の区分である専修課程で選択するケースがほとんどで、進振りで悩むなら後期教養の類似した学科と悩む)が、何らかの古典的なテクストを読む演習と、分野の基礎的な概論・特殊講義は、十分提供されている。基本的に、特定のテーマ(例えば「自由について」等)よりは、特定の思想家(例えば「カントについて」等)を扱うことが多い。
    • 哲学だけでなく、隣接する学問領域(例えば宗教学など)についても深く学べる。入門的な内容から専門的な文献購読まで、授業の幅は広い。

    文学部:思想文化コース イスラム学専修

    イスラム教の思想や文化そのものを、主として文献によって歴史的・実証的に研究し、教育活動を行う。研究対象は広く、イスラム教以前の古詩から、中世イスラム世界の教育制度、イスラム原理主義まで扱う。研究方法も様々で、古典的な思想史的文献学的研究はもちろん、哲学、宗教学、法史学、比較法学の立場からのアプローチも可能。学科の特徴としては、イスラム文化全般を扱うため、自由度が高いことが挙げられる。他学科の授業を受けたり、逆に他学科の学生が授業を受けに来ることもある。

    基本情報


    • 定員
      • 文学部A群、思想文化コース(「哲学専修」「中国思想文化学専修」「インド哲学仏教学専修」「宗教史宗教史学専修」「美学芸術学専修」「イスラム学専修」を含む)全体で70名
    • 要求科目
      • なし
    • 要望科目
      • 人文科学ゼミナール
    • 公式サイト


    カリキュラム紹介


    イスラム学専修のカリキュラムから哲学分野と考えられる講義やプロジェクトを抜粋して紹介する。

    • イスラム学概論
      • イスラム教のとらえ方、預言者ムハンマド、啓典クルアーンといった基本事項を学ぶ。
      • イスラーム文化の様々な側面に触れる。
    • イスラム学演習・特殊講義
      • 教員が自分の専門分野について比較的立ち入った講義を行う。内容は担当教員により幅がある。具体的なテーマ例は以下の通り。
        • イスラム哲学者ファーラービーの著作『有徳都市の住民がもつ見解の諸原理』は、流出論に基づいた新プラトン主義的な宇宙観とプラトン的な哲人王の観念を軸とした政治論で知られる。そのアラビア語原文を講読することにより、アラビア語文献を読み解く力を涵養し、イスラム哲学とイスラム神学に対する理解を育む。
        • 神学者ガザーリー(1111年没)の自伝『誤りから救うもの』を講読することにより、アラビア語文献を読み解くための基礎力を養成し、イスラム教の神学、哲学、シーア派、スーフィズムに関する基本的な知識を習得する。
        • イスラーム政治思想史の基本的概念を把握した上で、イスラーム教やイスラーム世界をめぐって現代の国際社会や中東社会が抱える思想的な課題や対立軸を、自らの頭で考え、資料に基づき、多元的な視点から議論できるようになることを目指す。
        • イスラム神秘主義に関する主要文献を取り上げると同時に、現代におけるスーフィズムの役割についても学ぶ。(通年開講)


    教員紹介


    イスラム学専修には、3名の教員が在籍している。それぞれの専門分野は以下の通りである。

    • 柳橋 博之 教授:7世紀からおおよそ13世紀までのイスラーム法。
    • 菊地 達也 教授:シーア派思想史。
    • 小野 仁美 助教:8世紀から19世紀頃までのイスラーム法。「子ども」と「家族」をキーワードに研究をしている。


    学科インタビュー


    Coming Soon

    学生の声


    思想文化コース全体に対して行ったアンケート結果です。

    • 漠然と「哲学」をやりたいから思想文化コースを志望するという学生はおそらくほとんどいない(一個下の区分である専修課程で選択するケースがほとんどで、進振りで悩むなら後期教養の類似した学科と悩む)が、何らかの古典的なテクストを読む演習と、分野の基礎的な概論・特殊講義は、十分提供されている。基本的に、特定のテーマ(例えば「自由について」等)よりは、特定の思想家(例えば「カントについて」等)を扱うことが多い。
    • 哲学だけでなく、隣接する学問領域(例えば宗教学など)についても深く学べる。入門的な内容から専門的な文献購読まで、授業の幅は広い。

    教養学部:超域文化科学現代思想コース

    教養学部 教養学科 超域文化科学分科 現代思想コースは、狭義の「哲学」に特化した専門性の追求にとどまることなく、現代思想と現代哲学の膨大な知的資源を主な素材としながら、世界の多様な現実との対話を通して、「開放系」としての哲学・思想を探求するコース。西洋・東洋の分断を超えた哲学・思想の遺産と、人文・社会諸科学の成果を正確に踏まえながら、知識と行為、言語とコミュニケーション、国家と歴史、倫理と宗教など、現代の生と社会の諸現象を、人間存在の根本から思索することを目指す。

    基本情報


    • 定員
      • 超域文化科学分科全体の定員数は36名で、受け入れ枠としては文一・二と文三からの2つの指定科類枠と、全科類枠が存在する。
      • 超域文化科学分科として進学選択を行い、その後コースを選択する。コース選択には、前期教養学部での成績は関係ない。
    • 要求科目/要望科目
      • なし
    • 公式サイト


    カリキュラム紹介


    • 文学部の哲学専修と比べた場合、西洋哲学に限られることなくアジアの思想や精神分析学、そして宗教的思想についても考えうるなど、裾野が広いことを特徴としている。コースそのものがピントを絞っているわけではないので、独学によるピント合わせが必要になることもまた特徴に含められる。
    • 哲学概論のような必修の授業はなく、卒論のためのゼミも存在しないため、自学自習をできるかどうかが問われる。
    • 授業のテーマの具体例は以下。
      • 脱成長とは何か
      • 〈哲学×デザイン〉プロジェクト序説
      • ハーバーマスの論文"Richtigkeit versus Wahrheit"をドイツ語で読解。


    教員紹介


    • 梶谷 真司 教授:現象学、身体論、比較文化、医学史(主に日本の近世~近代)
    • 國分 功一郎 教授:スピノザを中心とした17世紀哲学、フランス現代思想、民主主義の理論、精神分析、精神医療
    • 斎藤 幸平 准教授:ヘーゲル哲学、ドイツ観念論、マルクス主義哲学、マルクス経済学。 著書『人新世の「資本論」』(集英社新書)は45万部を超えるベストセラー。


    学科インタビュー


    Coming Soon

    学生の声


    • 哲学書の原典の購読から、哲学と現代の接点を考える講義まで、幅広い観点から哲学の講義が設定されている点が魅力。

    教養学部:学際科学科 科学技術論コース

    教養学部 学際科学科に設置された本コースでは科学研究をするのではなく、主に人文科学的な手法で科学そのものについて研究する。現代において科学技術が提起する問題を検討し、提案をなしうる人材養成を目指す。授業では基礎知識を学ぶ「概論」と批判的思考能力及び調査・表現の手法を学ぶ「演習」が中心科目として開講され、特定のテーマを扱う特論科目も履修可能。コース科目は科学技術史・科学技術社会論・科学哲学・応用倫理学の4分野からなる。

    基本情報


    • 定員
      • 学際科学科全体で14名。点数に関係なく、希望のコースに進学できる。
    • 要求科目/要望科目
      • なし
    • 公式サイト


    カリキュラム紹介


    科学技術論コースのカリキュラムから哲学分野と考えられる講義やプロジェクトを抜粋して紹介する。

    • 応用倫理学概論
      • 応用倫理学の基礎となる倫理学の諸理論(功利主義、自由主義、義務論、正義論など)と応用倫理学の諸領域(グローバリズム、格差、環境倫理、生命倫理、AIとロボット倫理、科学技術のリスクなど)を扱う。担当範囲を発表。複数看板授業なので他学部履修可能。2Aセメスターに履修する人が多い。
    • 科学哲学概論
      • マイケル・ワイスバーグ著、松王政浩訳『科学とモデル:シミュレーションの哲学入門』を読みながら、科学におけるモデルとは何か、科学においてモデルはどのような役割を果たしているのかについて考察する。
    • 科学技術史概論
      • 他学科履修可(本科目を必修とするのは本コース生のみ)。講義形式。概説的な講義で、科学史の初学者にも優しいと思われる。担当教員は前期教養課程の「科学史」も担当、一部内容が重複している。
    • 科学技術社会論
      • 科学/技術と社会との接点で起こる問題群を扱う学問分野。具体的な事例を参照しつつ授業が進められる。2020年度は全て講義形式だったが、それ以前は生徒同士のグループワークも授業内に行われていた模様。他コース合同、他学科履修可。事例分析の具体的な方法が学べる。
    • 「応用倫理学演習」「応用倫理学概論」といった開講区分で以下のようなテーマの授業がある。
      • 功利主義と応用倫理学。
      • 人権の思想的基盤を理解し、人権に関する近年の哲学的・倫理学的議論状況を把握する。精神科領域や福祉領域などにおける人権擁護にかかわる法制度や現状を概観する。


    教員紹介


    • 廣野 喜幸 教授:進化生態学、生物学史、生命倫理学(生権力論)、科学技術社会論、科学技術コミュニケーション論
    • 鈴木 貴之 教授:心の哲学、人工知能の哲学、精神医学の哲学、実験哲学、メタ哲学、脳神経倫理学など。
    • 石原 孝二 教授:科学技術哲学、現象学。最近では、精神医学の哲学、オープンダイアローグ、精神医療と人権、障害の哲学、当事者研究など。


    学科インタビュー


    Coming Soon


    学生の声


    • 魅力:分析哲学をやるならうちが良いと思う。文献読解にとどまらず、所謂自分で哲学する、ということにも卒論段階で到達しうる。特に、心の哲学、言語哲学、現象学(精神病の哲学)をやろうと思ったらドンピシャだろう。また、一つのコースにいながら、科学というものを対象に歴史学や倫理学、社会学の講義も受けられる(別に興味が全くなければうけなくとも良い)。
    • 授業(どのくらい):心の哲学、言語哲学、精神病の哲学については、それぞれその専門の先生が自身の研究テーマを踏まえて、基礎から始めて分野の論文を読めるようになるくらいまでをゴールに授業が行われる。科学哲学については、専門ど真ん中の先生がおらず、概論が中心。ただ、AIに対する哲学的考察だったり、外部から先生を呼んで機械倫理の講義が行われることもある。またどの講義においても、(単位認定はされないが)大学院向けの講義に聴講のかたちで参加することも歓迎される。自分で自由に対象を決めて学んでいく、というのは卒論が主な場になると思われる。専門ど真ん中の先生がいなくとも、近傍であったり、手法が同様であることが大抵であり、(そうでなくとも)かなり熱心な指導が受けられる。
    • 授業(どのような内容で):輪読と講義形式が1:1程度に思われる。輪読においては、界隈で一番有名、みたいな本が扱われることはあまりない。近年の話題の本、みたいなものが主に取り上げれるているように思われる。講義が良いか輪読がいいかは、前セメスター終了時の懇親会の時なんかに先生に希望を伝えれば、汲まれることもいくらかある。扱ってほしい内容を懇親会のときなどに伝え続けば、その内容の講義が開かれることもある。

    【おまけ】哲学関連の授業がある他の学科

    哲学関連の授業がある学部は、これまで紹介した学部だけではありません。

    例えば、教養学部の相関社会科学コースには、以下の先生が在籍しています。

    • 森 政稔 教授:専門は政治思想史・社会思想史。民主主義、自由主義やアナキズムなどを研究している。「相関社会科学基礎論Ⅰ」を担当。
    • 井上 彰 教授:専門は政治哲学。ロールズをはじめとする正義論や、実験政治哲学などを研究している。2022年は学部での授業は担当せず。


    また法学部には、以下のような先生が在籍しています。

    • 川出 良枝 教授:専門は政治思想史。モンテスキューやルソーなどの思想を研究している。「政治学史」「現代政治理論」「政治学史演習」を担当。
    • 瀧川 裕英 教授:専門は法哲学。国家や責任をテーマに研究している。「法哲学」「法哲学演習」を担当。


    他にも、哲学を中心に扱っていない学部・学科が、哲学に関連する授業が開講していることはあります。

    この記事に載っていない学部・学科もぜひ調べてみてくださいね!

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