はじめに 多くの東大生が頭を悩ませる意思決定である「進学選択」。 「〇〇に興味はあるけど、どの学科で学べるのかわからない」なんて思ったことはありませんか? この記事では、そんな皆さんのお悩みに応えるべく、生命科学分野について学ぶことができる学科を「横断的に」比較紹介しました。 皆さんの選択を少しでも支えることができれば幸いです。 ※本記事の内容は2022年度以前の情報に基づいています。現在記事を更新中ですのでしばらくお待ちください。 目次 教養学部:統合自然科学科 統合生命科学コース 概要 教養学部 統合自然科学科 統合生命科学コースは、生命科学を横断的にカバーする学科である。扱っている内容は、分子生物学、細胞生物学、生化学、植物生理学などの「理学」的な基礎研究や、神経科学、内分泌学といった「医学」的な研究、創薬への応用といった「工学」的な研究、物質生産、バイオテクノロジーなど「農学的」な研究など幅広い。さらに特筆すべきこととしてこれら融合領域は生物学を観察・解析対象とした際に、それぞれ独自のアプローチをもつことが挙げられる。例えば生体内の諸現象を物理的な視点で観察する生物物理学、数理的なモデルをしばしば用いる数理生物学、情報学を中心とし、コーディングを交えながら解析する生物情報科学、そして工学的視点を備えて生体システムを設計する等の研究を含む合成生物学などがある。先述の通り統合生命科学コースには非常に幅広いテーマを掲げる研究室が集まっているため、それぞれの融合領域の境界線がはっきりとあるわけではないが、主な研究室紹介での研究内容の詳細を参考にされたい。 また、手法も実験と理論の研究室が両方存在する。さらに、履修単位上、統合生命コース以外の教養学部の授業も履修することが求められており、希望に応じて数理科学や物質科学、認知科学などからの幅広い視野を一流の東京大学の教員から獲得できるのは「学際性」を重んじる教養学部ならではの醍醐味だろう。 基本情報 定員20名 第一段階 指定科類 理科11名 全科類 3名 第二段階 指定科類 理科5名 全科類 1名 要望科目 なし 要求科目 なし 公式サイト http://www.integrated.c.u-tokyo.ac.jp/admission/courses/course3/ カリキュラム紹介 卒業には76単位以上を取得しなければならない。 より具体的には以下の単位を取得しなければならない。 高度教養科目6単位以上(ただし、数理科学概論、物質科学概論、生命科学概論、認知脳科学概論、スポーツ科学概論、Advanced ALESSⅠ、Advanced ALESSⅡ、知財・技術経営論、科学技術社会論の中から6単位以上含めること) 統合生命科学コースのコース科目(以下にて詳述)から必修科目を含め34単位以上 統合自然科学科の他コース科目から16単位以上 卒業研究10単位 2Aセメスター 生命科学概論 統合生命科学コース担当の各教員がオムニバス形式でそれぞれの研究を基本から最先端までわかりやすく解説する授業である。 統合自然科学セミナー 生命現象の様々な視点からの最先端の研究を知ることで、現在の生命科学について見識を深め、将来の生命科学について考える。 生命科学研究法 統合生命科学コース担当の各教員が、様々な研究法について講義する。生命現象の様々な階層の研究の方法論を知ることで、将来の生命科学研究においてのでまざまな方法を活用することができるようにする。 構成・システム生物学 成長、適応、運動など細胞のシステムレベルの動態を題材にとり、それらの頑強性、可塑性、活動生を理解するための実験的アプローチと理論的背景を学ぶ。 3Sセメスター 生化学 生命現象を化学的・分子的視点から捉えることができる基礎知識を身に着ける。生体分子の構造や機能に関する基礎を学ぶ。 光生物学 前半は植物の特徴、植物細胞の構造と分化、色素体の分化、光合成を中心に、植物細胞の可塑性やエネルギーと物質の変換のメカニズムについて解説する。後半は、花成の仕組み、光周性花成とフロリゲン、光周性花成の分子機構を中心に、花成制御の分子メカニズムについて学ぶ。 生物物理学Ⅰ 生命現象を駆動する根源的物質であるタンパク質に重点を置き、タンパク質の構造・物性・機能を学ぶ。 分子生物学 DNA、RNAや遺伝子、染色体に関わる分子生物学を中心に、基本から最新の知見をまとめて学習する。 統合生命科学実験Ⅰ 基礎的な生命科学の実験手法について実際に実験を行いながら学ぶ。分子、細胞、組織・器官、個体、集団と様々な階層の生命現象について実験手法を知ることで、将来の生命科学研究において幅広い視点を持てるようにする。 3Aセメスター バイオインフォマティクスa 生物学の研究者がそれぞれが興味を持つ生命現象を解き明かして行くためにどのようにバイオインフォマティクスを学び、かつバイオインフォマティクスの専門家と共同研究を進めて行くべきかについて学ぶ。 統合生命科学実験Ⅱ 基礎的な生命科学の実験手法について実際に実験を行いながら学ぶ。分子、細胞、組織・器官、個体、集団と様々な階層の生命現象について実験手法を知ることで、将来の生命科学研究において幅広い視点を持てるようにする。 バイオイメージング 生きた細胞や生体の中で起こっている分子レベルの生命現象をリアルタイムで可視化するためのバイオイメージング技術とその関連技術について大要を講じる。 細胞生物学Ⅱ 核・染色体・細胞骨格に焦点を当て、主に哺乳動物の減数分裂、受精〜卵割、発生についての細胞分子生物学的な解説を行う。 生体高分子科学a/b 化学・生化学的アプローチに基づく、核酸をターゲット/核酸を分子材料として利用する応用研究について講義・解説する。 主な研究室紹介 加納研究室(加納純子教授) キーワード:分子遺伝学、染色体生物学、テロメア、ゲノム進化 主な研究内容 染色体末端テロメアによる染色体機能発現メカニズムの解明 テロメア隣接領域サブテロメアの機能解明 研究室のホームページ: https://park.itc.u-tokyo.ac.jp/jkanoh/index.html 市橋研究室(市橋伯一教授) キーワード:進化生物学、合成生物学 主な研究内容 分子から生命が生まれるのか? 増える人工細胞を作る 目指せ最小生物 研究室のホームページ:https://webpark2056.sakura.ne.jp/index.html 学科インタビュー Coming Soon 学生の声 細胞生物学、分子生物学などオーソドックスな分野をしっかりと学びつつ、生物物理学や合成生物学など、学際的な分野を知ることができる。必修科目ではベーシックな知識を抑えつつ教員の専門に絡めた最新の研究の話なども多い。(その分体系的ではないかもしれない)学際分野は自由選択の科目として提供されることが多いので、自分の関心に合わせて受講することができる。また、他学科の講義なども履修しやすく、副専攻/サブメジャー制度もあることから専攻を離れた分野も勉強できる。 工学部:化学生命工学科 概要 化学生命工学科は、生命科学と化学を中心に扱う学科である。 有機化学と生命科学を融合させ、新しい物質を創生することに着眼点を据えており、工学部他学科に比べて、化学の色が濃いことが特徴である。また、学科名には表れていないが、生物素材など、マテリアル工学的な要素も持ち合わせている。 基本情報 定員 49名 要求/要望科目 要求科目 なし 要望科目 総合科目E 基礎化学 公式サイト https://www.chembio.t.u-tokyo.ac.jp カリキュラム紹介 ※必修授業より生命科学分野のものを抜粋して紹介。 2Aセメスター 生命化学 化学の視点から生命分子の構造と機能を学ぶ。 3Sセメスター バイオテクノロジー 人類の営みを変革する技術であるバイオテクノロジー。そのバイオテクノロジーにおける重要分野である遺伝子工学および蛋白質工学について、広くその基礎と応用を学ぶ。 分子生物学 セントラルドグマについて、化学的性質も交えつつ学ぶ。 化学生命工学最前線 化学生命工学科の各研究室の具体的な研究内容をオムニバス形式で学ぶ。 3Aセメスター ケミカル・バイオ・インダストリー 実生産分野における化学およびバイオテクノロジーの役割を学ぶ。 生命化学演習 生命化学のテキストに準じ、演習を行う。 4Sセメスター 化学・生命系実験及演習 化学を基礎として、バイオ・医療などの関連分野の研究を展開していくために、基礎学力と専門知識を身につけることを目的とする。実験や演習、各研究室でのゼミや研究会での発表・討論を通じて,最先端の研究を推進するための方法やプレゼンテーション、安全等について具体的に学ぶ。 主な研究室紹介 山東研究室(山東信介教授) キーワード:分子化学、生体機能関連化学、生体分子イメージング、核酸・ペプチド医薬、細胞工学、合成生物学 主な研究内容 生命現象の理解とそれに係る化学 生体内活性分子の挙動 研究室のホームページ: http://park.itc.u-tokyo.ac.jp/sandolab/index.html 平林研究室(平林祐介准教授) キーワード:脳発生、神経、細胞生物学、オルガネラ、幹細胞 主な研究内容 オルガネラ間接触の役割 ニューロンの構造と機能 研究室のホームページ: http://webpark2042.sakura.ne.jp/WordPress/jp/ 学科インタビュー Coming Soon 学生の声 化学系と生命系で迷っている人は、詳しい勉強をしてから選択することができる 工学部:マテリアル工学科 概要 マテリアル工学科は、「材料」を中心に化学、そしてそれに付随する生命科学を扱う学科である。学科設立の由来は金属、金属材料系であるが、それがセラミック材料やガラス材料に拡張され、現在ではバイオマテリアルを含め、「マテリアル」を手広く扱っていおり、生命科学を「モノ」に拡張する姿勢が特徴的と言えるだろう。特にこうしたバイオマテリアルは、医療に用いられることが多い。 学科内には環境・基盤マテリアルコース、ナノ・機能マテリアルコースに加え、バイオマテリアルコースがあり、これに関連した授業や研究室も存在する。なお、このコースは3年生から選択することができるものの、コース選択後も他のコースの授業を履修することができる。 基本情報 定員 計78名 要求/要望科目 要求科目 なし 要望科目 なし 公式サイト https://www.material.t.u-tokyo.ac.jp カリキュラム紹介 概要にて示した通り、コース選択は3年生から可能。それに伴い、数学・物理・化学などの基礎科目の比重が3Sセメスターまでは多く、生命科学に関連する(バイオマテリアルなど)授業は3Aセメスターから履修することが一般的。そこで、ここでは3Aセメスター以降の生命科学分野のカリキュラムについて紹介する。 2Aセメスター 生命科学概論 化学系・マテリアル系で必要となる生命科学の知識を習得することを目指す。 3Sセメスター 該当授業なし 3Aセメスター 分子細胞生物学 本講義では、タンパク質・DNAの構造、遺伝のメカニズム、細胞・細胞外マトリックスの構造と機能を学ぶことでナノスケールからマイクロスケールに至るまでの生物現象の基礎を俯瞰的に理解することを目指す。また併せて、バイオ分野で汎用的に用いられる分析手法の原理の基本的理解も目的とする。 Introduction to Nano-Biomaterials ナノ・バイオマテリアル分野のこれまでの発展や、新たな発見について幅広く扱う。また、同分野で扱う技術や手法を学ぶことを通して、マテリアル・バイオ分野で共有している分野について理解を深めることを目指す。 4Sセメスター 応用バイオデバイス材料学(S1ターム) バイオセンシング技術の全体像を、体系的に学習する。 応用医療材料学 マテリアルを医療応用する際に知っておくべき医学・生物学の知識や技術を紹介する。 主な研究室紹介 山崎研究室(山崎裕一准教授) キーワード:生物物理、DNA構造、DNA濃縮、高分子ミセル、遺伝子治療 主な研究内容 ブロック共重合体とDNAとの複合体形成に関する物理化学的特性解析 ブロック共重合体とDNAとの複合体の遺伝子発現に関する構造機能相関 教員の紹介ページ:https://www.material.t.u-tokyo.ac.jp/blog/faculty/detail/362/ 学科インタビュー Coming Soon 学生の声 まず、マテリアル工学科は一応A,B,Cに分けられている(バイオ、環境・基盤(という名の金属)、ナノ)が、この区分はほとんどないも同然である。元が冶金、金属工学だったこともあり金属系は多めで、生命科学系は考えているよりも少ないかもしれない。 理学部:生物化学科 概要 理学部には「生物学科」「生物化学科」「生物情報科学科」と、生物系の学科が3つあるが、生物化学科は特に「代謝・神経・遺伝」等について、分子レベルから解析するような授業が多い。分子生物学を中心に学びながらも進化学・細胞物理学・医学・生理学など幅広い分野を専門とする先生方から授業を受けられる。授業中に研究紹介を兼ねた話を聞くこともしばしばある。当学科に所属しながら生物学科や生物情報科学科の授業を取る人も多く、特に生物情報科学科とは合同で必修の実験を行うこともあるなど学科間の垣根が比較的低いのが理学部生物系の特徴の一つ。 卒業したあとはほぼ全員が大学院に進学し、就職する人は数年に1名ほど。多くの学生は研究室内で持ち上がり、2割程度は他学部他学科の研究室へ、そして若干名が海外大学院に進学する。 基本情報 定員 20名 要求科目(文科各類) 「基礎実験Ⅰ~Ⅲ」(計3単位)または「基礎物理学実験、基礎化学実験、基礎生命科学実験」(計3単位) 「数理科学基礎、微分積分学①・②、線形代数学①・②」(計8単位) 「力学、電磁気学、熱力学または化学熱力学、構造化学、物性化学」から4科目(8単位) 「生命科学、生命科学Ⅰ、生命科学Ⅱ」から1科目(2単位または1単位) 要望科目 総合科目E系列の【物質科学】や【生命科学】(特に「分子生命科学、現代生物学、生物情報科学」)、また総合Fの【統計学】に該当する科目 カリキュラム紹介 2Aセメスター 生物化学概論Ⅰ 分子生物学の基礎を、研究紹介も交えながら扱う。 生物化学概論Ⅱ 同上 遺伝学 古典遺伝学や、遺伝現象の分子機構、集団・進化遺伝学、エピジェネティクスなど、遺伝学全般を幅広く学ぶ。 生物化学概論Ⅰ タンパク質の分子機能、化学反応、立体構造などを学ぶ。さらに、生物化学という学問分野の展望について触れる。 生化学・分子生物学 The cellという分子生物学を体系立てて解説した専門参考書の英語版を用いて、代謝やDNAの構造などを具体的に学び、生化学の基盤を固める。 3Sセメスター 生物化学実験法 生命科学実験を行うにあたっての注意点や、各研究室の実験方法の概論を扱う。 生物化学実験Ⅰ タンパク質精製やDNA抽出、酵素反応の速度測定など、生化学・分子生物学などの基本的な実験技術の修得を目指した実習を扱う。 定量生物学 各研究室で用いられている実験手法のうち、定量的な解析を求められる部分を実際に体験し、python等を用いたプログラミングも多い。線虫の走性をシミュレーションによって明らかにする、RNA干渉によって発現量が変化した遺伝子を主成分解析など様々な解析手法で特定するなどのプログラムが組まれている。 細胞分子生物学Ⅰ 染色体の分裂機構、DNAやクロマチン構造を中心とした体系的な分子生物学の知識の習得を目指す。 細胞分子生物学Ⅱ 転写・翻訳反応やその制御に関わる基本分子機構や染色体の構造、エピジェネティックな制御について詳しく扱う。 3Aセメスター 生物化学実験II 大腸菌、ショウジョウバエ、線虫、ゼブラフィッシュ、マウスなど様々なモデル生物を用いて、分子レベルから個体レベルにわたる最先端の研究手法を扱う。 4Sセメスター 生物化学特別実験I 各研究室に配属され、各自が最先端の研究テーマについて研究を行う。 主な研究室紹介 塩見研究室(塩見美喜子教授・山中総一郎准教授) キーワード:miRNA・遺伝学・生殖科学 主な研究内容 恒常的小分子RNAによる遺伝子発現制御機構 生殖組織小分子RNAの生合成機構 生殖組織小分子RNAによるトランスポゾン抑制機構 http://www-siomilab.biochem.s.u-tokyo.ac.jp/ 研究室HP:http://www-siomilab.biochem.s.u-tokyo.ac.jp/ 濡木研究室(濡木理教授・伊藤弓弦准教授) キーワード:構造生物学・構造解析・タンパク質科学 主な研究内容 RNAに制御される遺伝情報の発現 \ (RNAサイレンシング,Genome editing) 膜タンパク質による膜を越えた物質およびタンパク質の輸送や感覚受容 新規抗がん剤設計に向けたがん化やがん転移の機構解明 研究室HP:http://www.nurekilab.net/ 飯野研究室(飯野雄一教授・國友博文准教授) キーワード:神経科学・線虫・行動制御 主な研究内容 神経系の情報処理と行動制御の機構の研究 フェロモンによる個体間相互作用と種内・種間多様性 研究室HP:http://molecular-ethology.biochem.s.u-tokyo.ac.jp/IINO_lab_J.html 上村研究室(上村想太郎教授) キーワード:一分子解析・イメージング 主な研究内容 分子可視化技術によるRNA機能の解明 1分子計測技術による1細胞内RNA網羅解析 1細胞イメージング技術による細胞機能の解明 研究室HP:http://www.biochem.s.u-tokyo.ac.jp/uemura-lab/japanese/home_ja.html 学科インタビュー Coming Soon 学生の声 化学というより、純粋な分子生物学を扱う授業がほとんどです。DNA、神経、代謝といった言葉に惹かれる人であれば楽しんで学べる場所だと思います。基本的に先生は自分の専門分野をもとに授業を展開するので、研究紹介と授業内容が結びついているケースがほとんどです。 理学部:生物情報科学科 概要 生命システムを生命科学と情報科学の両面から解き明かすことを目的とした、バイオインフォマティクス、システム生物学、ゲノム生物学、オーミクスなどとも呼ばれる最先端の学問分野である生物情報科学分野で世界をリードする人材を育成する学科である。 既存の学問分野をまたぐ幅広い視点を持ち、生命科学と情報科学の双方の専門性を備えた人材を育成するために、東京大学理学部に2009年におよそ30年ぶりに新設された。 実験(ウェット)と情報(ドライ)の両方のアプローチを学び、生命現象の全体を俯瞰する新しい視点から生命というシステムにアプローチをする。 基本情報 定員 12名 要求/要望科目 要求科目 基礎実験「基礎物理学実験、基礎化学実験、基礎生命科学実験」or「基礎実験Ⅰ・基礎実験Ⅱ、基礎実験Ⅲ」(ともに計3単位) 数理科学「数理科学基礎、微分積分学、線形代数学」(計8単位) 物質科学「力学、電磁気学、熱力学または化学熱力学、構造化学、物性化学」から4科目(計8単位) 「生命科学、生命科学I、生命科学II」から1科目(2単位または1単位) 要望科目 総合科目E「分子生命科学、現代生物学、生物情報科学」 公式サイト http://www.bs.s.u-tokyo.ac.jp/bioinfo/ カリキュラム紹介 2Aセメスター 遺伝学 古典遺伝学からはじめ、遺伝現象の分子機構、集団遺伝学、進化遺伝学、エピジェネティクス、ゲノミクスについて学ぶ。 細胞生理学 一般的な細胞膜の構造・機能や輸送に始まり、動物の神経系及び筋肉系の細胞が示す多彩な生理機能を中心として、主に分子及び細胞学的な観点から細胞生理学の基本的な概念を扱う。 生物化学概論Ⅰ タンパク質の分子機能、化学反応、立体構造などを概説する。さらに、生物化学という学問分野の展望について触れる。 生化学・分子生物学 The CELLという英語版の教科書を用いて、生物化学研究の重要な手段である分子生物学的手法の原理とその応用たる遺伝子工学について実践的知識を得る。 有機化学Ⅰ 分子構造と反応性の系統的な理解に欠かせない原子価や分子軌道の概念、また有機化合物を組み上げている化学結合に関して学ぶ。さらに、官能基と呼ばれる一群の機能性構造単位について、その性質、合成法、相互変換について学ぶ。 3Sセメスター 生物統計論 DNA配列、RNA配列、アミノ酸配列、次世代シーケンサーデータなど、生命データを解析する際に頻繁に使われる統計的手法について解説する。 ゲノム配列解析論Ⅰ 生物配列の情報解析法、特に配列アラインメントとその背景となる理論・アルゴリズム、確率モデルの理論・アルゴリズム・応用を習得する。 細胞分子生物学Ⅰ 真核生物のゲノム・クロマチン構造、DNA複製、組み替え、修復、核構造、テロメア、染色体分配、生殖細胞の細胞周期、ゲノム進化などについて、最新の研究成果を交えつつ必修事項を重点的に学ぶ。 生物物理化学Ⅰ タンパク質や核酸の高次構造、X線結晶構造解析やNMRによる生体分子の構造解析の基礎について述べ、さらに生体分子の立体構造から機能が発現するメカニズムについて論じる。 細胞分子生物学Ⅱ 遺伝情報の実態である染色体を正確にコピーし、娘細胞へと分配するために細胞が備えているメカニズムについて、分子的観点から解説する。 生体物質化学Ⅰ アミノ酸とペプチド・タンパク質に焦点を絞り、その構造と機能に関する基礎的諸概念について解説する。 生体物質化学Ⅱ 糖質、脂質の化学的性質とその生物学的な意義、及び代謝の生物学について講義を行う。 ゲノム生物学 遺伝情報の複製・発現などについて学ぶ。ゲノム情報解析の意義と方法、今後の展開、付随する問題点についても学ぶ。 システム生物学 細胞の増殖や分化、生体ホメオスタシス、発生、神経活動などのさまざまな生命現象の特徴を、個々の分子や遺伝子が集まって機能する分子ネットワークの「システム」の振る舞いとして理解する。 生物化学実験 タンパク質の分離、精製、大腸菌を用いた遺伝子DNAに関する実験。 生命科学基礎実験 シークエンシング、生化学反応シュミレーション、及び遺伝子発現プロファイリングなどの生物情報科学的実験を行う。 3Aセメスター 生物情報科学Ⅰ 配列データベースの利用法、配列アラインメント、ホモロジー検索、ゲノム解析、トランスクリプトーム解析などの生物情報科学の基礎を中心に講義する。 生物物理化学Ⅱ タンパク質・RNAなどの生体高分子の高次構造を実験的に解析する方法、光計測や光操作を用いた1分子計測手法について理論から最先端の応用まで紹介する。 海洋生物学 海という環境と、そこに展開する多様な生命現象を、分子から個体群に至るまでさまざまなレベルで解説する。 生物物理学 タンパク質や拡散などの分子レベルから脳・神経系の機能などの工事の生命現象までの基礎的な概念、手法を解説すると同時に、最新のトピックスについても紹介する。 分子遺伝学 分子遺伝学の基本原理をはじめ、生化学、細胞生物学、分子生物学を通した解析を基盤とした研究アプローチを通して明らかになった遺伝子機能の実例などを解説しつつ、遺伝子発現機構及びその制御機構に関して概説する。 分子生命科学Ⅲ 神経科学の基本的な導入を目的としており、前半では脳の構造と機能、感覚神経系、運動神経系について、後半では脳の行動と化学的制御について、摂食行動、リズム、睡眠について講義する。 4Sセメスター 動物発生学Ⅰ 動物の発生を対象として、発生の基本的概念とその背後にある分子メカニズムについて概説する。 生体情報論 生命システムに見られる様々な動的現象を微分方程式によって記述・解析する手法を学ぶことによって、複雑な現象を数理的に記述し理解する力を身につける。 理論生物学 イメージングやシーケンシングなどの複雑な生命システムの動態を定量的に計測・解析できるようにするために、細胞を単位として生体システムを扱う数理的な手法や関連トピックを概説する。 生命分子化学 生命現象に関わる化学を、生体分子とこれに基づく人工分子の構造と機能、及びこれら相互の分子認識の観点から解説する。 生物情報科学特別講義Ⅰ タンパク質の立体構造や機能解明のために行われる、バイオインフォマティクスによるアプローチについて講義を行う。 主な研究室紹介 黒田研究室(黒田真也教授) キーワード:システム生物学・トランスオミクス・シミュレーション 研究内容 インスリン作用の細胞内ビッグデータから大規模代謝制御地図を自動的に描く方法論を確立 トランスオミクス解析による高濃度と低濃度のインスリン作用の選択性の解明 肝臓-筋肉の臓器連関代謝サイクルの肥満による制御異常の解明 研究室HP:http://kurodalab.bs.s.u-tokyo.ac.jp/ja/top/ 角田研究室(角田達彦教授) キーワード:ゲノム医科学・プレシジョン医療・がん微小環境・深層学習・トランスオミクス 研究内容 先端の数理科学と分子観測技術で生命現象と病気を理解する がんとその微小環境との関係の解明 深層学習による独創的な解析の方法論 トランスオミクス研究 研究室HP:http://mesm.bs.s.u-tokyo.ac.jp/ 岩崎研究室(岩崎渉教授) キーワード:生命システム進化学・ゲノム進化学・エコシステム戦略学・機能未知遺伝子学・DNA配列空間学・対偶遺伝学・二次元オーミクス・遺伝子誕生学 研究内容 生命システムが進化してきた過程の考察 生態系が今の姿で安定に維持されている背景の調査 現存する中で機能が未知の遺伝子に対する研究 ビッグデータから未知の遺伝子機能に迫るための方法論の確立 今まさに生まれている遺伝子に対するアプローチ 研究室HP:http://iwasakilab.k.u-tokyo.ac.jp/ 学科インタビュー Coming Soon 学生の声 データ駆動の生命科学は日毎に勢いを増しています。アイデアとノウハウさえあれば、無料でアクセスできる膨大なデータベースから素晴らしい知見を発掘できる時代となりました。そう聞くとなんだかワクワクしませんか?生情では、基本的なプログラミングから機械学習まで、バイオインフォマティクスに必須の知識を叩き込んでもらえます。必修の授業は全て生物学か情報科学に関連しており、どちらにも興味がある人にとっては最高の環境です! 理学部:生物学科 概要 理学部生物学科、通称「理生(りなま)」。 生命現象の普遍性と多様性を観察し、大腸菌からヒトまで多様な生物現象の理解に取り組んでいく。理生の通称通り、「なまの生き物を丸ごと理解する」という目的で教育・研究を行っている。 授業の多くは理学部2号館で受けるが、実習はそこだけでなく、附属施設である植物園(文京区小石川、日光)や臨海実験所(横須賀市三崎)等でも行われ、建物の外に出て直接自然に触れることができる。 カリキュラムは、学科全体で共通講義・実習をこなす2Aセメスター、人類学を主として学ぶA(Anthropology)系と、基礎生物学を主として学ぶB((Biology)系との2コースに分かれる3年次、再び学科全体として「生物科学特別実習Ⅰ~Ⅲ」を通じ卒業研究に励む4年次のように推移していく。 基本情報 定員 25名程度 要求/要望科目 要求科目(文科各類) 「基礎実験Ⅰ~Ⅲ」(計3単位)または「基礎物理学実験、基礎化学実験、基礎生命科学実験」(計3単位) 「数理科学基礎、微分積分学①・②、線形代数学①・②」(計8単位) 「力学、電磁気学、熱力学または化学熱力学、構造化学、物性化学」から4科目(8単位) 「生命科学、生命科学Ⅰ、生命科学Ⅱ」から1科目(2単位または1単位) 要望科目 総合Eの【物質科学】や【生命科学】(特に「分子生命科学、現代生物学、生物情報科学」) 総合Fの【統計学】に該当する科目 公式サイト http://www.bs.s.u-tokyo.ac.jp/biol/ カリキュラム紹介 2Aセメスター 生態学概論 生態学の基礎を学ぶ。 細胞生理学 分子・細胞学の観点から細胞生理学の基本を学ぶ。 植物形態学 維管束植物の基本構造および各器官の形態と機能の多様性について概説する。また、形態学に必要な手法や形態遺伝学についても扱う。 生化学・分子生物学 生化学・分子生物学の必須の知識を体系的に学ぶ。 遺伝学 古典遺伝学やゲノミクスなど、遺伝学に関して幅広く学ぶ。 進化生物学 生物の進化のメカニズムやプロセスについて学ぶ。 動物系統分類学 系統進化の視点から動物の多様性について学ぶ。 人類生物学 ヒトが現在の姿に至るまでの進化の道程を学ぶ。 霊長類学 霊長類について、系統関係・各分類群の特徴等を学ぶ。 骨格人類学実習 実習や観察を通してヒトの骨格と歯の基礎形態を学ぶ。 3Sセメスター 3年次では人類学を主として学ぶA(Anthropology)系と、基礎生物学を主として学ぶB(Biology)系に分かれる。 A・B系共通選択必修科目 細胞生物学 細胞の内部構造と機能を学ぶ。 生物統計学演習 生物統計学で用いられる基礎的な統計量や検定の方法を実際の計算を通じて学ぶ。 分子進化学 進化について、生物の遺伝子から調べる際に必要な理論や手法について学ぶ。 ゲノム動態学 ゲノムのダイナミクスについて学ぶ。 A系 人類生物学実習 自然人類学の研究で必要となる基本技術や考え方を学ぶ。 人体解剖学/人体解剖学実習(医学部必修科目) 組織学・細胞生物学の基本的な知識を学び、実習を通して各組織の構造を観察する。 B系 生物科学共通実習 生物学における実験研究の基礎を学習する。 3Aセメスター A・B系共通選択必修科目 科学英語演習 少人数クラスで英語実習を行う。 A系 人類遺伝学実習(必修) DNA試料を扱う際に必要な技術、解析法を学ぶ。 先史学実習(必修) 考古学で用いられる資料の整理方法を学ぶ。 人体生化学 生化学、分子生物学、栄養学の基礎を学ぶ。 人体組織学実習 組織学・細胞生物学の基本的な知識を学び、実習を通して各組織の構造を観察する。 B系 生物科学専門実習Ⅰ〜Ⅳ(必修) 動物を扱うコースと植物を扱うコースに分かれて、実習を行う。 動物生理化学(選択) 動物の生態や生理、行動様式を生理化学の観点から学ぶ。 海洋生物学(選択) 海という環境とそこに生息する生命現象について学ぶ。 4年 生物科学特別実習Ⅰ〜Ⅲ 理学部2号館、附属臨海実験所、附属植物園、総合研究博物館の各研究室に配属され、研究の基礎を学ぶ。 3年次にどちらの系を履修したかに関わらず、全ての研究室から自由に選べる。 主な研究室紹介 人類学分野 ゲノム人類学研究室(太田博樹教授) キーワード:ゲノム解析・サピエンス 主な研究内容 古代ゲノム解析 縄文人iPS細胞を用いた研究 研究室HP:http://www.bs.s.u-tokyo.ac.jp/~genomeanthro/ 動物学分野 睡眠生理化学研究室(林悠教授) キーワード:レム睡眠 主な研究内容 レム・ノンレム睡眠の生理的役割、起源の解明 睡眠の分子経路の研究 研究室HP:https://hayashi-sleep-lab.net 植物学分野 植物生態学研究室(寺島一郎教授・種子田春彦准教授) キーワード:環境応答 主な研究内容 植物の環境応答における生理的なメカニズムの解明 研究室HP:http://www.bs.s.u-tokyo.ac.jp/~seitaipl/research.htm 学科インタビュー Coming Soon 学生の声 生物学科には人類学コースと基礎生物学コースがありますが、基礎生物学コースについて書きます。様々な生物について幅広く学ぶことができます。実習で基礎的な実験手法や観察技術に加えて、野外実習で多くの分類群を観察します。特に比較的マイナーな動物門や他の教科書でしか見たことないような生き物を実際に見ることができることが魅力です。講義では動植物の生理学、発生学、分類学などのマクロな内容を主に扱いますが、分子生物学などのミクロな生物学も学習します。一方で研究の対象は動植物が多く、細菌や原生生物などの微生物を対象とした研究を行いたい人は他の学部も検討したほうが良いかもしれません。 教養学部:統合自然科学科 スポーツ科学コース 概要 本コースはかつて統合自然科学科のサブコースとして位置づけられてきたが、2022年度からは正式なコースとして、進学選択の際に志望することができるようになった。本コースはスポーツに関連する事柄を幅広く取り扱う。様々な身体運動を、力学・医学・生理学・生化学・心理学の観点から総合的に科学し、運動の成り立ちや身体の可塑性について理解する。そして、応用科学であるスポーツ科学を通じて、スポーツパフォーマンスの向上、身体のサステナビリティの確保などを、総合的に理解させる授業が展開される。 基本情報 修了する学生数は毎年5名前後。2023年度から進学選択の定数が設けられる。 公式HP:https://www.integrated.c.u-tokyo.ac.jp/admission/courses/course5/ カリキュラム紹介 以下に一部の授業を紹介する。 スポーツ科学概論 スポーツと運動について、生命現象の本質を理解し、身体と健康を統合的・全体的にみる眼を養うことを目的としている。オムニバス講義。 運動神経生理学 個体・行動レベルでの運動や制御、学習・記憶に関わる神経のシステムについて扱う。 スポーツ生化学 エネルギー源である糖や脂肪がどのように分解され利用されるのかという生化学的な観点からスポーツでのエネルギー代謝を扱う。 適応生命科学 運動や体力トレーニングによって身体に生じる変化(適応)とその生命科学的メカニズムについて学び、自らの生活とも結びつけて体系的な知識を獲得することを目的とする。 スポーツ栄養学 スポーツにおいてパフォーマンス向上に効果的な食事法、栄養学的手法を科学的な視点から考え直す。 機能解剖学 人体の構成要素やそれぞれの臓器、器官の働きを扱う。その中でも運動器の学習を中心としつつ、内臓や感覚器、神経系も扱う。 スポーツトレーニング実習 身体運動・スポーツの実技実習を通じて、運動を本質的に理解するための基礎を養い、また応用的な技術を習得する。 主な研究室紹介 中澤研究室(中澤公孝教授) キーワード:リハビリ・運動生理学・神経科学 主な研究内容 脊髄損傷者や外傷性脳損傷者など歩行機能や手指の精密な運動機能の回復を目指すニューロリハビリテーション アスリートの優れたパフォーマンスに繋がる制御メカニズム、神経機序の解明 研究室HP:http://www.neuro-reha-sport-lab.com/ スポーツ医学研究室(福井尚志教授・今井一博准教授) キーワード:スポーツ医学」「整形外科学」 主な研究内容 運動・スポーツが骨の健康におよぼす影響 変形性関節症の病態解明 スポーツ外傷・障害予防 研究室HP:https://sites.google.com/view/utokyo-sports-medicine-lab/ 柳原研究室(柳原大教授) キーワード:身体運動の制御/学習・遺伝子発現解析・電気生理学 主な研究内容 特殊なデバイス(名称:Split-belt Treadmill)を用いた歩行の適応制御機構 予測的姿勢制御における大脳小脳連関のニューロン活動の解明 脳梗塞の予防や発症後の機能回復に対する習慣的運動及び抗酸化物質摂取の影響についての基礎研究 研究室HP:https://sites.google.com/view/yanagiharalab/home/research?authuser=0 学科インタビュー Coming Soon 学生の声 生命系の中でも、ヒトの身体に関わる分野の先生が多く集まっている。分野も幅広く、筋肉の生理学、栄養学、脳科学、シミュレーション、力学など。生命系に行きたいけど、細胞や分子、動物を扱うより人間について知りたい、でも医学系や薬学系ではなく、基礎研究をしたい……。という人におすすめ。また、研究の負担が小さめの研究室が多いので、就活に集中したい人にもおすすめ。中澤研究室(ヒトの神経科学)は現在アルバイトを募集しており、研究の体験ができる。 農学部:獣医学課程獣医学専修 概要 「獣医学の基礎化学と応用技術を習得し、動物医療と公衆衛生に貢献する人材」を育成するため、哺乳類と鳥類(家畜、伴侶動物、野生動物、実験動物)を中心としつつ、爬虫類や魚類についてまで、病態とその基礎となる形態・機能を比較生物学的観点から学ぶ。卒業には6年を要し、6年次には国家試験を受験して獣医師の資格を取得する人がほとんどである。動物の正常な姿と病態を、個体レベルから細胞レベル、さらには分子レベルまで、総合的に理解することを目的として教育・研究が行われているため、生命科学分野と医学分野をどちらも重点的に学ぶ。カリキュラムの特徴として、3Sセメスターまでは生命科学を中心に動物についての「基礎」を学ぶ一方で、3Aセメスターからは医学を中心に動物についての「応用・実践」を学んでいく点である。従って、本記事では3Sセメスターまでの獣医学専修での学びを主に取り上げる。医学について学ぶことが多い3Aセメスター以降については、分野別学部学科紹介の医学分野をご参照頂きたい。 基本情報 要求科目(文科各類) 基礎科目(生命科学)「生命科学、生命科学Ⅰ、生命科学Ⅱ」から1科目(2単位または1単位) 要望科目 なし カリキュラム紹介 2Aセメスター 課程専門科目8単位と、農学総合科目および農学基礎科目という農学部全体の共通科目、春休みに必修として開講される「農学リテラシー」(安全講習・2単位)を受講する。課程専門科目と一部の農学基礎科目も必修授業である。これらは基本的に2Aセメスターでのみの受講となる。「農学総合科目」と「農学基礎科目」をそれぞれ2単位以上(必修の動物生理学と応用動物科学概論を除く)、あわせて8単位(専修により異なる)以上取得することが卒業要件。なおこれら農学総合科目・農学基礎科目の「生命科学」分野の講義については、当記事の「農学部 応用生命科学課程」のカリキュラム欄にて詳述している。気になる方はそちらを参照されたい。 必修授業のうち「生命科学」分野のもの 応用動物科学概論(農学基礎科目・月曜3限) 前半では、畜産業の成り立ちとそれに伴う獣医学の成り立ちを学び、後半では官庁・アカデミア・民間企業など様々な世界で活躍する獣医師の講演を聞く。 動物生理学(農学基礎科目・月曜4限) 動物体内で営まれる機能とその調節について学ぶ。具体的には魚類、鳥類、哺乳類における、個体維持機構・種維持機構・それらの制御に関与する神経 / 内分泌 / 免疫系について扱う。 神経生理学(課程専門科目・木曜4限) 感覚受容器・ニューロン・中枢神経系における、情報の流れ(入力と出力)の生理を学ぶ。 細菌学(課程専門科目・金曜3限) 講義前半では病原細菌についての歴史や構造といった一般的知識を、講義後半ではそれぞれの細菌の分類や代表的な動物病といった各論を学ぶ。 ウイルス学(課程専門科目・金曜4限) 講義前半では病原ウイルスについての歴史や構造といった一般的知識を、講義後半ではそれぞれのウイルスの分類や代表的な動物病といった各論を学ぶ。 発生学(課程専門科目・金曜5限) 哺乳類の受精から胚子発生までのメカニズムを学ぶが、先天異常や奇形発生などについても扱う。 3S1ターム 以下は必修授業から「生命科学」分野のものを抜粋して紹介。 寄生虫学(月曜1限・水曜2限) 内部寄生虫である原虫・蠕虫や、外部寄生虫とである衛生動物(カやネズミなど)について、生物としての特徴やそれらが引き起こす疾患について学ぶ。 動物細胞生化学Ⅰ(月曜2限・木曜1限) 遺伝情報や細胞外シグナルといった細胞における情報の流れとその制御について学ぶ。 実験動物学(水曜1限) 動物実験をする上での前提知識を学ぶ。遺伝、育種、繁殖などの実験動物の品質に関する事項や飼育環境などについてに加え、動物実験法などの法令や動物の福祉も学ぶ。 内分泌・代謝生理学(木曜2限) 代謝や成長を制御する内分泌系について学ぶ。そのため、栄養素の消化吸収や基礎代謝についても授業内で扱う。 体液生理学(金曜1限) 動物の呼吸および循環と、体液についての生理学に関する基礎を学ぶ。具体的には、循環に関しては主に心臓について、体液に関しては主に腎臓について扱う。キーワードとしては、心周期・心電図・活動電位・血圧(循環関連)、換気・酸素の運搬(呼吸関連)、体液区分・尿の生成機構・酸塩基平衡の調節(体液関連)など。 組織学実習(集中講義・任意の午後) 肝臓や皮膚等の臓器の組織等の標本を顕微鏡で観察し、スケッチする。 生体機能学実習(集中講義・任意の午後) マウスやラットに触り、解剖をしたり安楽死の処置を行う。 3SPターム(3S2ターム) 農学部はこの期間、座学の授業が少なくなり、実習の授業が多くなる。以下は全て必修の集中講義である。臨床生物学総論・生殖生物学・薬理学各論のみが座学であり、それ以外は実習である。以下は「生命科学」分野のものを抜粋して紹介。 生殖生物学 哺乳類の性や生殖における一般的知識と、種によって異なる生殖様式を主として扱う。また、遺伝子工学や発生工学の基礎も学ぶ。 組織学実習 家畜の器官(内蔵・骨・子宮・脳など、体のほぼ全て)の微細な構造について、実際に組織プレパラート標本を光学顕微鏡で観察する。 生体機能学実習 呼吸、消化、循環、感覚、運動といった機能が、遺伝子・タンパク質、細胞、器官それぞれのスケールでどのように調節されているかを実験を通じて学ぶ。 獣医学基礎実習 茨城県笠間市にある東大牧場に1週間泊まり込んで実習を行う。乳牛・豚・馬・ヤギの飼い方や世話の仕方を学ぶ。 応用獣医学インターンシップ(選択必修) 動物衛生・公衆衛生を担う現場で高度かつ実践的なプログラムを体験する。食肉衛生検査所、保健所、衛生研究所、畜産研究所や空港の動物検疫所に加え地方自治体や農林水産省、国立感染症研究所などが派遣先。 ※3Aセメスター以降は医学分野の分野別学部学科紹介を参照されたい。 主な研究室紹介 獣医繁殖育種学教室(松田二子准教授) キーワード:ホルモン、畜産学 主な研究内容 哺乳類の繁殖を制御する脳内メカニズムの解明 上記の知見に基づいた家畜の繁殖促進剤の開発研究と、野生動物および動物園動物の繁殖抑制剤の開発研究 研究室HP:http://www.vm.a.u-tokyo.ac.jp/microbio/ver1.0/ 学科インタビュー Coming Soon 学生の声 高度な内容の動物実験によって臨床的な技術を経験できるところが魅力だと思う。授業は今のところは知識を詰め込む形なのであまり楽しいものではない。研究についても授業に関連した内容が頻繁に取り上げられている。 教育学部:身体教育学コース 概要 人体に関するさまざまな研究を行っている。たとえば、身体現象(運動の制御や学習、発達・成長、睡眠や疲労、情動など)のメカニズムを、身体と精神の相互関係、そして脳の機能にも焦点を当てつつ解明していこうとする基礎的な研究を行う。また、そうした理解を子ども・青少年や大人・高齢者の生活習慣の改善や身体・精神の疾患の予防につなげ、学校教育や生涯教育の場における実践のあり方を模索・提言していこうとする実践的な研究なども含んでいる。教育学部の中のコースではあるが、理系よりで特に脳に関する授業や研究が多い。卒論はほとんどの人が実験を行う。 基本情報 定員:20名 要求科目・要望科目:なし 公式サイト:http://www.p.u-tokyo.ac.jp/%7Etkweb/ カリキュラム紹介 2Aセメスター 機能解剖学 身体(脳・神経を含む)の構造と機能、それと関連した疾病の病態・メカニズムの基本的な内容を学ぶ。 バイオダイナミクス 生体システムの調節の背後にある仕組みについて、理論・数理的視点も交えて学ぶ。 身体教育学概論 教育生理学、身体教育科学について学ぶ。 3Sセメスター 芸術創造性の実践演習 芸術の演習を通じて身体・思考レベルの創造プロセスの方法について学ぶ。 心理実習 心理的な支援を要する者へのチームアプローチ・職種間及び地域内での連携・公認心理師としての職業倫理及び法的義務への理解について実習を通して学ぶ。 身体教育方法論(必修) 発育過程にある子どもが、運動嫌いにならずに、自分のからだを上手に動かし、生涯スポーツ(身体活動・運動)に繋がるようにすることについての教育方法論を学ぶ。 心と脳の発達 発達脳科学に関わる基本的な内容を学ぶ。 心理学統計法2 心理学で用いられる統計手法の基礎、および統計全般に関する基礎的な知識を学ぶ。 質的心理学研究法 自然場面の観察によるフィールドワークの方法について学ぶ。 バリアスタディーズ 障壁について多角的に理解するための視点と手法を学ぶ。 運動指導方法 野外生活を体験する実習により、自然環境、共生の方法を学ぶと共に、安全かつ効果的な野外活動の指導方法を学ぶ。これと並行して球技、水泳、登山の実習を行い、体育実技指導に必須の指導方法を習得する。 3Aセメスター 創造性の心理学 創造性の心理学の研究知見について学ぶ。 教授・学習心理学演習 各自の関心をもとに英語論文を検索し、読みこなすスキルを学ぶ。 脳科学特論 脳の機能と機能障害に関する最新のシステムや知見について学ぶ。 ※ここまで、身体教育学コースの授業のうち主要なものを抜粋。 4年 卒業論文執筆 主な研究室紹介 教育生理学研究室(山本義春教授) キーワード:生体情報・データ分析 主な研究内容 生体情報や健康関連情報のデータ分析 健康リスクの評価や予防介入 研究室HP:https://www.p.u-tokyo.ac.jp/~yamamoto/ 発達脳科学研究室(多賀厳太郎教授) キーワード:乳児・新生児・脳の発達 主な研究内容 新生児・乳児の脳の構造発達や運動発達の研究 言語の習得に関する研究 安静時脳内のネットワークに関する研究 研究室HP:http://dbsl.p.u-tokyo.ac.jp 健康教育学研究室(佐々木司教授) キーワード:こころと体・ゲノム 主な研究内容 精神疾患の遺伝子解析 遺伝的要因の関わる精神障害の睡眠・覚醒(活動)リズムと状態変化との関連の研究 研究室HP:https://www.p.u-tokyo.ac.jp/~kenkou/ 身体教育科学研究室(野崎大地教授) キーワード:人間の動作の機序 主な研究内容 片腕の独立した運動と両腕を協調させた運動の制御の違い 運動計画の運動学習への影響に関する研究 研究室HP:https://www.p.u-tokyo.ac.jp/~dnl/index.html 学科インタビュー Coming Soon 学生の声 「教育」学部ではあるものの、学校教育を必修科目で扱う学科ではないので少し興味とそれるかもしれません。生命科学分野も外れている気がします。が、必修科目がそこまで多いわけではないので、学ぼうとすれば幅広い分野の授業の履修が可能だと思います。 〈特集〉農学部 応用生命科学課程 概要 「農学」は「人類の生活向上」を目指す、極めて実践的な学問である。そんな農学部において生命科学を中心的に扱う「応用生命科学課程」(他に「獣医学課程」と「環境資源科学課程」とがある)には6つの専修があり、「人の営みと関わりの深い植物、動物、微生物を中心とした生命現象を、分子・細胞レベルから、個体・群集レベルにわたるまで幅広く理解し、これを人類の生活向上のために応用できる人材の育成」を目指している。 植物・森林・水圏生物・哺乳類・昆虫・微生物など、「専修ごとに異なる研究対象」があり、それらを人類の生活向上に役立つように「社会実装を目指して研究」していくのだ。これらの専修における特徴として、社会実装を通して解決を目指す領域に違いがあろう。大きく分けて次の3つに大別されるように思われるが、筆者の個人的見解であることから、参考程度に受け止めて欲しい。 1つ目は「①持続的な食料生産(食糧問題)」、2つ目は「②生態系を含む地球環境の保全と持続化(環境問題)」、3つ目は「③バイオテクノロジー・バイオマスの利用による新技術開発(産業利用)」である。もっとも、これらはグラデーションになっており、完全に区分することも難しい。 なお、主として①②に関連する諸問題を学びたい方には、先述の「環境資源科学課程」も視野に入れて進学を検討することをお勧めする。環境資源科学課程には、地球全体あるいは特定の地域の食糧生産について、社会科学的な視座から研究を行う農業・資源経済学専修や、発展途上国における農業普及や技術開発に焦点を当てる国際開発農学専修などが含まれるからだ。これらについてはUT-BASEの分野別学科紹介の「環境/エネルギー」編を参考にされたい。 応用生命科学課程に進学する場合、2年次のAセメスターでは応用生命科学課程に共通の科目を履修する。全専修ともに実験や実習が多いことも応用生命科学課程に特徴的と言えよう。 基本情報 バイオテクノロジーと一口には言えども大変幅が広い。どの「バイオ」を指しているのか、つまり、研究対象が微生物なのか哺乳類なのか、はたまた水圏生物なのか、という点で一つの軸を立てることができる。また、その際に着目するのが細胞なのか、種のレベルなのか、あるいはそれらを超越した集団や集合というレベルなのか、すなわち「スケール」という軸によっても比較が可能である。さらに言えば、先述の①~③がどの程度のバランスで学びの中に含まれて来るのかという点でも差異がある。専修一覧は以下の通り。 水圏生物科学専修 通称は水圏。魚病(詳細はこちら)をはじめとしたミクロなテーマを扱う研究から、漁業経済学や海洋生態系などのマクロなテーマを扱う研究まで、幅広さが際立つ点に特徴がある。水圏生態系や海の生き物に関心がある人にオススメ。 生物化学・工学専修 通称は農二。「生物の機能を食糧や医薬をはじめとする有用物質生産や人類の直面している様々な環境問題の解決に応用する」ことを目指す学科である。中でも食品・微生物の研究室が多い点がユニーク。 応用生物学専修 持続可能な農業生産システムの構築と新たな農業生物資源の創出に貢献できる人材の育成を目指しており、研究分野も幅広い。必修の学生実験でも、植物学・遺伝学・組織培養に関するものから、微生物学・昆虫学・園芸学に至るまで幅広い分野を扱う。授業は昆虫と植物に関わるものが比較的多い。 動物システム 通称は動シス。動物が持つ潜在的能力の向上や貴重な遺伝資源の保全、あるいは新たなバイオテクノロジーの開発など、動物機能の多面的利用を目指している。遺伝学、免疫学、発生学、放射線生物学といった生物学、化学、物理学の応用はもちろん、動物行動学や神経行動学といった、社会学、数理学の応用が必要となる分野も含まれる。 生物素材科学専修 通称は素材。バイオテクノロジー(生物工学)・グリーンケミストリー(環境に優しい応用化学)・マテリアルエンジニアリング(材料工学)を組み合わせた、「バイオマス資源の材料利用」に特化した専修。 森林生物科学専修 通称は森林。環境資源科学課程の森林資源科学専修と類似したカリキュラムである。(一部の選択必修が異なるが、どちらの専修に所属していても履修できる授業がほとんどのため、実質的な差はほぼない。)森林生態系管理に関わる社会経済的、工学的、生物学的知見を学び、森林生態系を構成する植物や動物、微生物などの活用を研究する。なお、東大の演習林を含む森林を訪れる機会も多い。 学科(定員) 扱う「バイオ」とそのスケール 授業の特徴(上記①~③のバランス) 水圏(20) 魚類や甲殻類、プランクトンなどあらゆる水生生物を指す、「水圏生物」が中心。細胞から個体まで幅広い。そうした個体の集合である「群れ」や「種」についての研究も行われている。 ①②が中心であり、水圏生物の食料利用の持続化、生態系環境の保全を目指している。その一方で③についても、授業などは多くないものの研究室は存在。例えば創薬やエネルギー利用を目指した研究を行う研究室もあるため、卒業論文等で関わることができる。 農二(70) 「植物・土壌」、「微生物・酵素」、「食品・動物」、「有機・天然物」の4分野が研究対象と、幅広い。分子レベルから細胞、組織、個体レベルに至るまで、幅広いスケールを含む。 専修の学生の多くは微生物の活用や食品工学への関心が強く、実際に授業で扱う内容としては微生物や植物を活用したバイオテクノロジーに関連するものである③が多い。しかし、左記のように研究の対象は幅広いため、興味分野が定まっていない学生も多く在籍する。 応生(20) 主に「植物」、「昆虫」、「微生物」である。公式サイトに「分子から地球生態系にわたる各階層において生物学の基本原理とスキルを学ぶ。」とあるように、最も幅広いスケールで生命科学を学ぶことができる。 昆虫や植物についての講義が中心である。植物栽培や育種の研究を通じた①へのアプローチや、昆虫のバイオテクノロジーへの活用である③を軸とした研究が多い。昆虫食の開発を通じて①の課題解決を試みる研究室や、農業IoTなど農業技術に関わる研究室もあり、研究に多様性がある。 動シス(9) 「哺乳類」が中心。細胞から個体まで幅広い。さらに言えば、そうした個体の集合である「群れ」や「種」についての研究も。 動物の病理学や遺伝学などを含む様々な動物研究を活かした社会還元(上記の①~③での分類が難しい)を研究の第一義としており、妊娠時疾患の治療への応用などがその一例である。なお、必修授業には遺伝学や免疫学だけでなく、行動学の授業もある。獣医学専修と合同の授業が多い一方で、獣医学専修の講義にはより医学的な内容が含まれることを考えると、当専修の方がより「動物」に特化していると言える。 素材(20) 主に「植物」・「微生物」。「動物」も一部研究対象(動物の生体機能の技術応用など)。植物・動物・微生物などが生産する「糖質」や「ポリフェノール成分」、「バイオポリエステル」、「タンパク質」などを研究対象としているため、細胞や分子レベルでの研究が中心。 必修授業は、最も代表的なバイオマスである「木質資源(およびその主成分であるセルロース)」を扱うものが多い。また、学科名からもわかるように、化学、とりわけ高分子化学に関する授業が複数開講されている。故に③が授業の軸である。 森林(10) 「森林」が中心だが、森林に生息する植物や動物、微生物も研究対象。左記のとおり、研究対象のスケールは森林に関わりがある範囲内で様々。森林の「景観」に特化した研究室も。 扱う分野が森林に限定されているため、自ずと、「森林の働き」や「人間と森林生態系の関係」などが学びの核となる。林業の持続化や森林保全といった②に関わる授業が中心である。木材の成分や構造について学びたい場合は環境資源科学課程の木質構造科学専修も参照されたい。 カリキュラム紹介 2Aセメスター 農学総合科目、農学基礎科目という選択必修の科目と、春休みに必修として開講される「農学リテラシー」(安全講習)を受講する。 全専修に共通して、「農学総合科目」と「農学基礎科目」の単位をそれぞれの専修で定まった数、取得することが卒業要件。 農学総合科目の生命科学分野の講義の例は以下の通り 環境と景観の生物学 環境と生物の情報科学 生物の多様性と進化 バイオマス利用学概論 化合物の多様性と生理機能 農学基礎科目の生命科学分野の講義の例は以下の通り 植物生態学 動物生態学 基礎微生物学 細胞生物学 菌類学 3Sセメスター以降 各課程ごとの授業が開始。詳細は各課程のホームページを参照のこと。 学科インタビュー 動シス 哺乳類を主な研究対象として、基礎研究に加え、病気のメカニズム解明や治療法開発、さらに得られた知見を応用した新しいバイオテクノロジーの開発などに取り組んでいる。“動シス”では「動物の研究なら何でもできる」をモットーに、分子、細胞から個体レベルまで様々な視点から幅広い研究を行っている。 応生 応用生物学専修は、作物(植物)や昆虫などの「生物」の仕組みを理解し、その力を「応用」することで、持続可能な食糧生産と人間活動を実現することをミッションとしています。作物の品種改良や栽培法の開発、病害虫対策などを念頭におき、最先端の分子生物学やゲノム科学、情報科学などを駆使した研究に取り組んでいます。生物が好き、あるいは食糧・農業・環境問題に関心がある方に特におすすめです。 学生の声 水圏 水圏環境(主に海洋)について幅広く学ぶことができる。生物のみならず化学や物理、地学的要素も含む。生物をとっても、生理、生態、分類など様々なジャンルがあり、脊椎動物無脊椎動物問わない。顕微鏡レベルの生物から大型哺乳類まで対象も様々である。 農二 生命科学と化学を同時に扱える 応生 専門実験を通じて、最先端の研究を行っている教授から直接指導を受けることができる。また、圃場実習を通じて実際の農業の片鱗を体験しながら現代技術の融合を体感できる。 動シス 動物という名が付いているものの、実際は遺伝学や免疫学など、生命に関わる種々の現象について学ぶことが多い。学科の人数は少ないため、研究室に所属した後も先生や同期と密に関わることができる。 素材 植物を材料にして新たな素材を生み出せること。主にバイオプラスチックやセルロースナノファイバー、セルラーゼ、リグニンなどが扱われています。 森林 昆虫を中心とした森林動物を学びたい人にとっては、授業内容・研究室共に充実している。 マクロなスケールでの生命科学を、様々な角度から学ぶことができる。授業や研究は「生命活動を周辺環境との相互作用の枠組みで考える」というテーマで行われている。この""相互作用""の内容は、人為的撹乱や別の個体群の行動に対する生態系や個体群レベルでの応答といった規模の大きいものから、微スケールでの環境変化に対する細胞の物理的応答のような規模の小さいものまで多岐に渡り、それぞれの視点で提供される授業がある。