東大EMP

学生+社会人向け

東大内部

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全人格的な高い総合力を持つ人材の育成が目的のプログラム。超豪華な講師により分野横断型講義が行われる。

目次

    基本情報

    正式名称

    東京大学エグゼクティブ・マネジメント・プログラム

    公式リンク

    https://www.emp.u-tokyo.ac.jp/

    対象者

    参加者:受講生は個人事業主を含めた企業人、中央・地方行政官、プロフェッショナル等の優秀な40代を主たる対象とし、定員は25名程度

    実施期間

    年2回(春期、秋期)実施し、それぞれ4月と10月に開講。

    設立日

    2008年10月

    実施場所

    伊藤国際学術研究センター(本郷キャンパス)

    参加方法

    応募方法:郵送またはメール

    審査有無

    選考:小論文に基づいた面接試験

    参加費

    およそ600万円

    概要

    東大EMPとは、「東京大学エグゼクティブ・マネジメント・プログラム」(東大EMP)の略称。
     
    年2回(春期、秋期)実施し、それぞれ4月と10月に開講している。全人格的な高い総合力を持つ人材の育成を目的とする学位を提供しない社会人向けのプログラム。東京大学の教授・准教授を中心とする100名以上の講師陣によって分野横断的な講義が行われている。

    運営目標・理念

    さまざまな分野における最先端の知識と思考方法を自らのものとし、深い洞察力、柔軟なコミュニケーション能力、課題設定能力、実行力を併せ持つ、高い総合能力を備えたリーダーを育成することを目指している。ここでは更に、EMPの特色でもある「思考方法のフレーミング」「課題設定能力」の二つの能力について特筆したい。

     

    1:EMPは受講者に『思考』の多様性を学ばせる。
    人は特定の思考の枠組にとらわれがちな生き物である。特に、社会人として専門性を深めていけばいくほど、思考はその専門に最適化されていくのがふつうであろう。しかし、世界の見え方や物事の捉え方は本来、多様なものである。同じ問題に対してもさまざまな見方があり、それを支える多様な思考の枠組がある。さまざまな専門分野で活躍する講師陣とのやりとりを通じて受講生がそのことに気がつき、自身の思考のライブラリを増やしていくことが重要である。
    そのためには、EMPでは講師が話す内容は、学部の授業で展開されるような「筋道の通った論」よりも「講師自身もまだ十分に理解していない話」の方が望ましいとされる。まだ答えにたどりついていないような話を、講師がどのように整理して話すのかという枠組みそのもの、つまり講師の「思考回路自体」を参加者が掴み取ることが目指されている。最終的には獲得した思考の枠組みを状況別に使い分けられることが理想である。

     

    2:EMPは従来の課題解決能力ではなく『課題設定能力』を育成する。
    ここでの『課題設定』とは、課題そのものを発見して自分ごととしてその課題に向き合う力、0から1を生み出す力をさす。この点において、課題を解決するスキルを身に着けるのが主たる目的であるMBAとは目的が異なる。

    その他

    ■構成

    「教養・智慧」、「マネジメント知識」、「コミュニケーション技能」、「EMPサロン」といった主に4つの分類に基づいてEMPプログラムは構成される。また、講義に関しては、一回の授業は105分で、60分程度が講義、残りの45分程度が参加者からの質疑応答である。

     

    「教養・智慧」プログラム
    ◎世界の宗教・哲学・思想(仏教・中国思想、日本思想、西欧的思考、キリスト・イスラーム・ユダヤ思想、ギリシア哲学、◎インドの社会と文化、東アジア世界等)
    ◎経済学の理解と展望(経済史、非伝統的金融政策、政策と経済学、財政学等)
    ◎ものづくり経営学 (ものづくりとサスセナビリティ)
    ◎法学・政治学 (現代立憲主義と裁判所)
    ◎国際社会と日本(米・EU・中国の政治と外交、国際関係論、アラブ世界等)
    ◎農学(GMO、植物医科学、食の安全、農業と環境、森林・林業、食糧増産、新育種法等)
    ◎医療・健康科学(医療システム、医療政策、現代病の実態、健康の社会格差、がんのウイルス療法、VRの医療応用、オートファジー、トラウマインフォームドケア等)
    ◎創薬(医薬品産業のグランドデザイン、有機化学、認知症の先制医療開発等)
    ◎生命科学(幹細胞研究、ゲノム科学、再生医療、エマージングウイルス感染症等)
    ◎脳科学(言語脳科学、分子システム脳科学原論)
    ◎情報科学 (データサイエンス、インターネットの本質、ビッグデータの時代、AI等)
    ◎メディア論(メディアと「再帰的社会」)
    ◎システム工学(電力システム、社会に役立つ数学、自己組織化等)
    ◎物質科学 (物性科学、放射光、光格子時計、ソフトマター、ナノテクノロジー等)
    ◎物質循環と環境(環境問題、地震、原子力、気候変動、水、低炭素社会、資源等)
    ◎宇宙・素粒子(宇宙の姿と物質の起源、宇宙の暗黒面、素粒子、重力波等)
    ◎建築(情報と建築、建築のデザイン)
    ◎その他(バリアフリー、ジェロントロジー、数学、科学史、有機デバイス、認知科学、社会心理学、教育、災害社会学等)
    ◎特別講義(日本社会のイノベーション、知の協創、ジェンダー平等、他)

     

    上記のような多岐にわたる学問分野についての講義が開講。

     

    「マネジメント知識」プログラム
    ◎マーケティング
    ◎組織(組織デザインのアプローチ)
    ◎社会システム・デザイン
    ◎現代ファイナンス理論 

     

    など戦略的マネジメントの実践に関わるテーマをマネジメント分野に関する全体的視点を獲得するとともに、理解が十分でなかった分野や盲点の存在を確認する。

     

    「コミュニケーション技能」プログラム
    ◎英語での個性的表現力の訓練
    ◎コミュニケーション・スキルズ・ワークショップ 

     

    「EMPサロン」
    ◎狂言談義
    ◎音楽、現代芸術
    ◎産学連携
    ◎坐禅体験、星空観望

     

    など、芸術、文化、教育などについて、各分野の専門家とインフォーマルな形で歓談する。(原則、月1回程度)

     

     

    ■内部のホンネ

     

    参加者側
    ・プログラム修了後、OB・OGで自主的に集まり、週一で勉強会を開くなど、濃い関係を築ける。ビジネスが本業でも、そうしたコミュニティの存在によって学びを継続できる。生涯学習に繋がる。
    ・講義内容はかなり専門的かつ濃密。内容を完全に理解するには相当のコミットが必要。講義受講の前提として提示される課題図書を、週8冊(!)読むことも。
    ・講義の予習復習やプレゼンの準備(プログラムの課題)と自らの仕事の両立に苦労した
    ・EMP倶楽部の存在によってプログラム修了後も仲間と交流できる
    ・ビジネス界で生きてきた自分が知らないことがこんなにもあるのか、とひたすら知的好奇心を刺激される、謙虚になれる
    ・バックグラウンドの異なる者同士でグループワークをしたことで、他者との合意形成能力を養えた
    ・半年間で『常識を疑う』を徹底的に訓練され、無意識に頼ってきた常識をきちんと疑えるようになった

     

    主催者側
    ・EMPはユニークな方法論で次世代リーダーの育成に取り組んでいるが、その理念や考え方を多くの方に知っていただき、同じような試みを各地で始めてもらえればありがたい。
    ・このプログラムは社会人限定だが、学生に対しても何かできればなお良い。

    最後まで記事を読んでくださりありがとうございました!
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