■どんなコース?
教養学部学際科学科B群、総合情報学コース・広域システムコース。当学科紹介記事では、両コースを同時に扱う。駒場キャンパス15号館・駒場情報教育棟を拠点に、B群間ではコースをまたいで学生間の交流・コミュニティ形成がなされていること、また科目名や必修科目は違えど、同じ教室で授業を受ける機会が相対的に多いことが背景にある。
21世紀に入り、複雑かつ地球規模の問題への対応の必要性が高まっている。既成の細分化された個別の学問領域によっては対処できないこうした課題に対し、文理を問わず柔軟な思考と適切な方法論を用いて総合的な視点のもとで対処できる人材育成を進めるのが、学際科学科である。
これまでは広域科学科の広域システム分科と人文地理分科、また基礎科学科の科学史・科学哲学分科が担ってきたが、学際科学科として統合し、連携を深めるため分科を廃止した。ただ学習の性格を明確にすべく、A群科学技術論コース、A群地理・空間コース、B群総合情報学コース、B群広域システムコースの4コースを設けた。しかし、少なくとも学生間の連携においては、B群コース間が強いものの、A群内やA群B群間はかなり薄いのが現状である。
B群内の両コースの特徴は次の通りである。
○総合情報学コース
コンピュータネットワークやプログラミングなどの情報科学・工学の知識を習得するとともに、ICT 技術を駆使しながら、情報の価値判断、分析、創造、伝達を自由に行える人材を育てている。
○広域システムコース
数理科学の知識やシステム論的思考を身につけるとともに、宇宙や太陽系の構成と挙動、固体地球の変動過程、環境化学物質の特性、生態系、進化について、高度な専門性と広い視野をもった人材を育てている。
※コース紹介ページを引用。
■卒業要件単位
科目 |
必修科目 |
必要単位 |
高度教養科目※1,2 |
選択必修 |
8単位 |
コース科目 |
選択必修 |
30単位 |
学際科学特別演習 |
必修 |
4単位 |
学際科学特別研究 |
必修 |
6単位 |
学際科学科の高度教養科目および学科科目 |
合計 |
54単位 |
卒業に必要な単位 |
合計 |
76単位 |
※1 高度教養科目:後期課程の学生が履修することができる、教養学部内の他学科/コース開講科目。自身の専門分野には直結しないことが多い、学際的内容の概論講義やグループワークが多く、国際研修の一部もこれに該当。前期生でいう「主題科目」に該当し、主題科目と合同開催される例も多いので、前期生が講義にいることも。
※2 総合情報学コースでは「広域システム概論Ⅰ,Ⅱ」「プログラミング基礎」「科学技術社会論」、広域システムコースでは「広域システム概論Ⅰ,Ⅱ」「プログラミング基礎」を含める必要あり。
■進学定数は?
・定員数と各科類からの受け入れ数
受け入れ枠 |
第一段階 |
第二段階 |
理科(指定科類) |
3 |
3 |
文科(指定科類) |
2 |
1 |
全科類 |
4 |
0 |
■属性・進路は?
・男女比は8:2程度。2020年度進学者は、文系出身が4名、理系出身が9名である。
・理系なのもあり、学部3,4年生で留学する学生は殆どいない。
・GLPには13名中2名が所属し、長期インターン経験者、休学・留年経験者もいるなど、バックグラウンドや活動領域が多様な方が多い。
・あくまで傾向だが、毎年1,2名、特に理系ではかなり開発経験を積んだ学生がいる。HAIT(AI開発学生団体)に所属したり、複数回機械学習インターン、エンジニアリングインターンに取り組んでいたり。
・逆に文系出身者で、一切プログラミング系に興味を示さない人も1名以上いるイメージ。
・大学院に進む学生が7割程度で、大学院は総合文化研究科の広域科学専攻、情報学環の総合分析情報学コースに進む人が多い。
■文系必見!進学前に知っておくべきこと
・微積・線形代数や統計など、理系学生が2Sセメスターまでに常識的に身につけている分野は修得しておくのが望ましい。特に、総合科目F系列「基礎統計」レベルは最低限身につけておくべきである。
・プログラミングの実習も2Aセメスターから始まるので、「統計データ解析」「アルゴリズム入門」などで慣れておくのがおすすめ。
・物理系はそれほど深い知識が事前に必要なわけでは無いが、3Sセメスターで実験があるため、最低限高校物理レベルは知っておいた方が良い。
※以上のことを伝えると、文系学生にとっては敷居が高く感じるかもしれない。とは言え、教員や同期に質問するなど努力を続ければ、落単や留年を心配する必要は無くなる。
■特殊な履修登録方法とは?
・履修登録時は、コース長の教員に履修希望を申請するメールを送り、承認されたらいかなる科目も履修可能。
・卒業要件が細かいので、きちんとそれに向かって履修を進められているかの確認を行うためだと考えられる。
・工学部や理学部など、本郷で開講されている理系の授業や、後期教養内の文理問わない様々な授業含めた、幅広い履修パターンを組むことが可能。