2024.1.7
学際科学科B群
人数 |
13名前後 |
---|---|
ジェンダーバランス |
女性は1-3割程度 |
要求/要望科目 |
・要求科目 ・要望科目 |
就活or院進 |
年平均だと7割程度が院進。総合文化研究科の広域科学専攻、情報学環の総合分析情報学コースに進む人が多い。 |
公式サイト |
○総合情報学コース https://www.ids.c.u-tokyo.ac.jp/info/ ○広域システムコース https://www.ids.c.u-tokyo.ac.jp/earth/ |
教養学部学際科学科B群、総合情報学コース・広域システムコース。当学科紹介記事では、両コースを同時に扱う。駒場キャンパス15号館・駒場情報教育棟を拠点に、B群間ではコースをまたいで学生間の交流・コミュニティ形成がなされていること、また科目名や必修科目は違えど、同じ教室で授業を受ける機会が相対的に多いことが背景にある。
21世紀に入り、複雑かつ地球規模の問題への対応の必要性が高まっている。既成の細分化された個別の学問領域によっては対処できないこうした課題に対し、文理を問わず柔軟な思考と適切な方法論を用いて総合的な視点のもとで対処できる人材育成を進めるのが、学際科学科である。
これまでは広域科学科の広域システム分科と人文地理分科、また基礎科学科の科学史・科学哲学分科が担ってきたが、学際科学科として統合し、連携を深めるため分科を廃止した。ただ学習の性格を明確にすべく、A群科学技術論コース、A群地理・空間コース、B群総合情報学コース、B群広域システムコースの4コースを設けた。しかし、少なくとも学生間の連携においては、B群コース間が強いものの、A群内やA群B群間はかなり薄いのが現状である。
B群内の両コースの特徴は次の通りである。
○総合情報学コース
コンピュータネットワークやプログラミングなどの情報科学・工学の知識を習得するとともに、ICT 技術を駆使しながら、情報の価値判断、分析、創造、伝達を自由に行える人材を育てている。
○広域システムコース
数理科学の知識やシステム論的思考を身につけるとともに、宇宙や太陽系の構成と挙動、固体地球の変動過程、環境化学物質の特性、生態系、進化について、高度な専門性と広い視野をもった人材を育てている。
※コース紹介ページを引用。
科目 | 必修科目 | 必要単位 |
---|---|---|
高度教養科目※1,2 | 選択必修 | 8単位 |
コース科目 | 選択必修 | 30単位 |
学際科学特別演習 | 必修 | 4単位 |
学際科学特別研究 | 必修 | 6単位 |
学際科学科の高度教養科目および学科科目 | 合計 | 54単位 |
卒業に必要な単位 | 合計 | 76単位 |
※1 高度教養科目:後期課程の学生が履修することができる、教養学部内の他学科/コース開講科目。自身の専門分野には直結しないことが多い、学際的内容の概論講義やグループワークが多く、国際研修の一部もこれに該当。前期生でいう「主題科目」に該当し、主題科目と合同開催される例も多いので、前期生が講義にいることも。
※2 総合情報学コースでは「広域システム概論Ⅰ,Ⅱ」「プログラミング基礎」「科学技術社会論」、広域システムコースでは「広域システム概論Ⅰ,Ⅱ」「プログラミング基礎」を含める必要あり。
・定員数と各科類からの受け入れ数
受け入れ枠 | 第一段階 | 第二段階 |
---|---|---|
理科(指定科類) | 3 | 3 |
文科(指定科類) | 2 | 1 |
全科類 | 4 | 0 |
・男女比は8:2程度。2020年度進学者は、文系出身が4名、理系出身が9名である。
・理系なのもあり、学部3,4年生で留学する学生は殆どいない。
・GLPには13名中2名が所属し、長期インターン経験者、休学・留年経験者もいるなど、バックグラウンドや活動領域が多様な方が多い。
・あくまで傾向だが、毎年1,2名、特に理系ではかなり開発経験を積んだ学生がいる。HAIT(AI開発学生団体)に所属したり、複数回機械学習インターン、エンジニアリングインターンに取り組んでいたり。
・逆に文系出身者で、一切プログラミング系に興味を示さない人も1名以上いるイメージ。
・大学院に進む学生が7割程度で、大学院は総合文化研究科の広域科学専攻、情報学環の総合分析情報学コースに進む人が多い。
・微積・線形代数や統計など、理系学生が2Sセメスターまでに常識的に身につけている分野は修得しておくのが望ましい。特に、総合科目F系列「基礎統計」レベルは最低限身につけておくべきである。
・プログラミングの実習も2Aセメスターから始まるので、「統計データ解析」「アルゴリズム入門」などで慣れておくのがおすすめ。
・物理系はそれほど深い知識が事前に必要なわけでは無いが、3Sセメスターで実験があるため、最低限高校物理レベルは知っておいた方が良い。
※以上のことを伝えると、文系学生にとっては敷居が高く感じるかもしれない。とは言え、教員や同期に質問するなど努力を続ければ、落単や留年を心配する必要は無くなる。
・履修登録時は、コース長の教員に履修希望を申請するメールを送り、承認されたらいかなる科目も履修可能。
・卒業要件が細かいので、きちんとそれに向かって履修を進められているかの確認を行うためだと考えられる。
・工学部や理学部など、本郷で開講されている理系の授業や、後期教養内の文理問わない様々な授業含めた、幅広い履修パターンを組むことが可能。
○総合情報学コース
| 科目 | 区分 | 曜限 |
| 情報数理科学Ⅰ | 必修 | 金曜5限 |
| 情報数理科学演習Ⅰ | 必修 | 金曜3-4限 |
| 情報工学Ⅰ | 必修 | 月曜4限 |
| 統計学 | 必修 | 月曜2限 |
| 統計学実習 | 必修 | 木曜5限 |
| プログラミング基礎 | 必修 | 月曜3-4限 |
| 広域システム概論Ⅰ,Ⅱ | 選択必修 | 水曜2限(Ⅰ)or火曜3限(Ⅱ) |
○広域システムコース
| 科目 | 区分 | 曜限 |
| 情報数理科学Ⅰ | 必修 | 金曜5限 |
| 統計学実習 | 必修 | 木曜5限 |
| プログラミング基礎 | 必修 | 月曜3-4限 |
| 広域システム概論Ⅰ | 必修 | 水曜2限 |
| 広域システム概論Ⅱ | 必修 | 火曜3限 |
| 宇宙地球科学Ⅰ | 選択必修 | 水曜4限 |
| 生物進化学Ⅰ | 選択必修 | 木曜2限 |
| 生物多様性学Ⅰ | 選択必修 | 月曜2限 |
| 分析化学 | 選択必修 | 水曜4限 |
| エネルギー科学 | 選択必修 | 金曜4限 |
・週15コマ程度履修するのが一般的。
・必修は翌年以降も取得可能だが、持ち出し科目についてはこのセメスターで取得する学生が多い。
・コース分けは2Aセメスター末に行われる。自由選択で、年によっては総合情報学コースが全員、広域システムコースが0名になることも。
○総合情報学コース
| 科目 | 区分 | 曜限 |
| 情報数理科学Ⅱ | 必修 | 火曜2限 |
| 情報工学実験(※) | 必修 | 火木3-5限 |
| プログラミング演習 | 必修 | 水曜5限 |
| 科学技術社会論 | 必修 | 月曜2限 |
○広域システムコース
| 科目 | 区分 | 曜限 |
| 基礎数理演習 | 必修 | 月曜4限 |
| システム計測学 | 必修 | 金曜2限 |
| システム計測学実験(※) | 必修 | 火木3-5限 |
| 地球・生物圏システム科学実習 | 必修 | 集中 |
※情報工学実験(総合情報学)とシステム計測学実験(広域システム)は同一科目。
・週15コマ程度なのは2Aセメスターと同じだが、実験が週6コマで2単位、また演習系の科目も1単位と、単位数のコスパの悪さを実感する。
・両コースは必修認定される科目が異なるが、授業名が異なるだけで同じ授業を受けることが多い。
・実験の授業が一気に増える。
・なお総合情報学コースでは、実験コマの一部を「栃木実習」に振り替えることができる。2020年度はコロナ禍のため開催されなかったが、例年は教員と学生とが合同で参加する。実習と言いつつ雰囲気は温泉旅行に近く、ここで学生間、学生教員間の親睦が深まる。
○総合情報学コース
| 科目 | 区分 | 曜限 |
| 情報数理科学演習Ⅱ | 必修 | 水曜5限 |
| 総合情報学実習 | 必修 | 集中 |
○広域システムコース
| 科目 | 区分 | 曜限 |
| 生物圏システム科学実験 | 必修 | A1火木3-5限 |
| 地球圏システム科学実験 | 必修 | A2火木3-5限 |
・必修科目は減るものの、選択必修を取るなどするので、コマ数自体は同程度。
・昨年度に取り切れていない必修単位分を補うことも。
・研究室訪問を積極的に行い、3Aセメスター末に研究室選びを行う。
・普通に単位修得していれば4Sに必修は無く、コマ数はかなり少なくなる。週2-5コマ程度が一般的か。
・研究室に入って卒業研究も進めていく。
・卒論の執筆を進めていく。中間発表を適宜行いつつ、1月に最終発表を行う。
・ゴリゴリ数学や物理をやり続けるイメージだったが、それほど厳しく極めていく感じでは無かった。
・人数が少なく、教員と学生との距離が近い。じっくり見てもらえるし質問も自由にできる。
・人数が少ない割には、自主ゼミ等の内部交流がそれほど盛んというわけでは無かった。これも栃木実習があれば違ったのかもしれない。
・レポートが週何個も出て大変だが、期末試験が行われる科目は少ない。そのため、いわゆる試験期間は比較的楽。
・課題の負担は重いものの、単位取得自体はそれほど困難では無かった。
・寺子屋制度という、授業で学生が分からなかった点を院生が教えてくれるサービスがあると聞いていたが、実際は殆ど機能していなかった(補習などが行われることはなく、質問の返信も遅かった)。学科ガイダンス等で推されていたポイントだけに驚いた。
・授業や課題をこなすうえで、パソコンはMacの方が有利。(慣れている方で十分ではある)。
(文三→総合情報学)
・HPには広域システムコースは『高度な専門性と広い視野をもった人材を育てている。』とあるが、情報生物地学と非常に幅広い分野を学ぶため実際は自学で補わなければ専門性はあまり高まらない。やりたい分野が明確にある場合は本郷の専門性の高い学科を選んだ方が良いように思える。
・元々理転したいと考えていた中で、1年生の時に「アルゴリズム入門」を履修したため、プログラミングなど情報系に関心を持っていた。電情や理情も選択肢にあったが、文系なので要求科目を考えずに履修を組んでいた。加えて、電情はコマ数が多すぎる、理情は優秀な同期が多すぎると思い、文系の自分にはついていけないと考え、候補から外した。
・人数が少ない環境に魅力を感じた。
(文三→総合情報学)
項目 | 内容 |
---|---|
ズバリ、学生間のつながりは: 10(強いと感じる)↔0(全くない) | 5 |
LINE | 有 |
Slack | 有 |
オフラインでのつながり | 有 |
上下のつながり | 有 |
・同学年のコンパが何度か自主的に開催される。上下間の繋がりは、Slackで一緒に入っている程度で、上下コンパは開催されなかった。
・人数が少ないとはいえ、自主ゼミ等が開催されることは少ない。これはコース生の興味(とレベル)がかなり色々というのもある。全員に共通して何らかの知識を欲する状況が生まれづらい。
・個人主義な人が多いものの、Slackの反応は早いし連帯感は弱くない(学年によって変わる可能性もある)。
・教員は質問や相談に熱心に対応して下さる等、優しい方が多い印象。
・そもそも試験が殆ど無いので、シケタイ制度は存在しない。
項目 | 内容 |
---|---|
1クラス当たりの人数 | 10名程度 |
成績評価 | 平常点/期末レポート |
・実習と座学が半々。期末含めてレポート課題が殆ど。「○○なプログラムを作成しなさい」のような形。実習の授業では「今週の課題」を貰い、その授業中に終われば負担が軽くなるが、終らないことが多い。
・出席はリアクションペーパー等で取られることが多い。遅刻への厳しいチェックは少ない。割とまじめな学生が多いコースなのもあってか、授業に出ない学生は殆どいない。
・栃木実習:3Sセメスター項目にも書いたが、総合情報学コースでは、実験の一部を栃木実習に振り替えることができる。同期学生間・学生教員間の親睦を深める時間にもなり、ほぼ全員が参加する。
・サブメジャープログラム:所属コースの主専攻だけではなく、他コースが提供する15単位程度の科目群を副専攻として履修するプログラム。修了生は卒業時に、卒業証書だけではなく、サブメジャー・プログラム修了証ももらえる。
・学融合型プログラム:分野横断的な学習を行うプログラムで、グローバル・エシックス、グローバル・スタディーズ、東アジア教養学、進化認知脳科学、科学技術インタープリターの5種類がある。例えばグローバル・エシックスでは社会・人文科学系の問題のみならず自然科学やテクノロジーに関わる諸問題に対応していくための包括的な価値観や倫理に関わる判断を下す力を身につけることを目的としている。文理の壁を超えてより複眼的知識を身につけたい人は検討してみても良いだろう。詳しくはこちらを参照。
最後まで記事を読んでくださりありがとうございました!
最後に1点、この記事を作成したUT-BASEからお伝えしたいことがあります。
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