2年生Aセメスター
(※1)あるテーマについて考え、模型を作ってプレゼンをする授業。テーマは約3年ごとに変更される。模型作りはスチレンボードやボンドなどを用いて行う。模型制作には正解がなく、いつまでも改善し続けられるので、時間がかかり大変だと感じる学生が多い。授業終了後、上手くできている模型が3つほど選ばれてエントランスに飾られることもある。
内容の例:大学近くにある一つの敷地を対象に、10人程度が入居する集合住宅と児童遊園を一体的にデザインする。
3年生Sセメスター
(※1)2コマ連続の授業を週に3度受講する。主に模型制作を扱う授業で、「デザイン系」に区分される。あるテーマに関して考え、模型を作って8分ほどプレゼンをする。演習の授業でのプレゼンは全員が口頭で発表する。主に都市工学科の先生と学科の学生の前で行うが、UR(都市再生機構)や設計事務所など、外部の方が来て講評を行うこともある。
建築学科にも模型制作後プレゼンを行う授業は存在するが、建築学科では所属学生の数が多いため、学科の先生の前で発表できるのは一部の学生となってしまう。全員に発表機会が与えられて経験を積むことができるのは、所属学生が比較的少ない都市工学科の特権と言える。
設計を始める前に、事前知識の獲得を目標に学生、TA、教員が揃って街歩きをする。豊富な知識に基づいた興味深い教員の話を聞くことができ、印象深い時間となる。
テーマの例:池袋駅の北にある車両基地を住宅地や公園に転用することを想定して、一体的な開発計画を立案する。図面や模型、プレゼンボードを作成して計画やデザインの意図を説明する。
・課題としてレポートが出る授業が多いため、レポートの期日が設計の期日と被ることがある。そのため、計画的に課題に取り組むことが求められる。3Sが忙しさのピークだという声も。
3年生Aセメスター
(※1)セメスターの前半と後半で内容が異なる。
<前半>
提示された課題に対して都市計画を考える。3S以前は課題に一人で取り組むが、3Aでは班(6人ほど)を作って班単位で活動する。授業の最後に班ごとで行うプレゼン(10分ほど)に向けて課題に取り組むことになる。
内容の面でも変化がある。3Sと比べて扱う範囲が広くなり、市や県のスケールで考えるようになることに加え、模型制作は任意となる。ロジックが重視され、GISなどを用いた解析や数字に基づいた都市計画の提案が求められる。「マスタープラン」と検索するとイメージが湧くだろう。
課題の例:横須賀市の都市計画を考える。
<後半>
班のメンバーが入れ替わり、前半と関連した内容にグループワークで取り組む。考えるスケールの大きさは、2A,3S(スケール小)と3Aの前半(スケール大)の中間となる。
今まで学んだことの総集編という位置づけで、データを使ってロジックを詰めつつ、実際に敷地を選んで具体的な設計に落とし込む。
課題の例:横須賀の中心市街地をどう変えていくべきかマスタープランを考える。
2020年度は、コロナの影響によりオンラインで行われた。模型の現物を集まって作ることができなかったので、模型制作にはCAD(パソコンのソフト)などが用いられた。
・3年生で単位を取り終える学生が比較的多いという印象。3年で単位を取り切ろうとすると3Aも授業を多く履修することになる。
・1級建築士の資格を取りたい人は、2A~3Aの期間で、より学問に励む必要がある。
4年生Sセメスター
科目 |
区分 |
都市工学演習A第三(※1) |
必修 |
(都市)卒業研究(※2) |
必修 |
・研究室決めに関して
大体ゴールデンウィークの時期に学生同士で話し合って決める。教員が口出しをすることはなく、決め方は学生に委ねられている。
(※1)各研究室からそれぞれが行っているプロジェクトに関する課題が出される。自分で興味のある課題を選び、それに対してグループワークで話し合って何か提案をするという授業。
授業開始時は研究室配属前だが、研究室選びは別途行われるため、必ずしも自分が入りたい研究室のテーマを選ぶ必要はない。視点の広さも自由度が高い。グループ分けでは、人数制限を設けず概ね学生の第一希望を受け入れるため、学生の人数はまちまちとなる。
設計は、経験を積むほどコツを掴めるということもあり、4Sが終わっても改善を続けて外部のコンペに参加するという班もある。
(※2)研究室に配属され、自分が希望するテーマについて研究・設計を行う。4S2から徐々に始まり、院試が終わった9月ぐらいから本格化する。興味のあるテーマがどんなものであれ、「この研究室でないと取り組めない」ということはない。そのため、研究内容がはっきりしていない学生は担当教員を基準に選ぶことも。例年10人前後が院進せず就職を選ぶが、就職する学生は半年しか研究室に所属しないためこの傾向が強くなる。
デザイン系の研究室に属する学生は、卒業論文の代わりに卒業制作に取り組む人が多く、その他の研究室の学生はほとんどが論文を執筆する。
4年生Aセメスター
・単位を取り切っていない学生は単位を取りつつ、卒論に集中する。卒論のみに集中して取り組むため辛くなることもあるが、授業に追われている人はほとんどいない。
・論文を書く学生より、設計をする学生(デザイン系のテーマ)の方が一般にハード。