組織概要
NPO法人カタリバは、「どんな環境に生まれ育っても未来をつくりだす力を育める社会」をビジョンとして2001年に設立された。
大学生・社会人が本音で語り合い、対話をすることで、「心に火を灯す」きっかけを高校生に与えるという「総合的な学習」の先駆けとなる事業を出発点としてスタート。
2011年の東日本大震災の際には宮城・福島・岩手の3県で放課後支援、学校外教育を開始し、子供たちの「自分で未来をつくろう」という思いを支えた。
今回の記事で紹介するb-labは、カタリバが2015年、文京区の委託を受けて設立・運営しているユースセンター。ユースセンターとは、ユース(中高生)たちが放課後や休日に集い、学校を超えた同世代の仲間や様々なバックグラウンドを持つ大人たちと出会う、学校でも家庭でもない第三の居場所のこと。ユースたちは、新しい価値観に触れたり、何かに挑戦しながら自分自身で学びを深め、社会で生き抜く力を育んでいる。
活動の特徴
①活動内容
ボランティア(「フロアキャスト」と呼ばれる)
東京都文京区の中高生を対象とした施設で、中高生が安心できる居場所をつくり、挑戦への意欲を引き出すコミュニケーションを担う。
具体的には、週に2回・各2時間程度、文京区の施設で、中高生の居場所形成や成長支援を行う。
・居場所形成:遊びに来た中高生と一緒に遊んだり、会話したり、勉強したりする。また、フロアキャストが中心になって、中高生のためにイベントを開催することもある。
・成長支援:中高生の興味関心に合わせて、中高生が開催するイベントの伴走(イベント内容を詰めたり、広報活動や当日の運営方法についての相談に乗ったり)を行う。
インターン
インターンは各自に1つずつ「ミッション(映像作成・フリーペーパー編集・イベント運営・地域の学校との関係性構築など)」が与えられ、その活動を中心に行う。ボランティアが行うような、中高生とのコミュニケーションも希望に応じて行う。
ミッションはb-labの既存事業及び拡大予定の事業で発生するニーズと、インターン生本人の希望をすり合わせて決定する。
活動は週2回・各4時間程度。テスト期間や帰省などでのシフト調整は可能だが、ミッションの遂行は一定程度求められる。
フロアキャスト・インターン同士の横のつながりが強い
フロアキャスト:職員主導でフロアキャストのLINEグループができ、その中で情報共有や会話をする。フロアキャスト主導で、自分たちの活動について振り返る交流会が開かれることもある。他のフロアキャストやインターンと一緒に食事に行くことも。
インターン:フロアキャストと同様、インターン同士のつながりやフロアキャスト・職員との繋がりができる。インターン生同士は付き合う期間が長いので、その関係性が長期的なものとなる。
職員からの手厚いフォローアップ
フロアキャスト:活動後には毎回、職員とその日の活動について振り返る時間がある。また、月に1回程度、ユースワークについて職員やフロアキャスト担当のインターンとともに研修を行い、活動のブラッシュアップ・中高生との関わり方についてのレクチャー及びワークショップを行う。
インターン:インターンは「上長(職員)ー部下(インターン)」間での面談で活動相談や進捗確認などを行う。また、定例のインターン研修があり、業務フローの確認から理念共有に至るまで幅広いフォローアップを受けることができる。
インターン・フロアキャストともに、職員の連絡先が共有されるので、活動に際して不安なことがあればいつでも相談することができる。
※研修で説明される「中高生との関わり方」を示したスライド↓