【分野別 学部学科紹介】~地理・地学~

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はじめに

多くの東大生が頭を悩ませる意思決定である「進学選択」。
「〇〇に興味はあるけど、どの学科で学べるのかわからない」なんて思ったことはありませんか?
この記事では、そんな皆さんのお悩みに応えるべく、地理・地学分野について学ぶことができる学科を「横断的に」比較紹介しました。
皆さんの選択を少しでも支えることができれば幸いです。
※本記事の内容は2022年度以前の情報に基づいています。現在記事を更新中ですのでしばらくお待ちください。

目次

    教養学部:学際科学科 地理空間コース

    概要


    地理学をはじめとする空間諸科学を基盤に、地理情報システム(GIS)、フィールドワーク、空間デザインなどの調査・分析ツールを学ぶ。最終的には、「現代社会の諸問題を論理的に思考し、政策や計画立案といった実践的・応用的能力をも備えた人材」の育成を目指す。カリキュラムの種類は大別して3つ。1つ目は「調査・分析ツールの習得」、2つ目は少人数での演習による「議論・文章作成スキル習得」、3つ目はテーマ選びやヒヤリング、文献渉猟やデータ分析を通じて仕上げる「卒業論文執筆」である。特に、このコースが他の学科と大きく異なる特徴としては、2Aと3Sに国内の特定の地域で行われる野外実習(フィールドワーク)が必修として課される点と、空間分析による可視化・地図化の演習が非常に多く用意されている点である。都市・農村問題や、開発・環境問題から国土政策・地域経済まで、現代社会のさまざまな問題を地理的・空間的視点から考えるコースと言えよう。


    基本情報



    カリキュラム紹介


    2Aセメスター

    • 必修科目
      • 地理情報分析基礎Ⅰ
        • 2Aはエクセル等、3SはGIS等を用いて統計をはじめデータ分析の基礎を身につける。
        • 🔑キーワード:文献収集、地理情報、図表作成、統計分析
      • 地理空間調査設計Ⅰ・地理空間フィールドワークⅠ
        • セメスター後の長期休暇で地理空間フィールドワーク、通称「巡検」に行く。セメスター中の地理空間調査設計の授業ではその行き先について、自身の研究テーマに関連する論文を読んだり、どういった関係者にアポを取るか考えたりする。なお、巡検先は教員とTAが話し合って決めるもので、TAの出身地になる傾向があるという噂も。
        • なお、2020年7月現在より遡ると、酒田、白山(石川)、京都、広島、余市(北海道)で巡検が行われた。
        • 🔑キーワード:人文地理学、文献研究、フィールドワーク
      • 地理空間基礎論Ⅰ
        • 3名の教員によるオムニバス形式の授業。人文地理学の入門的授業として、包括的な内容を紹介する。
        • 🔑キーワード:人文地理学
    • 選択科目の例
      • 国土デザイン
        • 日本の国土政策の歴史についての 理解を深めるとともに、海外の国土政策との国際比較も踏まえながら、日本の国土政策の現状と課題について考える。
        • 🔑キーワード:成長の極、産業集積、スマートスペシャリゼーション、国土のグランドデザイン、スーパーメガリージョン
      • 農村地域デザイン
        • モビリティの増大がどのように農村の性格を変化させているのかについての日米欧の事例を踏まえて、モビリティの増大が農村の持続性に寄与する可能性について学ぶ。
        • 🔑キーワード:モビリティ、農村、ルーラル・ジェントリフィケーション、滞在型観光、アメニティ・マイグレーション、人口変動、プルリアクティヴィティ
      • 応用地理情報分析
        • 空間分析とその可視化・地図化について、地理情報分析基礎の授業よりもより高度な内容を学ぶことができる。
        • 🔑キーワード:ArcGIS・ArcGIS Pro、地理情報科学、地理空間データ、住所照合、空間参照、地理座標系、ジオリファレンス、地図装飾、道路ネットワーク分析、面積按分、カーネル密度、3D分析、アニメーション、空間統計学、Python、モデルビルダー
      • 社会経済地理学
        • 産業立地や地域経済といった経済地理学の基礎を学ぶ。
        • 🔑キーワード:英語圏人文地理学、人文地理学史
      • 自然環境論
        • 地形学、気候学、水文学、環境地理学といった自然地理学の基礎を学ぶ。実際の地図地形に触れつつ授業が展開されるので地図帳があると良い。
        • 🔑キーワード:カルデラ、プレートテクトニクス、氷期-間氷期サイク、扇状地、自然堤防、照葉樹林、砂州、砂丘、、後背湿地、広域テフラ、火山、液状化、極相林、気候、関東ローム層
      • アジアの自然と社会
        • 東南アジアの生態環境の成り立ちに関する基礎的な知識を概説した上で、東南アジア島嶼部における社会変動・生態環境変化について詳しく学ぶ。特に、農業的資源利用の変化に注目し、自然環境や、民族構成を含む社会変動との関わりを包括的に考える。
        • 🔑キーワード:東南アジア、フィールドワーク、人文地理学、社会変動、農業、生態環境
      • ラテンアメリカの自然と社会
        • ラテンアメリカの地誌的な視座、地域構成、自然環境、人種や民族の混交と多文化社会の形成などについて概説したうえで、アンデス、アマゾン、パンタナールなどを事例に取り上げて、文化生態学的視点から詳しく学ぶ。また、ブラジルなどにおける多民族社会の形成についても講義を受ける。
        • 🔑キーワード:ラテンアメリカ、文化生態学、移民社会、パンタナール、アマゾン、アンデス

     

    3Sセメスター

    • 必修科目
      • 地理情報分析基礎Ⅱ
        • 2Aはエクセル等、3SはGIS等を用いて統計をはじめデータ分析の基礎を身につける。
        • 🔑キーワード:地域分析・空間分析、行動マッピング、GIS
      • 地理空間調査設計Ⅱ・地理空間フィールドワークⅡ
        • 2Aと同様に行われる。
        • 🔑キーワード:フィールドワーク、人文地理学
      • 地理・空間演習
        • 「フィールドワークⅠ」のレポート作成指導が行われる。
        • 🔑キーワード:フィールドワーク、人文地理学
      • 地理・空間基礎論Ⅱ
        • 環境心理学や建築計画学の主要な話題を紹介し、人の心理や行動と構築環境(建築や都市など人が作ったシステム:Built Environment)との関係を捉えるための枠組みの理解することで、構築環境のデザインや関連政策を考える際の基礎を学ぶ。
        • 🔑キーワード:人間-環境系研究、環境心理学、建築計画学 環境デザイン
    • 選択科目の例
      • 人口論
        • 自然増減(出生・死亡)、社会増減(転入・転出)の両面から人口変化のメカニズムを学ぶ。
        • 🔑キーワード:少子高齢化、将来人口推計、都心回帰、潜在的他出者、Uターン、ベビーブーム、高度経済成長、平均余命、未婚化・晩婚化、合計特殊出生率、人口動態、コーホート、人口学的方程式
      • 歴史地理学
        • 「ライフヒストリー」について学ぶ。ある特定の個人が歩んだ歴史から、地域の特徴や文化について考える「ライフヒストリー」をもとに、私たちが生きる現代社会と、これからの未来を考える視座を得ることを講義の目的としている。フィールドワークにもとづいた様々な事例を紹介し、歴史地理学を中心に、社会経済史、農業史、文化史、環境史などもふまえた視点から授業が展開される。
        • 🔑キーワード:古地図、絵図、景観、江戸時代
      • アメリカの自然と社会
        • 地図の表現手法や歴史的観点と地理的観点の接合などをはじめとする、地域研究の学習に必要な地誌的な視座を身に付けるとともに、北アメリカに関する具体的トピックを題材に、地理学や関連分野の知見を活用して、地域や都市の環境、経済、社会を理解する洞察力をつけることを目指す。後者の例としては「ラストベルト」についての講義が挙げられる。
        • 🔑キーワード:地誌、グローバル化、ローカル化、都市化、環境、北アメリカ
      • ヨーロッパの自然と社会
        • ヨーロッパがもつ文化地域としての特徴を、⾃然環境、言語、宗教、政治、農村と都市、ツーリズムなどの観点から概説する。ウィーンやアルプスなどの特定地域を事例に取り上げて、地域の多様な性格と⽂化との関わりについて、地誌学的視点から詳説する。現地の地図や写真、映像などが多く講義では登場する。
        • 🔑キーワード:ヨーロッパ、EU、地域イノベーション、都市システム、地域政策、地域問題

     

    3Aセメスター~4Aセメスター

    • 地理・空間演習
      • 「フィールドワークⅡ」のレポート作成指導が行われる。
      • 🔑キーワード:フィールドワーク、人文地理学
    • 卒業論文
      • 3Aから卒論のテーマを具体的に考えておくことが推奨される。なお、研究室は3A末に希望の教員を選ぶ。准教授、教授で授業を持つ4名の各教員から、その専門分野と自身の卒論テーマを見比べて選択する。
      • 4Sから執筆を開始し、4Aの1月に卒論を発表するが、2年生と3年生もその卒論発表会を見学して雰囲気をつかむことができる。
    • その他
      • 卒業単位を取り切っていない学生はそうした単位を得るための授業を受けるが、卒業単位を取り切っている場合、授業数は少ない。


    主な教員紹介


    ※「人文地理学教室」という1つの研究室に3人の教員が在籍。詳細はこちら

    • 梶田真教授
      • 主な研究内容
        • 経済発展と地域的経済格差の関係についての研究
        • 地域間所得再分配に関する諸政策の実態と評価についての研究(特に、公共土木工事と地域間所得再分配については、前期教養の「社会生態学」で概論を学ぶことができる)
        • 地域統計(特に小地域統計)の整備過程および利用環境を整理し、地域経済・社会の動態分析を行う研究
    • 永田淳嗣教授
      • 主な研究内容
        • 東南アジア海域部(マレーシア・インドネシア)における農園農業の爆発的な拡大の分析についての研究(東南アジア地域研究)
        • 沖縄の亜熱帯島嶼生態系での農業開発の分析についての研究(農業・農村地理学)
        • 国土周辺地域における農業の縮小と資源利用再編についての研究(政治生態学)


    学科インタビュー


    Coming Soon


    学生の声


    • 系統地理に興味がある人にとっては地理学の多彩な分野ごとに開講されている授業に面白く感じるものがあると思います。地誌が好きな人にも各地域の地誌の授業が用意されています。はっきり地学に関わるものは自然地理学くらいだと思います。いずれにしても地理学は対象領域の広い学問だと思うので、地域課題に関心がある方なら何か興味分野を見つけられると思います。
    • 人文地理を学ぶ所なので、地学は自然地理学という授業を除いて、ほとんど学ぶ事が出来ないと思われる。おそらく、地学分野は理学部の地球惑星環境とかの方にあたると思います。ほとんど地理系の授業を取っていれば、卒業できる感じです。また春と夏に2回日本のどこかにフィールドワークに行ってヒアリング調査などを行えるのも魅力の一つです。

     

    教養学部:学際科学科広域システムコース

    概要


    各々の学生の選択した専門分野を中心に、国際的課題である地球環境やエネルギー分野の幅広い知識の習得が可能。具体的には、数理科学や情報科学、環境科学、生態学、進化学などと共に、宇宙や太陽系の構造、地球の変遷過程、大気海洋の大循環、およびこれらの変動や人間活動に対する地球環境の応答などの「宇宙・地球科学」を学ぶことができる。したがって地理分野はあまり扱わないものの、地学分野に関わる講義は一定数受けることができる。(なお、他学科履修が充実しているので他のコースで開講されている地理分野の授業を受けることも可能。)


    基本情報



    カリキュラム紹介

    2Aセメスター

    こちらに記載している授業は全て必修授業である。

    • 広域システム概論Ⅱ
      • 学際科学科の広域システムコースと総合情報学コースの教員によるオムニバス講義である。物理学系、物質・エネルギー系、化学系、宇宙・地球科学系、生態・進化学系、情報系の6分野について学ぶ。地学分野に関しては、2020年度の場合、「同位体から探る地球内部の水の起源と循環」「銀河宇宙線と地球生命史」「地震の話」といった講義が用意されていた。
      • 🔑キーワード:宇宙・地球科学、生態・進化学、 物質・エネルギー科学、情報科学
    • 宇宙・地球科学Ⅰ
      • 太陽系の中でも際立って特殊な惑星である「地球」について、その起源および形成過程を通して学ぶ。付帯的には、地球の起源、プレートテクトニクス・プルームテクトニクス、地球上の物質の分類と形成過程、地球上の物質の循環プロセス、地球史と生命史などを学ぶ。
      • 🔑キーワード:プレートテクトニクス、生命進化、 地球表層環境
    • 宇宙・地球科学Ⅱ・Ⅲ
      • 隔年でⅡとⅢが開講されるため、毎年どちらかを受講できる。
      • Ⅱでは、大気の温室効果、大気海洋大循環、エルニーニョ現象などの気候振動、さらにはIPCC報告書の内容について学ぶ。さらに、気候変動やなぜ地球では生命にとって都合の良い環境が維持されてきたのかについても講義を受ける。
      • Ⅲでは、恒星の進化、恒星の内部構造、恒星の大気と恒星風など、もっぱら宇宙分野が中心の講義となり、一定程度の数学や物理分野の知識が求められることもある。
      • Ⅱ:🔑キーワード:大気の温室効果、大気海洋大循環、IPCC報告書、ミランコヴィッチサイクル、地球の環境史
      • Ⅲ:🔑キーワード:恒星、構造、進化

     

    3Sセメスター

    • 地球・生物圏システム科学実習
      • 栃木もしくは神奈川で対面の実習を行う。地質学、生態学及び化学的な観察・測定を行うことを目的としているため、実習のテーマとしては以下のようなものがある。「火山噴出物の種類と分布の調査」、「火山ガスの調査」、「湖沼生態系やプランクトンの調査」、「湖沼の水質調査」、「凝灰岩の観察」、「地質調査」などである。日本列島の形成に大きく寄与した付加体が生み出す地形・地質構造を学ぶとともに、本地域で過去に生じた地質現象である堆積作用、地震による断層の形成、風化作用などを地質調査や試料採取を通じて理解することを目指している。
      • 🔑キーワード:地質学、生態学

     

    3Aセメスター

    • 地球圏システム科学実験
      • 物質科学・地球科学に関する実験を行う。環境化学、地球化学、分析化学、地質学、岩石学、鉱物学、地球システム科学の分野横断的なテーマを通じて、地球環境を理解する上で必要な諸事項を学ぶ。2021年度のテーマは以下の3つである。
      • テーマ1「光エネルギー変換材料の合成と測定」:物質と光の相互作用について実験を通して学ぶ。
      • テーマ2「同位体比から物質の起源と履歴を知る」:同位体を識別して定量する最も有力な分析手法である質量分析法を用いて、火山ガスや岩石の同位体比・年代測定を行う。
      • テーマ3「地球・惑星の形成と構成物質の成り立ち」:岩石に含まれる鉱物の割合や密度の計算・解析を行い、鉱物・岩石の記載や分類、背景にある地球ダイナミクスとの連関の考察を行う。
      • 🔑キーワード:地球環境試料、化学分析、同位体、質量分析、年代測定、岩石、鉱物、顕微鏡、分光計

     

    4Sセメスター

    研究室訪問を積極的に行い、3Aセメスター末に研究室選びを行う。4Sから4Aにかけては卒業論文執筆および未回収の単位を取りきるための受講を行う。


    主な研究室紹介


    • 小宮研究室(小宮剛教授)
      • キーワード:地質学、地球史・地球生命史、鉱物学・岩石学
      • 主な研究紹介
        • マントル進化と大陸成長率の解読とサイズや組成の異なる地球型惑星への応用についての研究
        • 海水組成の経年変化解読と生命進化についての研究
        • 全球凍結の開始と終結の原因の解明についての研究
      • 研究室HP:http://www43.tok2.com/home/isua/


    学科インタビュー


    Coming Soon

    学生の声


    • 2Aのオムニバス授業で、地学系を含む多くの先生の研究内容について知ることができます。また、生物、化学、宇宙地球(地学、天文)の授業が選択必修となっており、幅広く学ぶことができます(各分野2コマ程度のため浅いのは仕方ない)。3Sの最後に実習授業があり、露頭調査など地学の実習も体験できます。3Aで必修の実験は、各分野の研究体験のような授業になっているとのことです(現在3年のため未体験)。4年から配属される研究室は、学生の人数が少ないこともあり、ほぼ希望の研究室に入れると思います。

    工学部:システム創成学科E&Eコース

    概要


    システム創成学科は3つのコースに分かれている。SDMコースがシミュレーション、PSIコースが人工知能やビジネスといった幅広い分野を扱うのに対して、E&Eコースは環境とエネルギーについて扱うコースである。

    環境・エネルギーは当然ながら地球科学と密接に結びついており、その意味において工学部の中で地理・地学に強く関係のある学科といえるだろう。その一方で、教養学部や理学部の地理・地学分野を専門に扱う分野と比べるとそれらのみを扱っているわけではないため、地理・地学を専門に学ぶよりもむしろ他の学問領域と結び付けて社会への応用に活かしたいと考える人にうってつけの学科といえるだろう。

    セメスターごとに開講されるプロジェクト講義がカリキュラム面における特徴であり、座学とは異なるプロジェクトを体験することができる。また、必修はプロジェクト講義のみであり、履修の自由度が高いため、他学部・他学科の地理・地学系の講義を履修しやすい。


    基本情報


    • 定員
      • 44~47名程度
    • 要求/要望科目
      • 要求科目
        • なし
      • 要望科目
        • なし


    カリキュラム紹介


    以下にはメインとして地理地学を扱う講義を掲載したが、その他環境をテーマに扱う講義が多数ある。詳しくは学科HPをチェックすると良いだろう。

    2Aセメスター

    • 地球科学
      • 環境問題と資源・エネルギー問題を考える上での基礎となる地球科学の知識を学ぶ
      • 🔑キーワード:資源、環境変動、プレートテクトニクス、火山、熱水活動

     

    3Sセメスター

    • 地球科学Ⅱ
      • 地球をシステムとして捉える観点から地球科学を学ぶ
      • 🔑キーワード:地球システムの中の大気・海洋における様々なスケールの現象、それらを記述する流体力学方程式

     

    3Aセメスター

    • 地球惑星システム工学
      • 持続可能性の背景となる地球惑星科学について学ぶ
      • 🔑キーワード:地球惑星科学概論、資源の評価・開発
    • 海洋開発工学
      • 海洋の開発に関する技術を学ぶ
      • 🔑キーワード:浮体の復原性、浮体の運動力学、浮体の位置保持技術、不規則な現象の取り扱い、資源開発のための管状構造、波浪荷重、構造応答、浮体の設計の考え方

     

    4Sセメスター

    • 領域プロジェクト1A
      • 各教員の研究室に配属され、教員の指導のもとプロジェクト演習を行う

    主な研究室紹介


    • 地圏環境システム学研究室(徳永朋祥教授)
      • キーワード:応用地球科学、推理地質学、地球環境変遷と地下環境問題
      • 主な研究紹介
        • 資源開発に伴う環境影響評価と持続可能型開発
        • 地下水利用に係る様々な課題の解決に向けた研究
        • 地下の様々な現象の理解と地圏高度利用
      • 研究室HP:http://park.itc.u-tokyo.ac.jp/tokunaga/
    • 開発機械学研究室(福井勝則教授・羽柴公博准教授)
      • キーワード:岩盤力学、地下空間開発論、開発機械学、資源開発工学
      • 主な研究紹介
        • 地震予知に関する研究
        • 岩石のレオロジー的性質に関する研究
        • 岩盤内構造物の安全性に関する信頼性工学
      • 研究室HP:http://kkw.geosys.t.u-tokyo.ac.jp/~labohp/homepage/hashiba/


    学科インタビュー


    Coming Soon


    学生の声


    • 資源工学や海洋科学分野の第一人者が数多く所属しています。また、環境・エネルギー分野の先生も他学科より圧倒的に多くいると思います。先生の数に対して学生の数が少ないので、先生との距離が近く、卒論配属も先生一人に対して学生は二人までです。外部からも多くの講師を招き、地学分野や環境・エネルギー分野に関して幅広くどのようなことをするの知ることが出来ます。

     

    理学部:天文学科

    概要


    将来天文学や他の分野において第一線で活躍できる研究者や教育者の育成、あるいは国際的プロジェクトや学際的プロジェクトの中核となる研究者・教育者を養成することを目標としている。国内全体の中でも、学部から天文学の専門教育を行う珍しい学科。教員数やカバーする研究テーマの豊かさは、国内外でトップクラスの水準。

     

    2Aでは理学部の物理学科(理物)・地球惑星物理学科(地惑)と合同で物理や数学を学ぶことが多い。3年から天文学科の授業が増え、観測実習や実験も行う。必修のコマ数は他の理系学部と比べるとそこまで多くなく、時間割的には余裕がある。学科の人数が10人と少ないため、分からないところを同期に相談しやすく、アットホームな雰囲気なのが特徴。観測実習や実験も学生の数が少ないため手厚く指導してもらえる。

    多くの学生が研究者を目指しており、学部卒で就職するケースはまれ。ほとんど全員が修士課程に進み、半分くらいが博士課程で研究に打ち込む。

    天文学科は、望遠鏡で調べる宇宙を対象にしているところに特徴を持つ。それぞれの特徴について、系外惑星研究を例に説明する。地球惑星物理学科では太陽系での研究経験を生かして、生物存在可能圏(ハビタブルゾーン)や惑星物質進化が得意で、いっぽう天文学科は望遠鏡を使った惑星探査が得意である。しかし近年は共同で研究することも多く、境界はだんだんあいまいになっている。


    基本情報


    • 定員 
      • 10名
    • 要求/要望科目
      • 要求科目
        • <文科各類>
        • 基礎実験:「基礎実験I、基礎実験II、基礎実験III」(計3単位)または 「基礎物理学実験・基礎化学実験、基礎生命科学実験」(計3単位)
        • 数理科学:「数理科学基礎、微分積分学、線型代数学、微分積分学演習、線型代数学演習」(計10単位)
        • 物質科学:「力学、電磁気学、熱力学または化学熱力学、構造化学、物性化学」(計10単位)
        • 生命科学:「生命科学、生命科学Ⅰ、生命科学Ⅱ」から1科目(2単位または1単位)
      • 要望科目
        • 「振動・波動論、現代物理学、宇宙科学Ⅰ・Ⅱ(理科生)、宇宙科学実習Ⅰ・Ⅱ」(総合E)
        • 「基礎統計」(総合F)
      • 公式サイト


    カリキュラム紹介


    天文学科のカリキュラムから地学分野と考えられる講義やプロジェクトを抜粋して紹介する。

    2Aセメスター

    • 地球惑星物理学概論
      • 地球惑星物理学研究の最近の発展を概観することで、現代的な地球観・惑星観について学ぶ。
      • 🔑キーワード:地球惑星システム、年代学、宇宙化学、地球化学、太陽風、地震、地球内部構造、プレートテクトニクス、系外惑星、太陽系
    • 天文地学概論
      • 現代天文学の基礎を講義する。様々なスケール、階層における多様な天体現象を扱う天文学の概観をひととおり学ぶ。
      • 🔑キーワード:星間物質と星形成、太陽系と系外惑星、太陽と恒星、元素の起源、銀河と宇宙

     

    3Sセメスター

    • 銀河天文学
      • 宇宙を構成する基本的な天体である銀河が、どう進化して現在見られるような多様で立派な姿になったのかは、まだよく分かっていない。この講義では、銀河やその集団である銀河団の性質を、宇宙のさまざまな時代の観測結果に基づいて概観する。ビッグバン宇宙論や、冷たい暗黒物質に基づく標準的な銀河形成論にも触れる。
      • 🔑キーワード:ビッグバン宇宙論、環境効果、光度関数、ダークマターハロー、スケーリング関係、暗黒物質、クェーサー、活動銀河核、超大質量ブラックホール、宇宙論パラメータ
    • 計算天文学I
      • 天文学で必要とされるデータ処理および基礎的な微分方程式の解法を解説するとともに、実際に計算機を用いた実習も行う。前半では、計算機の使い方、文書の作成法、描画ソフトの使い方、Fortran と C の基礎、統計解析、乱数を学び、後半では、星の内部構造を題材にして、常微分方程式の数値解法を学ぶ。
      • 🔑キーワード:LaTeX、固有振動、固有関数、Wronskian のゼロ点探し、Henyey 法、フィッティング法、、境界値問題、初期値問題、常微分方程式、乱数、最小二乗法

     

    3Aセメスター

    • 天文学ゼミナール
      • 英語での天文学に関する実用的な専門用語や言い回しに慣れるために、天文学に関する専門書等の英語文献から読みやすいものを選び、背景知識や概念の説明を受けながら、輪講形式で読み進める。
    • 太陽恒星物理学
      • 宇宙を構成する基本要素である恒星において、いかにその物理を探究するかを理解し、基本的知識を持つことを目標とし、太陽と恒星の物理学の方法論と基礎を概説する。
      • 🔑キーワード:恒星、太陽、日震学・星震学、プラズマ電磁流体

     

    4Sセメスター

    • 星間物理学Ⅰ
      • 星間物理学の基本的な概念や考え方の習得を目標とする。天の川銀河内での可視赤外から電波にわたっての観測に基づいて星間物質の様々な相について概説し、そこでの物理的・化学的素過程の理解を目指す。星形成や質量放出星などについて紹介する授業である。
      • 🔑キーワード:星間物質、質量放出、光解離領域、HII領域、分子雲、星間ガス、星間ダスト、赤外・電波観測
    • 星間物理学Ⅱ
      • 多種多様な銀河を題材として、星間物理学の基本的な概念・方法論を理解することを目標とする。主に可視光・赤外線からミリ波サブミリ波・電波に至る波長域の観測をもとに得られた、銀河の基本的性質・活動性、さらに形成と進化について講義を受ける。
      • 🔑キーワード:銀河間空間の状態、銀河のスペクトル、銀河中の恒星と星間物質、星形成と進化、超大質量ブラックホールと銀河との共進化、突発天体とその応用
    • 恒星進化論
      • 恒星の進化、超新星及び元素合成理論に関する以下の項目についての基礎と応用を解説し、これらに関する研究の現状や最新トピックスも併せて紹介する。
      • 🔑キーワード:恒星の進化、元素の起源、超新星爆発、重力波源
    • 宇宙論
      • ビッグバン宇宙論の基礎となる、「一般相対性理論に基づく膨張宇宙の記述」と「標準宇宙モデル」を解説し、宇宙初期の素粒子的世界から、天体形成を経て今日の豊かな階層構造を持つ宇宙へと進化する歴史を概観し、それらの観測的根拠を説明する。基礎物理法則に基づいて、ビッグバン宇宙論の基本的枠組みを理解できることが目標。
      • 🔑キーワード:ビッグバン、相対性理論、宇宙論

    主な研究室紹介



    学科インタビュー


    Coming Soon


    学生の声


    • 3Sから天文分野専攻の授業が本格的に始まり、具体的には銀河天文学や天体観測学など計5コマが開講されます。実際に三鷹の天文台などで研究されている方が教えてくださり、天文学の最先端を覗くことができます。それだけではなく、3年の夏には実際に日本各地の天文台に行き、観測をする実習があります。

     

    理学部:地球惑星物理学科

    概要


    地球惑星科学が対象とする領域は、地殻・マントル・コアから成る固体圏、大気・海洋から成る流体圏、固体圏と流体圏の境界領域に広がる生命圏及びその総体としての地球システム、さらに、太陽系を構成する惑星・衛星から宇宙空間にまで及んでいる。

    地球惑星科学専攻では、「広い視野と深い専門知識を併せ持った創造性豊かな研究者を育成すると共に、社会的要請に答えることができる幅広く確かな専門知識を持った研究技術者を養成することを目標として教育を行う。」としている。(公式サイトより)

    同分野の地球惑星環境学科と比べて、「地球や惑星における諸過程、諸現象の理解を目指す」という意味では、その目的や対象は似ているが、その目的を達成するためのアプローチとして「物理学」をメインに据えて現象の物理的理解に重点を置いている。また、天文学科と比べると、地球惑星物理学科の研究は、惑星探査機が届く近宇宙(地球惑星・太陽系)から、基礎物理が共通な(たとえばプラズマ非熱的加速など)遠宇宙へと対象が外に広がっている。

    それぞれの特徴について、系外惑星研究を例に説明する。地球惑星物理学科では太陽系での研究経験を生かして、生物存在可能圏(ハビタブルゾーン)や惑星物質進化を扱うことが得意で、いっぽう天文学科は望遠鏡を使った惑星探査が得意である。ただ両学科は共同で研究することも多く、境界はだんだんあいまいになっている。


    基本情報


    • 定員 
      • 30名程度
    • 要求/要望科目
      • 要求科目
        • <文科各類>
        • 基礎科目(数理科学)「数理科学基礎、微分積分学①②、線形代数学①②」(計8単位)
        • 基礎科目(物質科学)「力学、電磁気学、熱力学または化学熱力学」(計6単位)
      • 要望科目
        • 総合科目E「振動・波動論、統計物理学、惑星地球科学Ⅰ(理科生)、惑星地球科学Ⅱ(理科生)、地球惑星物理学入門、宇宙科学Ⅰ(理科生)、宇宙科学Ⅱ(理科生)、惑星地球科学Ⅰ(文科生)、惑星地球科学Ⅱ(文科生)、宇宙科学Ⅰ(文科生)」
      • 公式サイト


    カリキュラム紹介


    地球惑星物理学科のカリキュラムから地学分野と考えられる講義やプロジェクトを抜粋して紹介する。

    2Aセメスター

    • 地球惑星物理学概論
      • 地球惑星物理学研究の最近の発展を概観することで、「地物的な」ものの見方および現代的な地球観・惑星観について学ぶ。
      • 🔑キーワード:地球惑星システム、年代学、宇宙化学、地球化学、オーロラ、電離圏、磁気圏、太陽風、大気力学、海洋力学、気候変動、地震、地球内部構造、プレートテクトニクス、系外惑星、太陽系
    • 地球惑星物理学基礎演習Ⅰ
      • 演習問題・レポート問題を自ら解くことにより、地球惑星物理学を学ぶ上で基礎となる、解析力学、量子力学について学ぶ。
      • 🔑キーワード:量子力学、常微分方程式、解析力学、フーリエ・ラプラス変換
    • 地球惑星物理学基礎演習II
      • 演習問題を自ら解くことにより、地球惑星物理学を学ぶために必要な物理数学および電磁気学について学ぶ。
      • 🔑キーワード:物理数学、複素関数、フーリエ変換、常微分方程式、偏微分方程式、電磁気学、ベクトル解析、特殊相対性理論

     

    3Sセメスター

    • 地球惑星物理学演習
      • 地球惑星物理学の諸問題を解決する際に必要となる数値計算および情報処理の基礎技術の習得を目的とする演習科目。実際に計算機を用いて以下の課題を実習する。
      • 🔑キーワード:UNIX、Fortran、データ統計解析、行列固有値問題、時間発展方程式
    • 宇宙空間物理学I
      • 宇宙および惑星におけるプラズマ諸現象を、プラズマ物理の基礎概念および電磁流体力学の基礎過程とともに学ぶ。
      • 🔑キーワード:プラズマ、太陽圏、磁気圏、宇宙空間、電磁流体
    • 地球惑星物理学実験
      • 本授業の目標は、地球惑星物理学の諸分野で共通する実験の基礎を習得することである。電気回路、真空・熱、分光・光計測、弾性、顕微鏡の5つの実験課題の全てを、それぞれ7日ずつかけて実習する。各実験課題の終了時には発表やレポートの提出を行う。また地球科学の固体分野では、地層などを観察し岩石試料を野外で採取することも重要な基礎技術であるため、顕微鏡実験の一環として、1泊2日のフィールドワーク(野外巡検)を1回実施する。
      • 🔑キーワード:電気回路、真空・熱、分光・光計測、弾性、顕微鏡

     

    3Aセメスター

    • 地球流体力学II
      • 流体力学の初歩的な知識を前提として、将来気象学や海洋学を学ぶ上で不可欠な、大気や海洋など地球流体の運動の基礎的概念と解析手法を学ぶ。
      • 🔑キーワード:回転系、コリオリ力、地衡流、エクマン境界層、成層、重力波、ベータ効果、傾圧不安定
    • 地球力学
      • 地球や惑星の形状・変形・重力場・回転・内部構造などを扱うための測地学的な理論の基礎を習得する。
      • 🔑キーワード:測地学、潮汐、地球回転、重力場、座標系、地殻変動
    • 宇宙惑星物質進化学
      • 隕石や惑星物質など物質科学の観点から、太陽系や惑星・衛星の形成進化の物理化学プロセスを理解する。(物理化学プロセスには、化学平衡、反応速度論、同位体反応と同位体異常、放射性核種と年代学を含む)
      • 🔑キーワード:太陽系、隕石、衛星、惑星
    • 気候システム学
      • 現在のグローバルな気候システムを形成するメカニズムとそれに関わる物理過程を理解することを目指す。気候データ解析と気候モデルの手法に触れつつ、地球温暖化を含む過去から将来までの気候変化とその仕組みについて概観する。
      • 🔑キーワード:長期気候変動、気候の不可逆性、氷床力学、極域気候、熱帯気候、炭素循環、エネルギー・水のバランス、大気・海洋大循環、雲・降水・放射過程、古気候、地球温暖化

     

    4Sセメスター

    • 気象学
      • 地球大気の特徴を概観した後、各プロセスの理論とそれに伴うダイナミックな地球大気の全体像について学ぶ。
      • 🔑キーワード:地球流体力学、ブリュワ・ドブソン循環、波と平均流の相互作用、水の相変化、温室効果、放射、乱流、波動、対流、ハドレー循環、極中間圏雲、極成層圏雲、中間圏、成層圏、対流圏、台風、温帯低気圧、地衡風、コリオリ力
    • 惑星大気学
      • 太陽の影響を受けて変動する地球型惑星の大気圏・電離圏・磁気圏から惑星間空間における普遍的物理・化学過程について学び、基礎方程式に基づいて直感的理解にいたることが目的である。
      • 🔑キーワード:エアロノミー、レーダー、人工衛星、ロケット、ハビタブル惑星、惑星大気、磁気圏、電離圏、外圏
    • 系外惑星
      • 系外惑星研究の現状を概観するとともに、系外惑星研究の基礎となる理論や観測について解説し、これら基礎事項を学ぶ。
      • 🔑キーワード:系外惑星、星・惑星系形成、赤外線・可視光・電波観測
    • 地震物理学
      • 地震は弾性体岩盤中の破壊を伴う摩擦すべりによる、弾性波動伝播プロセスである。地震の発生過程を理解するための基礎として、弾性体力学の枠組みの中で地震の震源をどのように表現するか、また摩擦や破壊の物理の観点で、地震の破壊すべり過程をどのように扱うか、について体系的に学ぶ。
      • 🔑キーワード:地震確率予測、べき法則、スケーリング、プレートテクトニクス、地震波エネルギー、地震モーメント、マグニチュード、摩擦法則、摩擦すべり、破壊基準、破壊すべり、弾性波動、弾性体力学、断層
    • 星間物理学Ⅰ
      • 星間物理学の基本的な概念や考え方の習得を目標とする。天の川銀河内での可視赤外から電波にわたっての観測に基づいて星間物質の様々な相について概説し、そこでの物理的・化学的素過程の理解を目指す。星形成や質量放出星などについて学ぶ。
      • 🔑キーワード:星間物質、質量放出、光解離領域、HII領域、分子雲、星間ガス、星間ダスト、赤外・電波観測。
    • 火山・マグマ学
      • 地球惑星の形成と進化におけるマグマの役割を理解することを目標とする.そのために、マグマの生成・分離・移動、マグマの固結・分化・同化・混合、および噴火の基本的過程を学習する.
      • 🔑キーワード:マグマの生成・分離・移動、マグマの固結・分化・同化・混合、火山噴火
    • 地球惑星システム学基礎論
      • 本講義は、地球や惑星を一つのシステムとして統一的に理解するための基礎論を学ぶ。その代表的な例である水惑星の形成と進化、表層環境の維持に関わる問題を軸とし、地球惑星システムの理解にとって重要なフィードバックや分岐、多重解などの概念と役割について解説する.
      • 🔑キーワード:地球システム、水惑星、ハビタブル惑星、惑星形成
    • 比較惑星学基礎論
      • 太陽系内の惑星、衛星、および小天体について、その起源と進化について観測と理論を交えて解説する。
      • 🔑キーワード:惑星科学、惑星の起源と進化、惑星探査


    主な研究室紹介


    • 升本研究室(升本順夫教授)
      • キーワード:気候変動、数値シミュレーション、海洋変動
      • 主な研究紹介
    • インド洋および太平洋の海洋・気候変動
    • 沿岸-外洋接続域の海洋変動と物質循環
    • 井出研究室 (井出哲教授)
      • キーワード:地震学、地震破壊すべり
      • 主な研究紹介
        • 震源の階層的固有性と広帯域性に基づく確率論的地震発生論の構築
        • Slow-to-Fast地震学
      • 研究室HP: http://www-solid.eps.s.u-tokyo.ac.jp/~ide/


    学科インタビュー


    Comig Soon


    学生の声


    • 地学と物理の理論体系や観測手法などについて深く学んだり、それらについてのデータを分析するためのプログラミングについて1からしっかりと学ぶことができます。2Aや3Sは物理学科と似たカリキュラムになることが多く、以降は地球惑星環境学科と同じ講義が増えていきます。また最近の試みですが、長期休暇の間に数日間インターンを行い、2、3年生のうちから大学以降の研究を体験してみたり、研究者の方と直接話をする機会があります。
    • 地球惑星物理学科では、物理的な手法を用いて地球科学を学びます。扱う内容は、固体地球分野(地球内部構造、地震、火山など)、大気海洋分野(大気構造、海洋構造、相互作用など)、宇宙惑星分野(地球磁気圏、系内惑星、系外惑星など)に分かれていて、内容は書ききれないくらい多岐にわたります。複雑な自然現象を方程式系へモデル化し、理論的に考察したり、シミュレーションをおこなって分析したりします。弾性体力学、流体力学、電磁気学、統計力学など物理をゴリゴリ使います。数学も使います。(一方で環境学科のように実際にフィールドワークを行なうことは少ないです。)自然現象を数学や物理学で解釈していくことはとても魅力的だと思います。同志はぜひ地物へ。また、物理や数学を勉強してもいまいち抽象的で頭に入ってこない……という人にも、地物では具体的な現象を扱うので楽しいかもしれません。地物はいいぞ〜。2Aでは物理数学を学びます。3年では午前には座学を、午後にはプログラミング演習と実験を行います。4年で専門分野に分かれて演習と研究を行います。幅広い内容の授業が開講されているので(さらに理学部他学科の授業を受けることもできます)、今まで全く知らなかった分野で面白いことに出会えます。また、いろいろなところがリンクしていて、地球科学の奥深さに触れられます。個人的には磁場を観測して火山の運動を推定したのが楽しかったです。簡単にですが太平洋の波の伝播もシミュレーションできたのも楽しかったです。

     

    理学部:地球惑星環境学科

    概要


    地球や惑星とその環境の進化・変動、生命の誕生・進化・絶滅、それらの相互関係を実証的に解明する。

    自然科学的立場にたって、過去から現在にいたる地球や惑星の環境をさまざまな時間・空間スケールでとらえ、その変動や変化を支配する物理・化学・生物の法則を理解する。そのために自然現象の実証的な理解と、それに必要な基礎学力と論理的思考の育成に重点をおいた教育を行う。

    地球・惑星の環境を自然科学的な見地から実証的に行うため、通常の講義のほかにフィールドワークや実習・演習が大きな柱となっている。


    基本情報


    • 定員 
      • 20名
    • 要求/要望科目
      • 要求科目
        • <文科全類>
        • (1)基礎科目(数理科学)・総合科目F「数理科学基礎、微分積分学①、微分積分学②、線形代数学①、線形代数学②」(計8単位)または「数理科学概論I(文科生)、数理科学概論II(文科生)」(計4単位)または「数理科学概論I(文科生)、数学II(文科生)」(計4単位)
        • (2)基礎科目(物質科学)・総合科目E「力学、電磁気学、熱力学または化学熱力学、構造化学、物性化学」から4科目(計8単位)または「力学、電磁気学」「物質化学(文科生)、物理科学I(文科生)、地球惑星環境学入門」から2科目(計4単位)
        • (3)基礎科目(生命科学)・総合科目E「生命科学、生命科学I、生命科学II」から1科目(2単位or1単位)または「現代生命科学I(文科生、理一生)、現代生命科学II(文科生、理一生)、微生物の化学、進化学」から1科目(2単位or1単位)
      • 要望科目
        • 総合科目D「地球環境論、環境物質科学、生態学、社会環境論」
        • 総合科目E「動物科学、惑星地球科学I(理科生)、惑星地球科学II(理科生)、地球惑星物理学入門、地球惑星環境学入門、宇宙科学I(理科生)、宇宙科学II(理科生)、分子生命科学、植物科学」
      • 公式サイト


    カリキュラム紹介


    地球惑星環境学科のカリキュラムから地学分野と考えられる講義やプロジェクトを抜粋して紹介する。

    2Aセメスター

    • 自然地理学
      • 自然地理学の歴史、自然地理学の主要分野、新しい自然地理学の研究方法・技術について学ぶ。
      • 🔑キーワード:GIS 、気候、氷床、土地利用、土壌、海岸、平野、河川、斜面、山地、火山地形、気候地形、変動地形、大地形
    • 地球環境学
      • 地球の気候や物質循環、生態系がどのようなメカニズムによって維持、変動してきたのかを明らかにした上で、人間活動の影響を評価する方法を学ぶ。
      • 🔑キーワード:古気候変動、大気循環、エアロゾル、炭素循環、地球温暖化
      • より長い時間スケールでの地球の進化についての「地球システム進化学」、地形・気候システムについての「自然地理学」と相補的な内容である。
    • 固体地球惑星科学概論
      • 固体地球の進化・ダイナミクスについて学ぶ。
      • 🔑キーワード:地殻、マグマ、火山、プレートテクトニクス、核、マントル

     

    3Sセメスター

    • 地球流体力学I
      • 地球科学の問題を考える際に、流体力学の取り扱いが必要となることが多くある。この講義では自然のさまざまな現象を支配する流体力学の基礎を学ぶ。
      • 🔑キーワード:流体、境界層、粘性、渦、渦度、ナヴィエ‐ストークス方程式
    • 大気海洋循環学
      • 大気(主に対流圏)と海洋の平均的な熱構造や循環構造の実態を概観し、その仕組みの理解のために必要な基礎知識を学ぶ。
      • 🔑キーワード:海洋循環、大気循環、気候とその変動、海洋熱構造、大気熱構造
    • 地球環境化学実習
      • 地球惑星環境の大気、水圏、地圏環境の化学分析を通じ、環境の化学的側面の理解を深める。
      • 🔑キーワード:環境化学
    • 地球惑星環境学野外巡検
      • 現在および新生代後期の乾燥気候に呼応した堆積岩形成の環境および火山島の理解を深めることを目的とする。
      • 🔑キーワード:野外調査、鉱山、岩塩、塩田

     

    3Aセメスター

    • 気候システム学
      • 地球上の表層環境を形成する重要な要素である気候について、現在のグローバルな気候システムを形成するメカニズムとそれに関わる物理過程を理解する。
      • 気候システム、氷床力学、極域気候、熱帯気候、炭素循環、エネルギー・水のバランス、大気・海洋大循環について扱う。
    • 大気海洋物質科学
      • 大気中の物質(気体およびエアロゾル)の分布を支配する放射、輸送、化学反応過程の基礎を学び、大気環境変動や気候影響に関する最新の知見を得る。また海洋の熱・塩分・栄養塩・炭酸系物質等の分布・構造と海洋循環・物質循環・生物生産及び最近の話題について学ぶ。
      • 大気物質、大気化学、雲物理、海洋物質、熱塩循環、物質循環について扱う。
    • 資源地質学
      • 鉱物および燃料資源に関係した物理学的、化学的、生物学的、地質学的な元素濃集のプロセスおよびその探査方法について学ぶ。これら濃集プロセスの理解を通じて、元素の濃集の仕組みを理解すると共に、その探査法に関する知識も深める。
      • 資源地質、バイオリーチング、都市鉱山、蒸発岩、生物地球化学的物質循環について扱う。

     

    4Sセメスター

    • 海洋物理学
      • 平衡状態にある海洋に様々な時空間スケールの外力が加わり、その平衡状態が乱されたときの力学的応答を、密度成層や海底地形、さらに地球回転の効果などと関連づけながら明らかにしていく。
      • 海洋波動、地球回転効果、密度成層について扱う。
    • 先端鉱物学
      • 地球及び惑星に存在する様々な鉱物に焦点を当て、その結晶構造と化学組成について説明し、それに起因する物理化学的性質がマクロな地球惑星の構造や諸現象にどのように関与しているかを理解する。
      • 鉱物の結晶化学、惑星物質進化、隕石、固体惑星物質、酸化還元、ナノ粒子、生体鉱物、層状珪酸塩、粘土鉱物、高圧鉱物について扱う。
    • 水圏環境学
      • 本講義では陸上の水域を対象に、前半では自然科学のすべての分野から総合的に現象を解明する「陸水学」の基礎知識を紹介する。後半ではこれらの水域における人間活動に伴う問題点を、治水・利水・環境のテーマ別に紹介する。
      • 🔑キーワード:陸水学水圏、環境について扱う。
    • 地球惑星環境学国際研修
      • オーストラリア国立大学と進めている国際教育・研究の枠組みの中で行う授業。全学の学生に開講する。フィールドワークや講義などを通して最先端の分析もしくは日本では見られないフィールドでの観察などを行うことにより、研究の最先端に触れるとともに、国際感覚も養いながら、研究の現場についての理解を進める。
      • 🔑キーワード:国際連携、地球環境、フィールドワーク
    • 岩石組織学実習
      • 偏光顕微鏡観察に基づいて、火成岩・変成岩とそれらの変形と関係する微細組織の成因とそれらをもたらした物理化学プロセスを理解する。
      • 🔑キーワード:火成岩・変成岩、鉱物、変形、偏光顕微鏡、物理化学過程


    主な研究室紹介


    • 分子地球化学研究室(高橋嘉夫教授、板井啓明准教授)
      • キーワード:分子地球化学、物質循環、環境・資源科学、地球史
      • 主な研究紹介
        • 固液界面における微量元素の化学反応過程の解明とその地球史・環境化学・物質循環の解明への適用
        • 放射光を用いた微量元素の化学種解析法の開発
        • エアロゾルが受ける化学変化とその環境や気候変動への影響
      • 研究室HP:http://www-gbs.eps.s.u-tokyo.ac.jp/~environ/
    • 狩野研究室(狩野彰宏教授)


    学科インタビュー


    Comig Soon


    学生の声


    • 地球科学は一言で言うと「地球上の全てを対象とする」学問です。キーワードを挙げるだけでも、地震・火山・岩石・宇宙・気象・気候・地理・地形・化石・地球生命史など、非常に多岐に渡ります。この融合分野を、第一線の研究者陣の元で広く深く学ぶことができます。近い学科に地球惑星物理学科があり、どちらも対象は同じ地球の自然科学現象ですが、物理学科は理論やコンピュータ演習がメインである一方、環境学科は実験・観察やフィールドワークが多く、実物を見る機会が非常に多いのが、大きな特徴かつ魅力でもあります。個人的には地球科学を勉強していると、そこらへんに転がっている石や、旅行先の温泉の泉質、ふと見上げた雲の形や色に意味を見出せるようになったり、海と空と植物とを目の前にして、写真には映らないそれらの複雑な相互作用を感じられるようになることが1番の魅力だと思っています。あまり馴染みのない専攻に思うかもしれませんが、世界でも日本でも盛んに研究が行われており、各地に特色があるのもあり、世界中の研究者が協力して研究を行うことも多い分野です。特徴的な授業としては、何十種類もの岩石・鉱物を目視と顕微鏡で判別できるようにひたすら観察する実習、池の水を採取して化学実験室で分析したりフラスコで雲をつくる実習、1週間にわたって川を上りながら地質図やルートマップを作成する巡検などがあります。他にもリモートセンシングやGISの扱いを学ぶ地理寄りの授業や、プログラミング演習、地球生命史、理論的な化学熱力学、弾性体力学、大気海洋循環学など、非常に幅広い分野を学ぶことができます。研究については、学部4年生の春に各自の興味に応じて大まかな専門領域を決めていき、何人もの先生方と話して配属する研究室を決め、夏から卒業研究を始めます。それまでの授業の中でも、各先生方が自身の研究の面白さを話してくれますが、4年生のこの研究室配属の際に多くの先生方や先輩と話す中で、各研究室の専門領域や特色、自分の興味とのマッチ具合が見えてきます。

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