大学で履修する第二外国語はもう決めましたか?
この記事では、東大で開講されている第二外国語の難易度・勉強法・試験の様子、それぞれのクラスの雰囲気をまとめました。「まだ第二外国語を決めかねている…」という人は、悔いのない選択をするための参考に、「もう決めた!」という人は予習がてらに、ぜひご一読ください!
この記事は、2020年度理二三スペイン語クラスへの取材に基づいて作成しています。クラスの雰囲気や成績評価のやり方はクラスによって異なる可能性がありますので予めご了承ください。
基本情報
男女比は2020年度理一クラスの場合 男子:女子=10:1程度、2019年度理二三クラスの場合 男子:女子=4:1程度である。一般的に理二三クラスの方が理一クラスより女子が多い。また、スペイン語クラスは他の言語のクラスに比べると女子が多い傾向がある。
スペイン語について
スペイン語を選んだ理由
・スペイン語は習得するのが簡単だと聞いていたから。
・スペイン語は話者が多く、旅行などで使えると思ったから。
・クラスの雰囲気が明るそうだから。
・他の言語よりも女子が多そうだから。
・(2019年度の場合)新しく開講されたスペイン語TLPを受講したかったから。
スペイン語の難易度
文法:一つの動詞につき、(1人称・2人称・3人称)×(単数・複数)の6つの活用があり、さらに直接法・接続法・現在形・点過去・線過去・未来形...など時制もそれなりに豊富なので、活用には苦労するかもしれない。ただ、不規則活用動詞の数がフランス語などと比べて圧倒的に少なく、規則活用の動詞が多いため、その分負担は少ない。
語彙:スペイン語はラテン語由来の単語が中心的で英単語と語源を共有していることから、英単語の理解があれば覚えやすい。
発音:スペイン語の発音はほとんどローマ字読みなので、一部の例外(c/h/g/j/z/rrなど)を覚えてしまえばほとんど苦労しない。巻き舌ができない人も一定数いるが、授業を乗り越えるのに支障はない。
成績・試験
必修のスペイン語の成績は出席や小テスト、期末試験で決定されることが多い。教員によっては出席を取らないこともあり、その場合は授業内の小テストが終わると帰る学生も一定数いる。
期末試験の内容は教員によって異なる。教科書を元に作られたプリントから問題が出されることもあれば、初見の単語の活用を中心的に問う問題が出されることもある。また、教科書の例文をスペイン語訳または日本語訳させる問題が出題されることもあった。
勉強の方法
動詞の活用を中心に、教科書の内容を復習することが一般的。直接法現在や点過去といった活用形は、他の活用形を推測する際にも応用できるので、しっかりと勉強しておく方が良い。また、教科書の文法事項の解説はあまり丁寧ではないので、しっかり勉強するなら教科書だけではなく文法参考書も併用して学習すると良い。
クラスの雰囲気
一般的にスペイン語クラスは「明るくてノリの良い人が多い」「陽キャが多い」「体育会系が多い」と言われることがある。運動好きな人が多いのは事実で、実際に多数の学生が運動系サークルに所属しているクラスもある。ただし必ずしも全てのクラスがそうであるとは限らない。2020年度の理一クラスの中にはサークルに所属しない人が多数を占めるクラスもあった。
クラスの仲の良さについては、みんなでご飯に行ったり一緒にテニスをしたりするなど、かなり仲の良いクラスもある。一方で、授業の後にクラス内の仲の良い人とご飯に行ったり雑談したりする程度の交流はあるものの、男子と女子の関わりが少なかったり、クラス内にあまり関わらない人が多いというようなクラスもある。
理一クラスでは、クラスにもよるが、スペイン語の授業はきちんと出席して受講している学生が多い。理二三クラスの中には授業には出席せず自分で勉強を進める学生も散見されるが、勉強を怠っていた人は単位を落とすことが多かった。
シケ対(※1)制度については機能しているクラスとそうでないクラスに二分され、機能していないクラスでは上クラ(※2)からシケプリ(※3)が降りてくることさえないクラスもある。一方で機能しているクラスでは過去問とその解説、教員の授業中の板書が全て揃っていることもある。
※1「シケ対」:クラス内の役職。科目ごとに任命され、試験対策プリントの作成・収集を任される。
※2「上クラ」:新入生と同じクラス番号の2年生
※3 「シケプリ」:試験対策のために学生が作成したプリント
スペイン語を学ぶメリット・デメリット
メリット
文法や発音が規則的であることや、英語と類似している語句が多いことから、フランス語など他のヨーロッパ言語に比べると習得はかなり容易。
デメリット
スペイン語は「簡単」とはいえ、授業以外に全く勉強しないで習得できるほど甘くはない。単位取得のためにはある程度の復習やテスト勉強は必要。
スペイン/スペイン語に関連する学部学科の紹介(非常勤講師は除く)
以下の情報は必ずしも網羅的でない場合があります。予めご了承ください。
文学部
・現代文芸論専修 柳原孝敦
専門:現代ラテンアメリカ文学・拡大ナショナリズム・スペイン・世界文学
・宗教学宗教史学専修 渡辺優
専門:宗教学・神秘主義・十字架のヨハネ・宗教理論
教養学部・総合文化研究科(二外必修の授業を担当してくださる先生が多い)
・教養学科 地域文化研究分科 ラテンアメリカ研究コース 相田豊
専門:南米アンデス地域の文化人類学・ライフヒストリー・文化人類学
・教養学科 地域文化研究分科 ラテンアメリカ研究コース 石橋純
専門:文化人類学・民族創生・人種主義・アフロ系・先住民
・教養学科 地域文化研究分科 ラテンアメリカ研究コース 上英明
専門:キューバ・アメリカ合衆国・アメリカ/キューバ関係・移民研究・冷戦
・教養学科 地域文化研究分科 ラテンアメリカ研究コース 斎藤文子
専門:スペイン語文学
・教養学科 地域文化研究分科 ラテンアメリカ研究コース 和田毅
専門:社会学・メキシコ
・教養学科 地域文化研究分科 ラテンアメリカ研究コース 棚瀬あずさ
専門:ラテンアメリカ文学・近代詩・世界文学
・教養学科 地域文化研究分科 ラテンアメリカ研究コース 竹村文彦
専門:スペイン語・マルチメディア・外国語教育・メキシコ
・教養学科 地域文化研究分科 ラテンアメリカ研究コース 網野徹哉
専門:文化人類学・民俗学・宗教学・外国語教育・アメリカ史
・教養学科 地域文化研究分科 ラテンアメリカ研究コース 高橋均
専門:ラテンアメリカ・カリブ地域史
・教養学科 超域文化科学分科 文化人類学コース 宮地隆廣
専門:ラテンアメリカ・ボリビア・社会運動・比較政治・先住民
・教養学科 総合社会科学分科 受田宏之
専門:ラテンアメリカ経済・先住民研究
・総合文化研究科 言語情報科学専攻 川崎義史
専門:スペイン語史・年代推定・場所推定
最後に
最後までお読みいただきありがとうございました。
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