奨学金概要
奨学金は、国の制度による日本学生支援機構の他に地方公共団体、民間団体、東京大学独自で行っているものがあります。
種類としては、返還が不要な「給付型」と返還義務のある「貸与型」があり、貸与型はさらに利子がつかない「無利子」のものと、利子がつく「有利子」のものがあります。
対象者は、それぞれの奨学金により異なりますが、「家計(世帯の収入)基準」と「学力基準」があるものが一般的であり、「給付型」よりも「貸与型」の方が基準が緩やかになります。
また、奨学金によりその奨学金の受給しか認めていない「併給不可」のものと、他の奨学金を受給しても大丈夫な「併給可」のものがあります。
なお、この記事は2024年6月に作られたものです。正確な情報提供を努めていますが、それ以降の変更が反映されていなかったり、間違っていたりする可能性もございます。この記事を参考にして、自分でさらに調べていくこと(例えば教養学部のホームページ以外にも、ガクシーや、アドミニストレーション棟に貼られている募集情報を確認するなど)を推奨しております。
日本学生支援機構JASSOの奨学金
給付奨学金、貸与型の「第一種奨学金」、「第二種奨学金」があります。
給付型
世帯の所得金額に基づく区分に応じて、給付額は下表のとおり。
認定区分
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自宅通学
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自宅外通学*1
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第Ⅰ区分
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29,200円 (33,300円)*2
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66,700円
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第Ⅱ区分
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19,500円 (22,200円)*2
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44,500円
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第Ⅲ区分
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9,800円 (11,100円)*2
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22,300円
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第Ⅳ区分*3
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7,300円 (8,400円)*2
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16,700円
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*1日本学生支援機構が定めている自宅外通学の要件を満たしている者。
*2( )内は、生活保護を受けている世帯や児童養護施設等から通学する人の金額。
*32024年度新設区分。支給月額は予定金額。
貸与型
種類
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学部・大学院
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貸与月額
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第一種
(無利子)
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学部
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自宅通学
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20,000円・30,000円・45,000円*
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自宅外通学
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20,000円・30,000円・40,000円・51,000円*
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大学院修士課程
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50,000円・88,000円
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大学院博士課程
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80,000円・122,000円
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第二種
(有利子)
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学部
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20,000円~120,000円のうち1万円単位で選択
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大学院
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50,000円・80,000円・100,000円・130,000円・150,000円
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- 最高月額は、申込時の家計収入が一定額以上の場合、利用できません。
申込み対象者
給付型
- 住民税非課税世帯及びそれに準ずる世帯。
※ 2024年度から多子世帯の中間層(世帯年収600万円程度)に対象が拡大されます(第Ⅳ区分)。
- 日本国籍、法定特別永住者、永住者等又は永住の意思が認められる定住者であること。
- 高等学校等を卒業してから2年の間までに大学等に入学を認められ、進学した者であって、過去において本制度の支援措置を受けたことがないこと。
- 保有する資産が一定の水準を超えていないこと(申告による)。
(基準額)生計維持者2人の場合:2,000万円未満、1人の場合:1,250万円未満。など
詳細は下記URLの「給付給付奨学金の申込資格」「学力基準」「家計基準」等や申請時に申込要項を確認してください。
日本学生支援機構ウェブサイト
貸与型
下記URLより貸与を受けたい奨学金を選択のうえ、それぞれの「申込資格」「学力基準」「家計基準」等を確認してください。
日本学生支援機構ウェブサイト
募集時期
例年,春(在学採用)と秋(二次採用)の2回行われます。(予算の状況等により秋の募集は行われないことがあります。)募集はホームページからすることができます。なお、家計の急変により緊急に奨学金が必要となった場合は、「家計急変・緊急・応急採用」の制度がありますので、随時学生支援課奨学資金チームに問い合わせてください。
その他
日本学生支援機構奨学金の給付または貸与を受けている学生は、年1回の奨学金継続手続きが必要です。この手続きを怠ると奨学生の身分が失われ、以降は奨学金を受け取ることができなくなります。
なお、給付奨学生は、年2回4月(入学年度は除く)・10月頃に在籍報告の手続きも必要です。
民間団体の奨学金
教養学部で学内選考を行う奨学金と、大学を介さずに直接応募する奨学金があります。
学内選考を行う奨学金
一覧
募集要項
成績要件(成績に占める優の割合が規定されているなど)や進学学部の指定、出身地の指定など様々な条件があります。ここでは具体例を挙げていきます。これは上記の中のごく一部にすぎず、また条件が複数あるものも多くあります。詳しくは一覧をみて、ご確認ください。
○ 成績要件があるもの:
阪和育英会→優の単位数が7割以上(目安)、東京海上各務記念財団→優の単位数及び科目数が6割以上
○ 学部及び専攻分野の指定があるもの:
野田育英財団→文二(経済学部進学希望者)、川村育英会→化学系および機械、電気電子工学系を専攻する学科への進学希望者
○ 出身地などの指定があるもの:
三宅正太郎育英会→兵庫県出身者、平山教育財団→東京都在住者、
○ 年齢制限のあるもの:
春秋育英会→修了時の年齢が26歳を超えないもの
直接応募の奨学金
ここではいくつか具体例(教養学部ホームページに掲載されているものが中心)をあげます。これ以外にも多くの種類があります。積極的な情報の収集をするのが望ましいです。
金額、5万円/月(条件によって追加支給あり)
支給期間、2024年10月-2025年9月
応募時期、2/16-5/15まで
所得制限、なし
貸与給付、給付(他の給付型奨学金との併用不可)
対象学年、学部生(23歳以下)、院生
国籍、日本国籍(永住者、定住者は可)
その他必要書類、毎月一回のレポート提出、アルバイトに従事している(勤務時間目安あり)
金額、3万円/月
支給期間、修業年限まで
応募時期、4/1-5/15
所得制限、あり
貸与給付、給付(併用可)
対象学年、学部生
国籍、なし
その他必要書類、交通事故による障害の証明(詳細はホームページ)、推薦書、成績証明書、在学証明書、所得証明書、戸籍謄本
金額、10万円/月
支給期間、2024年4月-2026年3月
応募時期、4/1-4/12
所得制限、なし
貸与給付、給付
対象学年、学部生(25歳未満)、院生
国籍、なし
その他必要書類、自己推薦書、成績証明書、推薦書
金額、一括30万円
応募時期、3/4-4/17
所得制限、なし
貸与給付、給付
対象学年、学部(2,3,4年生で23歳以下)
国籍、なし
その他必要書類、成績証明書、在学証明書、住民票の写し、小論文
金額、10万円/月
支給期間、2024年4月-2025年3月
応募時期、3/1-4/13
所得制限、あり
貸与給付、給付(条件によって併用可)
対象学年、一年生、二年生
国籍、なし
その他必要書類、課題作文、推薦書、所得証明書、在学証明書、成績証明書、住民票原本
金額、10万円/月
支給期間、2024年4月-2027年3月
応募時期、2/12-3/25
所得制限、なし
貸与給付、給付(条件によって併用可)
対象学年、二年生
国籍、あり(永住者、定住者は可)
その他必要書類、作文、推薦書、アンケート回答、申込書、行事への出席、レポート
ホームページに載っていない奨学金もたくさんあります。しかし大学側がその手続きに慣れていないために時間がかかる、という可能性もあります。
公益財団法人野島財団
金額、5万円/月
支給期間、2024年7月-学士課程終了
応募時期、3/11-4/26
所得制限、なし
貸与給付、給付
対象学年、二年生、三年生
国籍、なし
その他必要書類、成績証明書、履歴書、作文
公益財団法人エイブル文化振興財団
金額、年間40万円
支給期間、一年間
応募時期、4/1-5/20
所得制限、コースによってあり
貸与給付、給付
対象学年、大学生
国籍、なし
その他必要書類、願書、応募理由書、小論文、推薦書、在学証明書、成績証明書、取得単位一覧、住民票の写し、レポート
補足:「東大 留学生 奨学金」と検索すると主に留学生を対象にした奨学金がまとめられているサイト を見つけることができます。こちらにも、一部非留学生を対象に含めたものも掲載されております。参考にしてみてください。
東京大学独自の奨学金
通常はホームページで募集が行われます。院生、博士課程を対象にしていることが多いです。
海外留学のための奨学金
海外留学のための奨学金についての記事は新規作成予定です。作成後はこちらにリンクを掲載致します。いましばらくお待ち下さい。記事がどうしても待ちきれないという方は、以下のリンクから探してみることをお勧めします。
グローバル駒場
Go Global Website
主な問い合わせ先
前期課程:
担当 学生支援課奨学資金チーム
場所 アドミニストレーション棟1階7番窓口
受付時間 平日10:00~12:30,13:30~16:00
メール s-shikin.cアットマークgs.mail.u-tokyo.ac.jp
※お問い合わせの際は、学生証番号と氏名をメール本文に明記。
後期課程:
東京大学 本部奨学厚生課奨学チーム(奨学金担当)
本郷キャンパス・学生支援センターM階 奨学金担当窓口
E-mail:syougaku.adm[アットマーク]gs.mail.u-tokyo.ac.jp
※ 表記のメールアドレスの[アットマーク]は@に置き換えてください。
窓口時間:9時00分~17時00分(8月のみ12時00分~13時00分窓口休止)
※ 土日祝日、夏季休業日(8/13,8/14)、年末年始(12/28~1/4)除く。
なお、後期課程のうち、教養学部、総合文化研究科及び数理科学研究科については駒場での手続きになります。
また、本郷への問い合わせは、部門が分かれています(地方公共団体の奨学金か、民間団体の奨学金か、など)。必要に応じて、上記以外の担当宛にメールを送りましょう。
教授に推薦書をお願いするとき
教授の見つけ方
ここでは前期教養学部生向けに書きます。自分で直接申し込む際に、先生(教授・講師)などからの推薦書が必要な場合があります。依頼する対象の先生は、外国語(英語や第二外国語など)の先生や、少人数授業(全学自由研究ゼミナールを含むゼミ形式のクラスやPEAKの授業など)の先生など、多岐に渡ります。奨学金の種類によっては、推薦者の立場が限定的な場合もあるので注意しましょう。
参考ですが、東大の交換留学の学内選考において《所見事項については、全学交換留学募集要項中に「現在所属する学部・研究科の指導教員(または担任教員、授業登録をしている教員(非常勤講師など含む))等、申請者の人物を把握できる本学教員」から提出してもらうことが必要と定めていますので、この条件を満たしていれば受け付けています。やや幅広く定義しているのは、例えば学部1年生で、本学の常勤教員と所見事項を依頼できるような関係が築けていない学生でも申請できるようにするためです。》と記述があります。
メールの送り方
UT-BASEでメールの書き方記事があるので、形式はそちらを参考するようお願い致します。
内容、郵送物について
奨学金の正式名称とその奨学金を提供している財団名、そしてそのURLをまず書きましょう。
続いて推薦書の文面を作成していくにあたり、こういうことを書いてほしいというポイントについて、できるだけ具体的に情報を提供する必要があります(このような場合、教員によっては学生に推薦書の下書きを提出させることもあります)。
奨学金によっては、書類を郵送する必要がある場合もあります。その時は推薦書を依頼する方に推薦書とそれを郵送するためのものを合わせて準備しましょう。例えば、「厳封」の場合は封筒とレターパックを同時に入れる必要があります。またその際は住所は全てあらかじめ書いておきましょう。自分で推薦書をその他の書類とまとめて財団に郵送する必要がある場合は自分宛用にレターパックを入れましょう。
推薦書の種類によっては、推薦者のサインや大学学部長の公印が必要な場合もあります。特に教養学部長の公印は、作成された推薦書をアドミニストレーション棟の奨学金支援チームに持っていき、2、3日(休日を挟む場合はさらに時間がかかります)待つ必要があります。締切に余裕を持って準備しましょう。
gd2md-html: xyzzy Wed Jul 24 2024