大学で履修する第二外国語はもう決めましたか?
この記事では、東大で開講されている第二外国語の難易度・勉強法・試験の様子、それぞれのクラスの雰囲気をまとめました。「まだ第二外国語を決めかねている…」という人は、悔いのない選択をするための参考に、「もう決めた!」という人は予習がてらに、ぜひご一読ください!
この記事は2018年度理一フランス語クラスおよび2020年度理二三フランス語クラスに在籍していた一部の学生への取材に基づいて作成しています。この記事の内容が全ての理系フランス語クラスに当てはまるわけではありませんので予めご了承ください。
基本情報
クラスの男女比は、2018年度理一クラスの場合 男子:女子=10:1程度、2020年度理二三クラスの場合3:1程度だった。一般的に理一クラスよりも理二三クラスの方が女子の割合は多いと言われている。また、フランス語クラスは理系の中では女子が比較的多い。
フランス語について
フランス語を選んだ理由
・元々ヨーロッパ言語を学びたいと思っており、フランス語は国連公用語で社会的に使えると思ったから。
・勉強をそれなりにやりつつ明るくて女子が多いクラスだと思ったから
・生まれた場所など、フランスにゆかりがあったから(まれ)
・なんとなくフランス語を取りたいと思ったから
・消去法。「ドイツ語はクラスが静かで女子が少なそう。スペイン語は遊んでいる印象があった。中国語や韓国語は独学できそうだった。」という思考を経てフランス語に行き着いた。
フランス語の難易度
フランス語の難易度は比較的高い。
文法:不規則動詞が多い。時制だけで10種類ある。また、前置詞が次の単語の性別や単語頭の文字(母音or子音/有声音or無声音)によって変化する。
語彙:英語と共通のものが多いが、同じ単語でも綴りが異なるので要注意。Ex. blue(英)/bleu(仏)
発音:同じ文字でも使い方によって有声音になる時と無声音になる時がある。また、母音の衝突で別の発音になる。
完全に習得しようと思うとかなり難しいが、勉強をしっかり頑張れば成績を取ることはできる。
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勉強の方法
時制や活用が非常に難しいのでそこを頭に叩き込むことが大切。教科書の内容をノートにまとめたり、教科書の文章を暗記したりする。一般的には、普段は1週間に1時間程度、試験前には必死に勉強するというケースが多い。優上をとった学生の中には、2日に1回3時間程度フランス語に触れたり、ラジオフランス語会話を活用したりしていた人もいる。
成績評価について
成績は出席・小テスト(動詞の活用や単語など、内容は教員により異なる)・期末試験で決まる。期末試験の比重は6-7割以上であることが一般的。
期末試験では、以下のような問題のうちいくつかが組み合わされて出題される。
①動詞の活用や冠詞,重要表現などに関する文法穴埋め問題
②動詞の活用問題(出題されたのは基本的に不規則動詞)
③教科書に載っているようなレベルの仏作文
④練習問題や章末問題にある文章の和訳
⑤ディクテーション(少しだけ)
⑥長文の仏作文(習っていない範囲の単語の意味は試験問題の中で解説されていた)
⑦自由仏作文(「夏休みの計画」などのテーマ)
⑧教科書の文章に対して仏語で書かれた問題に仏語で回答。
⑨仏文の和訳
クラスの雰囲気
2018年度理一クラスの場合
雰囲気は科類やクラスにもよるが、仲はよくお互いの違いを受け入れる包含的なクラスだった。真面目な学生が多く、勉強とそうでない時のメリハリをつけることができていた。学生の大半が授業をしっかり受けていた。また、シケプリ(学生が作る試験対策プリント)も全教科集まり、中身もしっかりしていた。
履修については、「逆評定」の内容はあまり気にせず興味に従って履修を組んでいる学生が多かった。
新学期には、オリ合宿や五月祭準備を経て仲良くなった。
平日は理系の必修科目でほぼ同じ授業を一緒に受けることになるので、実験後に雑談する・授業終わりに一緒に学食へ行くなどの交流が生まれる。一方、課外活動の影響で土日に遊びに行くことは少ない。
2年生以降はクラスの中で仲が良かった人との繋がりがメインになり、クラス全員で集まることは少なくなる。仲の良いクラスでは2年の冬にもクラス会を行うこともある。
2018年度理二三クラスの場合
クラス全体での団結力が高いというわけではないものの明るい雰囲気。全員が真面目なわけではなく、授業中にもざわついていた。また、図書館に行って勉強する人はマイノリティだった。(授業の雰囲気や学生の勉強への熱意はクラスによってかなり大きな差がある。)
授業が全面オンラインで開講されていたSセメスターの間は、クラスに馴染めない学生も一定数いた。Aセメスターに対面授業が一部再開されてからは、クラス全体で仲良くなった。
平日は理系の必修科目でほぼ同じ授業を一緒に受けることになるので、授業終わりに一緒に学食へ行くなどの交流がある。クラス全体での交流というよりは、クラスの中の仲良しグループでの交流が中心である。
フランス/フランス語を学ぶメリット・デメリット
メリット
・特に理一フランス語の場合、クラスに勉強へのやる気があるメンバーが多い。
・社交的で課外活動も積極的に行っている学生が多い。
デメリット
・担当教員にもよるが、語学へのモチベーションがそれほどなく、勉強をしっかりやらなかった人は不可を取ってしまう可能性がある。
フランス語に関連する学部学科の紹介(非常勤講師は除く)
以下の情報は必ずしも網羅的でない場合があります。予めご了承ください。
文学部
・宗教学宗教史学専修 渡辺優
専門:宗教学・神秘主義・十字架のヨハネ・宗教理論
・フランス語フランス文学専修 塩塚秀一郎
専門:ヨーロッパ文学・フランス文学・ルポタージュ・制約下の創作
・フランス語フランス文学専修 王寺賢太
専門:思想史・ヨーロッパ文学・ディドロ・フランス革命・モンテスキュー
・西洋史学専修 長井伸仁
専門:近代史・ヨーロッパ史・アメリカ史・宗教・都市・パリ
法学部
・川出良枝
専門:政治思想史,政治理論,フランス思想,西洋思想史
・齋藤哲志
専門:フランス法・比較法・民法・私法
・笠木映里
専門:社会保障法、労働法、比較法、フランス法
・中原太郎
専門:民法
教養学部(二外必修の授業を担当してくださる先生が多い)
・教養学科 地域文化研究分科 フランス研究コース 伊達聖伸
専門:宗教学・ライシテ研究
・教養学科 地域文化研究分科 フランス研究コース 藤岡俊博
専門:エマニュエル・レヴィナスを中心としたフランス現代哲学・思想
・教養学科 地域文化研究分科 フランス研究コース 森山工
専門:マダガスカルの文化・社会に関する人類学的研究
・教養学科 地域文化研究分科 フランス研究コース 原和之
専門:20世紀フランス思想に精神分析がもたらした影響
・教養学科 超域文化科学分科 比較文学比較文化コース 今橋映子
専門:19-20世紀日仏比較文学、比較文化(パリ神話論など)
・教養学科 超域文化科学分科 比較文学比較文化コース 三浦篤
専門:フランス近代美術史、日仏美術交流史
・教養学科 超域文化科学分科 表象文化論コース 森元庸介
専門:フランス文学・ヨーロッパ思想史・芸術論
・教養学科 超域文化科学分科 表象文化論コース 寺田寅彦
専門:19世紀フランス文学やイメージとテキスト研究(比較文化)
専門:フランス語学、ロマンス語学、対照言語学
・教養学科 超域文化科学分科 表象文化論コース 桑田光平
専門:フランス文学、芸術論
・総合文化研究科 言語情報科学専攻 松村剛
専門:中世フランス語・フランス文学・語彙論
・総合文化研究科 言語情報科学専攻 星埜守之
専門:20世紀フランス文学・クレオール文学
・総合文化研究科 言語情報科学専攻 郷原佳以
専門:ヨーロッパ文学
・総合文化研究科 言語情報科学専攻 渡邊淳也
専門:フランス語学・時制・ロマンス語学・モダリティ
・総合文化研究科 超域文化科学専攻 星野太
専門:カント・美学・崇高・修辞学
・総合文化研究科 超域文化科学専攻 松井裕美
専門:フランス近現代美術
最後に
最後までお読みいただきありがとうございました。
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