大学で履修する第二外国語はもう決めましたか?
この記事では、東大で開講されている第二外国語の難易度・勉強法・試験の様子、それぞれのクラスの雰囲気をまとめました。「まだ第二外国語を決めかねている…」という人は、悔いのない選択をするための参考に、「もう決めた!」という人は予習がてらに、ぜひご一読ください!
この記事は2020年度理一ドイツ語クラスへの取材に基づいて作成しています。クラスの雰囲気や成績評価などは年度やクラスによって異なることがありますので予めご了承ください。
基本情報
理系ドイツ語クラスは例年全部で5つ程度ある。男女比は、理一の場合男子:女子=10:1。一般的に理二三クラスの方が理一クラスよりも女子率が高いと言われている。
ドイツ語について
ドイツ語を選んだ理由
・スペイン語・フランス語のクラスは派手な女子が多そうだが、ドイツ語クラスはそうでもないと思ったから。
・特に何も考えず、なんとなくドイツ語を選んだ。
・入学手続き時に配布された『言語選択の手引き』の中の、ドイツ語部会の教員の文章が印象に残ったから。
ドイツ語の難易度
文法:文法事項(時制など)自体は英語とほぼ同じだが、以下の2点は苦労する人が多い。
①格変化…名詞が男性・中性・女性の3種類に分類される。同じ名詞でも文章中で果たす役割(主語・直接目的語・間接目的語など)に応じて1格〜4格に変化する。それに応じて冠詞や形容詞が変化するため、暗記するのがかなり大変。特に作文では苦労する人が多い。さらに、不規則に変化する冠詞や名詞もある。
②語順…語順には明確な規則が存在していないが、特定の語順が「感覚的に間違い」だとされる場合がある。この感覚を身につけるのが難しい
語彙:英語と似ているものが多いので、英単語への理解があればさほど難しくはない。また、英語と一対一で置き換えられる単語が多い。一方、似ている単語が多数あるのでややこしく感じることもある。(例)laufen=走る、lachen=笑う、rauchen=喫煙する
発音:ほぼローマ字読み。ドイツ語は発音が難しいと言われているが、カタカナ発音でも通じる。理科生の場合は、授業で文法を主に扱うので、あまり発音を上達させることは求められない。
文字:ほとんどアルファベットと同じ。。
勉強の方法
必修のドイツ語一列・二列は語彙力よりも文法の理解を重視している。
特に1Sセメスター(1年前期)は、単語の格変化を覚えることが一番重要。1Aセメスター(1年後期)は過去形や現在完了形などの時制、「接続法」という新しい枠組みの中での動詞の活用を覚えることが大切。
成績評価について
必修のドイツ語一列・二列の成績は、小テスト・中間試験・期末試験で決定される。(中間試験を実施するかどうかは教員による。)中間試験と期末試験の分量は同じくらい。試験では、格変化をはじめとした文法や重要な単語が主に問われる。
クラスの雰囲気
「クラスに仲がいい友達はいるが、そのほかのクラスメイトとはあまり話したことがない」という状態が生まれるクラスもある。クラスの中にはクラスメイトと馴染もうとしない人や、自分からは話しかけてこない人も一定数いる。一方、かなり仲の良い友人ができることもある。また、クラスメイトとの交流は課題や勉強のための協力など、勉強面でクラス内で完結するものが中心。友人同士で休日にどこかに遊びに行くことはあまり多くない。
クラスには運動会の部活に所属している人もいるが、サークルに入っていない人が1/3程度いる。2020年度は対面での新歓活動を行うことができなかったこと、自分から積極的にコミュニティを見つける人がそれほど多くなかったことから、サークルに入りそびれた人が多い。
クラスには落ち着いた人が多く、授業中はかなり静か。全員が真面目に勉強しているわけではないが、勉強に力を入れ高い成績を収めるいわゆる「ガチプロ」も散見される。
シケプリ(学生が試験対策のために作成するプリント)は上クラ(自分たちとクラス番号が同じ、1学年上のクラス)からもらうことができる。しかし、数学などの試験は教員によって内容が全く異なるので、上クラからもらうシケプリがあまり役に立たないこともある。
ドイツ語を学ぶメリット・デメリット
メリット
・クラスに縛られず、自由に行動できる。
・クラス内で派手な雰囲気の人に絡まれる心配はない。
・クラスの居心地が悪いわけではなく、困ったときに助け合う友達を作ることができる。
デメリット
・クラスの団結力があまりないところもある。
・同じドイツ語でもクラスによって全く雰囲気が異なる。(各人が自由に行動し団結力が弱いクラスもあれば、イベントなどで盛り上がるクラスもある)
ドイツ/ドイツ語に関連する学部学科の紹介(非常勤講師は除く)
以下の情報は必ずしも網羅的でない場合があります。予めご了承ください。
文学部
・ドイツ語ドイツ文学専修 大宮勘一郎
専門:ベンヤミン研究、クライスト研究
・ドイツ語ドイツ文学専修 山本潤
専門:ドイツ中世盛期の俗語文芸、特に『ニーベルンゲンの歌』などの英雄叙事詩
・ドイツ語ドイツ文学専修 宮田眞治
専門:18世紀の文学・思想、特に超越論哲学・自然科学との関係において初期ロマン主義が展開した独自の表現技法と、その背景にある言語・芸術観
・ドイツ語ドイツ文学専修 KEPPLER-TASAKI Stefan
専門:文学(ゲーテなど)・ドイツ亡命文学・日独米の文化的つながり
・西洋史学専修 芦部彰
専門:1950年代の西ドイツにおける社会政策の歴史を中心としたドイツ現代史
・美学芸術学専修 小田部胤久
専門:18世紀から19世紀初頭にかけてのドイツ語圏を中心とする美学理論
法学部
・田口正樹
専門:中世ドイツの国制と法 比較法制史
・巽智彦
専門:行政法、ドイツ法、ヨーロッパ法
・板橋拓己
専門:国際政治史、ヨーロッパ政治史(ドイツ等)
・水津太郎
専門:民法
教養学部・総合文化研究科(二外必修の授業を担当してくださる先生が多い)
・教養学科 超域文化科学分科 言語態・テクスト文化論コース 石原あえか
専門:ゲーテと自然科学,近代日独医学交流史
・教養学科 超域文化科学分科 表象文化論コース 一條麻美子
専門:中世ドイツの叙事詩、中世受容
・教養学科 超域文化科学分科 比較文学比較文化コース 大石紀一郎
専門:ドイツ思想(ニーチェ・解釈学・批判理論)とその受容史、現代ドイツの政治文化(特に「記憶の文化」の諸問題)
・教養学科 超域文化科学分科 比較文学比較芸術コース 梶谷真司
専門:哲学(現象学)・比較文化・医療史・哲学プラクティス
・教養学科 地域文化研究分科 ドイツ研究コース 川喜田敦子
専門:20世紀ヨーロッパの人の移動, 第二次世界大戦後のドイツの戦後処理, 戦争と暴力の記憶
・教養学科 超域文化科学分科 比較文学比較芸術コース ヘルマン ゴチェフスキ
専門:音楽学・比較音楽論(近代日本音楽史、西洋音楽理論史、演奏論)
・教養学科 超域文化科学分科 比較文学比較芸術コース 齋藤渉
専門:ヨーロッパの啓蒙思想
・教養学科 超域文化科学分科 文化ダイナミクスコース 竹峰義和
専門:ドイツ文学,映像文化論
・教養学科 超域文化科学分科 表象文化論コース 田中純
専門:近現代視覚文化史
・教養学科 超域文化科学分科 表象文化論コース 長木誠司
専門:西洋音楽史,音楽美学,オペラ,現代音楽
・教養学科 地域文化研究分科 ヨーロッパ・ロシア地域研究コース 速水淑子
専門:近現代ドイツ語圏文学における女性戦士の表象,グローバル社会における市民権をめぐる政治思想
・教養学科 超域文化科学分科 表象文化論コース 針貝真理子
専門:演劇学、ドイツ文学
・教養学科 地域文化科学分科 森井裕一
専門:EU研究,国際関係論,ドイツ政治
・総合文化研究科 グローバル地域研究機構 平松英人
専門:ドイツ市民社会史、宗教社会史、社会福祉史
・総合文化研究科 国際社会科学専攻 公共政策論コース 福岡安都子
専門:ドイツ・オランダにおける公法学史、主権・人権史
・総合文化研究科 言語情報科学専攻 森芳樹
専門:言語学(意味論,実用論,談話意味論,独語学,言語横断的研究)
・総合文化研究科 言語情報科学専攻 稲葉治朗
専門:統語論、ドイツ語学
最後に
最後までお読みいただきありがとうございました。
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