■理念/指針・沿革
日中学生会議は、外務省・(社)日本外交協会共催の全国学生国際問題討論会「ザ・フォーラム」の入選者により発案された。日中関係に関心のある日本人学生有志が1986年に実行委員会を設立したのが始まり。「日中友好へ、学生の挑戦。」という理念の下、グローバルな視野で世界の課題について議論し、幅広い価値観を持つ人材となるべく学生が集う場所。学生同士の草の根の活動ではあるが、妥協のない対話を通じて相互理解を促し、日中学生会議の成果を日中、ひいては世界へと波及させるべく取り組んでいる。
1987年夏、中国・北京において第1回日中学生会議を開催し、今回は43回目の開催となる。2024年は「 山川異域 風月同天 ~良き隣人であるために~」という43期の独自のスローガンを掲げている。古くから続く日本と中国の縁を受け継ぎ、隣国として良い関係を維持したいという希望のもと、このスローガンを設定した。
安全保障をはじめに、処理水問題など日中は多くの「政治の問題」を抱えているが、それらに揺さぶられない両国関係が必要である。そのためには、政府や企業間にとどまらない「民間交流」の一層の活性化が必要だと考える。日中学生会議がそのための一助になることを願って、今年度の会議は日中両国での対面開催に向けて調整中である。
■活動内容
具体的には議論、文化交流、観光を行う。
①議論
1か月の事前準備を経て、中国学生と各分科会に分かれて議論をして相互理解を図る。8月の本会議合宿後にプレゼン形式で議論の成果を報告する。
※分科会とは、本会議を行うグループのこと。今年は「環境・伝統文化・観光・経済・エンターテイメント」の5つの分科会を用意している。
1つの分科会を2チームに分け、5-6人の少人数で議論する。参加者は各自の興味や使用言語から 1つの分科会に所属する。分科会では自主的な対話やフィールドワーク、専門家の方へのヒアリングから議論を深める。
②文化交流
芸能鑑賞や映画鑑賞の企画を通してお互いの文化を共有する。また、共に生活をすることにより互いの価値観を学び、相互理解を促す。
③観光
大使館、企業訪問など全体でのフィールドワークを行うことに加え、各都市で1日以上の観光をし、中国学生に日本を案内する。両国の言語や文化に触れる機会とする。
・41期はコロナ禍のためオンライン開催
・42期は香港、東京での開催
今期
・上海、蘇州、東京、広島、大阪で3週間かけて合宿。
・共同生活によって細かい差異を知る。