■理念/指針・沿革
日米学生会議(Japan-America Student Conference-JASC)は、日本初の国際的学生交流プログラム。米国の対日感情の改善、日米相互の信頼回復を目指し、「世界の平和は太平洋にあり、太平洋の平和は日米間の平和にある。その一翼を学生も担うべきである」という理念の下、1934年に発足。以来日米学生会議は、日米関係を考察するとともに、両国をめぐる様々な問題について、多角的に検討してきたが、近年のグローバリゼーションの進展と新興国の発展を経て、今日ではより広く多様な問題を日米の観点のみならずグローバルな視点から考えることが求められている。本会議では、日本と米国から同数の学生が約一ヶ月にわたって共同生活を送りながら様々な議論や活動を行い、会議全体を通して、様々な世界の問題に対して学生同士の活発な議論を行うとともに、日米両国の参加者間の相互理解を深めていくことを目的としている。そして参加者たちには、会議で得た成果を長期的に社会還元していくことを期待する。※詳細は日米学生会議公式HPを参照。
■活動内容
《ビフォーコロナ》
「世界の平和は太平洋の平和にあり、太平洋の平和は日米間にある。その一翼を学生も担うべきである。」という理念のもと、1934年以来継続する、日本初の国際的な学生交流プログラム。2020年度で72回目となる。
3週間にわたり、日米の学生が共同生活を送りながら米国の都市を巡り、見識を深めつつ、各々の議論を重ねていく。分科会における議論、本会議でのフィールドトリップ、文化体験並びに講演会や現地学生との討論、各サイトでのフォーラムを通じて、各々のトピックについて、また日米関係について考える。2019年度は日本(高知、京都、岐阜、東京)で開催され、2020年度はアメリカ(ロサンゼルス、ツーソン、インディアナポリス)で開催予定。2021年度は日本で開催の予定。
学生会議に参加する日米の参加者側と、前年度の学生会議を経験し、本年度の学生会議を運営する運営側との両方が、「日米学生会議」のメンバーと呼ばれる。参加者側は、2~3月に選考を受け、そののちに春合宿や様々な研修を経たのち、夏の本会議(例年7月後半~8月中旬のどこかの期間)に参加する。運営側は、前年度の会議以降、アメリカ側の運営メンバーと協働して次年度の準備をする。全国向けに募集を行っているので、例年地方の参加者も多い。
※本ページでは、主に「参加者側」に焦点を置いて説明する。
《アフターコロナ》
2020年度は対面での活動は1回もできず、すべてオンラインでの活動になった。夏の3週間の本会議は11日間に短縮され、日本側の朝8時〜午後13時に11日間開催された。2020年度の春合宿は中止になり、オンラインで二日間行われた。また、防衛大学校の研修もオンラインで行われた。
参加者の所属大学が首都圏とはいえ、それぞれの出身はばらばらで、全国から集まった学生により構成される分科会は、多角的な意見が出て非常に生産性が高かった。オンラインだからこそ、参加者同士が協力してその状況を克服しようと連帯感が強まり、モチベーションが上がった。例年とは違い、今年は8つの分科会ができた。週1のミーティングはもともとオンラインである上、活動のメインが議論なので、Zoomでもどうにかなったという部分は大きい。
分科会のミーティングをアメリカ側と一緒に行う頻度は2週間に1回程度。時差があるから、時間調整が難しい。日本側だけで集まる打ち合わせは週1でオンラインミーティング。直前合宿では、日本側の参加者だけで集まり、本会議の準備をするが、この打ち合わせもオンライン化。
2021年度の予定(本会議のオンライン、オフライン)は4月に決まる。2021年度もオンラインになる可能性が高く、日本時間で夜に開催される予定。
■OBOGの進路/活動
〈進路〉
外交官、金融、コンサル、商社、裁判官、大学教授、メディア、医師、航空会社。海外志向は強め。
〈諸活動例〉
HLABという教育系ベンチャーは、10年前の日米学生会議でその構想が生まれた。
OBOGとの交流の場は年に5回ある。OBOGの講演会がしばしば開かれたり、毎年春合宿でOBOGとの交流の場が設けられたりするなど、同窓会組織が強い。