■理念/指針・沿革
日本学生協会(JNSA)基金は、「将来国際社会の一員として日本を背負う若い人に、国際語である英語を熟達させると共に、広くその普及をはかり、世界文化の発展ならびに国際親善に寄与すること」を目的とした学生団体。主な事業として、高円宮杯全日本中学校英語弁論大会、英語キャンペーン(地方中学校への英語の普及活動)、JUSCO(留学生との交流活動)、JNSA杯全日本学生英語弁論大会を行っている。
日本学生協会(JNSA)は、戦後間もない1946年、当時立教大学の学生であった故鈴木 啓正が設立した。彼は何度も高松宮邸に伺い、高松宮殿下にようやくお目通りが叶った時、幼い頃から思い描いていた『高松宮杯全日本中学校英語弁論大会』について切々と訴えた。殿下は、その場でJNSAの名誉総裁をお引き受け下さり、宮杯をご下賜くださった。高松宮殿下自ら、当時の読売新聞社副社長をお訪ねになり、読売新聞社とJNSAが共催として宮杯を開催することが決定。1949年、『高松宮杯第1回全日本中学校英語弁論大会』が開催された。この第1回の決勝大会には、中学3年生であらせられた上皇殿下(当時皇太子殿下)がご臨席くださった。当時の日本は、米軍の占領下で、若者は日本の将来に失望していたが、この大会の旗揚げは、若き学生たちの心に希望の灯をともし、大きな夢を持たせたものだった。
1985年4月には日本学生協会基金(Japan National Student Association Fund)へと改称した。その翌年には、ご高齢の高松宮殿下を補佐していただくために、殿下直々のご推薦により、高円宮同妃両殿下がJNSA基金名誉副総裁にお就きくださった。
第39回大会が行われる1987年、高松宮殿下の薨去を受け、高松宮杯ならびにJNSA基金の名誉総裁に高円宮同妃両殿下がご就任なさった。「継続は力なりというが、この大会は50年は続けたい。続けなければ意味がない」という高松宮殿下のご意志を受け継ぎ、1998年の第50回大会まで高松宮杯を続け、第51回大会より、『高円宮杯全日本中学校英語弁論大会』へと継承された。その後、2002年に高円宮殿下が薨去され、現在は高円宮妃久子殿下がJNSA基金の名誉総裁の任にお就きくださっている。
■活動内容
《ビフォーコロナ》
①高円宮杯全日本中学校英語弁論大会の運営
全国の中学生が英語でスピーチを発表するコンテスト。2023年度には75回目を数える。毎年11月に、大会出場のために全国から中学生が東京に集まる。高円宮杯は、中学生、保護者、教諭が一丸となって目指す大舞台となっている。基金では、開催に至るまでの様々な準備や大会当日の進行、中学生が泊まる宿での交流会の企画など様々なことに取り組む。
②英語キャンペーンの開催
英語キャンペーンは、JNSA基金が1964年より行っているイベントで、毎年8月に本部委員が地方の小中学校を訪問する。英語で「できる!」を実感してもらうこと、大学生との異世代間交流をすることで、小中学生の可能性を広げることを目的とする。英語が好きな人も苦手な人も一体となって楽しめるようにJNSA基金がプログラムを作成し、当日の運営も学生の手で行う。学生と小中学生の双方にとって大切な交流の機会となる。
③留学生との交流(JUSCO)
JNSA基金の本部委員は留学生との交流もしていて、JNSA基金に所属すると同時にJUSCOという団体にも所属する。JUSCOは1960年に日米修好通商100周年を記念して創設された国際学生交流団体。主にJNSA基金本部委員と留学生で構成されるこの団体は、現在ではアメリカ合衆国のほか、様々な国からの留学生を迎え、交流を図っている。
《アフターコロナ》
ここ数年は大会規模を縮小するなどしてきたが、2022年度以降、徐々に従来の形式を取り戻しつつある。日々の活動はオンラインの良さも生かしつつ、対面での交流も重視している。
■OBOGの進路/活動
コンサルティング、メディア(アナウンサー・新聞社など)、商社、進学など多岐にわたる。
卒業生に
故天野之弥 元IAEA事務局長
松尾由美子 テレビ朝日アナウンサー
牧島かれん 衆議院議員・前デジタル大臣
などがいる。