〈内容〉
分野はマクロ経済学であり、特に青木先生のご専門である金融政策に興味のある人が多い。マクロ経済学などの理論を用いて、ゼミ生が身近な経済現象の説明を試みる「ブリーフィング」と、教科書や論文を読みマクロ経済学ついて学ぶ「輪読」の二つが活動の中心となっている。
また、4年生はブリーフィングなどを通じて見つけた興味あるトピックについて卒論を執筆する。
〈授業計画〉
3、4年生が一緒に活動しており、メインは「ブリーフィング」である。
ブリーフィングは、15分の発表→質疑応答→ディスカッション→(2週間後に)追加発表という流れで行われ、各ゼミ生が興味あることについてスライドを用いつつ発表する。例年、経済学理論を援用して、身近な経済現象の説明を試みる学生が多いが、堅苦しくないテーマのものも多く、昨年はマラソンの時間配分に関する分析を行った学生がいた。ブリーフィング後のディスカッションにおいては、このテーマをさらに発展させるにはどうすれば良いか、ゼミ生一同で議論する。また、発表者はその間に先生から1対1でフィードバックを受けることができ、2週間後の追加発表において先生やゼミ生から受けたアドバイスをもとに、さらに発展させた内容を発表する。
基礎知識の獲得を目指し、輪読も行っている。Sセメスターでは先生が執筆中の中級マクロの教科書(和文)を用いている。内容は駒場マクロの復習レベルから始め、その後金融政策などいくつかのトピックについて学ぶ。Aセメスターではゼミ生の関心に応じて金融政策や国際金融といったトピックを選び、複数の論文(和文と英文の双方の場合あり)を輪読する。輪読の内容・形式は毎年異なり、基本的にはゼミ生の希望に沿った形で進められる。
グループワークも必要に応じて行っている。Sセメスターの初めには経済分析演習という形で、マクロ経済にかかわる超長期のデータを整理し、経済学の知識を使って説明することを試みる。3・4年生が合同でブリーフィングに近いことを行うことで、親睦を深めつつ、3年生はここでブリーフィングの練習になる。また、インゼミの準備は3年生がメインで行い、複数人でグループを組んで1つの発表を行う。
また、サブゼミ(※)が例年Aセメスターのみ行われ、単位認定も行われる。そちらでは輪読を行っているが、参加は完全に自由であり、基本的にはゼミ生のみで運営される。2023年度は『金融政策:理論と実践』(白塚重典)を輪読した。
※サブゼミ:ゼミの前後に行われる補習時間のこと。経済学部的にはプロアクティブラーニングセミナー(プロアク)とされる。サブゼミが、プロアクとゼミに認定された場合は単位が認められ、そうではなければ認められない。事前に特定のメンバーが監督者(4年生または院生)となり、受講者の名前・学生証番号も全て登録しておく。
〈青木浩介先生について〉
研究分野
マクロ経済学と金融政策を中心に研究を行っている。近年では,金融市場の不完全性に焦点を当てて,資本移動自由化に伴う経済調整や,資産バブルに関する理論的な研究を行った。金融政策の分野では主に不確実性下の金融政策を分析している。
近年のご研究は、こちらを参照。
平成4年 神戸大学経済学部卒業
平成6年 神戸大学大学院経済学研究科前期課程修了
平成12年 プリンストン大学 Ph.D.
平成23年 東京大学大学院経済学研究科准教授
平成29年 東京大学経済学研究科教授
詳細
〈他ゼミ比較〉
マクロ経済学・金融の分野で分ければ渡辺努ゼミ・中嶋ゼミ・福田ゼミなどと比較されやすいが、自由な発表ができるブリーフィングに魅力を感じて青木ゼミを選んだと話す人が多い。