<内容>
マクロ経済学の理論的な面について学ぶ創設6年目のゼミ。2023年度はGalíの "Monetary Policy, Inflation, and the Business Cycle" の輪読・発表を行なった。また、景気循環論に関する論文の輪読も行った。
<授業計画>
マクロ経済学に関する教科書をゼミ生で輪読していくスタイルのゼミ。輪読で扱う教科書は駒場マクロやファイナンスの発展といえる内容であり、大学院レベルの高度な理論を扱うこともある。2023年度は年度を通じてGalíの "Monetary Policy, Inflation, and the Business Cycle" というニューケインジアンモデルと金融政策に関する教科書を輪読した。また、Dynareというソフトを用いたマクロ経済モデルの数値計算も行った。
サブゼミも行われており、本ゼミの内容の理解を深めたり、周辺知識を理解するような内容が扱われている。参加は任意だが本ゼミの内容と補完的なので、参加することが強く推奨される。
ゼミ論や卒論が必須ではないため、それらによる負担はない。書きたい場合はもちろん書くことができるし、中嶋先生が全面的にサポートしてくださる。そのため、大学で学んだことをまとめるために卒論を書きたいという人でも大丈夫。実際に、2023年度の4年生も複数人が卒論を執筆した。
〈中嶋智之先生について〉
京都大学教育学部
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京都大学大学院経済学研究科(修士)
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シカゴ大学Ph.D(経済学)
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ブラウン大学助教授
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京都大学経済研究所助教授・教授
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東京大学大学院経済学研究科教授
中嶋先生は教育学部出身というかなり珍しい経歴をお持ち。本格的に経済学の勉強を始めてから2年でアメリカの名門大学院に博士留学する輝かしいご経歴。日本銀行にも客員研究員として勤めていた経験があるらしい。駒場の「マクロ経済学Ⅱ」を受講した方ならわかると思いますが、本当にきさくで優しい、笑顔の素敵な先生である。また、ゼミ中に学生がわからないところがあれば、丁寧に直感的な説明をしてくださるので、自分一人で学習するよりもずっと多くのことを学ぶことができる。
〈他ゼミ比較〉
他のゼミと比べた特徴として、プロジェクトを進めてゼミ論の発表をするという形態ではなく、主に教科書の輪読を行う点がある。したがって、プロジェクト型の活動も行いたい人はこのゼミで理論面を深めた上で兼ゼミ先でプロジェクトを行うといった学び方をするのがおすすめ。また、実証面よりも理論面を主に扱うため、理論が好きな人におすすめできるゼミである。