〈内容〉
金融市場を数理的観点から捉えようとする数量ファイナンス(金融工学)を扱う。2020年度は平均場ゲーム理論(mean field theory)という、ゲーム理論から派生し、より大人数のゲームを扱う分野に取り組んだ。
〈授業計画〉
基本的には輪読形式で進めており、一人が発表しつつ先生や他のゼミ生と議論するスタイル。
扱う教科書は年度によって異なるが、
・2019年度は数理ファイナンスの基礎的内容を網羅した教科書である”Arbitrage Theory in Continuous Time”(Tomas Bjork)
・2020年は確率微分方程式の性質に関して述べられている”Backward Stochastic Differential Equations”(Zhang Jianfeng)の一部分、そしてmean field gameの代表的な教科書である”Probabilistic Theory of Mean Field Games with Applications I”(René Carmona, François Delarue)に取り組んだ。
サブゼミでは、ゼミで用いる数学に関して、ゼミ生同士で学習した。
※サブゼミ:ゼミの前後に行われる補習時間のこと。経済学部的にはプロアクティブラーニングセミナー(プロアク)とされる。サブゼミが、プロアクとゼミに認定された場合は単位が認められ、そうではなければ認められない。事前に特定のメンバーが監督者(4年生または院生)となり、受講者の名前・学生証番号も全て登録しておく。
〈藤井優成先生について〉
・平成11年3月 東京大学理学部物理学科卒業
・平成16年3月 東京大学大学院理学系研究科物理学専攻博士課程修了 博士(理学)
・平成16年4月 モルガン・スタンレー証券 債券統括本部
・平成21年4月 東京大学大学院経済学研究科システム専攻博士課程入学
・平成23年3月 同 博士課程中退
・平成23年4月 東京大学大学院経済学研究科付属金融教育研究センター特任講師
・平成25年3月 東京大学大学院経済学研究科講師 博士(経済学)
・平成30年6月 同 准教授
・平成30年12月 平成30年度東京大学卓越研究員
・非常に熱心に指導して頂いている。指摘が鋭く、新たな視座をゼミ中に与えて下さる。
・金融機関の内部事情についての雑談をして下さる。勤務されていた方ならではの体験談は非常に面白く、また参考にもなる。
〈他ゼミ比較〉
扱う分野がニッチな関係で比較対象となるゼミありませんが、似たような分野を扱うゼミに高橋明彦ゼミなど。