〈 内容 〉
輪読と、卒業論文執筆のための個人研究を行う。輪読では事前に本を読み、担当者がレジュメを基に発表した後に議論を行う。通年で1つのテーマに沿って輪読を行うことで、ゼミ生が自分で問題意識を持つためのきっかけをつくる。卒論は4年生で執筆する。最大24,000字でテーマは自由。輪読した本や経済に絡めても絡めなくても良い。また、3年生では卒論の前段階としてゼミ論を執筆する。
ゼミの大きなテーマは「福祉国家と福祉社会」。社会保障システムの問題状況を時間軸(歴史的視点)・空間軸(国際比較)の中に位置づけて把握し、今後進むべき方向性を探ることがゼミの課題となる。キーワードとして2021年度と2022年度はジェンダー、2023年度は社会的排除と社会関係資本について扱った。
参考:輪読していた書籍名
〈今年度〉
福澤宏幸(2007)『社会的排除/包摂と社会政策』、法律文化社
ジョン・フィールド(2022)『社会関係資本――現代社会の人脈・信頼・コミュニティ』、明石書店
〈昨年度〉
大沢真理(2022)『企業中心社会を超えて』、岩波現代文庫
大沢真理(2010)『いまこそ考えたい 生活保障のしくみ』、岩波ブックレット
本田由紀(2014)『社会を結びなおす』、岩波ブックレット
経済学の視点だけでなく、地方自治体・家族などの視点を絡めて社会保障について考えたい人におすすめのゼミ。経済理論やデータ分析についての学びを深めたい人には向かない可能性がある。
〈 授業計画 〉
授業が本格的に始まるのは5月から。
Sセメスターは輪読、Aセメスターは個人研究の進捗発表を2回行う。
長期休みには合宿がある。2023年度は愛媛県松山市で開催。観光のほか、市役所や町の会長さんへのインタビューを行うなど、現場の生の声を聞く機会となっている。
Aセメスターには日帰りで行われる福祉や自治体行政の現場の見学がある。
合宿や見学の日程は先生とゼミ生が相談して決める。
〈 先生について 〉
石原 俊時先生 教員紹介
1984年3月に東京大学経済学部経済学科卒業。1995年に経済学博士(東京大学)。2002年に東京大学大学院経済学研究科助教授、2007年に准教授、2018年に教授となる。
主要な研究分野は西洋経済史。東京大学経済学部では、「上級西洋経済史Ⅰ・Ⅱ」、「経済史Ⅰ・Ⅱ」などの授業を担当している。
〈 他ゼミ比較 〉
・他のゼミとはテーマが被っていない。
・コンパの頻度が多い。月に1回の頻度で開催。お酒を飲ませるということはない。コンパには先生も出席してくださるため、先生とコミュニケーションをとれる機会が豊富にある。
・コンパに定期的に参加するOBOGの方もおり、交流する機会がある。