2023.12.7
教養学科 総合社会科学分科
人数 |
10名未満(年度により10名以上の場合も) |
---|---|
ジェンダーバランス |
女性はおよそ5割 |
要求/要望科目 |
・要求 ・要望 |
就活or院進 |
就活:院進=2:1程度。 |
公式サイト |
http://www.kiss.c.u-tokyo.ac.jp/undergraduate/aboutundergraduate/ugsr/ |
教養学部 教養学科 総合社会科学分科に設置されたコースである。総合社会科学分科は「相関社会科学コース」(相関)と「国際関係コース」(国関)の2コースに分かれていて、コース選択は2年の10月に行う。学問分野は社会学を主とする人と、政治学を主とする人が多い。
卒論を非常に重視し、そこまでの問題関心の整理と事前学習として各授業を捉える。
卒業必要単位数は合計76単位以上。コース科目40単位以上(うち選択必修6単位以上)、言語8~16単位、高度教養科目(※)6単位以上、卒業論文10単位を満たす必要がある。
※高度教養科目:後期課程の学生が履修することができる、教養学部内の他学科/コース開講科目。自身の専門分野には直結しないことが多い、学際的内容の概論講義やグループワークが多く、国際研修の一部もこれに該当。前期生でいう「主題科目」に該当し、主題科目と合同開催される例も多いので、前期生が講義にいることも。
・進振り時点ではコースを決めず、総合社会科学分科として希望を出す。進振り点は年により変動し、なおかつ非公開だが、概ね80台後半くらいあれば確実。80前半がボーダーか。ただし文Ⅲは例年文Ⅰ・Ⅱと比べて競争が激しく、85点前後がボーダーとなることもある。
・分科の定員数は34名で、受け入れ枠としては指定科類枠(文Ⅰ・Ⅱと文Ⅲ)、全科類枠の区分が存在するが、第一段階で24名、第二段階で残りの10名が決定する。全科類枠に至っては第一・第二段階ともに1名のみであるため、非常に狭き門である。
・定員数と各科類からの受け入れ数
受け入れ枠 | 第一段階 | 第二段階 |
---|---|---|
文Ⅰ・Ⅱ | 12 | 8 |
文Ⅲ | 11 | 1 |
全科類 | 1 | 1 |
・重率をかける科目として、基礎科目の「社会科学」の成績上位8単位分、総合科目のうち以下の大科目に属する科目の成績上位4単位分が定められており、いずれも重率は2である。なお、履修登録した科目のみを対象とし、規定の単位(8単位ないし4単位)に満たない場合は自分が履修登録した科目の単位のみに重率をかける。詳しくは「クイズ進振りケース 第4回」の「基本平均点について・重率」の項目を参照。
重率2となる総合科目
系列 | 大科目区分 | 開講授業例 |
---|---|---|
A | 【現代哲学】【思想史・科学史】 | 現代思想、東洋思想史、西洋思想史 |
B | 【国際関係論】【歴史世界論】 | 現代国際社会論、平和構築論、近現代史 |
C | 【法と社会】【現代社会論】【相関社会科学】【経済と社会】 | 日本国憲法、ジェンダー論、現代政治理論 |
F | 【統計学】 | 基礎統計、統計分析 |
・なお、総合社会科学分科には2018年度までいわゆる文Ⅲ規制(※)が存在していたが、以降この規定は撤廃されている。
※文Ⅲ規制について
〈授業について〉
シラバスを参照するとわかるが、相関のコース科目は数が非常に少ない。そのため、同一の授業を1年後、2年後…に複数回履修(「重複履修」という)して単位数を埋め合わせることが頻繁に行われる。特殊講義という講義名で登録し、コース主任に認められれば重複履修は可能となる。この時期には2年生と、重複履修の3・4年生と、更に院生が混ざり合って演習型の授業を行うカオスな状態となる。
また、教養学部ゆえ、演習型授業では専門性が薄い人が集まることが多い。学問的バックグラウンドが異なる人同士でディスカッションすると、共通の土台がないためフワフワした話で終わってしまうことが多い。授業参加者にその分野を専門とする人の比率が高いかどうか(例:政治系の演習であれば、院生や法学部第3類の学部生がどれくらい来ているか)で授業を選択するのがおススメである。
〈留学について〉
分科全体としてもコース単体で見ても、留学する学生の比率は高め。
・スタンダード(5年で卒業)
2年の夏から英語を準備、2Aでアプライ→2年生末の1月に学内選考終了→協定校への出願(春休み)→派遣決定(3S)→派遣(3A-4S) →4Aを3Aだと思って過ごす→5Sと5Aで就活&卒論
・詰め込み(あまりいない)
上記の派遣(3A-4S)のあと、4Aで卒論を書き4年で卒業する
国際関係論コースも相関社会科学コースも「総合社会科学分科」に属することから社会科学を中心に扱うが、履修(特に必修科目)については大きな違いが存在する。国関では国際政治/国際法/国際経済がカリキュラムの三本柱であるため、これらの比重が非常に大きくなり、負担も大きい。相関は政治・法・経済・社会・文化など各学問を分野横断的に学び、問題解決の手法として身につけることを目的としているため、自らの興味関心に合わせて幅広い科目を履修することができる。ただしあくまで基本は社会学か政治学であり、また自分の軸をしっかり持っていないと最終的に何の専門性も持たないという状態になってしまうので注意が必要。
科目 | 区分 | 開講時限 |
---|---|---|
相関社会科学基礎論Ⅰ | 選択必修 | 火曜4限 |
現代社会論Ⅰ | 選択必修 | 火曜3限 |
相関社会科学基礎論Ⅱ | 選択必修 | 水曜4限 |
・週12コマほど。
・必修の「相関社会科学基礎論Ⅰ・Ⅱ」「現代社会論Ⅰ・Ⅱ」の4コマ中3コマを卒業までに修得する必要がある。当セメスター中に2,3コマを取ってしまう学生が多い。
・残りは準必修である「コース科目」の単位回収を行う。必修が上記の4コマのみの一方で相関のコース科目(シラバス要チェック)から相当量の科目修得が要求される。のちに自分の興味分野にフォーカスするための下準備にもなるので、2Aは興味ない分野でも耐えて頑張ろう。
・演習の授業では、重複履修(※)が積極的に行われており、カオス。
※重複履修の詳細は、「学科概要」を確認のこと。
・10月中旬~下旬に「国際関係論コース」とのコース選択が行われる。コース選択は、成績順などなく、相関と国関のどちらかを自由に選ぶことができる。
・ただし、国関での必修科目「国際政治」が2Aで開講されるので、国関を志望する学生はこれを履修しなければならず、実際は9月の履修登録時点で事実上のコース選択は行われている。
科目 | 区分 | 開講時限 |
---|---|---|
現代社会論Ⅱ | 選択必修 | 月曜4限 |
・週12コマほど。
・2A同様に、「コース科目」の単位回収に勤しみつつ、興味のある他学部の授業をも履修する。必修が4コマだけですぐ回収できるので、各自の興味に従って時間割が多様化する。そのため、標準的時間割は存在しない。
・大まかな興味の系統としては社会学の各分野、つまり政治学・政治哲学・経済学・教育学などに分かれる。
・全般的傾向として社会学を根幹に据える人が多いので、基礎的な社会学の講義(市野川先生/佐藤先生)や社会調査に必要な技術(市野川先生/橋本先生)、統計(倉田先生/宮田先生)などは多くの学生が受講する傾向にある。
・詳細はシラバスの「相関社会科学コース科目」を確認のこと。
・卒業論文に向けた関心の絞り込みを行っていく時期。
・民間就活志望者は、サマーインターンへの応募に追われる。院進志望者は悠々自適に学問をしているイメージがある。
・週12コマほど。
・2A・3S同様に、「コース科目」の単位回収に勤しむが、この頃にはあらかた回収を終える。
・演習の授業では、重複履修が積極的に行われており、カオス。
・卒業論文に向けた関心の絞り込みを完成させていく時期。
・公務員志望者は、この時期に教養区分試験で大忙しとなる。
時期 | 内容 |
---|---|
4月 | 卒論説明会(分科全体) |
6月 | 卒論題目提出開始(分科全体) |
11月 | 卒論題目提出締切り(分科全体) |
1月 | 卒論提出 |
2月 | 卒論審査・判定 |
3月 | 卒業者発表 |
・卒論の計画開始が本格化する。この時期に何を書くかが定まっていないと、Aセメで大いに苦しむ。
・コース科目の回収が終わっているので、卒論目的と合わせて、コース科目や他学部の専門的な科目を履修する。
・できればこのセメスターで、卒論以外の単位を全回収。
・就活する人は割と忙しくなる。
・卒論執筆本格化。卒論以外のことが考えられなくなる。
・卒論以外での科目の単位は足りているので、ほぼ単位取得は行わない人が多い。履修登録をしないで聴講することは結構ある。
・学科の部屋(「コミュニティ」で後述)で遅くまで作業する人もいる。
・謳い文句「社会科学(法・政治・経済・社会学)を全般的に扱う」を想像して入った。だが実態は社会学をメインにしつつ、政治学と経済学は少しずつかじる程度。法学はできない。
・当初は「全般的に出来る」ことに惹かれて入ったが、全般的に扱うことは全てが中途半端になることの裏返しである。そのため、何をしたいのかという軸を自分で定めて履修を組まないと、最終的に中途半端人間が出来上がるため注意が必要である。
・学習内容を重視して選択した。社会問題に対して政治・経済・社会学という幅広い分野からアプローチできる点に惹かれた。
・迷った学科は法学部第3類(政治コース)。もともと文一で政治学に興味があった。ただ、政治だけではなく経済などの他の社会科学諸分野も理解したいと考えたため、この学科を志望した。
(文一→相関)
項目 | 内容 |
---|---|
ズバリ、学生間のつながりは: 10(強いと感じる)↔0(全くない) |
5-6※1 |
LINE | 有※2 |
Slack | 有※3 |
オフラインでのつながり | 有※4 |
上下のつながり | 有 |
※1 学科の繋がりは弱くもなく、強くもない。総合社会科学分科として駒場に部屋を2室与えられており、コミュニティとして機能する。国関生や先輩(院生まで)との風通しが良い。
※2 総合社会科学分科内定生用のLINEグループは9月の内定生向け説明会の前後にでき、そこで情報のやりとりが完結することが多い。
※3 コース内交流というより、上記の学科部屋に出入りする人々が入退室するために情報を発信・交換する場である。
※4 学科部屋に頻繁に現れる人同士は仲が深まりやすいが、逆に部屋をあまり訪れないと他メンバーとの交流機会はさほどないかもしれない。
項目 | 内容 |
---|---|
1クラス当たりの人数 | 数名〜10名程度※1 |
成績評価 | 出席/レポート/期末試験※2 |
※1 必修以外の授業だと、30名以上のものもある。
※2 成績は日々の発表と議論、期末レポートで評価するものが多い。2Aが試験0になる人も。
・参加型の授業であるため、出席は重視される。
・授業科目は講義型の授業が少なく、文献を読み学生が発表する演習型が多い。そのため基礎知識がおろそかになりがちなので、自習で補填する必要がある。少人数なため教授との距離は近い。
・発表は、関連分野ではほぼ何を扱っても良いので、自分の関心分野に関連させた文章を書き、それに対して教授からフィードバックをもらえる。
〈カリキュラム概観〉
なお、ここに載っている授業の題目は実際の授業内容と大きく異なるものが多いので、進学を真剣に検討する学生は後期課程のシラバスで講義題目ではなく実際の内容をチェックするべき。シラバスはUTASで検索可能。
〈研究室紹介〉
○総合社会科学分科教員
○教員紹介(一部)
・市野川容孝先生:医療社会学
教育熱心。内定生に丁寧に社会学の基礎概念を教えてくれる。専門は医療社会学/ディスアビリティスタディーズ。
・佐藤俊樹先生:日本社会の計量分析
とにかく頭がいい。理論社会学から計量まで何でも扱う。
・瀬地山角先生:ジェンダー論、東アジア研究
ジェンダー論と言ったらこの人。言わずと知れた名物教員。
・橋本摂子先生:社会階層論
社会学研究などを担当。ハッキリものを言う性格。
・森政稔先生:政治哲学と価値
政治思想史が専門。駒場の猫に餌をあげている。
・山本芳久先生:古代ギリシア哲学、西洋中世哲学、イスラーム哲学
古代・中世哲学に広く通じており、ラテン語で政治学を読み解く授業も開講している。
・サブメジャープログラム:所属コースの主専攻だけではなく、他コースが提供する15単位程度の科目群を副専攻として履修するプログラム。修了生は卒業時に、卒業証書だけではなく、サブメジャー・プログラム修了証ももらえる。
・学融合型プログラム:分野横断的な学習を行うプログラムで、グローバル・エシックス、グローバル・スタディーズ、東アジア教養学、進化認知脳科学、科学技術インタープリターの5種類がある。例えばグローバル・エシックスでは社会・人文科学系の問題のみならず自然科学やテクノロジーに関わる諸問題に対応していくための包括的な価値観や倫理に関わる判断を下す力を身につけることを目的としている。文理の壁を超えてより複眼的知識を身につけたい人は検討してみても良いだろう。詳しくはこちらを参照。
最後まで記事を読んでくださりありがとうございました!
最後に1点、この記事を作成したUT-BASEからお伝えしたいことがあります。
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「学際性」「国際性」「先進性」を軸に、深い教養を基盤に従来の枠組み・領域を超えて新しい分野を開拓する人材を育成する学部
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教養学科 地域文化研究分科
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