■どんなコース?
教養学部 教養学科 総合社会科学分科に設置されたコースである。総合社会科学分科は「相関社会科学コース」(相関)と「国際関係論コース」(国関)の2コースに分かれていて、コース選択は2年の10月に行う。
国際関係論コースと言うと国際政治をイメージする人が多いが、国際法や国際経済も、下記のように必修で行われる。学部レベルで身につけるべきベースを1年半で網羅したうえで、並行して個々人で関心を持つ分野を膨らませておき、4年生の卒論に備える。
■卒業要件単位
後期課程で76単位を取得する必要があり、高度教養科目から6単位以上、言語共通科目から8単位以上(うち英語は6単位が上限)、コース科目から34単位以上、卒論10単位という内訳になっている。コース科目のうち国際政治/国際法/国際経済が必須である。3年生までに60単位程度取るのが一般的。なお、1セメスター20単位は、前期課程のノリで行くと苦労するので要注意。国関のコース科目は、基本的に負担が大きいものが多い。
国際政治が2Aに6単位、国際法が3Sに6単位、国際経済が3Aに6単位あり、必修である。これに加えて卒論関連の12単位も必修。4Sに卒論研究指導が行われる。
少人数講義が多く、他学部で見られるような「ゼミ」「研究室」等に属することは無い。
■進学定数は?
・進振り時点ではコースを決めず、総合社会科学分科として希望を出す。進振り点は年により変動し、なおかつ非公開だが、概ね80台後半くらいあれば確実。80前半がボーダーか。ただし文Ⅲは例年文Ⅰ・Ⅱと比べて競争が激しく、85点前後がボーダーとなることもある。
・分科の定員数は34名で、受け入れ枠としては指定科類枠(文Ⅰ・Ⅱと文Ⅲ)、全科類枠の区分が存在するが、第一段階で24名、第二段階で残りの10名が決定する。全科類枠に至っては第一・第二段階ともに1名のみであるため、非常に狭き門である。
・定員数と各科類からの受け入れ数
受け入れ枠 |
第一段階 |
第二段階 |
文Ⅰ・Ⅱ(指定科類) |
12 |
8 |
文Ⅲ(指定科類) |
11 |
1 |
全科類 |
1 |
1 |
・重率をかける科目として、基礎科目の「社会科学」の成績上位8単位分、総合科目のうち以下の大科目に属する科目の成績上位4単位分が定められており、いずれも重率は2である。なお、履修登録した科目のみを対象とし、規定の単位(8単位ないし4単位)に満たない場合は自分が履修登録した科目の単位のみに重率をかける。詳しくは「クイズ進振りケース 第4回」の「基本平均点について・重率」の項目を参照。
・重率2となる総合科目
系列 |
大科目区分 |
開講授業例 |
A |
【現代哲学】【思想史・科学史】 |
現代思想、東洋思想史、西洋思想史 |
B |
【国際関係論】【歴史世界論】 |
現代国際社会論、平和構築論、近現代史 |
C |
【法と社会】【現代社会論】【相関社会科学】【経済と社会】 |
日本国憲法、ジェンダー論、現代政治理論 |
F |
【統計学】 |
基礎統計、統計分析 |
・なお、総合社会科学分科には2018年度までいわゆる文Ⅲ規制(※)が存在していたが、以降この規定は撤廃されている。
※文Ⅲ規制について
■内実は?
〈授業について〉
公式HPにもあるように、国関の「幹」は国際政治・国際法・国際経済であるため、これらの必修科目は講義・演習含めかなり比重が大きく、負担感は否めない。ただ、「枝」である国際取引や国際協力といった授業を履修する際にはこうした基礎知識が活きてくる。
また教養学科全体に当てはまることではあるが、そもそも1授業あたりの履修人数が他学部と比較してかなり少なく、講義と銘打っていても実質ゼミ形式であることも。したがって、文献を読んでくるといった予習が前提である授業も多い。必修と合わせると1週間に何十ページもの論文を読まなくてはならない時期もあるが、学問に打ち込みたい学生にとっては貴重な環境だと言える。
〈留学について〉
分科全体としてもコース単体で見ても、留学する学生の比率は高め。
・スタンダード(5年で卒業)
2年の夏から英語を準備、2Aでアプライ→2年生末の1月に学内選考終了→協定校への出願(春休み)→派遣決定(3S)→派遣(3A-4S) →4Aを3Aだと思って過ごす→5Sと5Aで就活&卒論
・詰め込み(あまりいない)
上記の派遣(3A-4S)のあと、4Aで卒論を書き4年で卒業する
■各コースの違い
国際関係論コースも相関社会科学コースも「総合社会科学分科」に属することから社会科学を中心に扱うが、履修(特に必修科目)については大きな違いが存在する。国関では国際政治/国際法/国際経済がカリキュラムの三本柱であるため、これらの比重が非常に大きくなり、負担も大きい。相関は政治・法・経済・社会・文化など各学問を分野横断的に学び、問題解決の手法として身につけることを目的としているため、自らの興味関心に合わせて幅広い科目を履修することができる。どちらのコースにおいても、自分の軸をしっかり持っていないと最終的に何の専門性も持たないという状態になってしまうので注意が必要。