教育学部
比較教育社会学コース

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総合教育科学専攻 教育社会科学専修

目次

    基本情報

    人数

    16~19名程度

    ジェンダーバランス

    女性はおよそ6ー7割

    要求/要望科目

    なし

    就活or院進

    就職:院進=3:1程度(※)
     
    ※1/3の学生が院進を視野に入れるが、年度により変動幅が大きい。
    (参考)2014年進路状況調査-教育学部

    公式サイト

    http://www.p.u-tokyo.ac.jp/de/c2

    学科概要

    ■どんな学部?

    比較教育社会学コース(以下、「比教社(ひきょうしゃ)」)とは、教育学部に設置された5コースのうちの1つである。区分としては教育社会学専修となるので、教育実践・政策学コースとの親和性が高い。
     
    複雑化・多様化・グローバル化する現代教育の諸相を、社会科学的に解明しようとする学際的なコースである。様々な講義・演習科目にて基礎知識や方法論が修得でき、同時に「調査実習」という必修科目を通じて、社会調査の全過程を実際に体験することができるようになっている。それらの学習活動を通じて4年次に執筆する卒論では、ユニークでバラエティに富んだ力作が多い。
     

    ■卒業要件単位

    卒業までに必要な単位は70単位以上であり、卒論8単位、必修科目30単位、選択科目32単位以上という内訳になっている。なお、詳細は以下の表を参照。必修科目のうち10単位は教育学部内の他専修の授業科目であるため、必然的にコースや専修の垣根を超えて履修することになる。
     
    ・必修科目の内訳

    科目名 単位数
    比較教育社会学概論 4(※1)
    比較教育社会学基礎演習 4(※2)
    教育社会科学演習及び教育社会科学特殊講義 10(※3)
    教育学部他専修の授業科目 10(※4)
    比較教育社会学研究指導 2

     
    (※1):「教育社会学概論」(2単位)は必修とし、さらに、「比較教育学概論」(2単位)または「高等教育概論」(2単位)のいずれかから2単位を選択必修とする。
    (※2):「教育社会学調査実習Ⅰ」(2単位)と「教育社会学調査実習Ⅱ」(2単位)は必修。
    (※3): 「及び」とあるものは、「演習」と「特殊講義」にまたがって単位を取得しなければならない。なお、教育実践・政策学コースと合わせた教育社会学専修の中で開講されている授業を履修することになる。詳細はUTASの「学科・コース別検索(シラバス参照)」で確認できる。
    (※4): 概論2単位以上を含む。
     

    ■進学定数は?

    ・進振り時点からコースごとに希望を出す。
    ・コースの定員数は17名で、受け入れ枠としては指定科類枠(文Ⅲ)、全科類枠の区分が存在する。
    ・教育学部の中では身体教育学コースに次いで定員が少ないコースである。
     
    定員数と各科類からの受け入れ数

    受け入れ枠 第一段階 第二段階
    文Ⅲ(指定科類) 9 3
    全科類 3 2

     

    ■卒論は?

    〈卒論関係のフロー〉

    時期 内容
    6月 第1回卒論全体指導会(※1)
    夏休み 調査実施(※2)
    10月 第2回卒論全体指導会
    12月初旬 卒論題目提出(※3)
    1月 卒論提出(※4)
    1月末 卒論発表会(※5)
    2月初旬 卒論審査・判定
    3月 卒業者発表

     
    (※1):自分のゼミ以外の先生からコメントを貰う、初の公式な機会。これ以前に、非公式で行う人はそれほどいない。
    (※2):夏休みくらいからフィールドワーク系(一次分析)・計量系(二次分析)の場合は調査を行う。10月の全体指導会では、ちょっと調査と分析を若干やったくらいの状態。ペースメーカーとして10月には調査をしておく。11月くらいには分析を終わらせておきたいところだが、実際には12月になっても続けている人が多い。
     計量系の場合は、社会学研究所に行き、ゼミの指導教員経由で許可をもらって利用する。SSJDA(今までの就業データなどが寄託されているもの)を通じてデータを検索するが、許可を貰わないと具体的な分析が行えない状態である。フィールドワークでは、大きい問題関心から仮説生成を、計量系の場合は仮説検証を行うことが多い。理論系の論文を書く人はほぼおらず、毎年1~2名程度。
    (※3):最終的な提出は1月頭であり、12月頭に題目を提出するため、それまでにテーマはまとめておく必要がある。順調な人は12月中旬くらいに初稿を書いて、コメントを貰い、書き直して1月頭に提出するパターンが一般的。
    (※4):卒論構想を発表するゼミもある。
    (※5):卒論発表会には、出席必須ではないがB3や院生も参加OK。
      

    ■卒業後の進路は?

    ・民間企業・公務員・教育現場(やや少なめ)・大学院に大別される。
    ・比教社会というOBOG会で登壇している社会人の方を見ても、実際のデータを見ても、多種多様な業界に分散していると思われる。
    ・「社会学」の文脈で社会問題に関心がある学生が多いからか、厚生労働省やLITALICO等の福祉系も少数ながらいる。
    ・大学院に行くと、シンクタンクなどに所属する人も増える。
    ・大学院は、ほとんどが「教育学研究科」の「比較教育社会学コース」へ進学。大学院は内部進学者が多い年もあればほぼいない年もある。

    卒業までの流れ

    2年生Aセメスター


     ■意外と持ち出し科目の少ない2A

    講義題目 区分 開講時限
    学校はデータでどう描けるか 特殊講義 A火曜4限(※1)
    心理学統計法Ⅰ(教育心理学コース) 概論 A金曜2限(※2)

     
    ・上記の授業は必修ではない。
    ・週10~13コマ程度が一般的。
    ・比教社の2Aは駒場開講だが必修は無く、そもそも比教社の開講科目が少ない。「他学部・他コースの開講する選択科目」で単位数を稼ぐことが一般的。比教社の本番は3Sから始まると考えておいた方が良い。
    (※1): 比教社の勉強と並行して社会調査士の資格が取れるが、その場合は2Aに駒場でこの授業を受ける必要がある。
    (※2): 社会調査系の授業が3Sから始まるので、教育心理などが開講している統計の授業を受けておくのがおススメ。



    3年生Sセメスター


     ■授業が本格化する3S

    講義題目 区分 開講時限
    比較教育学概論 概論 S1木曜3-4限(※1)
    教育社会学概論 概論 S月曜3限
    教育社会学調査実習Ⅰ・Ⅲ 基礎演習 S木曜1-2限(※2)

     
    ・週10~13コマ程度が一般的。
    ・S1に行われる本田先生の授業が名物講義。論文を読んできて、それを基にディスカッションを行う。課題量はやや多め。「日本社会の変容と課題」「教育社会学概論」等々と、年度によって授業名は変わる。
    (※1): 選択必修の「比較教育学概論」を履修する学生も多い。
    (※2):「調査実習」は、実際に調査を行うのは夏休み。落としたら4年生で取り直せるが、卒論との両立が苦しい。そもそも落とす人を見たことが無い。授業は1,2限で履修登録するが、早くても9時から、基本的には2限からスタートすることがほとんど。
     
    ・院進か就活かを迷いつつ就活し始める人が多い。
    ・ゼミにはまだ所属していない人が大半。



    3年生Aセメスター


     ■ゼミ選びが始まる3A

    講義題目 区分 開講時限
    教育社会学調査実習Ⅱ・Ⅳ 基礎演習 A木曜1-2限(※1)
    高等教育概論 概論 A金曜3限(※2)
    比較教育社会学論文指導 基礎演習 通年水曜6限(※3)

     
    ・週10~13コマが一般的。
    (※1): 必修で「調査実習」が行われる。授業のスタイルは3S同様。
    (※2): 選択必修「高等教育概論」を履修する学生が多い。
    (※3):ゼミについて軽く見学しつつ参加していく。履修登録が必要で、ゼミの種類関係なく、「論文指導」という科目名で開講される。曜限は水曜6限だが、それは履修登録の問題だけで実際は各教授が指定した時限に開催されており、参加も任意となっている。なお、正式に所属が確定し、ゼミのホームページ等に名前が載るのは4年生になってから。ちなみに、4年生では「研究指導」という授業名に変わる。



    4年生Sセメスター


     ■卒論執筆開始、4S

    講義題目 区分 開講時限
    比較教育社会学研究指導 研究指導 通年月曜1限(※1)
    比較教育社会学論文指導 基礎演習 通年水曜6限(※2)

     
    (※1): 正式にゼミメンバーとなる。「研究指導」という科目を履修する。
    (※2): 同時に卒論執筆も開始。ゼミは、学部生・院生がそれぞれ卒論を書きながら相談に乗る場所、という側面が強い。
     
    ・卒業単位は3Aで取り切れるので、就活や卒論に多くの時間を割く。
    ・院進を検討している学生は、院試の準備をする。
    ・卒論は、夏休みで調査を行うことが一般的。



    4年生Aセメスター


     ■卒論が佳境を迎える4A

    講義題目 区分 開講時限
    比較教育社会学研究指導 研究指導 通年月曜1限
    比較教育社会学論文指導 基礎演習 通年水曜6限

     
    ・卒論の発表会(卒業論文口述試験)が1月~2月にかけて行われる。

    入る前の想像と実際

    ・卒論の内容を見たり、ガイダンスに参加したりしていたので、学業については基本的に思った通りだった。
    ・女子が多いことが意外だった。
    ・2Aで比教社の授業が少ないため、そのタイミングで「比教社の勉強がしたい」と感じて複雑だった。
    ・調査実習の負担が大きい。

    選んだ理由/迷った学科

    ・「教育に関心があり、また調査実習は比教社じゃなければできないと思ったので凄く魅力的だった。データから集団全体の像を把握する、いわゆる社会学的な内容に興味があった。漠然とはしつつも、自分自身で探求したいことが多かった。」
     
    ・「迷ったのは基礎教育学コース(通称:基礎教)、教育心理学コース(通称:教育心理)と文学部の社会学専修(通称:社学)。基礎教は先輩の話を聞き、教員との距離感がより近い比教社を魅力的だと感じた。教育心理は学部だけで勉強が終わらない気がしたうえ、関心があった「アタッチメント」は研究結果を読んで知るので満足できそうだった。社学は教育という軸から外れた。卒論テーマ一覧を見て、加えて先輩経由で教員が授業内で扱っていた論文一覧を頂くことができたので、学科についての具体的なイメージを掴むことができた。」
    (文三→比教社)

    コミュニティとしての機能

    項目 内容
    ズバリ、学生間のつながりは: 10(強いと感じる)↔0(全くない) 7-8
    LINE 有(※1)
    Slack 有(※2)
    オフラインでのつながり
    上下のつながり 有(※3)

     
    ・コンパ係がいるため、オフラインでもオンラインでも積極的にコンパが行われる。Zoom勉強会もしばしば開催される。
    ・個人主義的に動く人も、同クラ同士で仲良くする人も、学科のコミュニティを求める人もいて様々。
    ・教授と距離が近い。本田先生のゼミでは、ゼミ終了後に先生含めてカラオケに行ったことがあるらしい。
    ・「比教社裏パンフ」という、前期教養でいう「オリパンフ」を作る文化がある。学生どうしの逆評定や学科教員の紹介(まじめ版)、授業の逆評定が記載されている。
    (※1): 先輩にはLINEグループか個チャで相談する。
    (※2): 同期Slackグループがある。
    (※3): 学科ガイダンスの時点で、B3の先輩が裏パンフを配布して下さり、B2~大学院の先輩方での食事会、「比教社会」(OBOG)も巻き込んだ交流会も開催される。

    授業スタイル

    項目 内容
    1クラス当たりの人数 10-30名程度、場合により数十名(※1)
    成績評価 出席/レポート(※2)

     
    (※1): 大人数の講義と少人数の講義(演習・ゼミ)が中心。概論系で他コースや他学部の人が大量に履修する授業では、100名以上になることもある。
    (※2): 大人数の講義は概論系の講義が多く、A4レポートや400字課題等が各講義で頻繁に課される。一方少人数講義は10名~30名程度で構成され、予習前提でレジュメを作ってくるような授業が多い。出席がデフォルトで、授業に出ることが何かと前提になっているイメージ。ただ、遅刻欠席が非常に厳しいわけではない。
     評価方法は教員によって異なる。基本的にはレポートが多く、授業内容に自身の関心を織り交ぜてまとめるものが多い。レポート中心の科目では期末が無いことも。
     教育学部の傾向としてだが、リアクションペーパーや提出物には、「全体に向けて」や「個人宛て」で必ず応答してくれる。

    研究室・資料

    過去の卒業論文のテーマ
    2007年から直近10年分までの卒論のテーマ一覧。
     
    〈研究室紹介〉
    比較教育社会学コース スタッフ紹介
     
    ○教員紹介(一部)
    ・本田由紀先生:教育社会学
    家族・教育・仕事という異なる社会領域間の関係について調査研究を実施。著書に『教育は何を評価してきたのか』(岩波書店、2020年)などがある。
     
    橋本鉱市先生:高等教育論
    高等教育に関わる諸事象を、主に歴史社会学的なアプローチによって研究。分析対象は、学問領域・内容の制度化プロセス、プロフェッションとしての大学教授職など多岐にわたる。
     
    中村高康先生:比較教育システム論
    「教育と選抜」に関わる諸現象の計量的・比較社会学的検討が主な研究テーマ。社会階層と教育制度の関連、進路選択と地域性の問題、メリトクラシー(能力主義)に関する理論的考察なども手がけている。
     
    仁平典宏先生:教育社会学
    「教育的なもの」をその外部において捉えることを課題としている。著書に『「ボランティア」の誕生と終焉ーー〈贈与のパラドックス〉の知識社会学』(名古屋大学出版会、2011年)などがある。
     
    ・額賀美紗子先生:比較教育学
    グローバル化の進展が家族,学校,子どものアイデンティティや能力形成に及ぼす影響に関心を寄せ、国際移動する子どもに注目し、在米日本人家族や在日外国人家族のエスノグラフィー研究を行っている。

    特別な制度・その他

    グローバル・リーダー育成、欧州研修プログラム:学生・院生向けに北欧への海外教育研修が開講される。選考あり。OECDやUNESCO、各大学・高校を視察・見学する。2020年度の研修の様子はこちら

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