■どんな学科?
社会基盤学科(以下「社基」)では、基盤技術を中心に、水環境や生態系・都市問題・防災・地域や国土の計画・社会資本政策やプロジェクトマネジメント・国際協力など、ひとつの学科にまとまるとは思えないほどのフィールドの広さをカバーしている。人間・自然環境の再生と創造を実現するために必要な、基盤技術・デザイン・政策決定・マネジメントなどに関する研究・開発・実践を行うことが社会基盤学の目的としている。
進学選択では、Aコース(設計・技術戦略)、Bコース(政策・計画)、Cコース(国際プロジェクト)の3つのコース単位で募集されるが、優先的に配属される研究室が異なるだけで基本的に授業は共通。どのコースからでも興味のある研究室に行くことができる。
授業は2Aのうちは座学が多く、3Sからは実習や実験が増える。座学は材料力学、水理学などの物理の授業と、ディスカッションやグループワークの授業がある。卒論以外で唯一の必修であるフィールド演習は河口湖にある東大の施設でおこない、同級生、先生との仲がぐんとよくなる。ほとんどの単位を3Aまでに取り切り、4Sからは卒論に取り組む。研究室には留学生も多く、ゼミを英語でやる研究室も多い。
学部卒でも就職する人は何人かいるが、ほとんどは修士課程に進んで研究をする。卒業後の進路は多岐にわたる。鉄道、エネルギー、デベロッパーを始めとして、官公庁、コンサル、銀行、マスコミなど文系就職も多い。
■社会基盤学科の卒業単位数
科目 |
必修科目 |
必要単位 |
フィールド演習 |
必修 |
2単位 |
卒業研究 |
必修 |
10単位 |
限定選択科目 |
|
62単位以上 |
標準選択科目 |
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限定選択科目と合わせて68単位以上 |
卒業に必要な単位 |
|
95単位以上 |
・社基の必修は12単位で、フィールド演習と呼ばれる河口湖での実習(3年)と卒論(4年)のみ。
・同一の授業でも、A、B、Cコースで選択科目の区分が違うことがある。たとえば、「公共経営学」はBコースでは限定選択科目であるが、A、Cコースでは標準選択科目として扱われる。
・コース関係なくほとんど全員が同じ授業を受けるため、選択科目を意識することは少ない。
・卒業に必要な単位をとるために、農学部や都市工の授業を受ける人もいる。
・大学院(社基の大学院の授業は全て英語で実施)と共通の授業もある。
■進学定数は?
Aコース
受け入れ枠 |
第一段階 |
第二段階 |
理Ⅰ(指定科類) |
12 |
7 |
理II、III(指定科類) |
1 |
|
全科類 |
1 |
|
Bコース
受け入れ枠 |
第一段階 |
第二段階 |
理Ⅰ(指定科類) |
11 |
6 |
全科類 |
3 |
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Cコース
受け入れ枠 |
第一段階 |
第二段階 |
理Ⅰ(指定科類) |
4 |
3 |
全科類 |
3 |
|
・B、Cコースの人気が高くなることが多い。
・全科類を利用して、文系からの進学者も一定数いる。
■内実は?
<授業>
・数学や物理をガッツリと扱う座学と、グループワーク型の授業、座学で学んだことを実際に活かすことができる演習がバランスよく用意されている。
・履修の自由度はかなり高く、他学部の授業も受けたりしながら自分の興味を広げたり追求することができる。
・3Sから実際に現場に行く機会が増える。授業の一環でまちを歩いたり、海で波の観測を行ったりする他、シールドマシンの掘削工事や渋谷駅改良工事など、実際の現場を見学できる現場見学会が企画される。また、各研究室の主催で4名程度の学生を募集する少人数型のセミナーが授業とは別に開催され、授業から一歩踏み込んだ実験や、現地調査をすることができる。
<コミュニティ>
・インフラやまちづくりに何かしらの興味を持っている人が集まってきている。
・運動部は一定数いる。サークル活動も参加している人が大半。
・2Aでは学科全体で橋の模型をつくる導入プロジェクトという授業があり、そこで同期の人と交流することができる。3Sではグループワークが基本となる基礎プロジェクトが開講される。かなり大変な演習であるが、そのぶんチームメイトと深い繋がりをつくることができる。その他、夏休みには3日間かけて行う測量実習や、河口湖での3泊4日のフィールド演習など、グループワークが多くあり同期と仲良くなりやすい。グループワークの授業が多いものの、フィールド演習以外は必修ではないので、グループワークの授業をどの程度とるかは自分で選択できる。
■進学前の注意点は?
・要求科目はないものの、大学の基礎的な数学や物理は授業内では扱わないことも多いため、文系から進学する場合は自分で補う必要があるが、先生に質問すれば丁寧に教えてもらえるし、同期内で理系科目が得意な人に教えてもらうことなどもしやすい環境である。