2023.11.1
【応用生命科学課程】通称「農二(のうに)」
人数 |
約70名 |
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ジェンダーバランス |
女性はおよそ3割程度 |
要求/要望科目 |
・要求科目 ・要望科目 |
就活or院進 |
就職:院進=2:7 |
公式サイト |
生命化学・工学専修(以下、当専修)では、「心と生活を豊かにする生命現象を利用した技術」の実現を目指し、生命のしくみを化学的、生物学的、工学的手法を用いて分子レベルで明らかにする。
具体的には、化学と生物学を基盤として生物の様々な現象を解明するバイオサイエンスを学び、生物の種々の機能を理解するとともに、それを有用物質生産や人類の直面する様々な環境問題の解決に応用するための基礎的知識を修得する。また、最先端の研究に触れられる学生実験への参加の機会を提供し、基礎的かつ応用的な実験を通して、科学の発展と人類の福祉に寄与する人材を輩出する。
かつて「農学部2類」の名称で知られていたことから、通称は「農二(のうに)」。
卒業までに必要な単位は76単位。そのうち8単位までは、他学科の授業を含めることができる。卒論は必須。研究室には4Sセメスターから入ることになる。
・定員数と各科類からの受け入れ数
受け入れ枠 | 第一段階 | 第二段階 |
---|---|---|
理科(指定科類) | 40 | 32 |
全科類 | 12 | - |
理系の学生が多いが、一部文系からの進学者もいる。微生物や植物、食品などの研究に関心のある学生が多く集まる。
農学部では最も人数が多い。最近は人気が復活しているという噂もあり、真面目に勉強したいという人が集まる傾向にある。必修の授業や実習が多めで学生生活はハードだが、教授は優しくて良い方が多い。学年によって配属先の研究室を決める方法が異なるため、行きたい研究室がある人は、早い段階からきちんと成績を取ることを意識しておくと安心だろう。
学園祭をはじめ、学科で取り組む行事が多いのも魅力である。
科目 | 区分 | 開講時限 |
---|---|---|
基礎有機化学(※1) | 必修 | 水曜4限 |
基礎分析化学 | 必修 | 火曜4限 |
基礎微生物学(※2) | 必修 | 木曜2限 |
分子生物学 | 必修 | 金曜2限 |
基礎生物化学 | 必修 | 月曜2限 |
農芸化学概論Ⅰ | 必修 | 火曜2限 |
環境倫理(※3) | 選択必修 | 月曜5限 |
情報工学(※4) | 選択必修 | 木曜4限 |
農学リテラシー(※5) | 必修 | 集中・Wセメ |
(※1)授業内での課題提出によって出席を取る。授業を欠席する、またはテストで悪い点数を取ると、落単する可能性が高い。2Aセメスターに単位を落とした場合には、3年次は午後は実験があるため、4年次に取り直す必要が生じる。できるだけ2年次のうちに取り切っておくのが無難。
(※2)出席なし。テストがとても難しいため、きちんと勉強しないと落単する。例年3~4割が単位を落としている(談:理二→農二)
(※3)農学共通科目。3Sの「生命倫理」、3A2の「技術倫理」を合わせた3つの中から2つを取る必要がある。
(※4)先生がとても優しい。きちんと課題を提出すれば良い成績を取れる。「授業の感想を先生にお伝えすると、カレーをおごってもらえるかも⁉」(理二→農二)
(※5)農学部の学生は全員必修。Wタームに集中講義形式で開催される。例年1/23~28前後の4日間。履修登録を忘れずに!
・必修の数がそれなりに多いため、週に15コマ前後が一般的。
・「農二の学生が何でも自由にできる時期はここしかないかもしれない。研究室によるが、3年次はとても忙しくなる」
・「自分はこの時期に、語学の勉強やサークルの活動に積極的に取り組んでいた」(理二→農二)
科目 | 区分 | 開講時限 |
---|---|---|
食品化学(※1) | 必修 | 木曜2限 |
応用物理工学実験(※2) | 必修 | 月~金曜・3~5限 |
環境土壌学 | 必修 | 月曜1限 |
植物栄養学(※3) | 必修 | 火曜1限 |
(※1)授業で出される課題の締切が短い。また、成績の評価は厳しめで、落単する人もいるので注意が必要。
(※2)主に有機系の実験を行う。駒場での基礎物理学実験・基礎化学実験より楽しいという声も。研究室ごとに実験を設計して提供してくれる。但し、2020年度は実験ができなかったため、夏休みと2021年の春休みに実施予定であった。
(※3)出席なし。1限の授業のため、段々と出席者が減る。勉強すれば基本的には単位は落とさないはずだが、授業でのみ話された内容がテストに出る場合もあり、落単する人もいる。
・22~25コマ程度が一般的。
・卒業要件を満たすには、2Aセメスター~3A2タームにかけて選択必修を30単位取得する必要があるため、計画的な履修が大切。
・例年であれば五月祭が開催される。3年次はビールと焼き鳥を販売するのが通例。五月祭の企画実行を通して学科同期と仲良くなる。
3年生SPターム(※)
※SPタームとは、農学部に特有の言い方で、集中講義形式の授業が大半を占める期間を指す。前期教養課程ではS2タームにあたる。この期間を利用してフィールドワークをおこなう専修もある。
科目 | 区分 | 開講時限 |
---|---|---|
農芸化学概論Ⅱ(※1) | 必修 | 火曜1限・木曜2限 |
応用環境科学実験(※2) | 必修 | 月~金曜・3~5限 |
生命化学・工学実習(※3) | 自由選択 | 集中 |
(※1)出席が重視される。各研究室による研究紹介の色合いが強い。
(※2)主に土壌系の実験を扱う。1班4人のグループで行うため、他の学生と仲良くなれる。2020年度も対面で行われた。
(※3)食品化学工場を訪問し、製品の製造現場を見学する。味の素やキッコーマンなどの大企業の現場を見せてもらえる貴重な機会。2日間の訪問を行い、レポートを提出する。
・3S1タームに比べて授業のコマ数は減る場合が多い。
・座学はほとんどが集中講義。
・実験やフィールドワークが用意されている。
科目 | 区分 | 開講時限 |
---|---|---|
応用微生物学実験(※1) | 必修 | 月曜~金曜・3~5限 |
応用生物学実験 | 必修 | 月曜~金曜・3~5限 |
(※1)実験の中で一番ハード。微生物を顕微鏡で捉え、それを観察するのに労力を要する。特徴を捉えられなければ何度も観察する必要があるが、滅菌作業をはじめ各種操作をいちいち行う必要がある。普通は17時くらいに終わるが、18時近くまでかかることもある。
2020年度は、月曜日にオンラインでの説明を受けた後、密になるのを避けるために奇数組と偶数組に分かれて、それぞれ火曜・水曜日と木曜・金曜日に実験を行った。例年は全員が毎日実験室に赴いて実験を行う。
・平均コマ数は22~25コマ程度。
・基本的に午前中は座学、午後は実験が行われる。
・座学は選択必修が中心。計画的に履修を考えることが大切。
・冬休みは集中講義がいくつか開講されている。
・1月末の研究室紹介の後研究室を選ぶ。研究室の配属先の決め方は学年によって異なる。
・2月中旬~下旬(成績が出てすぐ)に、研究室振り分けの決め方をその代の学科の学生で決めることができる。学科長中心で進める。2020年度は後期課程からの上位30単位からの成績で決定。希望調査を最終的にチェックするのは先生
(決め方が成績になった場合、成績をとらなければならずハードになる。)
成績+くじ引き、という年もある。
あぶれてしまったら調整する。先生の介入は最後。
人気の研究室に行きたい人は、30単位中24単位が優上で占めることもある。
科目 | 区分 | 開講時限 |
---|---|---|
卒業論文 | 必修 | 研究室による |
食品微生物学(※1) | 選択必修 | 金曜5限 |
・順調に単位を取り切っていれば基本的に卒論に邁進するが、。2,3年次に落とした必修単位がある場合には、卒業チャレンジに挑む。
・研究室での活動の他、院試の勉強をする。
・卒論のための実験は研究室ごとにタイミングが異なる。Sセメは研究室の設備や基礎的な実験を教えてもらう時期に当てられる。
・7月から夏休みの研究室が多い。中には、8月に入ってから「院試休み」として夏季休業が設けられている研究室もある。
科目 | 区分 | 開講時限 |
---|---|---|
卒業論文 | 必修 | 研究室による |
・卒業単位を取り切っていない学生は卒業チャレンジに挑む。
・卒論のために実験に取り組む。
・卒業論文は11月~12月に中間発表が行われ、2月頃に発表会がある。
・卒業論文の取り扱いは研究室によって異なる
・進振りでは学科が底点を切っているため、そこまで意欲がない人も多いのではないかと思っていたが、そんなことはなかった。ギリギリで入ってくる人もいれば、真面目に勉強したいという人もいて、多種多様な人と交流ができる。
・なんだかんだ理系のため、授業は思っていた以上にハードだった。特に学生実験は大変。しかし、教授は優しくて良い人が多い。
・農二が本来の志望と異なる人は就職し、自分の志望と近かった人は院進する人が多い。
・ある程度、いきたい研究室に目星をつけておくと、どれくらい成績をとれば良いか掴めてくるので早めに考えておくのがおすすめ。(理二→農二)
・「食に興味があったため。食品化学を学べる、研究できるところが農二しかなかったから。」(理二→農二)
・微生物の研究をメインでやっている専修のため、微生物に関心がある人が多い。
・食or微生物で研究室の人気が二分されている。
・農学部のピリピリしていない雰囲気が好きで来る人もいる。
・「農経、システム創生と迷った。比較的何でも興味を持てるため文理にはこだわっていなかったが、AIなど次々と社会が変化していく中で、食は人間が生きる上で変わらないものだと考えて食に関わるところに行きたかった。最終的には、先輩からの“自分が興味があるものを選んだらよい”というアドバイスを受けて決めた」(理二→農二)
項目 | 内容 |
---|---|
ズバリ、学生間のつながりは: 10(強いと感じる)↔0(全くない) |
【8】 |
LINE | 有(※1) |
Slack | 無 |
オフラインでのつながり | 有(※2) |
上下のつながり | 有(※3) |
(※1)余計な会話はほとんどない。学科の情報を学科長が流したり、パ長がお知らせを流す程度。質問はしやすい環境だと思われる。
(※2)2年次は3回飲み会が開かれた。2020年度もオフラインで全体の飲み会が2回あった。例年だと、実験後に教授がポケットマネーで飲み会を開催してくれて、TAと一緒に飲んだりもして盛り上がる。2020年度はそういうのはなかったが、一緒に実験をする班で仲良くなり、班で飲み会に行くということはあった。
(※3)シケプリの共有がなされている。五月祭の利き酒企画などで下への引き継ぎがしっかりしている。
また、実験で2グループに1人くらいのTA(院生)がつき、一つの実験で1か月ほどかかるため、少なくとも顔見知りくらいにはなる。
・ 対面実験が毎日あるため、結構仲は良くなる。但し、2020/2021年度はオンラインというのもあり、例年ほどではない。2Aで少し仲良い人が見つかり、実験でなんとなくみんなと仲良くなれる。
・その他、snsでの交流はそれほど親密ではない。「ツイ廃はいない(と思う)が、わからないことがあれば、Twitterで農二の人に話しかけてみましょう。親切に答えてくれると思います」(理二→農二)
項目 | 内容 |
---|---|
1クラス当たりの人数 | 60名前後 |
成績評価 | 出席+レポート/期末試験 |
・2Aは座学のみ。3年になると、午前に座学、午後に実験となっていてほぼフルコマに近い状態。
・出席がとられる科目は7割程度。取らないものは本来は試験一発だが、2020年度はレポートが中心だった。
・出席がとられるがどのくらいのウェートを占めるかは不明。オンライン下では毎回小レポートを出す科目が多い。食品化学・基礎微生物学・植物栄養学は評価が辛めと言われている。本来は大体の科目が試験だと思われる。
・実験は休むと留年で、インターンなどで休んでも欠席扱いになる。今季は、コロナの影響を考慮して2つのグループに分かれて実験が行われた。
農学部公式の「教員カタログ」はこちら
(各教員の研究内容が平易に書かれているだけでなく、目指す教育内容や研究室の人材輩出実績など進学選択の意思決定に役立つ情報が盛りだくさん。)
《研究室の選び方あれこれ》
・植物や土壌は4年で卒業したら就職する人が行くことが多い。
・栄養化学、食品生物構造学は食品系の研究室の中で人気が高い。
・大西先生・発酵学研究室、微生物学研究、応用微生物学研究は微生物系の研究室の中で人気が高い。
・研究室に配属される人数は明示されているところとはっきり示されていないところがある。
・寄付講座は基本的に1枠ずつ。したがって、同期がいないのが嫌な人はいかない。他は大体研究室につき2~3人。
《研究室紹介》
応用生命化学専攻
〈基幹講座〉
●生物機能化学大講座
植物分子生理学研究室 溝井 順哉 准教授
生物機能開発化学研究室 三坂 巧 准教授
●生物生産化学大講座
生物有機化学研究室 高山 誠司 教授/藤井 壮太 准教授/加藤 義宣 助教
有機化学研究室 滝川 浩郷 教授/小倉 由資 准教授/岡村 仁則 助教
生物制御化学研究室 浅見 忠男 教授/中嶋 正敏 准教授/中村 英光 助教
植物栄養・肥料学研究室 藤原 徹 教授/神谷 岳洋 准教授/反田 直之 助教
土壌圏科学研究室 妹尾 啓史 教授/大塚 重人 准教授
生物化学研究室 東原 和成 教授/舘川 宏之 准教授/伊原 さよ子 助教
●食品科学大講座
分析化学研究室 鈴木 道生 准教授
栄養化学研究室 喜田 聡 教授/石川 理絵 助教
食品生化学研究室 佐藤 隆一郎 教授/山内 祥生 准教授/高橋 裕 助教
食糧化学研究室 内田 浩二 教授/板倉 正典 助教
食品生物構造学研究室永田 宏次 教授/奥田 傑 准教授/陸 鵬 助教
〈協力講座〉
●東京大学大学院農学生命科学研究科社会連携講座
「栄養・生命科学」社会連携講座 清水 誠 特任准教授/佐藤 隆一郎 特任教授(兼任)/山内 祥生 特任准教授(兼任)
「健康栄養機能学」社会連携講座 加藤 久典 特任教授/賈 慧娟 特任准教授
●東京大学大学院農学生命科学研究科寄付講座
食品機能学寄付講座 岡田 晋治 特任准教授/石島 智子 特任助教
味覚サイエンス(日清食品)寄付講座 朝倉 富子 特任教授
養生訓を科学する医食農連携寄付講座 宮川 拓也 特任准教授/宮園 健一 特任准教授/村松 知成 特任准教授
食の健康科学(ニップン)寄付講座 小林 彰子 特任准教授
●東京大学アイソトープ農学教育研究施設
放射線植物生理学研究室 田野井 慶太朗 教授/小林 奈通子 准教授
●東京大学大学院農学生命科学研究科 食の安全研究センター
免疫制御研究室 八村 敏志 准教授
〈兼担講座〉
●東京大学大学院農学生命科学研究科 応用動物科学専攻 高次生体制御学大講座
動物細胞制御学研究室 高橋 伸一郎 教授/伯野 史彦 准教授
応用生命工学専攻
〈基幹講座〉
●生物分子工学大講座
生物情報工学研究室 清水 謙多郎 教授/寺田 透 准教授/森脇 由隆 助教
分子生命工学研究室 足立 博之 准教授
分子育種学研究室 葛山 智久 教授/小川 哲弘 助教
●生物機能工学大講座
醗酵学研究室 大西 康夫 教授/勝山 陽平 准教授/手塚 武揚 助教
酵素学研究室 伏信 進矢 教授/荒川 孝俊 助教/山田 千早 助教
微生物学研究室 吉田 稔 教授/有岡 学 准教授/西村 慎一 講師
細胞遺伝学研究室 堀内 裕之 教授/福田 良一 准教授/岩間 亮 助教
応用微生物学研究室 石井 正治 教授/新井 博之 准教授/亀谷 将史 助教
〈協力講座〉
●東京大学大学院農学生命科学研究科社会連携講座
微生物エコテクノロジー社会連携講座 原 啓文 特任准教授/鈴木 研志 特任助教/大西 康夫 特任教授(兼任)/野尻 秀昭 特任教授(兼任)
●東京大学大学院農学生命科学研究科寄付講座
微生物潜在酵素(天野エンザイム)寄付講座 尾仲 宏康 特任教授/浅水 俊平 特任講師
醸造微生物学( キッコーマン )寄付講座 丸山 潤一 特任教授/片山 琢也 特任助教
●東京大学大学院農学生命科学研究科附属アグロバイオテクノロジー研究センター
環境保全工学研究室 野尻 秀昭 教授/岡田 憲典 准教授/水口 千穂 助教
細胞機能工学研究室 西山 真 教授/古園 さおり 准教授/吉田 彩子 助教
植物機能工学研究室 柳澤 修一 教授/櫻庭 康仁 准教授
微生物代謝工学(協和発酵バイオ)寄付講座 富田 武郎 特任准教授/西山 真 特任教授(兼任)
微生物膜輸送工学(発酵研究所)寄付講座 川崎 寿 特任教授/篠田 恵子 特任助教/浜本 晋 特任助教
●東京大学微生物科学イノベーション連携研究機構
「酵母発酵学」社会連携研究部門 野田 陽一 特任准教授/堀内 裕之 特任教授(兼任)
新領域創成科学研究科
〈先端生命科学専攻 研究室(柏キャンパス)〉
※新領域創成科学研究科の研究室は、卒論の配属先として選ぶことはできるが、農学生命科学研究科の大学院入試で配属先として選ぶことはできない。
学園祭の「利き酒」という名物企画がある。
「お酒が好きな人はもちろん、色々な人にとって居心地は悪くないと思うので、ぜひ来てください!」(理二→農二)
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諸科学に関する世界水準の教育・研究を進め、食料・環境をめぐる多様な課題に取り組む専門性豊かな人材を養成する学部
建築学
化学生命工学
航空宇宙学