農学部
生物素材化学専修

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【応用生命科学課程】
通称「素材(そざい)」

目次

    基本情報

    人数

    定員20名(毎年10~20名程度)

    ジェンダーバランス

    女性はおよそ1割程度

    要求/要望科目

    要求科目
    なし


    要望科目
    総合科目E「生物素材の科学~バイオマスの科学」

    就活or院進

    大多数が院進/就職は学年に1人程度。

    公式サイト

    http://www.fp.a.u-tokyo.ac.jp/cbm/

    学科概要

    ■どんな専修?

    生物素材化学専修は、地球上のエネルギー・資源問題や環境問題を解決するため、光合成によって太陽エネルギーを変換しエネルギー源として蓄積しているバイオマスに着目し、バイオマスの有効活用に向けた基礎・応用研究に取り組んでいる。

    深い専門知識の修得に加え、幅広い社会の要求に答えられるタフな若き研究者の育成を目指し、バイオテクノロジー(生物工学)・グリーンケミストリー(環境に優しい応用化学)・マテリアルエンジニアリング(材料工学)を組み合わせて教育・研究を進める。植物・動物・微生物などが生産する糖質やポリフェノール成分、バイオポリエステル、タンパク質など「生物素材」の構造・物性・機能の基礎を学ぶとともに、実験・実習・演習を通してそれらの知識の定着を図る。応用生命科学課程の1専修であり、通称「素材(そざい)」。

    卒業研究テーマ例:
    ・バイオマスの種類や基本的性質の理解
    ・バイオマスを多目的に利用するための新しい変換プロセス技術の開発
    ・石油からでは作れない新しいバイオベースマテリアルの創製
    ・効率的生産を展開するための基礎科学および応用技術の研究など
     


    ■当専修の諸制度

    ■基本条項
    卒業までに必要な単位は76単位。そのうち15単位までは、他学科の授業を含めることができる。卒論は8単位。
     
    ■農学総合科目・農学基礎科目
    農学総合科目(選択必修3単位を含め、4単位以上)と農学基礎科目(必修2科目3単位及び選択必修2単位を含め、6単位以上)を併せて14単位以上の取得が必要。22単位まで、卒業単位に算入可能。
    ■農学共通科目
    必修1科目「農学リテラシー」(2単位)及び選択必修1単位を含め、3単位以上の取得が必須。
    ■課程専門科目
    応用生命科学課程専門科目のうち、必修8科目14単位お呼び選択必修5単位を含め、24単位以上の取得が必須。
    ■専修専門科目
    必修9科目20単位の取得が必須。
    ■農学展開科目
    2単位まで卒業単位に算入可能。必修は無い。

     

    ■進学定数は?

    定員数と各科類からの受け入れ数

    受け入れ枠 第一段階 第二段階
    理二(指定科類) 8 0
    理科(指定科類) 0 5

    ※年度によって変更の可能性があります。
     
     
    ・重率をかける科目として、第二段階は、基礎科目(自然科学)の成績上位10単位、及び総合科目D・E・Fの成績上位4単位の重率を5とする。
    詳しくは「クイズ進振りケース 第4回」を参照。
     
    ・第一段階・第三段階指定平均点は、次の式で算出される。
    「基本平均点」×取得単位数(上限90単位)(※)
    ※取得単位数(上限90単位)には、合格・不合格のみの評価に依る科目(主題科目など)を含む。
    ※詳しくは「クイズ進振りケース 第23回」を参照。

    卒業までの流れ

    2年生Aセメスター


     ■選択必修を取りまくる2A

    科目 区分 開講時限
    生物素材化学概論(※1) 必修 火曜3限
    環境倫理(※2) 選択必修 月曜5限
    農学リテラシー 必修 Wターム集中

    (※1)生物素材(バイオマス)について、幅広く基礎的な知識を学ぶ。
    (※2)農学展開科目(卒業までに必ず1単位を取る必要がある)。3Sの「生命倫理」、3A2の「技術倫理」との3択。
    (※3)農学部の学生は全員必修。Wタームに集中講義形式で開催される。例年1/23~28前後の4日間。履修登録を忘れずに!


    ・週15コマ前後が一般的。座学が中心。
    ・3S以降になると必修とダブる場合が多いため、選択必修の単位は2Aのうちにできるだけ取った方がよい。
    ・化学系の研究室を選ぶ人は基礎有機を取ることを強く勧める。
    ・選択必修をすべてとっても、6単位ほど必要な単位数に満たないため、他学部・他学科の講義を履修する必要がある。
    ・「研振り(研究室振り分け)に向けて、先輩に話を聞いたり、興味を持った研究室の先生にメールを送って見学させてもらったりした」(理二→素材)



    3年生Sセメスター


     ■ほぼ必修で埋まる3S

    科目 区分 開講時限
    森林生物化学 必修 月曜2限
    木材化学 必修 月曜3限
    高分子材料学Ⅰ 必修 火曜2限
    生物材料組織学 必修 火曜4限
    セルロース科学 必修 水曜2限
    生物材料化学実験 必修 水曜3-5限
    生物材料物理学実験 必修 木曜3-5限
    生物材料生物学実験 必修 金曜3-5限

     
    ・週15コマ程度(ほぼ必修で埋まる)。
    ・平日の水曜日~金曜日の午後は必修の実験が入る。3~5限の3コマ連続(少し早めに終わることもある)。
     
    ・基本的に午前は座学、午後は実験・実習。実験や実習では当日提出の課題が出されることもあるため、丸一日大学にいる日が多い。
    ・実験は基本的に4~5人が1班になっておこなう。各研究室の紹介を兼ねた基礎的な実験が中心。
     例)銀杏の葉っぱを砕いて顕微鏡で観察し、性質を調査する/木材の成分抽出する/切断面の観察や延性など、木材の物性を調べる
    ・物理系(木質材料学など)以外の選択必修はすべてこの時期に取っておくとよい。卒業単位数を計算しながら他学科・他学部の講義も適宜取ること。
    ・実験が始まるため、学科の人と顔を合わる機会が2Aに比べて急増する。


    3SPターム(※)


     ■演習や実習が多い3SP

    科目 区分 開講時限
    森林生物化学 必修 月曜2限
    木材化学 必修 月曜3限
    セルロース科学 必修 水曜2限
    生物材料化学実験 必修 水曜3~5限
    生物材料物理学実験 必修 木曜3~5限
    生物材料生物学実験 必修 金曜3~5限
    バイオマス科学実習(※1) 必修 集中・夏期
    生物素材化学実習(※2) 必修 集中・夏期

     
    (※)SPターム:農学部に特有の言い回し。他学部では通常「S2ターム」と呼ばれる期間のことを指す。この時期は演習林や圃場での実習、農家・農村への訪問等、実地での授業がおこなわれることが多い。
    (※1)千葉演習林を中心に、東大農学部保有の演習林にて実習をおこなう。演習林の樹種の識別や、林業機械の操作、木材の運搬・収集の方法等について実地で学ぶ。
    (※2)工場見学をおこなう。1日2か所ずつ×1週間。交通費は自腹。なお、どうしても3年次に都合がつかない場合には4年次に履修することも可能。植物がセルロースやレグニンなどの微細な構造に分解された後、高分子(ポリマー)や樹脂として活用されている様子を見学する。(2020年度訪問企業:花王、大建工業、東京パーティクルボード、LION、住友林業、セメダイン etc. )
     
    ・週15コマ程度が一般的。3Sに比べてコマ数は減る場合が多い。
    ・夏休みに工場見学と演習林実習がある。



    3年生Aセメスター


     ■単位を取り切りたい3A

    科目 区分 開講時限
    生体高分子科学 必修 月曜2限
    高分子材料学Ⅱ(※1) 必修 月曜3限
    生物素材化学実験Ⅰ 必修 月~金・3~5限

    (※1)A1タームのみ開講される。
     
    ・週10コマ程度が一般的。3Sに比べてコマ数は減る場合が多い。
    ・研究室に配属される。例年10月末から11月初旬にかけて希望調査がおこなわれる。
    ※卒業論文にきちんと取り組みたいという意識があるのであれば、3Aまでに計画的に他学部や他学科の講義を履修し、卒業単位を取り切っておくとよい。



    4年生Sセメスター


     ■研究室に配属される4S

    科目 区分 開講時限
    生物素材化学演習 必修
    卒業論文 必修

    ・必修は「生物素材化学演習」及び「卒業論文」。「生物素材化学演習」では卒業論文のための実験の設計~実施をおこなう。
    ・卒業単位を取り切っていない学生は、卒業チャレンジに挑む。卒業単位として他学部の講義を取る場合、必ず4Sまでに受講すること。4Aでの履修をおこなった場合、卒業単位としての認定に間に合わないことがある。
    ・研究室に配属される。
    ・院試の勉強をする(SPタームは院試に向けて休みとなる)。
    ※卒論執筆の流れ:
     仮説を立てる⇒実験(8月~)⇒論文にまとめる(12月末に中間発表)
     ⇒論文提出(1月中旬)



    4年生Aセメスター


     ■卒論のための実験に追われる4A

    科目 区分 開講時限
    生物素材化学演習 必修
    卒業論文 必修

    ・必修は「生物素材化学演習」及び「卒業論文」。
    ・卒論のための実験に追われて毎日忙しい。
    ・卒業単位を取り切っていない学生は、卒業チャレンジに挑む。

    入る前の想像と実際

    ・「当初の想定と異なり、上下のつながりはあまりなかった」
    ・「研究室が異なる先輩とは、学生実験のTAをしている場合を除きほぼ交流の機会がない」
    ・「院進したい人、研究に専念したい人向きの学科。また、バイオマス関連の研究は特に北欧で盛んに行われているため、将来的に北欧に交換留学したい人にもおすすめ」(理Ⅱ→素材)

    選んだ理由/迷った学科

    ・「バイオマスについて学びたかったため、素材に進学した。特に迷った学科はない」(理二→素材)

    コミュニティとしての機能

    項目 内容
    ズバリ、学生間のつながりは:
    10(強いと感じる)↔0(全くない)
    4
    LINE
    Slack
    オフラインでのつながり
    上下のつながり ほとんどない

    ・3年次以降の実験で同じ班の人とは仲良くなりやすい。
    ・先輩↔後輩間でのつながりはほとんどない。

    授業スタイル

    項目 内容
    1クラス当たりの人数 20名前後(※1)
    成績評価 出席+レポートorテスト
    レポート/テストの頻度 学期の前半後半で1本ずつor期末のみ
    レポート/テストの内容 レポートは自分の意見を書くタイプが中心、過去問を多用する先生も

    (※1)他専修(主に木質構造科学専修)と合同の授業もある。
    (※2)必修科目すべてで出席が取られる。授業に出席していれば、単位はそれほど心配する必要はない。


    ・実習は午後から本番。実習内で課題が出されることが多い。予習や復習はそれほど必要ない。
    ・人数が少ないため、よく木質構造科学専修の学生と一緒に行動する。研振り(研究室振り分け)までは合同で受ける実験や講義のコマ数が多い。
    ・指導力のある先生が多い。
    ・「高分子研の岩田先生は世界初で高分子鎖の配向性を利用した強度向上を発見したことで有名。また、森化研の五十嵐先生はよく「フィンランド」、「キノコ」などと口にするが、実際に講義を受けてみるとその圧倒的なカリスマに魅了される」(理二→素材)

    研究室・資料

    農学部公式の「教員カタログ」はこちら
    (各教員の研究内容が平易に書かれているだけでなく、目指す教育内容や研究室の人材輩出実績など進学選択の意思決定に役立つ情報が盛りだくさん。)
     
     
    木材化学研究室横山准教授
    森林化学研究室五十嵐准教授
    製紙科学研究室斎藤准教授
    生物素材科学研究室竹村教授
    高分子材料科学研究室岩田教授榎本准教授

    特別な制度・その他

    One Earth Guardians 育成プログラム (略称OEGs):農学部の学部生・院生向けプログラム。「100年後の地球に貢献する科学者」を育てることを目指している。OEGs候補生は、企画立案から実行まで行う「実学研修」と「認定科目」とをそれぞれ履修。学部3年生から博士課程まで、様々な学年・専修の学生が参加している。

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