農学部
応用生物学専修

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【応用生命科学課程】通称「応生(おうせい)」

目次

    基本情報

    人数

    13~20名

    ジェンダーバランス

    女性はおよそ1-4割

    要求/要望科目

    ・要求科目
    なし


    ・要望科目
    なし

    就活or院進

    大多数が院進/就職は学年に1人程度。
    (参考)卒業生の進路
    -東京大学農学部 応用生物学専修ホームページ

    公式サイト

    http://www.ab.a.u-tokyo.ac.jp/gakubu/

    学科概要

    ■どんな学科?

     正式名称は、農学部 応用生命科学課程 応用生物学専修(以下、当専修)。通称、応生(おうせい)。

     当専修では、爆発的な人口増加にともなう食料・エネルギー問題、気球規模での環境悪化、生物多様性の喪失など、現在の社会が抱える問題を克服するため、持続可能な農業生産システムの構築と新たな農業生物資源の創出に貢献できる人材の育成を目指している。生産と環境に関わる植物、昆虫、微生物など幅広い生物を対象として、分子から地球生態系にわたる各階層において生物学の基本原理とスキルを学ぶ。 

     カリキュラムの大枠としては、比較的持ち出し科目の少ない2Aセメスター、実験などが増えてくる3Sセメスター、研究活動が本格化する3Aセメスター、研究に勤しむ4年次、といった流れである。講義と実験実習を有機的に関連させながら学ぶことで、課題発見・解決に向けた幅広い知識の習得と学術的な解決策探究の方法を学ぶ。
     

    ■専修の諸制度

    ■基本条項
    卒業までに必要な単位は76単位。そのうち9単位までは、他学部・他学科の授業を含めることができる。ただし、教職科目は除く。
     
    ■農学総合科目・農学基礎科目
    農学総合科目(4単位以上)と農学基礎科目(必修4科目8単位及び選択必修4単位以上)を併せて16単位以上の取得が必要。22単位まで卒業単位に算入可能。
    なお、農学基礎科目については、必修4科目「生物統計学」「細胞生物学」「遺伝学」「昆虫学」(各2単位×4=8単位)に加えて、選択必修Ⅰ群「基礎有機化学」「基礎分析化学」「基礎生物化学」「基礎高分子化学」(以上各2単位)、「基礎物理化学」(1単位)ならびに選択必修Ⅱ群「基礎微生物学」「分子生物学」「植物生理学」「植物分類・形態学」「植物生態学」(以上各2単位)からそれぞれ2単位以上取得する必要がある。
     
    ■農学共通科目
    必修科目「農学リテラシー」(2単位)及び選択必修1単位を含め、3単位以上の取得が必須。
     
    ■課程専門科目
    応用生命科学課程専門科目のうち、必修3科目「栽培植物学」「植物病理学」「耕地生態学」(各2単位×3=6単位)及び選択必修「作物学Ⅰ」「植物育種学」「園芸学Ⅰ」「昆虫生理学」「植物分子遺伝学」「栽培学」(以上各2単位)、「持続的植物生産学」「昆虫利用学」(以上各1単位)から8単位を含め、24単位以上の取得が必須。
     
    ■専修専門科目
    必修8科目「応用生物学基礎実験Ⅰ」(2単位)、「応用生物学基礎実験Ⅱ」「フィールド農学応用実習」「フィールド農学集中実習」(以上1単位)、「応用生物学専門実験」(3単位)、「フィールド農学基礎実習」「応用生物学研究演習」(以上4単位)、「卒業論文」(8単位)、合計24単位の取得が必須。
     
    ■農学展開科目
    4単位まで卒業単位に算入可能。必修は無い。
     
    卒業要件単位の内訳

    科目区分 単位数
    農学総合科目 4単位以上
    農学基礎科目 必修4科目8単位及び選択必修4単位以上(ただしⅠ群およびⅡ群からそれぞれ2単位以上)を併せて16単位以上
    農学共通科目 農学リテラシー(必修、2単位)及び選択必修1単位を含め3単位以上
    課程専門科目 必修3科目(計6単位)及び選択必修8単位を含め、24単位以上
    専修専門科目 必修8科目24単位
    農学展開科目 4単位まで卒業要件単位に算入可能

     

    ■進学定数は?

    定員数と各科類からの受け入れ数

    受け入れ枠 第一段階 第二段階
    理二(指定科類) 10 8
    全科類 9 -

    ※年度によって変更の可能性があります。
      
    ・重率をかける科目として、第二段階は、基礎科目(自然科学)の成績上位10単位、及び総合科目D・E・Fの成績上位4単位の重率を「5」とする。(総合科目D・E・Fについて、単位取得した科目のみを対象とし、4単位に満たない場合は、単位取得した科目のみに重率をかける。)
    詳しくは「クイズ進振りケース 第4回」を参照。
     
    ・第一段階・第三段階指定平均点は、次の式で算出される。
    「基本平均点」×取得単位数(上限90単位)(※)
    ※取得単位数(上限90単位)には、合格・不合格のみの評価に依る科目(主題科目など)を含む。
    ※詳しくは「クイズ進振りケース 第23回」を参照。
     

    ■内実は?

    農業や動植物、昆虫に関心のある人が多い。ほとんどの人が大学院に進学するため、勉強に熱心に取り組む。また、授業では簡単なところから説明してくれるため、文系の人でも十分授業についていくことができる。
    バイオテクノロジーや農業IOT、Rを使った解析や画像診断など、扱う範囲は多岐にわたる。研究室が弥生だけでなく柏や田無にもあることからも、研究対象の広さが伺えるだろう。

    卒業までの流れ

    2年生Aセメスター

    必修・選択必修科目抜粋

    科目名 区分 曜限
    生物統計学(※1) 必修 金曜5限
    細胞生物学 必修 月曜4限
    遺伝学 必修 月曜3限
    昆虫学(※2) 必修 水曜4限
    環境倫理(※3) 必修 月曜5限
    農学リテラシー(※4) 選択必修 Wターム集中

    ※年度により曜限は変更される可能性がある。
    (※1)3年次になると実習が入るため、2年次に確実に単位を取得する必要がある。
    (※2)「生物統計学」に同じ。
    (※3)農学展開科目(卒業までに必ず1単位を取る必要がある)。3Sの「生命倫理」、3A2の「技術倫理」との3択。
    (※4)農学部の学生は全員必修。Wタームに集中講義形式で開催される。例年1/23~28前後の4日間。履修登録を忘れずに!


    週12~13コマ前後が一般的。座学が中心。
    ・2Aは大教室での選択必修が多い。



    3年生Sセメスター

    ■S1ターム

    必修・選択必修科目抜粋

    科目名 区分 曜限
    植物病理学 必修 月曜・木曜2限
    耕地生態学 必修 月曜2~3限
    フィールド農学基礎実習(※1) 必修 水曜1~5限
    応用生物学専門実験(※2) 必修 木曜3~5限

    ※年度により曜限は変更される可能性がある。

    (※1)田無の生態調和農学機構にて行われる。この実習のおかげで学科内のコミュニケーションが取れるようになる。「実習は例年9時半に田無に集合のため、朝が弱い人には厳しいかもしれない。2020年度は時差出勤の風潮に後押しされて10時半集合だった(理二→応生)」
    (※2)S1タームは緑地環境学専修と合同で行われる。各研究室が一定期間ずつ担当する。植物病理学研究室が担当の日は長引きがち。


    週20コマ程度
    ・水曜日は丸一日必修の実習が入る。
    ・1限はほとんどない。
    ・実験や実習は研究室ごとに企画されているため、実験や実習に参加する中で各研究室が扱う分野や研究テーマにどのようなものがあるかを知ることができ、研究室の雰囲気もわかってくる。この時期から、秋に向けて研究室を考え始める。



    ■SPターム(※)

    ※SPタームとは、農学部に特有の言い方で、集中講義形式の授業が大半を占める期間を指す。前期教養課程ではS2タームにあたる。この期間を利用してフィールドワークをおこなう専修もある。

    必修・選択必修科目抜粋

    科目名 区分 曜限
    応用生物学基礎実験(※1) 必修 集中
    応用生物学基礎実験Ⅱ 必修 集中
    フィールド農学基礎実習(※2) 必修 水曜3~5限
    フィールド農学応用実習(※3) 必修 集中
    フィールド農学集中実習(※4) 必修 木曜3~5限

    ※年度により曜限は変更される可能性がある。

    (※1)SPタームは応用生物学専修の学生のみで行われる。各研究室が一定期間ずつ担当する。植物病理学研究室が担当の日は長引きがち。
    (※2)田無の生態調和農学機構にて行われる。この実習のおかげで学科内のコミュニケーションが取れるようになる。
    (※3)7月に4日間、田無の生態調和農学機構に通う。なお、この実習の代わりに、8月末の農家実習(4泊5日で農家に泊まり、実習を行う)を選択することもできる。2020年度はオンラインで4日連続で開催された。
    (※4)9月に4日間、田無の生態調和農学機構に通う(2020年度は9/7~)。連日、実地の実験を行う。作業例)ブドウの糖度を測る、菊の脇芽をかく、など。


    ・実習以外は基本的に集中講義の形で開講される。
    週15コマ程度が一般的。S1タームに比べてコマ数は減る。
    ・夏休みに田無での実習と農家を訪問して行う実習がある。



    3年生Aセメスター

    必修・選択必修科目抜粋

    科目名 区分 曜限
    フィールド農学基礎実習(※1) 必修 水曜1~5限
    応用生物学専門実験(※2) 必修 木・金曜3~5限

    ※年度により曜限は変更される可能性がある。

    (※1)Sセメスターに植えたサツマイモを収穫する。Aセメスターには、キクを使ったフラワーアレンジメントにも取り組む。
    (※2)夏休み終盤に希望調査に回答し、7つの研究室の中から、Aセメスターに訪問したい研究室を2つ選択する。柏や田無の研究室も選択肢に含まれる。実験は現地に出向いて行う。
    授業では、研究室で行っている研究について、4日間かけてしっかり体験できる。一つの研究室での体験期間は2週間。


    週20コマ程度が一般的。なお、履修計画によっては全休を作ることも可能かもしれない。
    ・「『応用生物学専門実験』では植物病理と植物医科学について研究しているところを訪問した。ポスドクや助教の人が、つい最近発見した物質についての話を聞いたり、最新の検出機械を触らせてもらえたりする。次世代シーケンサー(1回動かすと20万円ほどかかる)を使わせてもらったり、電子顕微鏡でウイルスの分布を見たりと、大学の設備をたくさん使って研究に関する詳しい話を聞けるのが魅力」(理二→応生)

    ・2月頃に研究室に配属される。学年によって配属方法は異なる。先生は放任で、学生同士でそれぞれの配属したい研究室を決めて最後に誰かが代表でまとめて先生に報告する。希望が被った時には学生同士で決め方を話し合い、成績で対決する人達もいれば、ひたすら話し合いをしたり、じゃんけんをする人達もいる。
    ※卒業論文にきちんと取り組みたいという意識があるのであれば、3Aまでに計画的に他学部や他学科の講義を履修し、卒業単位を取り切っておくとよい。
    ・冬休みには集中講義がいくつか開講される。



    4年生Sセメスター

    ・必修は「応用生物学研究演習」及び「卒業論文」。「応用生物学研究演習」では卒業論文のための実験の設計~実施を行う。
    ・卒業単位を取り切っていない学生は、卒業チャレンジに挑む。卒業単位として他学部の講義を取る場合、必ず4Sまでに受講すること。4Aでの履修を行った場合、卒業単位としての認定に間に合わないことがある。
    ・研究室に配属される。
    ・就職する人はほとんどいない。
    ・基本的に院試前は休みになりがちだが、研究室によって異なる。


    ※卒論執筆の流れ:仮説を立てる⇒実験(開始時期は研究室やテーマ、個人の都合による。早い人は3年生の2月から開始する。)⇒卒論発表会に向けて準備(研究室によっては中間報告がある。ないところもある)⇒卒論発表会での発表(2月中旬)



    4年生Aセメスター

    ・必修は「応用生物学研究演習」及び「卒業論文」。
    ・卒業実験に追われるため、毎日忙しい。
    ・卒業単位を取り切っていない学生は、卒業チャレンジに挑む。
    ・2月中旬の卒論発表会で発表すれば『卒業論文』の単位がもらえる。しかし研究室によって卒業論文本文の執筆の要求度は異なる。

    入る前の想像と実際

    ・「進学前は、植物系というイメージだったが、意外に昆虫系の色が強いということを感じた。授業を受ける中で、そちらの方面も面白いと思えるようになった。」
    ・「農業系と見せかけて、バイオテクノロジーも強かったり、農業IOTなどの技術系も研究対象に入っている。Rを使った解析や画像解析など、生命系ではなく工学系の範囲も扱う。」
    ・「授業では簡単なところから説明してくれるため、文系の人でも十分授業についていくことができる。また、大学院に進学すると英語が必要になるので、準備しておいて損はない。」
    ・「座学と実習・実験がバランスよく開講されている。実習に行くと、たくさんお土産がもらえる。」(理二→応生)

    選んだ理由/迷った学科

    ・「もともと植物・農業に興味があったため、応生に進学した。特に迷った学科はない。」(理二→応生)

    コミュニティとしての機能

    ・3年次以降の実習と実験で仲良くなる。
    ・2年次は先輩の主導で時々飲み会が開かれていた。
    ・2020年度はオンラインの飲み会が1回あった。(理二→応生)
    ・学科部屋がある。鍵は各自が受け取る。中での飲食は可能だが、騒いではいけない。

    項目 内容
    ズバリ、学生間のつながりは… 10(強いと感じる)↔0(全くない) 4~6
    LINE
    Slack 無(※1)
    オフラインでのつながり
    上下のつながり 有(※2)

    (※1)先生が主導で作成してくれた。実験に関するやり取りのために使っている。先生やTAもSlackに入っている。なお、Slackは2020年度から導入された可能性が高く、オフラインで実験が行われていた例年は存在しなかったと思われる。
    (※2)シケプリの共有がなされている。上下コンパが時々開催される。

    授業スタイル

    項目 内容
    1クラス当たりの人数 20名前後(※1)
    成績評価 出席+レポート/期末テスト
    レポートの頻度 学期の前半後半で1本ずつor期末のみ。
    レポートの内容 レポートは自分の意見を書くタイプのものが多い。過去問を多用する先生もいる。

    (※1)他専修(主に緑地環境学専修)と合同の授業もある。
    (※2)必修科目すべてで出席が取られる。授業に出席していれば、単位はそれほど心配する必要はない。


    ・小人数の授業が多い。
    ・出席が重視されがち。特に実習と実験は出席が重要。ほとんどは授業内で完結するが、ときどきレポート課題が課される。
    ・2Aは座学が中心。座学は科目ごとに範囲が重複している場合がある。
    ・小テストや出席がは、特に選択必修で多く見られる。成績評価は全体的に甘め。
    ・本来は、成績評価の方法としてレポートを課す場合と試験を実施する場合が半々ずつくらいだと思われるが、2020年度はレポートの割合が高かった。
    ・「毎ターム異なる授業を開講している先生もいる。レポートのタイミングや授業スタイルについて、先生の傾向がつかめるため対策がしやすいだけでなく、授業中に質問がしやすくてよい。」(理二→応生)
    ・「植物病理学研究室と植物医科学研究室が有名で人気も高い。」(理二→応生)

    研究室・資料

    農学部公式の「教員カタログ」はこちら
    (各教員の研究内容が平易に書かれているだけでなく、目指す教育内容や研究室の人材輩出実績など進学選択の意思決定に役立つ情報が盛りだくさん。)
     
     
    作物学研究室
    栽培学研究室
    園芸学研究室
    育種学研究室
    植物分子遺伝学研究室
    植物病理学研究室
    生物測定学研究室
    昆虫遺伝研究室
    応用昆虫学研究室
    植物医科学研究室
    生態調和農学機構
    環境ストレス耐性機構研究室/植物資源ゲノミクス研究室
    地域資源評価研究室
    資源生物創成学研究室
    資源生物制御学研究室

    特別な制度・その他

    One Earth Guardians 育成プログラム (略称OEGs):農学部の学部生・院生向けプログラム。「100年後の地球に貢献する科学者」を育てることを目指している。OEGs候補生は、企画立案から実行まで行う「実学研修」と「認定科目」とをそれぞれ履修。学部3年生から博士課程まで、様々な学年・専修の学生が参加している。

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