2023.8.30
【応用生命科学課程】/【環境資源科学課程】
通称「森林(しんりん)」
人数 |
森林生物科学専修 10名程度 森林環境資源科学専修 14名程度 |
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ジェンダーバランス |
女性はおよそ1-2割程度 |
要求/要望科目 |
・要求科目 ・要望科目 |
就活or院進 |
就職:院進=4:6 |
公式サイト |
森林生物科学専修
森林生物科学専修は、森林生態系管理に関わる社会経済的、工学的、生物科学的知見から、森林生態系を構成する生物の特性や相互関係、森林修復などについて学ぶ。
森林環境資源科学専修
森林環境資源科学専修は、森林生態系管理に関わる社会経済的、工学的、生物科学的知見から、森林の環境形成機能や森林環境の活用、森林資源の持続可能な利用、それに関わる制度設計について学ぶ。東大の中でも数少ない、環境を真正面から扱うことのできる学科。
学ぶ内容は二つの専修でほぼ同じ。院に進むと森林科学専攻として統合される。いずれも実習が多いのが特徴。二つの学部を合わせて「森林」と略される。それぞれの略称は「生物」「環境」とされることもある。相違点については下記「両コースの違い」を参照。
卒業までに必要な単位は76単位。そのうち15単位までは、他学科の授業を含めることができる。卒論は8単位。
研究室には3Aセメスターから入ることになる。
・定員数と各科類からの受け入れ数
森林生物科学専修
受け入れ枠 | 第一段階 | 第二段階 |
---|---|---|
理二(指定科類) | 4 | - |
全科類 | 2 | 2 |
理科(指定科類) | - | 2 |
自然が好きな学生が多い。他学科から転属してくる人もいる。文系出身者も多く、最近は3割ほどを文系が占めることも。
森林環境資源科学専修
受け入れ枠 | 第一段階 | 第二段階 |
---|---|---|
理二(指定科類) | 6 | - |
全科類 | 4 | 3 |
理科(指定科類) | - | 1 |
授業への向き合い方は人それぞれで、部活やバイトに精を出す学生もいる。授業の単位は比較的取りやすいが、実習が多いため、楽して卒業できるわけではない。なお、2020年度・2021年度の授業においては課題はそれほど多くなかったが、コロナの流行が課題量に影響している可能性がある。
自分の望む形で学びを深めることができ、先生からのサポートも手厚い。
最大の違いは課程が異なることであり、森林生物学専修は「応用生命科学課程」、森林環境資源科学専修は「環境資源科学課程」での卒業となる。
また、一部科目の選択が異なる(下記参照)。さらに、定員は森林環境資源科学専修の方が多い(生物10、環境14)。
詳しくはこちらのページも参照。
東京大学 大学院農学生命科学研究科 森林科学専攻 公式Instagramのアカウント、utokyo_forest_science はこちら
科目 | 区分 | 開講時限 |
---|---|---|
動物生態学 | 選択必修 | 金曜3限 |
植物生態学 | 選択必修 | 金曜4限 |
森林環境科学汎論 | 選択必修 | 月曜2限 |
農学リテラシー | 必修 | 集中W |
※選択必修は以上3科目のうち一科目を選択。
2年生Aセメスターでは、「農業総合科目」から4単位以上、「農業基礎科目」から選択必修(2単位)を含む6単位以上を取得した上で、16単位以上、22単位までを取得する必要がある。
農学リテラシーは農学部の学生が全員必修となる授業である。
・このセメスターは座学中心の授業が展開される。
・時間に余裕があるため、他の専修の専門科目も受講可能。
・3年生、4年生は忙しくなるため、2Aセメスターのうちに取れる単位はできるだけ取ってしまった方が良い。
科目 | 区分 | 開講時限 |
---|---|---|
生命倫理(S1) | 選択必修 | 月曜5限 |
森林経理学 | 選択必修 | 金曜1限・集中 |
造林学 | 選択必修 | 月曜2限・集中 |
森林政策学 | 選択必修 | 水曜2限・集中 |
生物環境物理学 | 選択必修 | 木曜2限・集中 |
森林利用学 | 選択必修 | 月曜1限・集中 |
森林植物学 | 選択必修 | 火曜2限・集中 |
森林動物学 | 選択必修 | 金曜2限・集中 |
森林計画風景学 | 選択必修 | 水曜1限・集中 |
森林科学基礎実習Ⅰ | 選択必修 | 火曜3,4限・水曜3,4限・集中 |
森林科学基礎実習Ⅱ | 選択必修 | 木曜3,4限・金曜3,4限・集中 |
森林科学基礎実習Ⅲ | 選択必修 | 集中 |
森林科学基礎実習Ⅳ | 選択必修 | 集中 |
3、4年生では、
・「農学共通科目」:2Aセメスターで履修する「農学リテラシー(必修)」を含む3単位
・「課程専門科目」:選択必修(森林経理学/造林学/森林政策学/生物環境物理学/森林利用
学/森林植物学/森林動物学/森林計画風景学)から12単位以上を取得した上で24単位
・「専修専門科目」:選択必修(森林科学基礎実習Ⅰ〜Ⅳ)6単位以上を取得した上で10単位
以上の取得が必要となる。
・必修がないため、単位の取得が難しいと思った科目については受けないという選択もできる。
・午前座学、午後実習が基本路線。これらの単位は4年生でも取得できるが、3年次に取っておくことが望ましい。
・実習では、日本国内外のさまざまな場所にある森林を訪れることができる。扱う内容も植物や水生生物、昆虫の採集、測量、樹木の伐採など多岐にわたる。また、実習を通して同期と仲良くなれる。
・森林生物科学専修と森林環境資源科学専修とでは課程専門科目での選択科目が異なる。
科目 | 区分 | 開講時限 |
---|---|---|
環境倫理(A1)/技術倫理(A2) | 選択必修 | 月曜5限 |
・専修の必修科目はないが,選択科目の授業(座学・実習)が行われ、自分の興味や必要な単位数に応じて授業を取る。週およそ10コマ程度
・秋に研究室が決定する。人数制限がないため、各人が興味のある研究室を選ぶことが可能。事前に研究室訪問をしたり、研究室ごとに行われる実習で研究室の様子を聞いたりしておくと良い。
科目 | 区分 | 開講時限 |
---|---|---|
卒業論文 | 必修 |
・数少ない必修科目。
・指導方法は研究室によりさまざまである。理系と文系両方の研究室があり、前者は調査 や実験中心、後者は文献調査やインタビューが中心となる。
・4年生の夏に院試がある。
科目 | 区分 | 開講時限 |
---|---|---|
卒業論文 | 必修 |
・2月半ばに論文を提出する。発表会も行われる。
・「理二の人が多いと想像していたが、文科から進学する人が思ったより多かった。文科出身の人も授業についていけないということはなかった印象。」
・「授業科目が予想以上に幅広かった(理系科目だけでなく文系寄りのものも1/3くらいある)。浅く広く、という印象なので生物系を深く勉強したかった自分にとっては少し物足りないところもあった。」
(理科二類→森林生物科学)
・「理系が大半だと想像していたが、思っていたより文系出身者が多い。
授業についても、理系科目に苦戦するかと思っていたが、文系出身でも十分に対応できる。
ただ、駒場の数学(線形代数・微積)は押さえておいたほうがいいと思う。」
・「さまざまな学問領域に触れることができる。植物学、動植学、水文学、労働科学、風景学、土木工学、経営工学、生産工学など。その点では「自分のバックグラウンド×森林」で専門性を深めやすい。」
(文科二類→森林環境資源)
「緑地環境学専修と迷ったが、森林の広大すぎるフィールド(東大の敷地の99%は演習林)に惹かれて、進学を決めた。」(理科二類→農学部)
他にも、フィールド科学専修や工学部都市工学科などと迷うことが多いとのこと。
項目 | 内容 |
---|---|
ズバリ、学生間のつながりは: 10(強いと感じる)↔0(全くない) |
【7-8】(*1) |
LINE | 有 |
Slack | 無 |
オフラインでのつながり | 有(*2) |
上下のつながり | 有(*3) |
*1 学科部屋が存在し、そこに集まって試験勉強や課題などを行うことができる。また、実習でも仲良くなる。
*2 コロナ流行前は、学科部屋で飲み会をしたり、何人かで山に行ったり、あるいは実習後に旅行に行ったりしていた。コロナが流行する現在は、学科部屋が使えないためなかなか集まることはできないが、オンラインで集まることがある。
*3 「林学会」と呼ばれる、森林科学専攻に所属する学生と教職員が参加する会があり、有志で飲み会やソフトボール大会、スキーなどを行う。
項目 | 内容 |
---|---|
1クラス当たりの人数 | 10名~30名 |
成績評価 | レポート:試験=2:8 |
・出席をとる授業もあるが、単位の取得にはレポートの提出または試験の受験が必須。また、最終の試験や課題のウエイトが高い。
農学部公式の「教員カタログ」はこちら
(各教員の研究内容が平易に書かれているだけでなく、目指す教育内容や研究室の人材輩出実績など進学選択の意思決定に役立つ情報が盛りだくさん。)
〈研究室紹介〉
龍原先生/森林経理学研究室
丹下先生/造林学研究室
古井戸先生/林政学研究室
熊谷先生/森林生物地球科学研究室
吉岡先生/森林利用学研究室
福田先生/森林植物学研究室
久保田先生/森林動物学研究室
山本先生/森林風致計画学研究室
鎌田先生/森林圏生態学研究室
山田先生/森林生物機能学研究室
石橋先生/森林圏生態社会学研究室
蔵治先生/森林流域管理学研究室
小島先生/樹木生理学・熱帯造林学研究室
練先生/森林共生生物学研究室
則定先生/樹木環境生理学研究室
※鎌田先生、山田先生、石橋先生、蔵治先生の4研究室は附属演習林の所属
※小島先生、練先生、則定先生の3研究室は附属アジア生物資源環境研究センターの所属
※以下の大学院新領域創成科学研究科 自然環境学専攻の3研究室でも卒論研究が可能
奈良先生/陸域保全生物学研究室
鈴木先生/陸域生態系動態学研究室
中村先生/陸域景観情報学研究室
・One Earth Guardians 育成プログラム(略称OEGs):農学部の学部生・院生向けプログラム。「100年後の地球に貢献する科学者」を育てることを目指している。OEGs候補生は、企画立案から実行まで行う「実学研修」と「認定科目」とをそれぞれ履修。学部3年生から博士課程まで、様々な学年・専修の学生が参加している。
最後まで記事を読んでくださりありがとうございました!
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2024年度入学者用LINE
諸科学に関する世界水準の教育・研究を進め、食料・環境をめぐる多様な課題に取り組む専門性豊かな人材を養成する学部
【獣医学課程】通称「獣医(じゅうい)」
【環境資源科学課程】通称「国農(こくのう)」