教養学部
超域 現代思想コース

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教養学科 超域文化科学分科

目次

    基本情報

    人数

    5名程度

    ジェンダーバランス

    少人数学科のため、年によって変動しやすい

    要求/要望科目

    要求科目
    なし


    要望科目
    なし

    就活or院進

    年度ごとにまちまちであるが、卒業後の進路としては、国家・地方公務員、国際機関、出版・報道・メディアをはじめ多様な分野にまたがる企業など、選択肢の幅自体は広い。

    公式サイト

    http://fusehime.c.u-tokyo.ac.jp/senior/gendai-shiso/index.html

    学科概要

    ■どんなコース?

     教養学部 教養学科 超域文化科学分科 現代思想コースは、狭義の「哲学」に特化した専門性の追求にとどまることなく、現代思想と現代哲学の膨大な知的資源を主な素材としながら、世界の多様な現実との対話を通して、「開放系」としての哲学・思想を探求するコース。西洋・東洋の分断を超えた哲学・思想の遺産と、人文・社会諸科学の成果を正確に踏まえながら、知識と行為、言語とコミュニケーション、国家と歴史、倫理と宗教など、現代の生と社会の諸現象を、人間存在の根本から思索することを目指す。
     

    ■卒業要件単位

    卒業必要単位数は合計76単位以上。コース科目26単位以上、言語科目20単位以上(※1)、高度教養科目6単位以上(※2)、卒業論文10単位以上を満たす必要がある。
     
    ※1:同一言語10単位以上を含め、2言語以上を履修しなければならない。なお、言語共通科目のうち「英語」については6単位を取得上限とする。
    ※2:高度教養科目とは、後期課程の学生が履修することができる、教養学部内の他学科/コース開講科目。自身の専門分野には直結しないことが多い、学際的内容の概論講義やグループワークが多く、国際研修の一部もこれに該当。前期生でいう「主題科目」に該当し、主題科目と合同開催される例も多いので、前期生が講義にいることも。
     

    ■進学定数は?

    ・超域文化科学分科全体の定員数は36名で、受け入れ枠としては文一・二と文三からの2つの指定科類枠と、全科類枠が存在する。
     
    定員数と各科類からの受け入れ数

    受け入れ枠 第一段階 第二段階
    文Ⅰ・Ⅱ(指定科類) 6 2
    文Ⅲ(指定科類) 13 9
    全科類 5 1

     
    ※超域文化科学分科として進学選択を行い、その後コースを選択する。したがって、この受け入れ数は同分科のものである。
     
    第二段階・第三段階指定平均点
    超域文化科学分科では第二・第三段階のみ通常と異なる方法で平均点が算出される。
    超域文化科学分科第二・第三段階指定平均点
    =全履修科目の(評点×単位数×重率)の総計÷全履修科目の(単位数×重率)の総計
    詳細は、履修の手引き94ページを参照。
     

    ■内実は?

     哲学概論のような必修の授業はなく、卒論のためのゼミも存在しないため、自学自習をできるかどうかが問われる。学科の雰囲気としては基本的に個人プレーであるが、2021年度は2020度の卒業生を中心にコミュニティ形成がなされているため、今後変化する可能性がある。
     

    ■他学部・他学科との違いは?

     文学部の哲学専修と比べた場合、西洋哲学に限られることなくアジアの思想や精神分析学、そして宗教的思想についても考えうるなど、裾野が広いことを特徴としている。コースそのものがピントを絞っているわけではないので、独学によるピント合わせが必要になることもまた、特徴に含められる。

    卒業までの流れ

    2年生Aセメスター


     ■演習盛り沢山の2A

    科目 区分 開講時限
    現代哲学演習 選択必修 A月曜3限
    現代思想特殊研究Ⅲ 選択必修 A火曜2限
    現代哲学特殊演習Ⅲ 選択必修 A火曜2限
    現代哲学特殊研究Ⅰ 選択必修 A火曜3限
    現代哲学特殊演習Ⅰ 選択必修 A火曜3限
    現代哲学特殊研究Ⅲ 選択必修 A火曜4限
    倫理宗教論演習(2) 選択必修 A火曜5限
    現代哲学 選択必修 A水曜2限
    現代思想特殊演習Ⅰ 選択必修 A水曜3限
    倫理宗教論 選択必修 A水曜4限
    現代思想特殊研究Ⅰ 選択必修 A水曜4限
    文化社会論(2) 選択必修 A木曜2限
    現代哲学特殊研究Ⅱ 選択必修 A木曜3限
    現代哲学特殊演習Ⅱ 選択必修 A木曜4限
    文化社会論演習(2) 選択必修 A金曜2限
    現代思想演習(2) 選択必修 A金曜4限

     
    ※研究と演習の内容に大きな違いはないが、同じ教授の授業単位を通年、あるいは複数年度に渡って取得可能にするために、異なる授業名になっている。
     
    ・19世紀ドイツの哲学史に関する文献購読の授業で、最終回の後に打ち上げが行われた(例年は飲食店で打ち上げをしているが、2020年度は残念ながらオンライン開催だった)。その際、打ち上げにもかかわらず、会話の題材が哲学だったことが印象的だった。
    ・進学後、内定生同士や上級生との顔合わせ会が存在する。



    3年生Sセメスター


     ■授業本格化、3S

    科目 区分 開講時限
    現代思想特殊研究Ⅱ 選択必修 S月曜3限
    現代哲学 選択必修 S月曜5限
    現代思想特殊演習Ⅲ 選択必修 S火曜2限
    文化社会論(1) 選択必修 S火曜5限
    現代哲学特殊演習Ⅱ 選択必修 S水曜4限
    倫理宗教論演習(1) 選択必修 S木曜2限
    文化社会論演習(1) 選択必修 S木曜3限
    現代思想演習(1) 選択必修 S金曜2限
    現代思想 選択必修 S金曜4限

     
    ・ラテン語購読の授業では、1コマかけて文献の読解が1段落も進まなかったことが記憶に残っている。
    ・卒論のガイダンスが行われ、卒業の足音が近づいてくる。進路についても、3Aまでに決めている人が多い印象。



    3年生Aセメスター


     ■興味関心を絞り込み始める3A

    科目 区分 開講時限
    現代哲学演習 選択必修 A月曜3限
    現代思想特殊研究Ⅲ 選択必修 A火曜2限
    現代哲学特殊演習Ⅲ 選択必修 A火曜2限
    現代哲学特殊研究Ⅰ 選択必修 A火曜3限
    現代哲学特殊演習Ⅰ 選択必修 A火曜3限
    現代哲学特殊研究Ⅲ 選択必修 A火曜4限
    倫理宗教論演習(2) 選択必修 A火曜5限
    現代哲学 選択必修 A水曜2限
    現代思想特殊演習Ⅰ 選択必修 A水曜3限
    倫理宗教論 選択必修 A水曜4限
    現代思想特殊研究Ⅰ 選択必修 A水曜4限
    文化社会論(2) 選択必修 A木曜2限
    現代哲学特殊研究Ⅱ 選択必修 A木曜3限
    現代哲学特殊演習Ⅱ 選択必修 A木曜4限
    文化社会論演習(2) 選択必修 A金曜2限
    現代思想演習(2) 選択必修 A金曜4限


    4年生Sセメスター


     ■卒論執筆スタート、4S

    科目 区分 開講時限
    卒業論文演習Ⅰ 必修 S集中

     
    ・卒論のためのワークショップ等は存在せず、4年生の4月には題目・草案を提出する必要がある。
    ・卒論に関する指導教員との面談は学生の主体性に任されており、学生の側からアポを取る必要がある。
    ・コース内での卒論の口頭発表が年に数回行われる。



    4年生Aセメスター


     ■卒論に全集中の4A

    科目 区分 開講時限
    卒業論文演習Ⅱ 必修 S集中

    入る前の想像と実際

    ・思っていた以上に語学の必要単位数が多かった。また、「現代思想」ということばを聞いて日本の大学生が思い浮かべるのは、いわゆる「(ヨーロッパの)ポストモダン」と名指される思想群だが、実際にコースが名前として掲げる「現代思想」とは、ひとことでまとめるなら「現代という時代にとって、アクチュアルな課題を持つ思想」。ゆえに扱われる時代も場所も極めて多様であり、所属する教授の専門分野を調べておかないと、肩透かしを食うかもしれない。(文二→現代思想)

    選んだ理由/迷った学科

    ・文学部の哲学専修や総社の相関コースなどと共通する部分はあるものの、特に迷った学部や学科はなく、大抵の学生が本コースの教授の専門を見て決めている印象。(文二→現代思想)

    コミュニティとしての機能

    項目 内容
    ズバリ、学生間のつながりは: 10(強いと感じる)↔0(全くない) 5(※1)
    LINE
    Slack
    オフラインでのつながり 有(※2)
    上下のつながり 有(※3)

    (※1):コースのメンバーはたった5人しかいないため、少なくともコースに関してはすぐに繋がることが可能。
    (※2):コロナ後は、大学院生も含めた交流会(サンドウィッチ会など)が定期的に企画・開催されている。
    (※3):院生も交えた読書会が開催されている。

    授業スタイル

    項目 内容
    1クラス当たりの人数 5-20名程度※
    成績評価 出席/レポート

    ※コース生のみが履修する授業は存在せず、他学部や他コースからの履修生もいるため、人数は授業により大きく変動する。講義形式なのか、講読形式なのか、そして講読形式に限っても、大学院生とともに受けるか学部生だけで受けるかによって人数が異なる。また、他の学部・学科や他コースの授業も受けないと卒業単位数が足りないため、それらの授業の人数も勘案するときわめて幅が大きい。したがって、授業としては前期課程の総合科目を縮小したものというイメージ。

    研究室・資料

    担当教員一覧
    ○教員紹介(一部)
    朝倉友海先生:形而上学史(スピノザ・ライプニッツを中心とする)、東アジアの近代哲学、意味の理論
     ものの見方が近現代哲学の枠組みにどこまで規定されているかを尋ねながら、東アジア的な形而上学の可能性について解明を進めている。
     
    石井剛先生:中国哲学史
     日本と中国に長く縁があり、そこに関わるテクストを主な研究対象にしている。2023年度現在、EAA(東アジア藝文書院)院長を務める。
     
    王欽先生:中国現代哲学、批評理論
     
    大石紀一郎先生:近現代ドイツ思想史、ニーチェとその受容、ドイツ政治文化
     ニーチェの思想の解釈とその受容史の研究から出発して、その後は解釈学の知見に照らして解釈の(不)可能性の条件を考察し、批判理論との取り組みを通じて文献内在的解釈の限界と学際的な研究の条件について模索している。
     
    梶谷真司先生:現象学、身体論、比較文化、医学史(主に日本の近世~近代)、哲学プラクティス(哲学対話・哲学×デザイン)
     
    國分功一郎先生:スピノザを中心とした17世紀哲学、フランス現代思想、民主主義の理論、精神分析、精神医療

    斎藤幸平先生:経済思想、環境思想
     
    斉藤渉先生:哲学・思想史(特に啓蒙思想の比較研究)
     
    中島隆博先生:中国哲学の脱構築、東洋と西洋の比較哲学研究、儒教復興と世俗化
     最近の問題関心は、日本・中国・欧・米の四極構造を見据えながら、1)「中国哲学(史)」・「日本哲学(史)」がどう表象されてきたのか、2)「中国近代美学」という近代的な表象制度が中国においてどのように成立してきたか、そして3)東アジアの近代において哲学と国家の距離をどう測り直すかを考えることにある。
     
    古荘真敬先生:現代哲学、現象学、ハイデガー、実存思想、言語論
     
    星野太先生:思想史、西洋美学史

    特別な制度・その他

    サブメジャープログラム:所属コースの主専攻だけではなく、他コースが提供する15単位程度の科目群を副専攻として履修するプログラム。修了生は卒業時に、卒業証書だけではなく、サブメジャー・プログラム修了証ももらえる。
     
    学融合型プログラム:分野横断的な学習を行うプログラムで、グローバル・エシックス、グローバル・スタディーズ、東アジア教養学、進化認知脳科学、科学技術インタープリターの5種類がある。例えばグローバル・エシックスでは社会・人文科学系の問題のみならず自然科学やテクノロジーに関わる諸問題に対応していくための包括的な価値観や倫理に関わる判断を下す力を身につけることを目的としている。文理の壁を超えてより複眼的知識を身につけたい人は検討してみても良いだろう。詳しくはこちらを参照。

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