エンカレッジ東大支部は、キャリア支援サービスを提供するNPO団体である。
全国100以上の大学に拠点があり、3000人以上の学生メンターが中心となって運営している。2019年は1万6000人の就活生が利用し、日本最大のキャリア支援団体として年々規模を拡大している。昨年は、東大就活生の3人に1人が利用していた。
東大支部は全国にある支部のひとつとして、現在就活中または就活を終了した現役東大生の23卒メンターが、24卒の就活生をサポートしている。
そんなエンカレッジ東大支部が、1・2年生向けに新たに開始した取り組みが「エンカレッジ東大1・2年生支部」である。
「エンカレッジ東大1・2年生支部」は、エンカレッジ東大支部と同じ現在就活中または就活を終了した23卒現役東大生が、東大の1年生、2年生のサポートを行っていく。
大学3年生、修士1年生になって突如始まる就活。社会理解や自己理解を十分深める時間もなく選考対策に追われ、最終的に疑問の残して就活を終える東大生は少なくない。その社会理解や自己理解を深めるためには早いうちからそれらに取り組む必要がある。それをサポートしていきたいという思いから誕生したのが、「エンカレッジ東大1・2年生支部」だ。
「エンカレッジ東大1・2年生支部」ではいわゆる就活支援にとどまらず、より本質的に自分なりのキャリアを、生き方を考え、仮説を検証する場を提供する。早い段階から社会に対する解像度を高め、学生時代を「なんとなく過ごす」から「意思を持って過ごす」に変えていくための支援を行っていく。
【Mission】
「日々に、人生に、ひたむきに」
【エンカレッジ東大1・2年生支部の想い】
「エンカレッジ東大1・2年生支部」は日本のキャリア教育の本質的な課題を解決し、東大支部本体の目指す世界観、エンカレッジが目指す世界観を実現するためになくてはならない存在です。
私たちが考える日本のキャリア教育の本質的な課題とは何か。それは、自己内省・社会理解・仮説検証の3点に対する支援の圧倒的不足です。現行の就職活動においては、往々にして目先の選考対策に集中せざるを得ず、腰を据えて自己内省をしたり、仮説を検証したりする時間がありません。また、様々に広がる選択肢や可能性を十分に検討することができないまま、なんとなく就活が終わってしまうことも多々あります。
デルフォイのアポロン神殿には、“γνῶθι σεαυτόν(汝、自身を知れ)”と刻まれています。
自身を知るということは、実存主義的な現代において、まさに古代ギリシア人がそうしたように、人生をかけて向き合っていくべきものなのです。自己分析にしろ、志望動機にしろ、本来他人を納得させるためではなく、自分が真に納得するためのものであるはずです。そして真に納得するためには長い時間をかけて問い続け、動き続けることが必要です。就活の1年で実現するものでは、あり得るはずがないのです。
1・2年生と言う時期に、選考対策に先行して長期的なスパンで「フラットに様々な選択肢を検討し」「自己内省を深め」「意思をもって日々の行動選択をしていく中で」「理想状態に対する仮説を検証していく」こと。この支援こそ、これまでのエンカレッジに足りないものであり、「エンカレッジ東大1・2年生支部」ができることであり、成し遂げていくことなのです。
また、私たちは「就活だけ頑張る」というカルチャーを根本から変えていきます。
「あなたらしくに、直走る」(エンカレッジ東大支部本体のMission)
これを実現するためには、就活だけ頑張ってもダメなのです。
あなたらしい選択を。あなたらしい目的を。あなたらしい人生を。
それらに向かって直走るためには、他の誰でもない「あなた」に向き合う必要があります。1・2年生という早い段階からそこに向き合い、試行錯誤や意思決定、結果、それらから得た学びなどが「あなた」に刻まれ、あなたらしさが醸成されていきます。
私たちは、あなたらしくに、直走り続けて欲しい。
その基礎を1・2年生で作り上げていきたいと考えています。
「就活で評価されるようにアピールできるように頑張る」のではなく「日々に、人生に、ひたむきに向き合う」。
そのようにしてはじめて「あなたらしくに、直走る」が実現されます。そのような学生を増やしていくことが、「エンカレッジ東大1・2年生支部」の使命であります。
将来はどんな選択肢があるのだろう。
学部ではどんなことを勉強し、そこで学んだことはどうキャリアに接続するのだろう。
幸せって、何だろう。
それらを考えたくても、情報がない。壁打ち相手がいない。
私たちはそのような学生の助けになっていきます。