奈良県から理科一類に合格し、今年2年生となるK.U.さん。彼は1Sセメスターの時期にどんな活動をしていたのかインタビューをし、記事にしました。
インタビュアー:北村優佳(理科二類新2年)
—----入学当初、どのようなモチベーションだったかを教えてください。
入学した時は、かなりいろんな活動をしてみたいというモチベーションは高かったです。ただ、「大学の勉強をがんばろう!」というよりは、「いろんなサークルに入っていろいろな活動を頑張ろう!」という気持ちでした。これは、受験勉強で勉強に疲れていたということと、自分は一浪をしていたので、遅れた分頑張りたいという気持ちがあったからです。なので、サークルやプログラムをたくさん調べましたね。
—----どのように情報を集めて、どのような新歓イベントに参加しましたか?
Twitterやオリエンテーション委員会のサイト、UT-BASEのサイトで情報収集をしていました。その中で見つけたUT-BASEのジャンル別の新歓や、各サイトで見つけたいくつかの興味のある団体の個別新歓に参加しました。特に新歓イベントの行われる時期は、引越しなどで忙しい時期と被っていたので、夜などの参加できそうな時間のイベントを選んで行っていました。
—----1Sセメスターで行っていた活動について教えてください。
加入したサークルは、desining plus nine(※1、通称dp9)というデザイン系のサークルです。自分は元々デザインに興味があり、デザイン系のサークルがあれば入りたいと思っていました。そこで東大のデザイン系サークルを探したところ、このdp9を発見し、すぐ加入しました。1Sの授業以外の活動は、5月祭の準備などdp9の活動を多くしていました。dp9の活動はほぼオンラインだったので、対面で他のメンバーと会う機会はほぼなくサークルに関してはオンライン中心でした。
また、宇野ゼミ(※2)にも入っていました。ゼミ系の合同新歓に参加し、「何かしら入ってみたい」と思っていましたが、引越しなどで当時は忙しく、ゼミの存在を知ったのが申し込み締め切り直前だったということもあり、選考があるゼミに申し込むのは非常にハードルが高かったため、選考のない宇野ゼミへの加入を決めました。宇野ゼミでの活動も基本オンラインで、毎週渡される「ケース」という教材について、「このような事例を解決するにはどうすれば良いか」という議題で何人かのグループで考え議論するということを行います。ケーステーマは、新人社員から中間管理職、経営者まで、様々な人生の局面に立った社会人をもとにしていて、事前に数人のグループを組んで予習をした上で、全体の議論に臨んでいました。(例:1年目の平社員/中間管理職/自営業/大企業の経営者/楽天の三木谷社長)
(※1)desining plus nine:東大生と藝大生のインカレデザインサークル、通称「dp9」。詳しくはこちら。
(※2)宇野ゼミ:ケース教材やゲスト講義を通じてディスカッションする1,2年生向けのゼミ。詳しくはこちら。
日々の授業に関しては、無茶苦茶頑張ったわけではないですが、ある程度モチベーション高く維持して取り組むことができました。特に印象に残っている授業として、「ブランドデザインスタジオ」(※3)という博報堂と東大が共同で主催するものがあります。自分は先ほど言ったようにデザインに興味があったので、デザイン系のプログラムを探していた時に発見し、説明会に参加して、授業をとることにしました。授業内では、社会人の方やいろいろな学年の人とチームを組んで新しいブランドを作るというテーマで活動したのですが、その時間はとても濃いものでした。去年の1Sセメスターの授業テーマが「新しいご近所のブランドを作る」だったのですが、「ご近所」がテーマということで、さまざまな街を訪れることができました。初めて上京し、いろんな街を巡る中で東京のいろんな街を知ることができたというのもそうですし、チームの人と対面で活動できたということも自分の中では大きなことでした。
(※3)ブランドデザインスタジオ:KOMCEE WESTで、商品やブランドなどの新しい価値を発想・構想する特別プログラム。詳しくはこちら。
—----当時の日々の過ごし方やそれに対してどう感じていたかを教えてください。
授業のある日は、朝から夕方まで授業を受け、それ以降はあまりうまい時間の使い方はできていませんでした。というのも、新しい生活に慣れるのが大変だったからです。最初は自炊を頑張っていたので、夕方授業が終わってから買い物へ行き、夕飯を作っていたのですが、それだけで大分時間が過ぎていきましたね。
日々の実感としては、「意外と一人暮らししてると家事などで時間がなくなっていくなあ」という感じでした。今思うと、あまりいい時間の使い方ではなかったというふうにも思います。新しい生活に慣れるための時間だったとも言えるでしょうか。
ただ、休みの日は東京のいろんなところに行ってみるなどして、新しい環境での生活を楽しむこともできていました。最初は家の周りをぶらぶら歩いたりして、徐々に範囲を広げて歩いたり、自転車を使ったり、友達に紹介してもらった場所へ行ってみたり。「こんなところがあるんだ」という気づきを得られることが、とても楽しかったです。
—----これはやっていて特によかったなと思うことを教えてください。
dp9やブランドデザインスタジオ、宇野ゼミなど、とにかく何かしらのコミュニティに入ることができてよかったというふうに思います。クラス以外で人と知り合える環境に身を置くことができたことは非常に大きなことでした。ここでの経験や人との関わりが、1Aセメスター以降の活動の幅を広げることに繋がりました。ただ、せっかく1Sのうちに活動する場所なので、もっと深く調べて色んな選択肢を持てばよかったなとは思っています。
さまざまな団体をみる中で意外だったのは、運営が大変そうなところが多いということです。はじめは中高の部活の延長のノリ、あるいはもっと自由な枠組みの中で好きに活動できるものかと思っていたので、色々mtgを重ねて学生が全て運営をしているという大変さや、そこの面白さは大学に入る前に想像していなかったことです。dp9でも、デザインをやることくらいしか活動内容を考えていませんでしたが、運営上やらないといけないことが多く、少し想定外でした。ただ、この運営の体験で得られる経験というものも数多くあったので、色々飛び込んでみて挑戦するのは非常に大事なことだなと思います。
—----逆にこれはやったほうがよかったなと思うことがあった場合教えてください。
まずは、もっと大学の学問と向き合う時間を作ればよかったということです。東大にはいろいろな面白い総合科目などがあるので、聴講などの制度を利用していろんな授業を受けることができればよかったというふうに思います。また、授業に関して自分でいろいろ深めたり、さまざまな本を読んだりすることもできればよかったです。他のゼミなどで、アカデミックな方向に深めている人を見ると、自分も1Sセメスターからより深い学習をしていればよかったなと感じます。
次に、免許を取ったりバイト始めたりすることをやっておけばよかったなと思います。いつかはやらないといけないとは思っていましたが、「まだ1Sセメスターだからいいか、夏休みにやればいいや」と思っていたところ、夏休みは夏休みでいろいろやりたいことが出てきて、1Aセメスターはより忙しくなったので、まだ余裕のある1Sセメスターから始めていればよかったですね。
—----最後に新入生に一言お願いします。
1Sセメスターのうちは、いろいろなところに行って、いろいろなサークルや団体に入ってみるのがいいのではないかと思います。サークルを一つだけ選んで入っても、自分とは合わないということも考えられるので、この時期はさまざまなところに顔を出してみて、その中で自分に合うところで活動を続けられるといいと思いますし、そこでの出会いがそれ以降の活動にもつながると思います。とにかく、1Sセメスターのうちにいろいろ挑戦してみましょう!
また、意外と1Sセメスターの成績は大事なので、挑戦と同時に、進振りに向けて成績のこともしっかり考え、勉強も頑張ってくださいね!