今回はinochi WAKAZO Project i-GIP の代表、東京大学2年生の島碧斗さんにインタビュー!
Q1. 加入した一番大きな理由は?
「実は inochi WAKAZO Project 主催のイベントに高校1年生の時に参加した経験があり、団体のことは元々知っていました。当時プロジェクトへの参加を通じて、自分は本当は何に関心があるのかを考え直すきっかけを得たように感じます。
今まで環境など外的要因からある程度影響を受けてきた自分の進路を考え直した時に、自分は「人の健康」というテーマに関心があるのではないか、ということに気がつきました。その時から、いつか身近に医学生がいるコミュニティで医療を通じて社会を見直す経験をしてみたい、と思っていました。
大学生になってから、他にも医療系サークルや学生団体はある中で、inochi WAKAZO Projectに入ろうと思ったのは、自分のアイディアを実際に社会で実現できるという点に魅力を感じたからです。
例えば自分が高校生の時に参加した年のテーマは「自殺対策」でした。プロジェクトでは精神疾患をもつ患者さんを取り巻く環境の課題を調べ、その解決のために実際に自分に何ができるのかを考えました。私たちの班は精神科における診察時間の短さに着目し、診察外の時間に患者さんがサポートを受けられるように、また、より患者さんの情報をスムーズに医師に伝えるために、患者さんとAIが対話するチャットボットを診察に導入することを考えました。
諸々の事情がありこのチャットボットを実装するには至らなかったのですが、実際に等身大の自分が課題解決に関われるということを大事にしていたので、inochi WAKAZO Projectは自分にぴったりな環境だと思い、加入しました。」
ー医学というと勝手に学生にはハードルの高い分野だと思っていましたが、私たちにもできることがあるんですね…!
Q2.個人の活動内容は?何が一番楽しくて活動を続けていますか?
「現在は団体初の『非医学生の代表』を務めています。
そして、中長期的な視点から・自分達のプログラムにはどのような存在意義があるのか・その達成のためにどのような道を描くべきかなどを常に考えています。特に団体としてどのような仕組みが整備されていればアイディアを実装するまで漕ぎ着けるのか、という点に一番注力しています。
というのも、中高生にはプログラムの終盤に自分達の考えた解決策をプレゼン形式で発表してもらっているのですが、プログラムは実質そこで終わり、という感じがどうしても出てしまい、実装に繋げるまでが難しいんですよね。これは受験、部活など中高生を取り囲んでいる環境的な要因が大きく、7月から10月までという長期間に渡って実装までコミットし続けるのが難しいのが理由になっています。
その一解決策として、今は『忙しい中でも継続的にコミットしたい』と思ってもらう
、つまり参加者のモチベーションの維持をどうやったらできるかを考えています。
また現時点ではアイディアを出すのは中高生がメインで担っていますが、今後は大学生が出すアイディアも大事にしたいと思っています。というのも中高生をサポートする運営側の大学生もリサーチを行ったり、課題を洗い出したりしています。その中で生まれてくる大学生が考えた解決策を形にできないか、模索しています。大学生は中高生に教えるという教育的役割を果たすだけで終わらず、団体の理念を忘れないためという意味でも大学生自身も実装に関わらなくてはいけない、という問題意識があります。」
「次に、何が一番楽しくて活動を続けているのか…ということについて言えば個人的にinochi WAKAZO Projectでの楽しさは、リサーチ→課題発見→解決策考案→解決策実装、というプロセスから得られる『新しいものを作り出している、社会を変えている』という実感にあると思います。以前僕は別の機会で政策提言の手法を学んだことがあるのですが、政策を考案したものの、その後自分はどうしたらいいか分からないという状態になりました。それに対してinochi WAKAZO Projectでは、解決策を考えた後にそれを実現し、社会を変えられるポテンシャルがあることにワクワクしていて、実装を目指す意識での活動が楽しいです。」
ー「社会を変えている感覚」はなかなか学生だと実感できる機会が少ないので、貴重な経験ができそうです!
Q3. 団体のズバリここが好き!
「所属している学生は医学部生、工学部生、文系の学生など多様ですが、それぞれ何かしらの軸を持って社会問題に取り組もうとしているのがいいな、と思いますね。例えば、工学部系の学生であれば既存の技術を拾い上げて医学の分野に活用できないかを模索したり、文系の学生であればそうした新たな技術が社会全体にどのような影響を与えるかミクロ・マクロ両方の視点で考えたりと、多様なバックグラウンドを持つ学生が居るからこそ可能な活動に取り組む点が好きです。半数ほどが医学部生ですが、文系だと活躍できないというわけではありません。inochi WAKAZO Projectでは、医療・ヘルスケアという業界のステイクホルダーの多様さを鑑み学生が考えたアイディアを主に4つの形態で実装しています。
1つ目はプロダクトの開発、2つ目は政策提言、3つ目は研究に繋げる、4つ目は当事者との対話です。
文系の学生は政策提言や当事者との対話を行う場面などでは特に力を発揮している印象があります。こういう風にどんな学生でも『人の命を救いたい』という思いさえあれば、活動できるのもいいなと思います。皆さん文理問わず社会にインパクトを残す手段を模索している感じがしますね。
あとは純粋にメンバーが優しくて好きです笑」
ー多様な興味を持つ学生が集まって同じ課題に取り組めるのは素敵ですね!
Q4.新入生に対して伝えたいことはありますか?
「学生団体の良さは金銭的な要素がない分、自分が本当にやりたいことに向き合え、新しい価値を作っていけるところにあると思います。もちろんやりたいことへの取り組み方は学生団体だけではないと思いますが、自分がチャレンジしたいことを模索して欲しいです。
inochi WAKAZO Projectには
・医療を現場や社会の目線から見てみたい
・医学と直接関わりがないけど関心がある
・課題解決能力を身につけたい
・新規事業(起業など)や政策提言を実行することに興味がある
こんな人たちにぜひ参加してもらいたいです!」
ー新しい価値を作る。学生団体という場を通してでこそ達成できる本当に素敵なゴールですよね。
終始言葉を慎重に選びながら、かつハッとさせられるような視点をたくさん下さった島さん。今日はどうもありがとうございました!