今回はMPJ Youthで渉外を担当する、東京大学2年生の金澤伶さんにインタビュー!
MPJ Youthの皆さんと。
休日の山下公園にてご友人と。
Q1. 加入した一番大きな理由は?
「思い返せば、それこそUTBASEの記事を見て、『日本一アフリカに近い団体』というフレーズを見つけ、気になり始めたかもしれません笑
元々、アフリカには興味があって。
高校一年生の時に、コンゴ民主共和国における紛争や人権侵害、武装勢力の紛争鉱物ビジネスに、私たちが消費者として、例えば鉱物を使ったスマートフォンを使うことで間接的に助長しているという事実を知りました。こうした実情を啓発するための講演会を行ったり、アフリカで紛争鉱物フリーの電子機器の開発を行うビジネスを展開する企業の人と交流する機会を設けたり、そこで得た知識を元にビジネスアイディアを国内外で発信したりする活動をしていました。現在も紛争鉱物フリー製品の販売宣伝協力をしたり、コンゴに関わるNPO法人で活動したりしています。
「アフリカ」は私の思考の全てを支える指針のようなものなので、MPJ Youthには自然な流れで入会しました。
それと、MPJが掲げる『アフリカを学び、発信する』というテーマに惹かれたんですよね。MPJでは、アフリカについてアフリカの目線で考えたことを発信したい・アフリカについての偏見や画一的なイメージを変えたいという意識を持ったメンバーが多くいます。先進国の支援は、私たちにとっての『平和』の概念を押し付けはいないか、開発を推し進めるだけの支援は正しいのか、といった問題意識を以前から持っていた自分にとってピッタリの場所だと感じました。」
ーUT-BASEのサイトがきっかけになったなんて!お役に立てて光栄です。
Q2.個人の活動内容は?何が一番楽しくて活動を続けていますか?
「今は主に、渉外の仕事をしていますね。
アフリカに関連する分野の研究者、企業、NPO、大使館等にコンタクトをとったり、その方達と講演会やパネルディスカッションを開いたり、などなど。それから、MPJ Youthも参加するTICAD8(アフリカ開発会議)という一大イベントの企画運営も渉外の仕事です。
※TICA8とは
TICADとは、Tokyo International Conference on African Development(アフリカ開発会議)の略。日本政府が主導するアフリカの開発をテーマとする国際会議。TICAD8は、2022年夏にチュニジアで開催予定。
TICAD8では、外務省と我々学生団体が提携してイベントを行い、MPJ Youthでは政策提言、基調講演・パネルディスカッション、フォトコン・映画祭、日アフリカ交流を開催します。MPJ Youthのメンバーはアフリカへの固定観念を問い直したいという強い思いがあるので、例えばインフラ開発=経済発展のような今までのロジックの捉え直しに繋がるような提言やイベントをしたいと考えています。
また、今は外務省と協力し合ってこのようなイベントを開いていますが、いずれはMPJ Youthが単独で主催する社会にインパクトのあるイベントを開催し、発信していく姿勢も培わないといけないなと感じています。もっとMPJ Youthが主体的に社会にインパクトを与えていくのが、今後の展望でもあり目標です。」
ー今後の目標...なるほど!
「実はMPJはここまで大きなイベントを開催した経験は浅く、渉外・広報など部局が分かれたのもここ数年なんです。今年は、海外のルーツを持つ学生とオンラインで交流するプロジェクトも行われました。
以前は内部の勉強会や現地への渡航研修がメインだったんですが、コロナ禍に入って研修がオンラインに切り替わってからは、現地の方とディスカッションをしたり、親睦を深めたりできるようなオンライン企画に力を入れる必要性をますます感じています。
また、春休みにはウガンダ渡航の代わりに伊豆へ国内研修に行ってきました。現地のマケレレ大学の学生・現地で起業した日本人・アフリカ支援NPO・JICA所長・元ウガンダ大使の講演やディスカッションから、MPJ Youthメンバーによるスワヒリ語講義まで、本当に豪華なイベント目白押しでした笑
ちなみに、伊豆にいく前には事前研修があります。週に1回、輪読会を行い、さらに政治・教育・経済などのテーマごとグループに分かれて個人研究をするんです。その中で、メンバーがより自分のテーマに対する考えを深めるためにお話を聞きたい方を見つけて、1人1人が直接アポを取り、研修に招きます。おかげで濃いコンテンツが結集しました。研修後も各々で研究テーマを深め、アーティクルを作成し、5月祭で研究成果をまとめて発表します。ここまでひっくるめて研修です。リサーチ→インプット→アウトプットという流れですね。」
ー国内研修、超楽しそうです!それにしてもスワヒリ語を習得したメンバーがいるなんて凄すぎる...笑
Q3. 団体のズバリここが好き!
「ちょうどいい『ゆるさ』ですかね。輪読会、映画観賞会、アフリカ食事会など、普段の勉強会よりもラフな企画も積極的に開かれて、ゆるさと真面目さを両立し、互いの行っていることを応援する雰囲気があるんですよ。こういう企画を通して、自分のやりたいこともできるし他のメンバーの興味関心を知ることができるので、本当に良い機会です。
それから、いうまでもなく人間関係ですね。メンバーが投げた提案や相談に対して先輩がすぐにフィードバックをくれますし、いつも応援してくれます。同期同士もそんな感じで、刺激を与え合っています。また、アフリカの情勢・文化、国際政治に関する論文やニュースなどの知見のシェアが行われたり、アフリカの論文サイトをまとめてくれるメンバーがいたりなど....ディスカッションしたがりな、学術的な興味の追求も惜しまない個性豊かなメンバーが好きです。」
ー知見のシェアが盛んなのは、お互い高めあうための最高の環境ですね!
Q4. 新入生に対して伝えたいことはありますか?
「地球上で起こる諸々の問題に自分なりに共感したり心を傷ませたりすること、皆さんあると思います。でも、じゃあ自分には何ができるんだろう?と考えると、自分だけでは答えが出ずにもやもやしてしまうこともあるのではないでしょうか。
そんな時に、同じようなことを考えている仲間と出会い、思いを共有したり、実際に行動に移せる機会は貴重だと思います。
活動を通して『私たち若者にできることは世界的なレベルで言えば少ないかもしれない。でもできる時に、手元からできることをする』姿勢の大切さを実感した気がします。
せっかくの”もやもや”を閉ざしたままでは勿体無いので、それを切り開くという意味では学生団体に入るのはおすすめです。
特にMPJ Youthは、自分の生活に関係しないと思われがちな遠い地アフリカは、実は自分が知らないだけで相互に影響を与えているという事実、知らなければ見過ごしやすい事実をアフリカに近い立場で見つめている団体です。学生時代にそういった鋭敏な視点で世界を眺める姿勢を身につけることは今後の人生に大きな影響を与えうるかもしれません。
世界をより良い方向に導く原動力があるとしたら、それは、人間の『共感力』です。
違いを乗り越えて、自分たちの優しさのベクトルを人から人、国、動植物や環境にも向けて欲しい。あなたの学生生活が共感と優しさに満ちたものになれば、それを取り巻く世界は劇的に変わります。」
ー共感力。遠い地アフリカに思いを馳せて、「今できること」を見失わずに活動を続けてきた金澤さんの言葉は取材メンバーにとっても非常に重みがあるものでした。
今日は本当にありがとうございました!