2Sの過ごし方#5 文系ながら理系科目に挑戦しつつ経済学に進んだ2S

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大学生活の中で、最も自由に使える時間が多いと言われる2Sの時期。

この時期をどう使うか、悩んでいる方も多いのではないでしょうか?

2Sをどう使うかということは、その後の選択に大きな影響を与えるかもしれません。

そこで、皆さんが満足のいく2Sをおくる一助となるよう、先輩たちの2Sの過ごし方をご紹介するのが、こちらの連載「2Sの過ごし方」!

今回の記事は、文系でありながらたくさんの理系科目をとり、その上で経済学に進むことを決めた学生の体験談です。

1. 基本情報

今回経験を共有してくださった方の情報は以下の通りです。

◯名前:Y.I.さん
◯科類:文科二類から経済学部
◯2Sのコマ数:10コマ(聴講含む )
◯2Sのサークル・部活など:馬路ゼミUT-BASE

2. 2Sの過ごし方

ーIさんは2Sをどのように過ごされていましたか?

僕の2Sは、ゼミもやりつつ理系科目と経済学の授業を多く取っていたため、授業がメインでした

まず、理系科目についてです。

僕は高校生の時に地理を学ぶ過程で、海流をはじめとした大気と海洋の大循環とその相互作用に興味を持っていました。そのため、文科二類に入学しましたが理転(理学部の地球惑星物理/地球惑星環境学科が具体的な進学先候補でした)も考えており、理系科目(特に大気海洋科学)を積極的に取っていました。具体的には、理系の必修である「力学」や、「惑星地球科学実習」を履修し、また「惑星地球科学II(理科生)」と「気候物理学入門」を聴講しました。これらの学問は、高校地理を学ぶ過程で、海流をはじめとした大気と海洋の大循環とその相互作用に興味を持っていたので、元々関心があったものではありました。ただ、1年生の間は必修などがあり授業が忙しかったので取っておらず、2Sになって時間に余裕ができたので「理系科目を取ってみよう!」と思いました。

理系の授業を取ってみて何より感じたことは、前提知識が多くとても難しいということです。理系の人たちは高校時代の勉強に加えて大学でも1年間勉強してきているので、実力の差を痛切に感じました。2S開始時点では理転したいと考えていましたが、理転するにあたって必要な要求科目を満たせなかったこと、そして理系と理系科目で争うことの難しさを感じたことが、経済学部進学を決めた二つ目の大きな理由になります(一つ目は経済学部推薦で入学しているということです)。

ただし、惑星地球科学2を教えていた中村教授や気候物理学入門を教えていた小坂先生に、夏休みの研究室訪問でお会いしたことから、海洋科学により興味を持ちました。

このように理系の科目を多く取っており理系教科にも興味があったのですが、2Sを通して、結果的には経済学に進むことを決めました。これには、主に二つのことが関係しています。

一つ目は、2年生の夏に経済学系のリサーチアシスタントを行ったことです。東大の公共政策系の機関にCREPEというものがあり、夏休みにリサーチアシスタントを募集していました。そこにいらっしゃる服部先生という方が国債市場の流動性についての研究をしていて、僕は金融政策に興味があり、日銀が何をしているか知りたいという思いがあったので、「これだ!」と思って応募しました。夏休みはこの活動をメインで行っていました。

二つ目は、ゲーム理論のゼミを受講したことです。

このゼミは、寡占市場における競争やオークションなどを扱い、色々な主体の相互作用を勘案した上で、各主体の最適行動を求めるというものです。寡占市場を例にとると、一つの財を2社だけで生産している状況では互いに行動をみながら生産量を決定し、その最適生産量を求めるといった感じで進めていくもので、意思決定のプロセスを定量的に分析するという点で意味があります。授業の形式は先生からモデルが提示され、それについて考えるというもので、理論について考えるのがメインでした。

加えて、友達とミクロ経済学の勉強会をしていたことも、2Aの予習につながったため良かったと思っています。

3. 今とのつながり

ー2Sでの過ごし方は、Iさんの今にどのように繋がっていますか?

何より、自分の学問的な好みについてよりよくわかったということです。

例えば、物理学などもあまり嫌いではないと分かりました。経済学部においても、数学や統計といった理系に分類されるスキルは必須です。しかし経済学部の学生ではこれらの学習に忌避感をもつ人も多いので、その忌避感がなくなったのは大きいかもしれないと感じています。

4. メッセージ

ー最後に、今から2Sを過ごす方々へ、メッセージをお願いします!

自分の興味を広げるために時間を使うということは、時間がある時でないとできないので、2Sのうちにやっておくことをお勧めします。

そして、それは前期教養課程の目的にも適っていると思います。進振りのことも念頭におきながら、自分が興味のあることに色々手を出してみて、自分の意思決定に役立つように過ごされるといいと思います

UT-BASEメンバーより

文系ながら理系科目にもどんどん挑戦して興味を広げることは、東大の進振りの制度をうまく活かすことにも繋がり、本当にかっこいいと思いました!そして理系に進まなかったとしても、得られるものはとても多いのだと感じました。

今回のお話を聞いて、私自身も進振りに悩んでいるので、様々な分野に触れてみて納得のいく意思決定をしたいと思います。

ここまで読んでくださり、ありがとうございました!

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