大学生活の中で、最も自由に使える時間が多いと言われる2Sの時期。
この時期をどう使うか、悩んでいる方も多いのではないでしょうか?
2Sをどう使うかということは、その後の選択に大きな影響を与えるかもしれません。
そこで、皆さんが満足のいく2Sをおくる一助となるよう、先輩たちの2Sの過ごし方をご紹介するのが、こちらの連載「2Sの過ごし方」!
今回の記事は、体のあらゆる部位を動かしながら、今までしてこなかったことにも挑戦した学生の体験談です。
1. 基本情報
今回経験を共有してくださった方の情報は以下の通りです。
◯名前:W.K.さん
◯科類:文科三類から教育学部比較教育社会学コース
◯2Sのコマ数:8コマ(+ UT-Basecamp )
◯2Sのサークル・部活など:日米学生会議、UT-BASE
◯2Sのバイト・インターン:パン屋、教育系バイト
2. 2Sの過ごし方
ーKさんは2Sをどのように過ごされていましたか?
1年生の間に、進学に必要なコマ数はほとんど取り切っていたので、2Sはかなり時間の余裕がありました。そこで、せっかく時間があるのだから、「身体全部を動かして活動する2Sにしてみよう!」と思いました。頭、口、手、心、足など、それぞれを動かすことによって、様々なことに挑戦しました。
まずは頭を動かすためにゼミに入りました。今までは受け身の授業が多かったので、いっぱい本を読んで、自分が発言・議論しなくてはいけないゼミに入って、頭を鍛えたかったためです。正直言うと、ゼミに入る前は「私なんか無理なんじゃないか」「ついていけなかったらどうしよう?」「場違い?」と思っていました。ただ、1Aでゼミをとった際、ゼミ形式の授業が好きだと気づいていたため、2Sでも取ろうと決めました。そして、社会科学ゼミナールの「デモクラシーを取り戻す」という政治学のゼミに参加しました。ただ、最初から政治系のゼミを取ろうと思っていたわけではなくて、「どれが面白そうかな〜」とシラバスを読んでいる中で、1Aで基礎を学んでいた政治学が目に留まり、講義を聞いて学ぶだけでなく議論のステップまで挑戦したいと思いました。最初は躊躇もありましたが、受けてみるとこのゼミはとても楽しくて、これまでに受けてきた授業よりもすごく主体的に取り組んで頑張れた、成長したと思っています。
口を動かしたのは、TLPです。フランス語の学習が好きだったので、週に3コマTLPの授業を継続して受けられるのは嬉しかったです。少人数で授業内の交流も増え、とても楽しかったです。
手を動かしたのは、UT-BASEで自分でゼミ( UT-Basecamp )運営を行ったということです。コミュニティを作るという面や、講師の先生をお呼びするという面、ゼミにおいてファシリをするという面などにおいて、どうすれば楽しい学び場を作れるかということを考えて実際に行動をした、という意味で手を動かしました。その過程で、自分にとってそのUT-BASEやUT-Basecampがとても大事な場所になっていくことを実感しました。
心を動かすために、東大と博報堂がコラボして開講している主題科目である「ブランドデザインスタジオ」という授業で「幸せのデザインを考える」ということをしました。その授業の最初に、「頭を皆さん普段使っていると思いますが、ここではあまり頭で考えずに、心で感じるようにしてください。」と言われました。確かに、どうしても講義やゼミでの勉強では論理的に頭で考えることが多いので、意識的に心も動かす機会を作りたいと思いました。その授業では、周りの人に棒人間が書かれている紙を渡して「今からこの人を幸せにしてください」などと伝え、何が人を幸せにするのかを調べることなどをしました(膨大な数のアンケート結果が集まりました!)。他にもさまざまな調査をしましたが、どれも楽しかったです。ただ、アンケートで集まった多種多様な幸せの形に対し、共通項を見つけようとしたり商品化のチャンスを探したりすることは、私にはあまり向いていないかもしれないと思いました。
そして、足を動かすという点では、「日米学生会議」に参加しました。1Aで、自分が「格差・不平等」あたりに興味があることに気づき、「どうやってアプローチしようかな?」と考えている中で、「教育」や「メディア」という手段があるのではないかと思っていました。教育には高校時代から興味があり、元々は途上国の教育開発に関わりたいと思っていました。しかし、大学に入ってから、自分も教育格差の当事者であることに気づき、もっと身近な教育に関心が向くようになりました。また、学生メディアであるUT-BASEの活動を通じて、メディアが格差へのアプローチとして有効であるのではないかと考えるようになりました。「どうやったら教育とメディアという二つの分野を繋げることができるかな......」と考えていた矢先、日米学生会議に「教育とメディア」という分科会があることを見つけました!めちゃくちゃ運命的でした!日米学生会議に参加すると言うと、「国際交流に関心があるのですか?」と聞かれることも多いですが、私にとってはそれは後付けの理由で、「教育とメディア」という分科会があったので、「ここで自分の考えたいことが考えられる!」と思って入りました。そこで、その二つをどのように繋げられるかということを考えていくのですが、日米学生会議では、頭で考えるというよりはむしろ自分でフィールドを用意したり勉強会を開いたりすることができるので、分科会のメンバーとまずは現場を知ることに尽くしました。日米学生会議は4月に始まり、自分達で活動を設計していき、8月に1ヶ月間アメリカに行き、活動を終えました。
3. 今とのつながり
ー2Sでの過ごし方は、Kさんの今にどのように繋がっていますか?また、その選択について、どのようにお考えですか?
まず、ゼミについてです。ゼミは、本当にとって良かったと思っています。皆さん、2Sはゼミを取りましょう!!私自身ゼミをとるまでは「ハードル高そう.......」などと思っていたのですが、入ってみると、確かにすごい人はいるのですが、その人たちのおかげで「自分も頑張ろう」と思えるようになり、受け身で授業を受けているよりも100倍楽しいと思いました。
進振りを終えて、2Aになってからは、私はほぼゼミ形式の授業しか取りませんでした。2Aや3Sからは、必修にゼミ形式の授業が入ってくる学部もあると思うのですが、ゼミ形式の授業をとったことがあるとスムーズに学びに繋げることができると思います。
また、ゼミをとることはチャレンジすることへのハードルも下げてくれました。2Aでは、アメリカの政治学のトップジャーナルを週2本読んで少人数(8人くらい)でミッチリ議論するゼミ形式の授業を取りました。教授が、「こんな授業、普通は学部生向けにしない」というほどハードなゼミだったのですが、授業を取っている同級生や先輩のレベルの高さに「みんなすごい」と思いながら、とても楽しめた上、自分自身の学問のレベルも上がった気がして嬉しかったです。この授業は2Sで政治学のゼミをとっていなければ、絶対参加しなかったと思います。2Sの挑戦が次の挑戦につながりました。
口を動かす系で言えば、今はフランス留学を考えています。これはTLPの影響が大きいです。また、手を動かす系で言えば、UT-BASEの共同代表になったことなどが2Sとの繋がりとして挙げられます。リーダー職の経験はあまりなかったのですが、2Sを通じて、大好きなこの場所でならリーダーに挑戦してみたいと思えるようになりました。
そして、日米学生会議の「教育とメディア」という分科会では、NHKの日本賞の存在を知ってそれに携わっている方々のお話を聞くことができました。これは、教育番組のサイトやプラットフォームなどの教育コンテンツを作っている人のための国際コンクールなのですが、本当に世界中の作品が集まっていて、可能性をとても感じるとともに、足を動かして実際に格差の問題を解決していくことの大きなヒントになりました。日本賞の事務所に伺った時に、教育コンテンツに携わる人材が増えてほしいというお話を聞きました。その時に、見ている人に直接影響を与えられるメディアを通して、教育に携わるという道もあるなと、進路に視座をもらいました。それが動機となって東大の情報学環教育部の研究生に応募し、3Sからはそちらでも学びを継続していく予定です。
また、日米学生会議に参加したことによって、機会を掴む能力やチャレンジすることへのハードルが下がりました。日米学生会議の選考はかなりの倍率があったようでしたが、それを通過したことで、次も頑張ってみようかなと思えるようになりました。また、一度日米学生会議やUT-BASEで活動すると自分の視野や考察がそれまでよりも広く深くなり、留学に応募する際にエッセイで書けることが増えるというように、自分の経験や志について書けることが増えて、次の機会に繋がっています。もし、私が2Sに1つも挑戦しないでいたら、何も挑戦しない状態で留まっていたと思います。なので、私は機会というものはすごく連鎖的で、繋がっていると思っています。私は1Sで「私なんか.......、東大生みんなすごいから......」と思って挑戦せずにいて、後悔していました。挑戦を尻込みした経験があるからこそ、挑戦することの難しさも大切さも分かります。だから、皆さんにも挑戦の大切さを伝えたいです。
4. メッセージ
ー最後に、今から2Sを過ごす方々へ、メッセージをお願いします!
皆さんも1つ、何かに挑戦してみてほしいです。私が伝えたいことは、本当にこれだけです。一つ挑戦すると、その挑戦が次の熱中、成長に繋がっていきます。その一歩を踏み出すためのエネルギーと時間があるのが、2Sという時期だと思います。なので、皆さんもぜひ、2Sを有効活用してみてください!
UT-BASEメンバーより
日米学生会議など、ハードルが高く見えるようなことにも挑戦し、次の機会を掴んでいったKさんの体験をお聞きしていると、一つの挑戦が次の挑戦につながるというのは本当なのだと思いました。そして、私も2Sで何かに挑戦したい!と思いました。
皆さんにとっても、何かに挑戦したくなるようなお話だったのではないでしょうか。
一緒に挑戦の2Sを過ごしていきましょう!
ここまで読んでくださり、ありがとうございました!
UT-BASEでは、ゼミや学生団体、プログラムなど様々な情報を発信しております。2Sの過ごし方を考えるにあたって、そちらもぜひ活用してみてください!
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