■理念/指針・沿革
政治と政治学についての理解を深めるのみにとどまらず、本を読み文章を書き議論することを通して、「自分の読みを深め広げる」ことを目標として開講されているゼミ。
2003年にスタートした御厨ゼミを前身とし、現在の枠組みとしては、2012年より11年間の歴史を持つ。
■活動内容
全学自由ゼミナール(主題科目)「読み破る政治学 -多読・乱読・精読ゼミ-」として開講。講師は東大先端研政治システムコースの牧原出教授。
「政治学に関する本」として幅広い分野の本を講師が指定し、週に一冊その本を読んでA4一枚のペーパーを執筆。そこから全学生による議論を行う。課題文献が提示する問題について論評するのではなく、各自の描きたい展開を、時には破綻し飛躍しながら、本で得た着想と結びつける。書きたいことを書き、質問したいことを質問し、その中で生まれる失敗や発見が歓迎される。議論においては講師は基本議事進行につとめ、学生同士の活発な議論の補助としてときおりコメントを加える。駒場IIキャンパスにおいて90人収容の大教室で十分に距離を取りつつ対面でゼミを開催している。
参考(2023年度 秋学期=Aセメスター文献リスト)
市川沙央『ハンチバック』(『文藝春秋』2023年9月号)
岡義武『近代日本の政治家』岩波文庫、2019年
三牧聖子『Z世代のアメリカ』NHK出版新書、2019年
トマス・モア『ユートピア』岩波文庫、1957年
佐々木雄一『近代日本外交史』中公新書、2022年(著者臨席)
宇佐見りん『推し、燃ゆ』河出文庫、2023年
丸山眞男『日本の思想』岩波新書、1961年
牧原出・坂上博『きしむ政治と科学 コロナ禍、尾身茂氏との対話』中央公論新社、2023年
ベネディクト・アンダーソン『越境を生きる』岩波現代文庫、2023年
関口正司『J・S・ミル』中公新書、2023年
佐藤光『よみがえる田園都市国家』ちくま新書、2023年
E.H.カー『危機の二十年』岩波文庫、2011年
■OBOGの進路/活動
〈進路〉
・文系の研究者になる方が多い。
・文一が多いため、法曹や官僚が多い