【分野別 学部学科紹介】~経済~

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はじめに

多くの東大生が頭を悩ませる意思決定である「進学選択」。
「〇〇に興味はあるけど、どの学科で学べるのかわからない」なんて思ったことはありませんか?
この記事では、そんな皆さんのお悩みに応えるべく、経済分野について学ぶことができる学科を「横断的に」比較紹介しました。
皆さんの選択を少しでも支えることができれば幸いです。
※本記事の内容は2022年度以前の情報に基づいています。現在記事を更新中ですのでしばらくお待ちください。

目次

    経済学部

    概要


    東京大学経済学部は、経済学科・金融学科・経営学科の3つの学科からなる。しかし、各学科間の垣根は低く、選択必修が異なるほかには、学科ごとの大きな違いはない。さらに、各学科とも定員は存在せず、所属学科は進振り後、自由に決めることができる。経済学部の大きな売りは、少人数制のゼミ(演習や少人数講義)が豊富なこと。学生の大半は何らかの通年のゼミか学期ごとの少人数講義に所属している。そのため、本郷では、ゼミが中心となる生活を送る学生が多い。夏にはゼミ対抗のフットサル大会が開催される。(なお、経済学部ゼミについてはこちらに掲載しているので参照されたい。)

     経済分野において、経済学部は経済学に最もフォーカスした学部であると言えよう。経済・経営・金融に関して、垣根を設けず広く学べるのは経済学部である。

     

    基本情報


     

    カリキュラム紹介


    2Aの専門科目1(経済学部生全員が履修する授業のこと)ではミクロ経済学Ⅰ・Ⅱ、マクロ経済学Ⅰ・Ⅱ、統計Ⅰ・Ⅱといった授業を履修することにより、ミクロ・マクロ・計量といった経済学の各分野を学ぶ上で基礎になる内容を学ぶ。

    3、4年生の履修は演習や少人数講義という名で開講されるゼミが中心となることが多い。しかしその他にも、開発経済学を学べる開発経済Ⅰ、金融政策や景気循環を学べる上級マクロ経済学Ⅱ、不動産投資とファイナンスの関係を学べる不動産ファイナンス、都市・地域経済学を学べる都市経済Ⅰなど、経済学という枠組みの中で様々な講義がある。

    これらの講義の中には専門科目2・3・4(経済・経営・金融の各学科別で学ぶべき内容)も含まれる。これらの講義を選んで履修することでそれぞれの興味に合わせて学ぶことが可能なはずだ。

    以下では専門科目の例をいくつか紹介する。

    2Aセメスター

    • ミクロ経済学Ⅰ・Ⅱ
      • ミクロ経済学の基礎を学ぶ。
      • 消費者行動、企業行動、市場均衡、ゲーム理論を扱う。
    • マクロ経済学Ⅰ・Ⅱ
      • マクロ経済学の基礎を学ぶ。
      • GDP、経済成長、為替相場、貨幣、金利を扱う。

    3Sセメスター

    専門科目2・3・4(学科別に学ぶべき内容。大きく分けて2が経済、3が経営、4が金融)を履修する。

    • 国際経済Ⅰ
      • 国際貿易の理論を学ぶ。
      • 国際経済、貿易、貿易政策を扱う。
    • 経済学史Ⅰ
      • 経済学の歴史を学ぶ。
      • 重商主義、重農主義、ケインズ、マルクスを扱う。

    3Aセメスター・4Sセメスター

    3Sとほぼ同様。

     

    主なゼミ紹介


    • 神取ゼミ(神取道宏教授)
      • キーワード:ゲーム理論、メカニズムデザイン、情報の経済学
      • 主な研究紹介
        • 繰り返しゲームとカルテル
        • インフォメーションデザイン
        • マーケットデザイン
      • ゼミ紹介記事:https://ut-base.info/economics_seminars/90
    • 青木ゼミ (青木浩介教授)
      • キーワード:マクロ経済学、金融政策
      • 主な研究紹介
        • 資産移動自由化に伴う経済調整
        • 不確実性下の金融政策
      • ゼミ紹介記事: https://ut-base.info/economics_seminars/68
    • その他、経済学部ゼミ一覧:https://ut-base.info/economics_seminars

     

    学科インタビュー


    Coming Soon

     

    学生の声


    • 単位は取りやすい授業が多いため、卒業に不安を抱くことは少なく、その分自分のやりたい勉強に集中できる。
    • 財政とか制度的なものの講義は比較的多い。確か金融政策は官僚を呼んでのオムニバス講義もあったはず。研究紹介そのものはあまりないから知りたければ教授に聞くのが早い
    • 世界的に権威がある教授から経済学を学ぶことができる。他学部履修も14コマまで可能であるため、法学・政治学に関しても知見を深めることができる。経営学は行政学と重なる分野もある。
    • RAとして研究に携わりながら成績気にせず学べて謝金ももらえる機会がかなり豊富にある(学部生では珍しい気がする)
    • 【経済学部】⇛全国トップクラスの教授がいるのがそもそもの魅力。また、ゼミの存在により同期とのヨコの繋がりがあるのも非常に良い。
    • 【経営学科】⇛理論を扱うものから企業の実例を紹介するもの、雇用からITに関する授業まで幅広いジャンルが存在している。

    農学部:農業・資源経済学専修

    概要


    当専修では、農業に関する制度や政策が与える影響を理解し、複雑な経済の仕組みを明らかにする学びが提供される。経済学をベースにして、歴史的・政策的・経営的視点も踏まえながら、日本と世界の食料・農業・農村問題を解明し、解決方法を検討する能力も養われる。なお農学は問題解決を目指す学問であるため、当専修でも自由貿易協定をはじめとする国際的枠組みや、農業政策などの食糧分野に関する具体例を通じて学びを深めることが多い。通称は「農経」。農学の理論を学ぶ授業として、農業経済はもちろん、社会学・経営学の授業があるのが特徴。農学部の中では珍しく、文科各類から指定科類枠を設けている専修であり、実際の進学者も文理がほどよく混じり合っている。なお、農業経済においては通常の経済学ではあまり扱わない「外部性」に着目することも多い。

     

    基本情報


    • 定員 
      • 29名
    • 要求/要望科目
      • 要求科目
        • なし
      • 要望科目
        • 理科全類
          • 総合科目C「政治経済学、現代経済理論」
        • 文科全類
          • 社会科学「経済Ⅰ、経済Ⅱ」
      • 公式サイト

     

    カリキュラム紹介


    卒業要件

    • 科目の区分は「農学総合科目」・「農学基礎科目」・「農学共通科目」という農学部共通の選択必修の科目(一部必修授業あり)と、必修や選択必修が中心の「課程専門科目」・「専修専門科目」、自由に選択ができる「農学展開科目」の6つ。
    • 基本的に「農学総合科目」・「農学基礎科目」・「農学共通科目」は2Aでの受講が中心。「農学総合科目」を4単位以上と「農学基礎科目」を6単位以上(必修の6単位を含む)取得して合計16単位以上取得することと、「農学リテラシー」(安全講習・必修2単位)を受講することが卒業要件。
    • 「課程専門科目」・「専修専門科目」には16単位分の必修があることから、卒業に必要な76単位のうち、24単位が必修ということになる。

    2Aセメスター

    • 必修授業
      • ミクロ経済学(農学基礎科目)
        • 農業経済学や開発経済学にも触れる点が特徴的。キーワードは、ミクロ経済学、需要曲線・供給曲線、効率性、市場の機能、市場の失敗、所得分配など。
      • 農業資源経済学汎論(農学基礎科目)
        • 世界の農業生産や農業貿易、貿易制度・農業保護制度などをはじめとする食料・農業・農村の基本構造とその問題点を幅広く学ぶ。
      • 農業史概論(農学基礎科目)
        • 中世から近現代にかけての農業・農村の変化の過程をイギリス、ドイツ、日本・朝鮮を対象として学ぶ。
      • 農村調査概論(専修専門科目)
        • 農業・資源経済学を学ぶ上で要となるフィールドワーク実習の方法論について習得する必修科目。3年次に開講される地域経済フィールドワーク実習の概要を知る上でも重要。
      • 農業・資源経済学演習Ⅰ(専修専門科目)
        • 経済学や経営学の文献を呼んで予習し、その内容を担当学生が報告、そしてそれに基づいてディスカッションを行うというゼミ形式の授業。文献の読み方、議論の仕方、クリティカルシンキングなどを身に付けることを目指す。
    • 選択必修授業
      • 人口と食糧(農学総合科目)
        • 爆発的に増加し続ける人口に対処できなくなるのではないかという「食糧問題」について、FAOのデータに基づきながら現状を学ぶ。
      • ゲーム理論基礎(課程専門科目・A2ターム)
        • 扱う内容はは、戦略型ゲーム、ナッシュ均衡、展開型ゲーム、繰り返しゲーム、進化ゲームなど。

    3S/3Aセメスター

    • 必修授業
      • 農作業実習(専修専門科目)
        • 3年次SPタームに1日、A1・A2タームに毎週、西東京市の生態調和農学機構で実際に農作 業と体験する実習で、必修科目に設定されている。一見、「農業経済学」との関連は薄そうに見えるが、土をさわり、モノをつくる喜びを感じられる。水稲の育成から野菜・果樹の管理に至るまで、幅広く農業を体験することができ、さらにはレポートの作成や農家見学も行うことで、短期間ながらも農作業のエッセンスを学ぶことができる。
      • 農業・資源経済学演習Ⅱ・Ⅲ(専修専門科目)
        • 経済学や経営学の文献を呼んで予習し、その内容を担当学生が報告、そしてそれに基づいてディスカッションを行うというゼミ形式の授業。フィールド調査が加わる場合も。
    • 選択必修授業
      • 農業経済学(専修専門科目・S1ターム)
        • ミクロ経済学と統計学をベースとして、農業経済学についてその全体像を学ぶ。経済学と農業経済学との違いについても講義を受ける。
      • 国際農業経済論(専修専門科目・S1ターム)
        • 世界の農業生産・食料消費・食料安全保障の現状や農業政策・国際的枠組み(WTOなど)について、経済学的視点から学ぶ。 また、気候変動やバイオエタノールの利用が農業・食料に及ぼす影響についても扱う。
      • 数量経済分析(専修専門科目・S1ターム)
        • オーソドックスな統計学・計量経済学をベースにデータ解析を学ぶ。農業政策や開発政策に関連した適用事例なども多数紹介される。キーワードは、回帰分析、統計的仮説検定、推定論など。
      • マクロ経済学(専修専門科目・A1ターム)
        • マクロ経済学の基本を扱う。進度や内容は平易なものが多いのであまり心配をする必要はない。キーワードは、国民所得統計、IS - LMモデル、失業とインフレーション、景気循環など。
      • 開発経済学(専修専門科目・Aセメスター)
        • 自由貿易などと共に経済発展論として成立した中世から、現代の「ケイパビリティ・アプローチ」(アマルティア・センによる「開発について考えるためには、人々の暮らしの豊かさをどう表現するかが重要」とする考え方。人間開発とも。)に至るまでの、開発経済学の変遷について学ぶ。
      • 応用数量経済分析(専修専門科目・Aセメスター)
        • データの加工方法をRStudio Cloudを用いて身に付け、回帰分析と因果推論、パネルデータ分析などの計量経済学の基礎を学ぶ。
        • 講義回の後半では実践的な計量経済分析の方法を学習す
      • 地域経済フィールドワーク実習(専修専門科目・各セメスター)
        • 受講者の全員が農村地域を訪問して聞き取り調査を行う。

    4年次

    • 卒業論文(専修専門科目でもあり、8単位分の卒業論文執筆に向けて研究室に所属する。就活や院試の準備に忙しい学生も多い。

     

    主な研究室紹介


    • 農業経営学研究室(​​木南章教授・八木洋憲准教授)
      • キーワード:農家・アグリビジネス・地域
      • 主な研究内容
        • 農業および農業に関連するビジネス、それらを取り巻く地域の経済、社会、資源、環境などをめぐる様々なマネジメントに関する問題について研究を行っている
          • 都市農業地域のスマート農業技術ニーズの評価
          • カリフォルニアの水田経営におけるICT導入による階層的経営組織に対する影響
      • 研究室HP:http://webpark2076.sakura.ne.jp/index.html
    • 経済学研究室(齋藤勝宏教授・川崎賢太郎准教授)
      • キーワード:経済分析・国際比較
      • 主な研究内容
        • 統計学的な分析を用いて、各国の産業や市場、とりわけ食品産業や農業、農産物貿易に関わる部分について研究している。
          • 食品産業の国際比較
          • 農産物貿易政策の数量経済分析
          • アグリビジネスの産業連関分析
        • 開発政策のミクロ経済分析
      • 研究室HP:http://park.itc.u-tokyo.ac.jp/agriecon/index.html

     

    学科インタビュー


    • 農業・資源経済学専修の特長は学生と教員の間の関係が近い点にある。学生は4年次に研究室に所属し、教授と准教授の2人の教員から1年間、卒業論文(必修)の指導を受けることになる。自分が設定した課題に複数の教員と一緒に立ち向かう経験は得がたいものがある。食料や農業という分析対象の特性を踏まえる必要があり、丹念な実態の観察が研究の出発点である。現実から理論を組み立てる姿勢を身につけてもらえればと思う。

     

    学生の声


    • 通常想定されるような経済学の学びは履修の組み方で十分に学べます。法・政治に関しては法学部などにイメージされるものとは異なると思います。応用経済学的な側面とそのほか農業・農村に関連する社会科学的な事象を対象としているので、分野が広範になりがちです。全貌を見るのは容易ではないですが、農業・農村について少しずつ見えてくる感覚は感動ものです。範囲が広範な分できることは多くそれに合わせて授業は提供されていますが、自分なりの問題意識を持って主体的に取り組まないと不十分なまま終わってしまうかもしれないです。

    工学部:システム創成学科SDMコース

    概要


    当コースはシミュレーションを主に扱うコースである。カリキュラムとしては、システム・デザイン・マネジメントの基盤となる⼯学やプログラミングを学び、これらをベースに、最新のシミュレーション技術、レジリエンス⼯学、⽣命知、社会のための技術といった新しいマネジメント技術を学ぶ。アウトプット型の演習や卒業研究を通して、システムの中に潜む本質的な課題を⾒つけ出して解く。また、「経済」という巨大な「システム」をシミュレーションによって分析するなど、洞察⼒と俯瞰⼒を養う教育がなされている。

     

    基本情報


     

    カリキュラム紹介


    2Aセメスター

    • データ指向モデリング
      • 実社会で相互作用する複数の人間の行動データを解析し、集団としての人間行動モデルを構築するための基盤的な手法を習得する。社会ネットワークやマーケティング等を題材とした複数の研究事例から、データ解析およびモデルの作成と評価に関する基本的な手法を扱う。
    • 知識と知能
      • 新たな要素技術の創造と、その結合により発揮される新たな機能により社会の営みを豊かにする工学的基盤について学ぶ。
      • 意味ネットワーク、イノベーション市場ゲーム、プロスペクト理論、ゲーム理論を扱う。

    3Sセメスター

    • 経済学基礎
      • 経済問題の分析に必要な経済学的アプローチとして、ミクロ経済学、マクロ経済学、ファイナンスの基礎知識を学ぶ。
    • システム工学基礎
      • システム設計とスケジューリング、システムモデリングと趣味レーション方法を内容とし、システムズ・エンジニアリング手法の基礎を体系的に学ぶ。
    • 金融レジリエンス情報学
      • 市場分析のための機械学習やデータマイニング、人工市場シミュレーションによる市場分析などを通して、金融市場における情報技術の最新事情、市場への人工知能応用を学ぶ
    • 社会のための技術
      • 講義と自習およびグループ討論を通して事例研究を行い、技術者倫理・技術倫理に関する考え方を身に付ける。

    3Aセメスター

    • システム制御工学
      • ラプラス変換、現代制御入門、海中ロボットの制御等の事例を通じて、線形フィードバックシステムの制御工学的概念を学ぶ。
    • マルチエージェントシステム
      • 経済主体の意思決定など、複雑なシステムを取り扱う枠組みであるマルチエージェントシステムに関する研究トピックスを通じて、その社会システムの設計や制御を学ぶ。

    4Sセメスター

    • 経済工学
      • 金融取引と金融市場の概要を知り、金融取引に内在するリスクとリターンを同時に評価する考え方を学ぶ。本講義では、現在価値の考え方、ポートフォリオの最適化、CAPM、デリバティブの価格付けの基礎を習得する。
    • ヒューマンモデリング
      • システム設計で人間と人工物の関係に配慮することの重要性を認識し、特に認知行動特性にマッチした人工物設計を行うために必要となる人間行動理論と人間中心設計手法の基礎を学ぶ。
    • ライフサイクルの科学
      • 複雑システムのライフサイクルマネジメントの基礎について学ぶ。

     

    主な教員紹介


    • 大澤研究室
      • キーワード:システムデザイン、知識工学、ビジネス科学
      • 主な研究内容
        • 市場変化の説明
        • データエコシステムの構造分析
        • データ利活用方法検討とシナリオ生成支援手法の開発
        • データ利活用検討プロセスの解析
      • 研究室HP:https://www.panda.sys.t.u-tokyo.ac.jp
    • 早矢仕研究室
      • キーワード:複雑ネットワーク、ネットワーク、メタデータ、自然言語処理、シナリオ、データ市場、データ設計学
      • 主な研究内容
        • 異分野データ協創支援のWebシステム開発と実践利用
        • データ流通エコシステムにおけるプラットフォームを媒介とした価値創造
        • データジャケットを用いた異分野連携に資するデータの特徴とネットワーク分析
        • データ利活用知識構造化と検索システム
        • 筆記行動分析に見る集団と個人のシナリオ生成プロセスと矛盾解消行動の比較
      • 研究室HP:https://researchmap.jp/teruaki-hayashi

     

    学科インタビュー


    Coming Soon

     

    学生の声


    • 「経済」分野:経済にマルチエージェントシミュレーションや人工市場といったアプローチから取り組むのはユニークで魅力的だと思う。また金融データを真っ向から時系列分析等で分析し、機械学習等も含められるので旬な研究ができるのではないかと思う(和泉研だけですが(-_-;))
    • 先生がた一人一人が行っている研究がかなりユニークなので、オムニバス形式の授業(コロキウム)で話を聞くのがおもしろい。またメールして直接話を聞きに行っても真摯に対応してくださるので、たくさん研究の話が聞ける。
    • やろうと思えばなんでもできるくらいには扱っている範囲が広いこと。逆に言えば、分野を絞って詳しいことをやっているというわけでもない。

    工学部:システム創成学科PSIコース

    概要


    人間社会に関心を持ち、俯瞰的視座から社会課題を認識することを通して、科学的根拠に基づいた問題解決や責任ある社会実装を行うための教育・研究の場となっている。カリキュラムは、力学、設計・生産学、統計、最適化といった工学の基礎科目に加え、機械学習などの情報科学を体系的、効率的に学習できるように工夫されている。社会哲学と技術理論を中心に、経済学、経済工学、デザイン生産、IT・物流などの分野を学ぶことができる。学外での大型プロジェクトの主導や民間企業経営を経験した方など、多様な経歴を有した教官による幅広いカリキュラムを通して学ぶことができる。

     

    基本情報


     

    カリキュラム紹介


    2Aセメスター

    • プログラミング基礎
      • Javaを用いたプログラミングの演習、行列計算と基本数値計算を含むコンピュータの基本的な利用法を学ぶ。
    • ビジネス入門
      • 事業分析、企業財務、事業価値、イノベーションマネジメントなど、企業経営を行ううえで基礎的な知識やビジネスの仕組みについて実習形式により学ぶ。

    3Sセメスター

    • 技術プロジェクトマネジメント
      • プロジェクトマネジメントの概要とその遂行計画、管理について、技術プロジェクトに関する事例研究を通じて学ぶ。
    • 経済学基礎
      • 経済問題の分析に必要な経済学的アプローチとして、ミクロ経済学、マクロ経済学、ファイナンスの基礎知識を学ぶ。

    3Aセメスター

    • 産業組織論
      • 経済活動の仕組みについて理解を深めるため、企業や消費者の行動を理論的・実証的に習得し、競争政策を含む経済政策についてミクロ経済学をもとに学ぶ。
    • 工学シミュレーション
      • プログラミングの基礎と差分法による流体解析まで、その前提となる解法について学ぶ。材料力学・構造力学分野を対象とした有限要素法による数値解析の基礎を、実例を交えながら学ぶ。実務でも使用される汎用解析ソフトウェアを用いた演習も行う。

    4Sセメスター

    • コミュニケーション技法
      • オーラルプレゼンテーション技術の習得を中心にビジネスコミュニケーションに関する実践的な知識を学ぶ。
    • エネルギー・環境経済システム
      • エネルギーの環境問題や経済学的視点を交えたシステム評価手法を含め、エネルギーシステムを構成する技術を包括的に扱い、工学者・技術者に必要な知識や考え方を学ぶ。
    •  

    主な研究室紹介


    • 社会戦略工学研究室(茂木源人教授)
      • キーワード:エネルギー経済、ブロックチェーン、社会システム工学、リスクマネジメント
      • 主な研究内容
        • 持続可能グローバルエネルギーシステム
        • リアルオプション分析とプロジェクト評価
        • ブロックチェーンによる金融イノベーション
        • エネルギー・資源経済システム
      • 研究室HP: https://sselab.t.u-tokyo.ac.jp/index.html
    • 知的システムデザイン分野(稗方和夫教授・ブライアン モーザー特任准教授)
      • キーワード:設計工学、製造業における情報システム、生産システム、ナレッジマネジメント
      • 主な研究内容
        • 脱炭素社会に向けた社会システムデザイン
        • 海上物流システムへの技術導入の組み合わせによる創発効果のシミュレーション
        • デジタルトランスフォーメーションのための業務プロセスシミュレーション
        • システムダイナミクスによるソフトウェア開発プロジェクトの設計と管理の手法
      • 研究室HP: https://is.edu.k.u-tokyo.ac.jp

     

    学科インタビュー


    Coming Soon

     

    学生の声


    • 「経済」の単語が入った授業が複数ある。国際経済や金融系の内容を学べる。
    • プロジェクト系の授業では、チームでデータ分析を行い発表する形式のものも多く、データ分析能力やプレゼンテーション能力が身に付きやすい。
    • 3年生になると学生面談が数ヶ月に一度あり、教授と一対一で話す機会をいただけます。

    工学部:計数工学科

    概要


    計数工学科は数学・情報・物理の3分野を中心に幅広い範囲を扱う学科である。工学部の中でも特に基礎教育に力を入れており、学部3年までで学んだ基礎をもとに、様々な応用分野につなげることができる。工学部の物理工学科と同じ応用物理系に属しているため、他の経済分野の学科と比べ、物理・情報分野の占める比重が大きい(=理系分野の占める割合が大きい)という特徴を持つ。

    学科内は数理情報工学コースとシステム情報工学コースに分かれていて、2Aセメスターの12月に出すコース希望と進振り時の成績をもとにコースが振り分けられる。

    経済分野において、計数工学科は金融工学という視点からアプローチが可能である。経済学部の金融学科ではより広く金融について扱うが、計数工学科では最適化・統計論という視点をより重点的に学習することで金融工学について深く学ぶことができる。

     

    基本情報


    • 定員 
      • 数理情報コース、システム情報コース各30名、計60名
    • 要求/要望科目
      • 要求科目
        • なし
      • 要望科目
        • 総合科目D【現代工学】の科目
        • 総合科目F【数理科学】【情報学】の科目
        • (※【 】は大科目名で、その中に包含される科目は『履修の手引き』の76~77ページ(現代工学)と84ページ(数理科学)、85ページ(情報学)を参照。)
      • 公式サイト

     

    カリキュラム紹介


    計数工学科のカリキュラムから経済分野と考えられる講義やプロジェクトを抜粋して紹介する。

    2Aセメスター

    • 数学1D
      • 工学の基礎となる数学を学ぶ。
      • 常微分方程式、変分法、ベクトル解析を扱う。
    • 基礎数理
      • 数学の基礎概念と工学をつなぎ、どういうことか・どんなときに役立つかを学ぶ。
      • 集合、位相、行列を扱う。

    3Sセメスター

    • 数学2D
      • 複素関数論、フーリエ・ラプラス解析、偏微分方程式について学ぶ。
      • 複素関数の積分、δ関数、フーリエ変換、偏微分方程式を扱う。
    • 確率数理工学
      • 確率的事象を数理的にモデリングするために必要な「確率論」の基礎を学ぶ。
      • 確率空間、確率密度関数、連続分布、離散分布を扱う。

    3Aセメスター

    • 数学3
      • 微分幾何学とトポロジーの基礎を学ぶ。接続の概念を最も素朴な三次元空間中の局面論の中で感覚的に自然に理解する。
      • 曲面論、非ユークリッド幾何、等価原理を扱う。
    • 最適化手法
      • 数理最適化手法の基礎を解説する。
      • Newton法、最急降下法、最適化条件、整数計画法、ネットワーク最適化を扱う。

    4Sセメスター

    • プログラムの数理
      • 計算機科学の基礎となる記号論理学と計算可能性の理論について学ぶ。
      • 構造帰納法による照明、原子帰納的関数、クリーネの標準形定理、ゲーデルの不完全性定理を扱う。
    • 機械学習の数理
      • 機械学習の基本的手法を知り、これらにとって必要な数理的基礎を事例を踏まえて学ぶ。
      • パラメータ推定、モデル選択、教師なし学習、教師あり学習、オンライン学習を扱う。

     

    主な研究室紹介


    数理情報工学コース

    • 社会数理情報学研究室(田中(石井)久美子)
      • キーワード:自然言語、金融、コミュニケーションネットワーク、数理モデル、深層学習、機械学習
      • 主な研究内容
        • 計算言語学、自然言語の複雑系科学
        • 言語の数理モデル、言語構造の計算論的表現
        • 自然言語処理、言語的視点からの社会的複雑系の解析・予測
      • 研究室HP:https://www.cl.rcast.u-tokyo.ac.jp/Top.ja.html
    • 統計情報学研究室 (駒木文保教授・清智也教授・長尾大道准教授・荻原哲平准教授)

    システム情報工学コース

    経済分野に該当なし

     

    学科インタビュー


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    学生の声


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