「【UT-BASE主催】進振り相談会2022」心理/認知分野イベントレポート

この記事は、6月15日開催、【UT-BASE主催】進振り相談会2022」心理/認知分野のイベントレポートです。進学選択に悩む1,2年生に向けて、各学科に進学された先輩が学科の内容から将来の進路までお答えします!

「自分の興味のある分野の人に話を聞いてみたいけれど誰に相談すればいいのかわからない...」
「そもそも〇〇学科って何するところなの?」
「学科のパンフレットだけではわからない、雰囲気やホンネを知りたい!」
そんな疑問にできるだけお答えできるよう検討し、国際/社会/経済/人文/心理・認知/化学/情報の7分野の先輩をお招きして相談会を開催しました!

今回は心理/認知分野の紹介です。UT-BASEの学科紹介記事や、昨年度のイベントレポートとも合わせてぜひご一読ください。

登壇者紹介

Tさん
・文科二類→教養学部統合自然科学科認知行動科学コース、以下「認知行動」
・興味分野:人間の感覚や知覚、行動について
・迷った学科:経済(経済)
・将来の進路:就職(Tさん曰くレアケースで、院進が圧倒的に多いそう)

KYさん
・文科三類→教育学部教育心理学コース、以下「教育心理」
・興味分野:不登校、学校以外での教育、子どものメンタルヘルス、居場所支援etc.
・迷った学科:なし(教育学部の他学科とは少しだけ)
・将来の進路:院進(予定)

KFさん
・文科三類→文学部心理学専修、以下「心理」
・興味分野:多感覚統合
・迷った学科:社会学(文)
・将来の進路:就活を開始したが未定

Eさん
・文科三類→文学部社会心理学専修、以下「社会心理」
・興味分野:行動経済学、消費者行動、認知

・迷った学科:心理(文)、経営(経済)
・将来の進路:留学のため1年留年後、25卒で就職予定

寄せられた質問&回答

Q1.それぞれの学科の、2A~4Aの時間割、忙しさを教えていただきたいです!(自分は、就活もしっかり頑張りたいので...)

A1.
Tさん(認知行動):認知行動は少し特殊で、3Aから研究室に配属されます。そのため、忙しさは研究室の先生の方針にかなり左右されます。私の研究室は忙しい方なのですが、先生が就活を応援してくださっているので両立できています。ただ、就活をすごく頑張る、となると少し体力的に厳しいかもしれません。

司会:ちなみにTさんは学科の勉強と就活、課外活動をどのように両立されていましたか?

Tさん(認知行動):就活は長期休みの間にまとめて進めていました。何とか時間を節約しながら就活をこなすことができたので、よかったなと感じています。

KFさん(心理):2Aで「心理学実験演習」という授業があります。社会心理と合同の授業なのですが、毎週レポートを3,000~4,000字程度書く必要があり、負担がすごく大きかったため、2Aは授業のコマ数をかなり抑えていました。その影響もあり、現在かなりコマを詰めてしまっているので、なかなか就活ができていません。ただ、学科にはしっかり就活をしている人もちらほらいます。僕は少し特殊な例ですが、多くの人は3Sで12~13コマを取って、そのまま順調に行けば4年次に卒論とゼミのみという状況になるはずです。

Eさん(社会心理):Kさんもおっしゃっていたように、社会心理や心理は2Aがすごく忙しいです。心理学実験演習のレポートに加え、社会心理の場合は学期末に10,000字を超えるレポートが控えています。ただ、3Sからはあまり忙しいという印象がありません。周りを見ていても、特に外資系を志望している子は3年生になってからしっかり就活に取り組んでいる印象です。

KYさん(教育心理):私は院進予定なのでそこまで就活に詳しいわけではないのですが、知っている範囲でお答えしますね。教育心理にも演習の授業があるのですが、この負担がなかなか重いです。2Aでは隔週なのですが、3Sでは毎週になり、結果として3Sの方が忙しくなります。レポートの他にも、アンケートの実施や分析など、かなり本格的な内容まで取り扱うので、3Sは正念場かもしれません。ちなみに、私の周りでは就活と院進が半分半分くらいなので、この状況でもしっかり就活に取り組んでいる子はいます。

司会:ありがとうございます。ちなみに、3S以降の忙しさなどについて予想はついたりしますか?

KYさん(教育心理):実のところ、教育学部は履修の自由度がすごく高くて、必要単位数のうち半分くらいは自分で好きに選べる選択科目となっています。というわけで、2Aまでに教職科目をとっておいてあると、それを選択科目としてカウントすることができるので、3S以降に余裕を持たせることができます。つまり、忙しい時期や余裕のある時期を自分で調整することができます。

Q2.行動経済学を学ぶにおいて文心や経済ではなく社会心理を選んだ理由について教えていただきたいです。先輩に行動経済学を学びたいなら心理学科はやめておけと言われたのですが、文学部でも行動経済学は学べますか?

A2.
Eさん(社会心理):理由は大きく分けて三点あります。まず、心理学の他の分野にも興味があったというのが一つ目の理由で、前期課程の時に心理Iや心理IIをとった方はわかると思うのですが、錯視であったり、幸福って何だろうという疑問であったり、ジェンダー的な面など、社会と心理が融合している部分が社会心理なので、行動経済学だけでなく、そういった領域にも興味があったからというのが大きいですね。二点目として、マクロ経済やミクロ経済など、経済学の他の分野にあまり興味が持てず、それらよりも心理学の他の領域を勉強したいなと感じたことも一つです。最後に、行動経済学はかなり多岐にわたる分野で、マーケティングや経営学などの理論的な側面と、広告のプライミング効果などの社会認知的な側面があります。私はどちらかというと後者、つまり自分達の生み出したものがどのように消費者に捉えられているか、といったことに興味があったため、それならば社会心理の方がいいかと思い、社会心理を選びました。また、文学部で行動経済学が勉強できるか、というご質問ですが、「行動経済学」という授業が開講されているわけではありません。いくつかの授業に行動経済学の要素が含まれているといった感じです。ただ、進振りを終える前はなかなか気づきにくいポイントなのですが、経済学部の授業を他学部履修することも可能です。そのため、私は結構経済学部の授業を履修しており、東大での行動経済学の第一人者である阿部誠先生の授業もこの前まで受講していました。経済学部に進学した場合も、経済学部の授業を受けつつ他学部履修できるという可能性があることは念頭に置いた方が良いかもしれません。まとめると、自分の好きな社会心理学を多岐に渡りながら学びつつ、行動経済学も学ぶことができるという理由で社会心理を選んだという感じです。

Q3.それぞれの学科で取れる資格を教えてください

KYさん(教育心理):教育心理では、教員免許と公認心理士の資格が取れます。教育免許に関して、教育学部だと基本的には社会の教員免許を取れるということになっているのですが、他学部履修をすればどの科目の免許も取ることができます。一方、公認心理士の取得を目指すのであれば、絶対に教育心理へ進学されることをお勧めします。教育心理の必修と公認心理士の資格を取るために必要な単位がかなり被っているため、教育心理から目指す場合に比べ、他の学部から目指す場合はかなりハードな道のりとなってしまいます。あとは、教育学部全体の話にはなりますが、司書の資格や学芸員の資格も取ることができたはずです。

司会:ちなみに、公認心理士とはどういった場面で活躍する資格なのでしょうか?

KYさん(教育心理):心理に関する援助だったり、アセスメントと呼ばれる心理的な状態の評価を行うことができます。司法領域、産業領域、スクールカウンセラーなどの教育領域、さらに福祉や医療といった五つの領域で活躍しています。つまり、心理の専門職といった感じですね。

KFさん(心理):うちの学科に来たからこそ取りやすくなる資格、と考えてもあまり浮かびません。PHISEM…は資格と言えるのでしょうか。KYさん、何かご存じですか?

KYさん(教育心理):そうですね、PHISEMは学部横断型のプログラムで、これを修了したら心理に関する学習を一通り終えたと認定されます。資格ではないかもしれませんが、就活などではアピールできるかもしれません。

Eさん(社会心理):資格という点では、社会心理もあまり浮かびませんね。

Tさん(認知行動):私も同じくです。

Q4.それぞれの学科の雰囲気や交流の頻度をお聞きしたいです。

Tさん(認知行動):私の学科は1学年8人です。8人だけで受ける必修が、2年生の時点で週三コマほどあり、本来であればそこで仲良くなるはずだと思うのですが、私の代はコロナと被ってしまい全てオンラインだったため、ものすごく打ち解けたというわけではありませんでした。ただ、コロナと被っていなかった世代の先輩を見ていると、8人みんなでお出かけをしたり、すごく仲が良さそうなので、対面授業の再開した現在であればすごく仲良くなりやすい学科だと思います。

Eさん(社会心理):私の学科は1学年20人で、みんなでお出かけに行ったり遊びに行ったりする雰囲気ではないような気がします。私の学年は20人中16人が女子で、男子が4人だけなので、女子は全体としてなんとなく仲が良い感じなのですが、男子は肩身が狭いかもしれません。

司会:必修の授業などではどのくらい顔を合わせますか?

Eさん(社会心理):ほぼ授業が一緒で、ゼミも二つしかないので、みんな常に一緒!みたいな感じです。ただ、私はオンラインが大好きな人なので、あんまりみんなには会えていないですね。

KFさん(心理):文学部心理は全体で23人いて、社会心理とは真逆で20人が男子、3人が女子です。ただ、今年は特に女子が少ない代だったようで、例年は6~7人のようです。交流についてですが、みんなで受ける必修があまりないので、ゼミか実験のどちらかで一緒になった人と仲良くなる感じですね。これらの授業はかなり重いので、みんなと愚痴を言い合いながら自然と仲良くなる感じです。まだ話したことがない方もいますが、学科LINEなどで呼びかけると結構みんなリアクションを返してくれます。GWには10人くらいでBBQに行きました。

KYさん(教育心理):教育心理は、1学年23人で男女比は半々くらいです。私の代がものすごく仲良しで、2AでSlackチャンネルが作られ、そこで雑談したり、ご飯会が企画されたりしています。また、Twitterをお互いフォローし合って繋がっている感じですね。みんなで受ける必修がものすごく多いというわけではなく、週1,2くらいしかないのですが、4月の進学ガイダンス後にお花見に行ったり、みんなで遊んだり飲み会をしたり、かなり仲良しだと思います。

Q5.教育心理では、統計は使いますか?必修ですか?

KYさん(教育心理):2Aの「心理学統計法」という必修で、Rというソフトを使った統計を学びます。この授業は文学部の方もかなり履修されています。3年生になってからは、統計が必修という場面はあまりないのですが、卒論を書くときや、データ解析をするときには統計が使えないと困るし、大学院に進学するのなら統計は絶対やっておこうねという声もよく聞きます。ちなみに私は統計がものすごく苦手なので、よく学科のみんなに助けてもらっています!

Q6.心理学に興味があります。それぞれの学科で学ぶ心理学にはどのような特徴がありますか。それぞれの違いを教えてくださるとありがたいです。

KFさん(心理):実のところ、僕の学科で何をやっているのか聞かれたときに、まだ明確な答えを用意できていません。実験...といっても、他の学科の方もやっていると思うのですが、強いて言うなら、視覚や聴覚など、すごく基本的な概念から学んでいるイメージはあります。ただ、そういった内容に限らず、社会心理の授業を取って勉強したいのならそれも可能だし、心理学教室として開かれている研究室であっても内容的には社会心理を扱っていることもあります。

司会:ちなみにどのような実験が多いのでしょうか?

KFさん(心理):2Aの時は毎週心理学の古典的な実験をやっていました。3年生になるとタームごとの実験に切り替わり、それに伴って毎週書いていたレポートがタームごとになります。自分で数人の協力者を集めて実験を行わねばならず、そこのハードルが少しあるかもしれません。この前は、IATという潜在的な意識を測定するテストを行ったのすが、それは社会心理学概論という授業でも紹介されている内容だったので、社会心理の内容ともある程度被っているかもしれません。

Eさん(社会心理):社会心理は、おそらくみなさんが想像されている通りだと思うのですが、集団行動や社会的認知などの概論を学んでおいて、あとはゼミでも、感情だったり、幸福の本質だったり、そういった物を扱います。言うならば、人間の行動などに関わりの深い分野なので、人間の根源的な機能や「認知」を扱う心理学との違いもそこにあると考えています。

KFさん(心理):いま「認知」とおっしゃっていただき、なるほどと腑に落ちました。駒場で扱う認知といえば注意や錯覚、錯視だと思うのですが、実際にそのような授業、研究室もあります。去年まで心理I、IIを担当しておられた先生が今年から心理学研究室に赴任されてきましたし、文学部心理は触覚や聴覚など、認知を扱うと言って差し支えないと思います。

Tさん(認知行動):先生のお話を伺ったり、学会をのぞいてみた結果、文学部心理の認知よりの部分とかなり似ているという印象を受けました。先生はほとんど同じ内容だとおっしゃっていましたし、かなり近いと思うのですが、違う部分を挙げるとするならば全体的な雰囲気なのかなと思います。うちの学科はかなり研究者を育てるという雰囲気があり、概論として広く学ぶというよりはそれぞれの実験手法を学ぶようなイメージです。実験手法を一通り学んだあと、自分の実験を進めて作法を身につけていく、といった感じですね。また、学科の半分が理系出身なので、必ずしも自分がそうする必要はないのですが、プログラミングをものすごくしていたり、数式を使った研究をしている人が周りにいるという環境は他の学科と比べて特徴的だと思います。最後に、先生一人あたりの学生の数が少なく、先生4人に対し学生が8人しかいないため、自分で進めながら詰まったら先生のアドバイスをもらう、といった、密度の濃い学習を行うことができるのも強みだと思います。

KYさん(教育心理):教育心理は認知や社会ではなく、かなり臨床に寄った内容を扱っています。2Aでは基本的に精神疾患に関する内容をたくさん扱い、3Sでは子供がどのように発達していくかという発達心理を扱います。あとは、先ほど認知行動の方もおっしゃられていた、研究の作法に関する内容もしっかり扱います。質問の取り方や、観察的な心理学研究の進め方、さらにインタビューの行い方に関する実践的な授業などもあり、全体として、個人の内面に焦点を当てるような内容が多いのかなと思います。

Q7.駒場の心理の授業に興味が出たのですが、駒場の心理の授業と学科に進んだ後の心理の授業は結構違いますか?

Tさん(認知行動):結構近いと思います!駒場の心理の授業をされている先生が認知の先生だったりもするので、少なくとも私の学科に関してはかなり近いと思います。

Eさん(社会心理):みなさんが心理Iや心理IIでやったような内容を実験として扱うことが多く、その点では近いように思います。ただ、社会心理に関しては、D系列の「社会行動論」など、行動系の総合科目の方がもっと近いのかなと思います。

司会:ちなみに駒場の授業で記憶に残っているものやおすすめのものってありますか?

Tさん(認知行動):錯覚を扱う授業がすごく多かったのを覚えています。内容をきちんと覚えているわけではないのですが、面白いなという気持ちは大事にしていましたし、いま勉強している内容とも繋がっているように思います。

KYさん(教育心理):「教育臨床心理学」や「現代教育論」がかなり臨床的な授業で、実際にカウンセラーをなさっている先生がご自身の経験も交えながら教えてくださったので印象に残っています。

Q8.公認心理士は、前期課程で何か授業を取っている必要がありますか?

KYさん(教育心理):あります。公認心理士の資格を取るためには、大学で心理に関連する25分野の単位を取得する必要があり、そこには前期過程の心理Iや心理IIも含まれています。東大の公式ページに、ルート科目表というものが掲載されており、こちらがかなりわかりやすいのでぜひご一読ください!

Q9.Eさんに質問です。社会心理で人気の業種を教えていただきたいです。また、留学先はどのようにして決めたのでしょうか?

Eさん(社会心理):特にこれが人気!という業種はあまり浮かばないのですが、ただ、消費者行動に興味のある子は広告業界を志望していることが多いかもしれません。ちなみに、就活に対する意識の高い人も多く、コンサルタントを目指している人もよく見かけます。留学に関してですが、TOEFLの点数などの考慮した上で、行けるところに出したという感じですね。ちなみに、全学交換留学で留学するので、前提として留学先として提示された大学の中から選ぶ必要があります。

Q10.それぞれの学科でどのような実験をやるのか具体的に教えてほしいです。

Tさん(認知行動):2Aで一通りいろんな研究室のいろんな実験をやる授業があります。脳波やMRIを扱ったり、どちらの物体が大きく見えるかを100回ほどテストして傾向を抽出したりあとは筋電図をとったり...さらに、霊長類に対する実験や、教育心理に近いアンケートを扱った実験なども行います。「心理物理学」と調べていただくとイメージを掴みやすいかと思います。

KYさん(教育心理):Googleフォームで配ったアンケートを分析したり、インタビューを実際に行ってみて、インタビュイーの語りを分析したり、そういった実験は行いますが、今はまだ座学で実験法を学んでいる段階と言った方がいいかもしれません。

KFさん(心理):先ほどTさんのおっしゃっていた「心理物理学」ですが、必修でそれに関する実験をちょうど行っています。文学部心理は、3年生になると4つの班に分かれ、班ごとに交代で4分野の実験を1年かけて行います。身体認知、知覚、高次認知、認知という4分野で、高次認知に関しては、先ほども言ったIATというテストを扱い、社会心理の色が濃いです。知覚の扱う内容が心理物理学と関連していますね。実験が多い学科ではありますが、得られた反応をパソコンに入力するような単調な作業が多く、TさんがおっしゃっていたようなMRIだったり、そういった「実験室で行う実験」は行わないように思います。

分野横断ごとに学科を比較することで、より自分が興味のある学科を絞り込むことができると思います。学科のパンフレットを見るだけではなく、研究室のホームページを見たり教授にコンタクトをとったりするのもおすすめです。後悔のない進学選択を応援しています!

最後まで記事を読んでくださりありがとうございました!
最後に2点、この記事を作成したUT-BASEからお伝えしたいことがあります。

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