「先輩に聞く!進学選択のリアルとホンネ」イベントレポート vol.2 情報科学分野

この記事は、6月13日開催「先輩に聞く!進学選択のリアルとホンネ」情報科学分野のイベントレポートです。進学選択に悩む1,2年生に向けて、内定者が学科の内容から将来の進路までお答えします!

「自分の興味のある分野の人に話を聞いてみたいけれど誰に相談すればいいのかわからない...」
「そもそも〇〇学科って何するところなの?」
「学科のパンフレットだけではわからない、雰囲気やホンネを知りたい!」
そんな疑問に答えるべく、Twitterでアンケートをとった結果特に人気の高かった6分野の先輩を集めて座談会を行いました。
今回は情報科学分野の紹介です。UT-BASEの学科紹介記事とも合わせてぜひご一読ください。

目次

    登壇者紹介

    Iさん
    ・理科二類→理学部生物情報科学科(以下「生情」)
    ・興味分野:バイオインフォマティクス、情報科学、有機化学、経済学
    ・迷った学科:EEIC、薬学部両学科、工学部化学生命工学科、経済学部経済学科
    ・将来の進路:検討中(おそらくエンジニア)
    時間割

    Eさん
    ・理科二類→工学部電子情報科学科(以下「電情」)
    ・興味分野:音声処理/語学学習/教育/国際経済
    ・迷った学科:工学部電気電子工学科、理学部情報科学科
    ・将来の進路:検討中
    時間割

    Eさん
    ・理科二類→教養学部学際科学科B群(以下「学際B」)
    ・興味分野:計算機科学(特にHCI)、筋電/BMI、デザイン
    ・迷った学科:工学部電気情報工学科、理学部情報科学科、工学部システム創成学科Cコース
    ・将来の進路:エンジニア/技術ベンチャーCXO/VC
    時間割

    Sさん
    ・文科二類→工学部計数工学科数理コース(以下「計数数理」)
    ・興味分野:統計学、最適化、ML、エネルギー、EV、法律、etc...
    ・迷った学科:工学部システム創成学科Cコース、経済学部金融学科、教養学部総合国際関係論コース、etc...
    ・将来の進路:エンジニア/コンサル/金融/ベンチャー経営
    時間割

    Hさん
    ・理科一類→理学部情報科学科(以下「理情」)
    ・興味分野:機械学習、アーキテクチャ
    ・迷った学科:工学部計数工学科
    ・将来の進路:エンジニア
    時間割

    Yさん
    ・理科一類→工学部機械情報工学科(以下「機情」)
    ・興味分野:仮想現実、ゴーストエンジニアリング
    ・迷った学科:工学部航空宇宙工学科
    ・将来の進路:検討中(大学院に進学してから考えたい)
    時間割

    Mさん
    ・理科一類→工学部システム創成学科Cコース(以下「シス創C」)
    ・興味分野:スマートシティ、電力、物流
    ・迷った学科:工学部電子情報学科
    ・将来の進路:海外大学院進学
    時間割

    授業や学生生活の様子

     

    学問の特徴は?

    E(電情):実装のために理論はもちろん扱います。しかし計数工学科や情報科学科に比べるとそこまで大きなウェイトを占めてはいません。対象分野は電気系、情報系にまとまっていますが、これらの分野内においては大変多様な対象が存在しています。

    E(学際B):その名の通り本当にいろいろな分野にまたがっています。プログラミング言語の言語処理系を作るような、純粋に情報科学を扱う研究室から、脳科学系、生物系、さらには宇宙工学の研究室まで設けられています。

    S(計数数理):数学の様々な分野に対する応用・実践と、数学理論そのものを深く扱います。そのため、カリキュラムの中で数学とその応用に関する授業がかなりのウェイトを占めています。数学を様々な分野に応用するという実践的な側面ももちろんありますが、学部の教育としてはかなり数学の理論に寄ったものであるという印象です。

    H(理情):対象分野が大変広い学問で、代数寄りの分野(数学の証明やアルゴリズムの証明)からハードウェアの制作まで、かなり手広い対象を扱っています。そのため、情報科学科の授業はこんな授業だ、と表現するのが非常に難しいです。学部の性質上、理論的側面に対する深い理解が求められるのはもちろんですが、ハードウェアやOS、プログラミング言語の作り方など、実装的な内容もかなり扱います。しかし、そのような内容を扱う上でも理論的側面に対する理解を突き詰めることがやはり重要です。

    授業の実態は?

    I(生情):2年生のAセメスターは比較的余裕がありますが、3年生から始まる実習がかなり重いです。座学はそれほど大変ではありませんが、実習がとにかくハードという印象です。

    司会:実習がハードとのことでしたが、やはり生物系の実習が多いのでしょうか?

    I(生情):情報科学科と一緒に行う実習と、生物化学科と一緒に行う実験の両方があります。これら2学科はどちらも専門的な内容を深く扱う学科で、講義の内容もやはり専門性が高いです。そのため、他学科と合同で行われる講義ではこちらが圧倒されてしまうことが多いです。

    E(学際B):他の学科に比べ、必修の授業は30~40単位程度と少なめです。自分の興味に従って授業を取捨選択する必要があり、進路選択に必要な情報のインプットを自発的に行う様な自主性が求められます。一方、必修の授業は基本的に情報系の内容が多く、様々な分野における解決手段としての情報科学を身につけられます。

    Y(機情):かなり実習の多い構成となっています。エンジンを一から設計して作ったり、プログラミングをしたり、機械情報という名に違わない内容となっています。実習の課題がとても重い反面、テスト期間はそこまで大変ではありません。

    M(シス創C):コースワークの多さとしては比較的余裕のある学科だと思います。自分の学びたい講義を好きな様に履修することができるため、自分のペースで勉強することができます。僕は3年生の時に講義をたくさん履修したため、4年生ではかなり余裕のあるスケジュールとなりました。課題は軽くこなせる程度の分量だと思います。

    質疑応答

    Q1.プログラミング未経験でも大丈夫ですか?また、前期教養のF系列「アルゴリズム入門」を受講していないと厳しいでしょうか?

    A1.
    I(生情):生物情報科学科だと、12人中6人程度が全くの未経験者でした。長期休暇などに開講される補講などを活用しながらなんとかついていく人もいましたので、未経験でもなんとかなりはしますが本当に大変です。覚悟はしておいた方がいいかと思います。

    E(電情):未経験の方もいらっしゃいます。電子情報工学科と電気電子工学科は、中に入ってしまえばほとんど同じなので、、電気電子工学科でもプログラミングをしっかりやる必要があります。そのため、友達に助けられながらなんとか乗り切っている方は大勢います。全くのプログラミング初心者でも実習を通して様々なものを作ることができる様になりますので、プログラミングを身につけたいという気持ちがあるなら飛び込んでしまうのが良いと思います。

    H(理情):毎年1/3程度はプログラミング未経験の方ですが、ほとんど全員アルゴリズム入門は受講しています。もちろん友達に助けられながらであれば乗り切ることは可能ですが、物凄い努力が必要になるかと思います。2年生のAセメスターで開講される「情報科学基礎実験」では1ヶ月でC言語をマスターする必要があり、これは全くの未経験からスタートした場合だと本当に大変なので、少なくともアルゴリズム入門は受講しておいた方が良いと思います。

    Q2.生物情報科学科からだと、どのような進路が多いのでしょうか。

    A2.
    I(生情):先輩方がどこの企業に就職したか、あるいはどのくらいの割合が大学院に進学しているのか、という情報に関して詳しくは学部ホームーページを確認していただきたいのですが、僕の周りだとおよそ8割程度の人が大学院進学を視野に入れており、さらにその中で8割程度の人が博士課程進学を検討しています。学部からの就職を検討している人は、プログラミングの技術を武器にして就活に臨む人が多いです。

    Q3.電気電子工学科と電子情報工学科にはどの様な違いがありますか?

    A3.
    E.K(電情):ほとんど違いはありません。2年生の最初あたりでは必修科目に少しだけ違いがありますが、概ね同じ講義を受講できますし、授業でできた友人がどちらの学科かわからない、という事態がよく起こるくらいです。

    Q4.演習の雰囲気を教えてください。

    A4.
    E(電情):電気電子工学科と共同で行われます。大体4、5人のペアを組み、活発に話し合いながら取り組みます。和気藹々とした雰囲気で、演習をきっかけに友達ができることもしばしばあります。なお、演習は基本的に対面で行われます。

    Y(機情):コロナ禍の中、zoomとGoogle meetを活用して行われました。一人では困難な量のタスクが課せられたため、活発にグループ内で話し合いながら取り組みました。グループの仲もとても良かったです。

    Q5.以前に教養学部の統合生命科学コースの方にお話を伺った際、教養学部はどのコースであっても自主性が求められるということを仰っていました。学際Bにおいてもこのような特徴は見られるのでしょうか?

    A5.
    E(学際B):そうですね。扱う分野が多岐に渡るため、同じコースの人であっても興味分野が重なることが少ないです。そうなると、同じ講義を受講している友人と協力して勉強するということが他の学部・学科よりも難しくなってしまいます。そのため、自分と同じ興味分野を持っている人を積極的に探すなど、自主性が必要になる場面は多いかと思います。

    Q6.学際科学科と工学部はどちらが忙しいと思いますか?

    A6.
    E(学際B):弟が工学部の電気情報工学科なので、そこを例に挙げて考えると工学部の方が忙しいと思います。電気情報工学科が忙しすぎるのかもしれませんが、学際Bは卒業に必要な単位数を考えてもそこまで多くなく、楽に過ごそうと思えば楽に過ごせます。勝手なイメージかもしれませんが、大変さの度合いで考えるとシステム創成学科Cコースと近いのかなと思います。

    M(シス創C):システム創成学科Cコースに関しては、うまくやればそこまで忙しくならないという印象です。勉強をしなければならないのはもちろんですが、他の学科の方々と比べるとやはりそこまでの負担ではないのかなと感じています。課題がそこまで多くないのが大きな要因なのかもしれません。

    S(計数数理):例えば学際科学科の中でも生物系は実習がかなり大変なイメージがありますが、計数数理の実習や演習は授業時間内で余裕を持って終わらせられるものがほとんどです。レポートもすごく重いというわけではないので、時間的な拘束はそこまでありません。その反面、テスト期間は本当に大変で、数学が好きで得意だという方でない限り、しっかりと勉強時間を確保する必要があると思います。

    Q7.学際科学科は、数学系の必修科目が多いですか?

    A7.
    E(学際B):5、6単位程度となっており、そこまで多くはありません。この質問に、文系からの進学でついていくのは可能かというニュアンスが含まれていると考えてお答えすると、文系の方々はかなり苦労していたという答えになります。数学の授業は基本的に理系の人が文系の人に教えながらみんなでクリアしていました。演習の授業が多く、授業回ごとにしっかりついていかなければならないという厳しさはありました。

    Q8.計数工学科にはもう一つ、システムコースという進路が存在していますが、時間割や扱う内容において数理コースとの違いはありますか?

    A8.
    S(計数数理):結構違います。システムコースに所属しながら数理コースの講義を受講することも、その逆も可能ですが、両方の講義を全て履修するのは負担が大きくほぼ不可能です。システムコースの扱う対象として、制御や信号処理、回路などが挙げられます。これらは工学部における多くの学科で扱われている対象ですが、システムコースではこれらを数学的側面から学ぶという特徴があります。物理・数学・情報を理論的なアプローチで学びつつ、演習でアウトプットを行うコースと言い換えられます。一方、数理コースは扱う対象をかなり数学に寄せたコースという位置付けです。

    Q9.文系から理転されたとのことですが、授業についていく上で支障はありましたか?

    A9.
    S(計数数理):何も武器を持たずに理転したわけではなく、元々興味はありました。文系でも受講できる数学の科目やF系列の総合科目を色々と受講して勉強していたため、得意だとは言えませんでしたが、歯が立たないというわけではありませんでした。この学科では、工学部で一般的に必要な微積などに加えてより専門的な数学の分野を扱うので、得意でないからと避ける必要はないまでも、少なくとも興味は持っておかないと大変かなと思います。

    Q10.計数工学科と情報科学科で迷うことはありましたか?

    A10.
    S(計数数理):迷いませんでした。計数工学科の全科類枠は2人で、同期にもう1人文科から進学してきた人がいるのですが、彼は迷っていました。私はそもそも理学部に進学するために必要な要求科目の条件を満たしていなかったため、そもそも選択肢に入っていませんでした。また、僕がやりたい事は情報系の学問というよりも数学、およびその応用がメインだったため、計数工学科を選んだという側面もありました。

    Q11.数理コースとシステムコースで迷うことはありましたか?

    A11.
    S(計数数理):少し悩みましたが、システムコースは物理や数学から派生した制御理論や信号処理がメインでしたので、やはり私の興味分野であった数学、およびその応用に近い数理コースを選びました。

    Q12.Hさんはプログラミングの経験がおありでしたか?

    A12.
    H(理情):ありました。情報科学科の人たちは多くが競技プログラミングの経験者ですが、僕は競技プログラミングに手を出さず、高校生の頃からwebプログラミングやアプリ開発を行っていました。なお、高校生の頃からプログラミングを経験していることが必須なのではなく、大学1年生から頑張って勉強した方でも講義についていくのは可能だと思います。

    Q13.情報学科の底点(第二段階)が知りたいです。

    A13.
    H(理情):底点は全くわからないのですが、情報学科の底点は三角関数のように振動する傾向があります。僕の年度は、前年の底点が大変高かった影響で志望者が減り、底点は低くなりました。一方でその次年度の底点はぐっと上昇し、85点を取った人が第2段階で弾かれたという噂も流れました。この噂が流布した今年の底点は低くなるかもしれません。しかし、結局は底点を気にせず自分の行きたい学科を志願することが一番です。

    Q14.1年生の必修科目「電磁気学」や「数学」が苦手だと厳しいですか?

    A14.
    Y(機情):厳しくはないと思います。機械科全体に言えることですが、どの先生も1から教えようという心持ちで講義をしてくださいます。得意に越したことはありませんが、仮に自分が苦手であっても周りに得意な方が必ずいるので、助けてもらいながら乗り切ることは十分可能だと思います。

    Q15.システム創成学科の各コースにはどの様な違いがあるのでしょうか?A、Bはあまり情報を扱わないのでしょうか。

    A15.
    M(シス創C):①進振り点が違う②受講する講義が違う③研究室が違うという三つの違いが挙げられるかと思います。Aは環境や惑星、つまり地球に関することがメインとなっており、Bはシミュレーションがメインです。ABCどれも情報系の内容は扱いますが、一口に情報系と言ってもそれぞれのコースの特色が反映されています。

    分野を横断して学科を比較することで、より自分が興味のある学科を絞り込むことができると思います。学科のパンフレットを見るだけではなく、研究室のホームページを見たり教授にコンタクトをとったりするのもおすすめです。後悔のない進学選択を応援しています!

    最後まで記事を読んでくださりありがとうございました!
    最後に2点、この記事を作成したUT-BASEからお伝えしたいことがあります。

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