【進振り体験記】#13 自分の声を聞くこと

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「あなたはどのようにして進学先を決めましたか?」

多くの東大生が1度は頭を悩ませる、進学選択(通称「進振り」)。

——何を基準に学部・学科を決めれば良い?どんな手段で情報を集めれば良い?自分の興味・関心にどう向き合えば良い?

そんな疑問を抱く東大生に寄り添うべく、悩み抜き、考え抜いて進学先を決めた先輩たちの経験を発信する連載「進振り体験記」!

今回は、文科三類 から 教養学部(PEAK) 国際日本研究コース に進学した学生の体験談です。

1. 基本情報

今回、体験をシェアしてくださった方の基本情報は以下の通りです。

◯名前:A.S. さん
◯出身科類:文科3類
◯進学先:教養学部(PEAK) 国際日本研究コース(詳細:こちら

2. 大学に入る前

Q. まずは、どうして文科3類を選んだのか教えてください。また、高校時代の関心分野についてもお聞かせください。

A. 幼いころから歴史に興味があって、歴史を勉強するために文科3類を受験しました。
高校の頃に塩野七生さんの『ローマ人の物語』や司馬遼太郎の歴史小説を読んで、「昔の人たちも今の自分と同じように息をして暮らしていたんだな」と。それで歴史を面白く感じましたね。家族の書棚にたくさん歴史小説があったんです。また大学卒業後の進路として外務省にも興味を持っていました。

Q. もともと英語はお得意だったのですか?

A. 高校のプログラムでメルボルンに3週間滞在したことはありますが、帰国子女という程ではないです。
東大のオープンキャンパスでPEAKの模擬授業を見たことはありましたが、あの頃はまさか自分が英語コースに進学するなんて思ってもみなかったです(笑)

3. 入学時から現在までを振り返って

Q. 入学時から今まで、進学選択についてどれくらい考えが変わりましたか?

A. 歴史への関心は変わりませんでしたが、学科選択については紆余曲折がありました。歴史が好きだったので文学部の日本史学専修東洋史学専修西洋史学専修は迷いました。またSセメスターで履修した福岡安都子先生の日本国憲法に惹かれ、法学部も少し検討しました。日本国憲法の歴史的背景を学ぶのが楽しかったのでこれも歴史関連ですね。

Q. なるほど。初めから国際日本研究コースを考えていたわけではないんですね。前期課程向けのPEAKの授業は履修されていましたか?

A. いや実はそれが全くなかったんです。

UT-BASEメンバー:
そうなんですね!どうして現在の内定先を選ばれたのかますます気になります。

4. 進学先の決定

Q. どのようにして国際日本研究コースのことを知ったのですか?

A. 部活の先輩の影響が大きいです。その先輩の友達が実際に国際日本研究コースに進学されていて、お話を聞くうちにそういう選択肢もあるのか、と。その後はコースの公式HPシラバス東大新聞の記事UT-BASEのサイトで情報を集めはじめました。

Q. PEAK国際日本研究コースへの進学を決めた経緯を教えてください。

A. 自分の学問的関心と卒業後のキャリアの両面から考えました。
私はディテールを分析する方法論よりも世界史の大きな流れの中で日本がどう動いてきたのかを俯瞰するほうに興味があって。東大の世界史入試ってそんな感じですよね。細かい点よりもメタ的な視点を重視するというか。
そうすると文学部は自分に合っていないように感じました。その点、国際日本研究コースの公式HPには、”Japan in East Asia” “See things from a global perspective!”の文言があり、歴史を俯瞰する視点に興味を惹かれました。

また、入学前から外交に関わる国家公務員になりたいと考えていたので、本当に文学部で良いのかと悩んだのもあります。やりたいことが将来に結びつくのか不安でした。法学部については2Sの持ち出し科目を受講していませんでしたし、同期が大変そうにしている姿を見たり、あまり興味がない分野を取らなければならないと聞いたりする中で、自然と選択肢から外れていきました。
一方国際日本研究コースでは英語で授業を受けるということもあり、大学卒業後のキャリアにも繋がるかなと考えました。

Q. ご自身でたくさん情報を集められた上でのご決断だったのですね。

そうですね。とはいえ最後は勢いもあったと思います。思い切りの良さが大事かなと(笑) 実は、コースが英語試験の目安水準を提示しているのですが(※)受験できていなくて。それでも応募すること自体は可能なので、もし応募して入れてもらえるならここにしようと思って登録しました。

※:PEAKに進学を希望する学生には、TOEFL iBT100点以上、IELTS 7.0以上に相当する高い水準の英語力(スピーキングやライティングの能力を含む)が強く求められている。

5. 国際日本研究コースでの生活

Q. 実際に入ってみて、PEAK国際日本研究コースの雰囲気はいかがですか。

A. 自分の代だけかもしれませんが、意外と帰国子女は少ないですね。また1授業あたり10~20人の少人数クラスが多く、温かいコミュニティーも特徴だと思います。

Q. 前期課程の授業と比べて、授業内容にどのような違いがありますか?

A. 私の感覚ですが、PEAK生は週10コマ程度が平均的だと思います。前期課程の頃よりも少なめですね。それでも1授業30ページ程の予習課題が課せられるうえ、授業では英語でのディスカッションを求められるので、始めのうちは結構苦労しました。
一方で、授業中とても集中して授業に入り込んでいる感覚があり、前期の授業よりも授業の時間が短く感じるようになりました。また勉強量が多めで英語力も身についていくので充実感がありますね。(英語については授業が始まる直前の夏休みにもっと勉強しておけばよかったと思っています。)

Q. 国際的なクラスに入って感じたカルチャー・ショックなどはありますか?

A. それはありますね。教室の後ろに座っている生徒も積極的にクラスのディスカッションに参加するのが大きな違いかなと。全体的に意欲が高い学生が多いと思います。
また、授業中でも自由に水を飲んだり、トイレに行ったりするのを見て、これまで育ってきた環境の差を感じました。

Q. 興味深いお話をありがとうございます。歴史の授業内容は想像通りでしたか?

A. はい。事実をたくさん学ぶというよりもそれが国際的にどのように認識されているかを学べてとても興味深いです。英語コースということもあり、日本内部からでは分からないような視点から日本に関する文献を読んだり歴史を学んだりしています。
具体的には、John W. DowerやHerbert Norman, Susan J. Napierなど、学生が各自で選んだ文献に基づいてプレゼンテーションや議論を行っています。また授業で扱う内容も民族論やマルキシズム、政治など硬派なものからアニメ関連のソフトなものまで様々でとても面白いです。

6. メッセージ

Q. 最後に、これから進振りを迎える後輩たちにメッセージをお願いします。

A. 最後の思い切りは大事だと思います。
PEAKと聞くと壁は高いように感じますが、入ってみると意外と何とかなります。
純ジャパでも頑張らなきゃいけない状況に置かれる訳ですから(笑) 
だから自分の将来の頑張りを信じて飛び込んでみたらいいと思います。入って良かったと思えるはずです!

PEAKに入ったからこそ開ける世界、普通なら関わることのない人たちと関われる世界がそこにはあります。是非皆さんも言語の壁を乗り越えてみてください!

UT-BASEメンバーより

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