【進振り体験記】#29 高校時代は全く想像しなかった進路へ〜「大学で」学びたいこと〜

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「あなたはどのようにして進学先を決めましたか?」

多くの東大生が1度は頭を悩ませる、進学選択(通称「進振り」)。

——何を基準に学部・学科を決めれば良い?どんな手段で情報を集めれば良い?自分の興味・関心にどう向き合えば良い?

そんな疑問を抱く東大生に寄り添うべく、悩み抜き、考え抜いて進学先を決めた先輩たちの経験を発信する連載「進振り体験記」!

今回は、文科3類 から 法学部 に進学した学生の体験談です。

1. 基本情報

今回、体験をシェアしてくださった方の基本情報は以下の通りです。

◯名前:R.M.さん
◯出身科類:文科3類
◯進学先:法学部第1類(詳細:こちら

2. 大学進学前

ー大学入学前はどんな事に興味がありましたか?

小学生の頃から大学入学までずっと、歴史学に興味をもっていました。小学4年生の時に両親の影響で大河ドラマ「秀吉」を見始めてから、「誰がどう動いて社会がどう変わったのか」という様な視点に引き込まれて。東大でも日本史を研究したいと思って文科3類を受験しました。

ー進学先で言うと文学部の日本史学専修でしょうか?

そうですね。実際、高3の頃には東大文学部の推薦入試を受ける準備をしていました。高校で防災に関する探究活動を行っていたので、それと歴史を絡めて考えていましたね。特に『天災から日本史を読み直す』という本からは、史料から過去の災害の教訓を読み取り現代に活かす姿勢を学ぶことができ、大きな影響を受けました。

結果として、推薦入試は不合格となり一般入試で東大に入学したのですが、大学入学後自分の進路を真剣に悩むことができたので、今振り返ると一般入試で入ったのはある意味自分の運命だったのかなとも思います!

ーそんなに歴史が好きなMさんがどうして法学の道に進んだのか、増々気になります!

3. 大学入学後

ー大学に入ってから特に楽しかった授業は何でしたか?

地域の商店街の歴史などを読み解く「歴史と文化」(塚原伸治先生)やテレビ番組から戦後社会の変化を読み解く「現代社会論」(丹羽美之先生)は特に楽しかったです。入学前から関心をもっていた学問を実際に大学で学べてワクワクしました!(塚原先生にインタビューしたUT-BASEの記事はこちら

ただ一方で、歴史学や民俗学・社会学は好きだけど、自分で研究したいというより話を聞いてて楽しい!という感覚が強い事にも気が付きました。その経験から大学ではもっと制度に関して学びたいと思い、元々教育に興味があったことも踏まえて、教育学部の比較教育社会学コースも視野に入れ始めました。実際に、2年生の6月には教育工学などを研究していらっしゃる池尻良平先生をお招きし、Across-UTというイベントを開催しました。

ーなるほど。制度への関心を通じて、日本史学から少しずつ進路が変わっていったんですね。他に迷っていた学部学科も教えて下さい。

1年生の頃は教養学部の文化人類学コースや文学部の社会学専修も少し考えていました。逆にその頃法学部は全く考えていなくて。法学部に興味を持ったのは2年を迎える前の春休みだったんです。

4. 転機、そして決断

―とても気になります。春休みに考えが変わったきっかけを教えて下さい。

法学部に興味を持ったのは大学のフィールドスタディ型政策協働プログラムがきっかけでした。福島県南会津市で古民家空き家の活用に一年間取り組み、その最終成果を発表する場が2月にありました。学生5人と自治体の人で活動し、地元の方々からのヒアリング結果も踏まえて政策を練っていたのですが、自分が考える政策案に中々納得がいかなかったんです。地に足がついていない気がしたというか。

でもそんな中チームメイトだった法学部の先輩方は論理的に制度ベースで政策を考えていて。すごく尊敬したし、法学部で勉強する中でそういう技術を身につけられたらなと思ったんです。そこから法学部に進学することを考え始めましたね。

ー実際に2Sから法学部の持ち出し科目を受けてどうでしたか?

「憲法」など持ち出し科目を受けて感じたのは、法学の新鮮さとかっこよさでした。また教育学部の比較教育社会学コースに進むよりもさらに広範な社会の制度に触れられることも魅力的だと感じました。

前期課程でも法Ⅱや日本国憲法など法学の授業を受けていましたが、法学部の持ち出し科目ではそこで学んだ概念が更に広がっていく感覚を覚えました。また前期課程の日本国憲法は憲法制定史にも重点が置かれていましたが、後期課程(法学部)の憲法ではより具体的な事例や判例に踏み込んで学ぶという違いがありました。

法学部の授業を実際に受けた経験や、私と同じ文科3類から法学部に進学した先輩の体験談などを踏まえて、最終的に法学部で志望登録を出しました。

5. 法学部内定生として過ごした2A

ー実際に法学部に内定して過ごした2Aはどうでしたか?

法学部は思っていたよりも自分にあっていたなと感じました。まず、思ったより砂漠じゃなかったというのがあります(笑)たくさん助けてくれる法学部の友人もいましたし、緑会や法律相談所といったコミュニティもあることを知りました。また授業を真面目に受けている人も多くて、想像よりも過ごしやすい雰囲気でした。

加えて、勉強についていけるかという不安もありましたが、これもなんとかなったのではないかと思っています。実際法学部で学ぶことはとても難しく、特に忙しいと言われる2Aでは「洗礼を受けた」感覚がありました。もともとテストよりもレポートが得意だったこともありましたが。でもそれが苦痛だったというよりも、「法学部に来たからには勉強を頑張ろう」という風に自分の意欲を高める原動力にできました。

ー1年の時から司法試験合格を目指して予備校に通う学生もいると聞きます。そういった学生との差はどれくらい感じるのでしょうか?

かなり感じました(笑)基礎知識の定着度合いが全然違って、自分が条文を理解しようとしている時にはもうその応用を考えているというように感じました。でもそれも自分のモチベーションになって、早く追いつきたいと思えました。法学部の勉強についていけるか不安な人には意外と何とかなると伝えたいです!自分を信じてみてください。

6. これから進振りを迎える人へ

ーこれから進振りを迎える人に向けてメッセージをお願いします

どこかの学部学科に進むことが他の興味分野を諦めることにはならないと伝えたいです。私の場合、今でも高校時代の興味は継続していて、ただ関心や知識を活かす場所が変わったという感じです。実際今でも歴史学の本を読んだり、民俗学の勉強を進めたりしています。

そしてそのことを前提に「大学で学ぶ」ことの意味を自分なりに見つけていくと良いと思います。例えば私は趣味で学ぶこととは違うことを専攻したいという思い、大学卒業後社会の制度にかかわる仕事をしたいという思いから法学部を選んだということになります。独学では学ばなさそうな学びを深める場所としての大学という考え方ですね。

UT-BASEメンバーより

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