「先輩に聞く!進学選択のリアルとホンネ」イベントレポート vol.3 国際分野

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この記事は、6月14日開催、「先輩に聞く!進学選択のリアルとホンネ」国際分野のイベントレポートです。進学選択に悩む1,2年生に向けて、内定者が学科の内容から将来の進路までお答えします!

「自分の興味のある分野の人に話を聞いてみたいけれど誰に相談すればいいのかわからない...」
「そもそも〇〇学科って何するところなの?」
「学科のパンフレットだけではわからない、雰囲気やホンネを知りたい!」
そんな疑問に答えるべく、Twitterでアンケートをとった結果、特に人気の高かった6分野の先輩を集めて座談会を行いました。
今回は国際分野の紹介です。UT-BASEの学科紹介記事とも合わせてぜひご一読ください。

目次

    登壇者紹介

    Eさん
    ・文科一類→教養学部 教養学科 地域文化研究分科 北アメリカ研究コース、以下「地域」
    ・興味分野:ニューヨーク都市研究、エスニシティ
    ・迷った学科:教養(国関、相関、フランス科)、法、都市工
    ・将来の進路:民間企業(不動産業)
    時間割

     
    Kさん
    ・理科一類→工学部社会基盤学科Cコース、以下「社基」
    ・興味分野:交通(高速鉄道)、都市
    ・迷った学科:都市工、航空宇宙
    ・将来の進路:院進(社会基盤学専攻)→運輸・建設
    時間割

     
    Sさん
    ・文科一類→法学部第三類政治コース、以下「法三」
    ・興味分野:日本外交、歴史認識問題、日本政治
    ・迷った学科:教養(国関)
    ・将来の進路」:国家公務員(外務省・経産省)
    時間割

     
    Sさん
    ・文科二類→経済学部経済学科、以下「経済」
    ・興味分野:開発経済学、マクロ経済学(金融・実証寄り)
    ・迷った学科:教養(国関)
    ・将来の進路:院進(経済学研究科or公共政策大学院)→官公庁・政府系金融機関
    時間割

     
    Tさん
    ・文科三類→農学部国際開発農学専修、以下「国際農業」
    ・興味分野:開発学、環境、国際協力、食料問題
    ・迷った学科:教育学部(比教社)、農経、教養(国関)
    ・将来の進路:民間or公的機関(官公庁・JICA)
    時間割

     
    Yさん
    ・文科三類→教養学部教養学科総合社会科学分科国際関係論コース、以下「国関」
    ・興味分野:人権保護、テロ・紛争、国際協力
    ・迷った学科:文学部社会学専修)
    ・将来の進路:国家公務員 or 院進→国際公務員
    時間割

    授業や学生生活の様子

     

    学問の特徴は?


    Kさん(社基):社基は、工学部でも実践に近いところがあります。僕たちがやっているのは、たとえば自動運転の技術があったとして、それをどうやって社会に実装していくのかというところなんです。

    Tさん(国際農業):私のところも実践的なことが多いです。学科のモットーが「フィールドで活躍できる人材を育てる」というところでもあるので、現場で実際にどのような問題が起こっているのかを中心に勉強します。

    Sさん(法三):法学部はあまり実践的なところはなく、理論中心に学んでいきます。実践というと、外交官とか日本政治や国際政治の第一線で活躍されている方のお話を聞くところをイメージされるかと思うのですが、そのようなお話を聞く機会は学内ではあまりないです。政治学や国際政治理論などをガッツリと勉強したい方にはおすすめです。
    法に限った話でいうと、現役の弁護士さんが開講しているゼミなどもあるので、そこに入れば実践面にも触れることができると思います。

    Eさん(地域):対象分野はすごく広いと思います。アメリカに関わっていれば政治・経済・文化・国際関係なんでもできます。

    Yさん(国関):国際関係を扱うということで、対象分野はかなり広いと思います。また、理論から実践まで幅広く扱います。理論面だと国際政治のゲーム理論もやりますし、実践面では、実際に国際機関で働いていた方にご自分の経験を話していただくという授業もあります。

    授業の実態は?

    Sさん(法三):法学部は座学が多いですね、オンライン授業がほとんどだと思います。1セメスターに1つは演習の授業が取れるのですが、そこでは毎週新書1冊や論文2本などを読んできて、それを発表して議論するという感じです。
    授業や課題のハードさについては、試験は結構厳しいですが、普段の授業は録画やシケプリが充実しているので、自分のペースで勉強することができます。
     
    Yさん(国関):必修の授業が重たいかなと思います。国関では国際政治・国際法・国際経済をセメスターに1つずつ履修していくのですが、論文を毎週読んできて、それに対して自分の意見を用意しておいて議論するという形式になっています。学科の人数が少ないので、助け合いながら授業を乗り越えています。
     
    Sさん(経済):授業は余裕ありの授業からハードなものも選べるので、人によって授業の負担を調節できるようになっています。ゼミ以外は基本的にオンライン授業の座学ですね。

    Kさん(社基):社基は工学部でもトップレベルに必修が少ないです。なので、ハードな授業から楽な授業まで好きに調節することができます。また、社基は公共政策大学院などの大学院にまたがって開港される授業も履修できたりするので、そういったレベル高めの授業を中心に履修したりする場合は授業負担が重くなるかもしれません。

    Tさん(国際農業):授業は全然ハードではないですね。実習や実験が多くて、その場で完結するタイプの授業がほとんどです。ハードな授業も大学3年生の後半には増えてくるのですが、グループワークが多いので、一人で黙々と予習するというよりは、みんなでわいわい助け合いながら勉強するという感じです。
    国際農業の特徴の1つが、実験や実習が多いということです。海外実習でベトナムの農場に行ったり、牧場に行って牛や豚と戯れたりします。自由時間も多いので、学科旅行のような雰囲気でとても楽しいです。実験ではグループごとに魚を1つ選んで自由に実験するというものなど、変わった授業が多いですね。

    Eさん(地域):授業スタイルはゼミ形式のスタイルはほとんどです。授業人数は10人いたら多いなという感じのものがほとんどで、事前にりご文献を読んできてディスカッションするというものが多いので、その点はハードかなと思います。

    学生生活の内情は?

    Tさん(国際農業):学科全体が20人前後の少人数で、女子も半分近くいるのですごく仲が良いです。グループワークの授業が多いので、仲を深める機会も多く、学科で旅行に行くこともあります。ひとりになりたい人はそれでも許容してもらえる雰囲気なので、群れたくない人でも大歓迎な学科かなと思います。
     
    Yさん(国関):国関が所属する総合社会科学分科には「学科部屋」というものがありまして、学科部屋に集まって空きコマに雑談したり、お昼ご飯を食べたりなどしています。そのようなコミュニティがあるのは1つ国関のいいところなんじゃないかなと思っています。
     
    Eさん(地域):教授とのつながりは強いかなと思います。授業や卒論のことをメールで聞きやすいですし、研究室に呼んでいただいて相談に乗っていただくこともあります。コロナの前は打ち上げや教授の別荘で合宿などもあったので、オフの場もオンの場も楽しめるという感じでしたね。

    Kさん(社基):社基は都市計画の演習もあって、もともと対面だったものをオンラインに移行するのはかなり難しかったんじゃないかなと思っています。しかし、学生6人のグループに1人TAがつくなどして手厚いフォローを受けることができるようになったので、オンラインで難しくなった面もカバーしつつ、先輩と仲良くなることができたかなと思っています。

    質疑応答

    Q1.国際農業は文系でもついていけますか?

    Tさん(国際農業):私は文三出身で、数学全然できないし、生物や化学の知識も0で進学したのですが問題なくついていくことができています。というのも、授業の種類が前期課程でいうD系列がほとんどで、たまにある難しい授業も理系出身の友達に聞くことができるからです。

    Q2. 安全保障を勉強したい場合、法三と国関のどちらがあっていますか?

    Sさん(法三):法三では安全保障を勉強できます。安全保障といっても軍事だけではなく、経済分野や政治分野も関わってきます。その意味で、法三では政治経済分野も幅広く勉強できると思います。経済安全保障についてゼミを開いている先生もいらっしゃいますし、国際政治の授業でも安全保障のジレンマなどを扱います。

    Yさん(国関):安全保障に関心があって国関にきている方もいらっしゃいます。ですが、必修の国際政治の授業はかなり理論面に基づいた授業です。もし実際の事例を扱いたい場合は必修以外の授業で補う必要があるかなと思います。

    Q3. 国連職員を志望している場合、国関と法三のどちらに進学すべきでしょうか?

    Sさん(法三):国連職員志望の学生は法三にもいると思います。国連職員になるには修士号を取ることが必要になると思うのですが、国際法や国際人権法を勉強して法学修士を目指すのであれば法学部がいいのかなと思います。

    Yさん(国関):実際にOBOGのかたに国連職員の方もいらっしゃいます。ただし、国連で働くには国際法や国際人権法などの専門性を身につけることが必要不可欠です。国関でも国際関係の基礎を身につけることはできるのですが、修士課程に進学してなんらかの専門性を身につけるのが必要不可欠になるのかなと思います。

    Q4. 留学に行く人の割合を知りたいです

    Eさん(地域):地域分科研究は30人くらい、アメリカ科は3~5人程度になるのですが、1~2人は留学に行きますね。

    Sさん(経済):全体の割合は少なめかもしれませんが、国際経済を勉強するゼミではその割合が高まります。授業の必修も調整できるので、「S2タームだけ授業全く入れずに留学に行く」ということも履修戦略次第では可能です。

    Tさん(国際農業):長期留学に行く人はあまりいないかなと思います。ただ短期留学はすごく多いです。3年生のS2タームは授業が1コマもないので、4ヶ月くらい暇になるんです。その時にアメリカを周遊したり、大学に短期プログラムで行く人もいます。

    Kさん(社基):国関などのように1年留学する人は少ないのですが、GLPを履修している人は2、3人いるので、その制度を使って1~2ヶ月留学に行く人は多い印象です。社基は大学院で留学プログラムが充実しています。ダブル・ディグリー制度と言って、フランスの大学と日本の大学両方に在籍して両方の修士号を取得したり、アジア開発銀行のインターンシップに参加してそこで実際のプロジェクトに関わることもできます。

    Sさん(法三):現在1年生で留学を考えている人には、法学部はおすすめです。今から留学を申し込むと2年生の9月に留学することになると思うのですが、試験の期間に融通を効かせることができたり、出席を取らない授業がほとんどなので4年で卒業を目指すことも可能です。
    法三では長期留学に行く人や、 GLPを履修して1~2ヶ月留学に行く人も多いです。授業の融通がきくので、6月や7月に留学する人が多いですね。

    Q5. 法学部と国関では言語を勉強することはできますか?

    Sさん(法三):法学部で語学の授業は開講されていないのですが、中国語やフランス語の文献を読むゼミはあるので、そこで学んだ言語を生かすことはできます。また、英語を使う授業も多く開講されていますね。

    Yさん(国関):結論から申し上げると可能です。卒業に必要な単位のうち8単位分は言語で埋めなければいけないのですが、そのうち6単位分を英語の授業で埋めることができます。残り2単位分は第二外国語で取る人もいますし、第三外国語で取る人もいます。また、オールイングリッシュの授業を履修することも可能です。

    分野横断ごとに学科を比較することで、より自分が興味のある学科を絞り込むことができると思います。学科のパンフレットを見るだけではなく、研究室のホームページを見たり教授にコンタクトをとったりするのもおすすめです。後悔のない進学選択を応援しています!

    最後まで記事を読んでくださりありがとうございました!
    最後に1点、この記事を作成したUT-BASEからお伝えしたいことがあります。

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