先輩の1Sセメスター活動紹介 vol.8 「馬鹿みたいに熱中できることをぜひ見つけようー2018年度文科二類入学S.T.さんの場合」

 1浪、1年の他大学での大学生活を経て文科二類に合格したT.S.さん。今年、経済学部経営学科を卒業し、BtoB(※1)のスタートアップ企業に就職する。そんな彼は、どのような1Sセメスターを過ごしたのでしょうか。インタビューを通して迫っていきたいと思います。

(※1)BtoB:「BtoB」は、“Business to Business”の略称。企業が企業に対してモノやサービスを提供するビジネスモデル。

インタビュアー:北村優佳(理科二類新2年)

—----入学当初、どのようなモチベーションだったかを教えてください。
 前年は僅差で東大不合格だったので、合格した時はホッとしました。また、所属していた大学での一大プロジェクトを終えたような気分でしたね。もし一浪で受かっていたら、テニスサークルなどに入ろうと思っていましたが、入学までにもう1年かかってしまったので、「東大に来たからこそ、自分の想像を超えるような専門性や熱量を持った方と一緒に何か事を成したい!!!」という気持ちでした。

—----どのように情報を集めて、どのような新歓イベントに参加しましたか?
 主に、予備校同期で先に東大に入学していた友達経由で情報は集めていました。春休み中に彼彼女らと一緒にご飯に行くことが多くて、断片的にいろいろな話を聞いていたんです。その話を聞く中で、「この団体は面白そう」と思ったり、「この団体はいいよ」などと言われたりして、それらの団体の新歓に参加しました。当時は高山ゼミ(※2)やHCAP(※3)に興味があり、それらの団体の新歓に参加したところ、「この団体に興味があるならこっちも来なよ」と誘われ、すずかんゼミ(※4)、GEIL(※5)、Bizjapan(※6)の新歓などにも参加しました。
 当時は、「槌音」という入学生全員に配られるサークルなどが紹介されている冊子や、テント列(※7)での勧誘は、今では後悔していますがあまり真剣に見ていませんでした。自分は二浪した分、知り合いから本質情報を聞けていたので、あまりそれらを信じていなかったんです。
 それに加えて、情報が多すぎてわからなかったというのもあります。当時は、大学の諸手続き後にさまざまな団体や新歓情報のビラが入った分厚い袋をもらったのですが、それがあまりにも多すぎて「こんなにあるのか」と面倒に感じてしまいました。なので、「知り合いがお薦めしてくれた団体だ」という基準で各新歓に参加しました。
 当時の自分には、情報を集めるためにTwitterを始めるという選択肢はなかったですね。これは単に、「Twitterは廃人がやるもの」みたいなイメージを高校の時に植え付けられていたからです笑。結果的にはTwitterをやっていなかったことで情報集めには苦労しました。
 また、新歓と同じようなタイミングで「1年生でもできるインターンがあるらしい」という話を聞いて、予備校の友達が始めた会社のインターンにちょうど誘われたので挑戦しました。最終的には定着せず辞めてしまいましたが。その会社では、既存まとめサイトを焼き直してPV数稼ぐ、みたいなことをさせられたのですが、何記事か書いてやめました。

(※2)高山ゼミ:メディアからの情報取得・分析方法を学ぶゼミ。2022年度からは馬路ゼミとして活動する。詳しくはこちら

(※3)HCAP:討論・文化交流によるカンファレンスへの参加と企画・運営を通じてハーバード大学生と交流する学生団体。詳しくはこちら

(※4)すずかんゼミ:学術を俯瞰するために、藝術との饗宴を図るゼミ。詳しくはこちら

(※5)GEIL:毎年夏に「学生のための政策立案コンテスト」を開催する学生団体。詳しくはこちら

(※6)Bizjapan:グローバルな視座とアントレプレナーシップを持った人が集いプロジェクトが走り出すNPO。詳しくはこちら

(※7)テント列:諸手続きや一つ上のクラスで同じクラスの先輩(通称、上クラ)との顔合わせの後、部活動やサークルなどの学生団体から勧誘を受ける。各団体が道沿いにテントを連ねていることから、「テント列」と呼ばれ、応援部やアメフト部を先頭に毎年非常に積極的な勧誘が行われる。ただ、2020年度と2021年度は新型コロナウイルス感染症感染予防のため中止された。2022年度は、「諸手続き後新歓活動」として開催される。

—----1Sセメスターで行っていた活動について教えてください。
 尊敬する友人が入っていた高山ゼミやHCAPには絶対入りたいと思っていて、その選考にはまず落ちないと高を括っていました。他大での仮面浪人や海外ひとり旅など、同期学生と比べて多様な経験を積んでいる方だと思っていたので。しかし、結果は全落ち、正直言って愕然としました。
 自分は偶然性によって生じたコミュニティよりも自分で作ったコミュニティを持ちたいと思っていました。なので、同じクラスの人(通称、同クラ)とはあまり関わらず、当時同クラが図書館前の芝生でやっていたランチ会から離れて喫煙所にいた留学生たちとご飯を食べたりとかもしていました。あ、自分は喫煙はしませんよ笑。また、自分が1Sで仲良くなった他クラスの人は授業で一緒になった人たちが多かったです。他にも、他クラス合同の英語中級やスポ身で馬が合った人とも個別に仲を深めていましたね。(こののちサークルを創るんですが、ココで仲良くなった友人にも2年間ずっと頑張ってもらいました。)大学ではクラス単位で受ける授業だけでなく、さまざまなクラスの人が集まる授業も履修するので、その中で仲良くなれる人を探すのも大事だと思います。
 自分は選考のあるサークルは全落ちし、選考のない川人ゼミ(※8)や東大ドリームネット(※9)、そしてMPJ(※10)に所属していました。
 川人ゼミは、元々興味あった地理ができるのではないかと思い加入しました。活動としては週に1回ずつ、講義を受けたりフィールドワークに参加したりしていました。川人ゼミでは、1週間で3回くらいフィールドワーク企画があったので、そのうち1/3くらいに参加していたようなイメージです。これは周りを見ても多い方でした。ただ、その後川人ゼミに誘ってくれた先輩と大喧嘩してしまうという大失態を犯してしまいました。そんな中でも仲良くして下さった地域社会パート(※11)の班長がいらっしゃったのですが、その人にまだまだ経験値でもディスカッションの能力でも勝負できる状態ではないと痛感してました。そういった経験もあって、この団体はコミュニティとしてアリだなと思いましたね。
 次に、東大ドリームネットは、いろんな人に会えるんじゃないかという期待を持って入りました。初めにもあった通り、「何かやりたい!いろんな人と関わりたい!」という気持ちが強かったからです。でも、実際はほとんど活動ができなかったんですよね。「どうしてだろう?」と思いつつ所属していました。
 また、自分は前年度いた大学でサブサハラ地域の経済発展の小論文を書いていたこともあって、アフリカの経済成長やそれを支える政治システムにも興味があったのでMPJへの加入を決めました。ただ、MPJでは文化を重視した活動をしていたので、自分の興味とは活動が合わず、また同じ目線・熱量を持って考えてくれそうな人を団体内で見つけることができなかったので、「少し違うな」と思ってしまいました。
ここまでが、自分が4月から6月に経験したことです。

(※8)川人ゼミ:現場主義をモットーに、現職弁護士の講師の下、講義やフィールドワークを通して社会の諸問題を考え学ぶゼミ。ゼミ情報はこちら

(※9)東大ドリームネット:東大生が、社会の第一線で活躍する東大卒業生と語り合うことを通して、自らの価値観や生き方について考えを深め視野を広げ視座を上げることをともに目指し活動していた団体。

(※10)MPJ Youth:アフリカを学び、発信する日本最大級の学生アフリカプラットフォーム。詳しくはこちら

(※11)川人ゼミでは、4〜5個のテーマ(労働・教育・地方創生など)に応じたパートが設置され、メンバーはそのいずれかに所属する。パートの運営メンバー「パートリーダー」がフィールドワークや勉強会、学生発表を企画する。

 その他には、香港大学と交流する体験活動プログラム(※12)や京論壇(※13)にも応募しましたが落選してしまいました。先輩の小遣い稼ぎに利用される形で(1人紹介するといくらか貰える契約をしていたんだと思います)、自分の興味関心とは大きく外れるインターンシップも色々と紹介されましたね。自分で探せばよかったのですが、当時は何もわかっておらず、イライラしながら断っていました。
 あとは、たまたま初年次ゼミナール(※14)で岡田晃枝先生(東京大学大学院総合文化研究科准教授)の「持続可能な開発について考える」という授業に当たったことも印象に残っています。他大学で行っていた、台湾とルワンダの経済比較のレポートが岡田先生に褒められて、気にかけていただけたんです。「少人数で向き合ってくれる先生がいるんだ」と歓喜したのを覚えています。この授業で扱ったジャカルタの交通システムを実際に見たいと思って訪問することもしました。ただ、駒場祭(※15)で、「この授業内での各学生の発表をポスターにまとめてセッションする」というイベントの企画を先生に依頼されましたが、企画リーダーを安請け合いし、9月に頓挫させてしまいました。
 そういえば、5月ぐらいからヒッチハイクも始めました。新歓合宿の帰り道でやってみて、安く旅できて東大で知り合えない方と話せるのが楽しく、ハマりにハマって前期教養の間に10000㎞以上やりました。
 そんな中で、よく考えてみると夏休みにすることがないと気づいたんです。忙しいアピールをするために、友達と中国へ行く旅行を企画したり、川人ゼミの先輩が組んでくれた山口での地域ツアーに参加したりしました。

(※12)体験活動プログラム:夏休みに今までの生活と異なる文化・価値観に触れることを目的として実施される、東京大学独自のプログラム。詳しくはこちら

(※13)京論壇:北京大と東大とで学術交流を行う学生団体。詳しくはこちら

(※14)初年次ゼミナール:入学したての東大生が、春学期に必ず履修しなければいけない必修科目の一つ。大学以上の学問を学んでいくために必要な「自発的に問いを立て、答えを導く」というプロセスを学ぶとともに、論文の執筆のために必要な先行研究や素材集め・議論・執筆の作法に至る、大学で学ぶ者として最低限身に付けておかなければならないことも学ぶ。

(※15)駒場祭:毎年11月下旬に駒場で行われる、東大の学園祭の一つ。

—----当時の日々の過ごし方やそれに対してどう感じていたかを教えてください。
 当時は、1限に駒場に向かい授業を受け、空きコマは図書館で勉強していました。空きコマの時間に、同クラが食堂で遊んでたということは知っていましたが行く気が無かったです。普段は5限が終わると帰宅していましたが、週に一回は塾講師のバイトをしているという感じでした。あとは浪人時にお世話になった先輩にたまに会ったりもしていましたね。
 当時の自分の心境としては、正直あまり充実感はなかったです。「今のコミュニティに自分はとどまるべきじゃない」と思っていました。4年間ずっとここで過ごすのは嫌だな、と。他大学にいた時も、「東大に行きたい」という思いがあって、「ここにとどまるべきではない」と思っていたので、それと同じような気持ちでした。活動している時は楽しかった一方で、いつ辞めるかということも同時に考えていたような感じです。
 当時は、東大に抱いた期待値が狂っていたせいで、どうも色んなことに違和感を持っていました。
HCAPなどブランド価値の高い団体で「東大の中でも無理して特別であろうとする」人に違和感を抱いたり(落ちた腹いせ)、年下で尊敬するような点もない先輩に敬語を使うことをゼミで強いられたり、例を挙げればキリがありません。
 だからと言って、自分には極めて熱中している分野があったわけでもありませんでした。アフリカの政治経済の授業も受けていましたが、専門にするほどではないと感じていて、旅行など趣味程度でいいかなという感覚でした。実は、自分が「これを学びたい」と思うものを見つけたタイミングは結局ありませんでした。ある特定の学問分野を極めることは、自分の大学の過ごし方として違うなと1Sセメスターの段階で感じたんです。親が会社をやっているということにも影響を受け、なんとなく経済が面白いと思っていたという感じです。
 まとめると、当時の自分は「ここは違うな」と何に対しても思っているようなひねくれ者でした。ただ、「このコミュニティでずっと過ごすのではなく、変わっていきたい」と感じる一方で、東大での自分の経験値が低いというのも自覚し、「いろいろ挑戦する中で何か変わっていくのではないか」という希望も持っていました。
 
—----これはやっていて特によかったなと思うことを教えてください。
 自分の大学生活は1Aセメスターから始まったと言っても過言ではないので、あまりないですが...怪我をしない程度地雷を踏み抜きまくるのは大事かなと思いました。「これをやるとダメだな」、とか「こういうことに関わったら嫌な思いするんだな」、とか「こういうことには関わっちゃいけないな」ということを実感することができたということは意味があったといえばあったと思います。
 それ以外には、やはり単位を落とさずそれなりにとることができたのがよかったと思います。1Aセメスターや2Sセメスターでは、多くの人はそれまでの蓄積でやりたいことが増えていくと思うのですが、自分もその通りだったので、1Sセメスターのうちに授業を後回しにしなくてよかったですね。
 また、頼りになる先輩を複数コミュニティに作っておくことができたこともよかったです。自分の場合、川人ゼミの地域経済系の先輩や、予備校からの知り合いで東大ドリームネットに誘ってくれた先輩の2人がいました。お二人には、大学の講義や進振りを賢く生き抜く知恵を教えていただいただけではなく、大学生活のプランニングの方法やコミュニケーションで困った時に自分の中の改善点も示していただいて、そういう人が身近にいたというのは本当によかったと思います。

—----逆にこれはやったほうがよかったなと思うことがあった場合教えてください。
 前提として、1Sセメスター当時の自分があの時他に何かできたかと言われたら、何もないと思います。全て挑戦した結果だったので。
 一般論として思うのは、今見えている世界が全てではないということを常に意識しておくべきだということです。具体的には、今所属している団体・ゼミは全てではない。今自分が所属しているコミュニティをやたらに神格化するのは違っていて、他にもいい場所があるというのを念頭に置いておくべきだと思います。自分が所属コミュニティで楽しんでいる間に、他のサークルやインターン先でバリバリ楽しんだり勉強している人もいると知ることです。視野が狭くなると、チャンスを逃してしまうこともままあると思います。視野を広げるということは、本当に大事なことだと思います。
 ただ、逆に一旦「これだ」と決めたら、根拠が足りなくてもめちゃくちゃに頑張ることは大事だとも思います。死ぬほど頑張れることを見つけたら、多少過労を心配されるほどには、せめてそのコミュニティでもココの領域は第一人者だ、となるぐらいは頑張ってほしいです。複数のサークルに所属しているがゆえに、それぞれの活動に薄くしか関われていない人を見ると、それは本人にとっても団体にとっても幸せではない状況だと思ってしまいます。ある活動にフルコミットすることは非常に大事だと思いますね。

—----最後に新入生に一言お願いします。
 大学生活は長いですが、思ったより短いです。だからこそ、選択と集中はしっかりしましょう。
 ただ、自分はその中でも集中の方が大事だと思っています。東大生は、一般的に割と賢いと思うので、自分が体験するであろう不利益を容易に想像することができます。自分にとって不利益になりそうだと察したら、そのコミュニティから離れたり身をひいたりすることがうまくできる人たちが多い。ただ、そういうふうに痛いところから逃げ続けると、本当に意味のあるところからも遠ざかってしまうと思います。しばらく我慢して頑張っていた方が最終的な利益が大きい、ということもよくあります。多少馬鹿になっても熱中してほしい、それが伝えたいことです。

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